25日、2月1日京都での蓄音器コンサートのプログラムの最終チェック。今回は第1部がクラシック系、第2部がポピュラー系の2部構成。今から約百年前の巨匠による歴史的名演から大珍盤まで色々準備しております。
本来は本業の歴史的な古楽器演奏を沢山ご紹介したいところながら限られた時間内で広範囲のネタを披露しなければいけないので今回は1枚だけ掛ける予定。アッと驚く古楽器によるBach演奏をご期待ください。後は今まで秘蔵していた世界でたった1枚しかない希少盤も披露の予定。乞うご期待!
3日、今年は2月1日(土)に久 々に蓄音器コンサートを開催いたします。京都三条のド真ん中、池田屋騒動跡からすぐで昔VOXという人気ライブハウスがあったビルの3階にあるイベントスペースが会場です。約30席ながら素晴らしい音響の空間でいつもの1930年英国製の大型ラッパ蓄音器で百年前の歴史的名演のSPレコードをタップリお聴かせいたします。第1部(15時~)はクラシック、第2部(17時半~)はポップスの名盤をご紹介の予定。現代のデジタルサウンドよりも百年前の電気を使わないアコースティック蓄音器の方が音が良いゾ!と言う事を是非体験してみてください。お越しをお待ちしております。
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23日、久々にスタジオ周辺を散策。毎夏ご近所の池に大量に発生するザリガニを見に行くも何故か1匹も見当たらずガッカリ。余りの猛暑で水底に潜ったままなのか? 池にいたのはアメンボ類とシオカラトンボだけでした。
先日の音大のでレクチャーで使用したCDの整理。数えると70枚近く持ち込んでました。今の若者はもうCD全く持っておらずネットでしか音楽聴かないのでベーシックな音楽知識が意外に狭い様子。古楽器の演奏などは皆初めてながら聴けば面白いと言う学生結構いましたね。
久々に蓄音器引張り出しレクチャー企画で使う音源を選択。今回は多少不真面目な?選曲でも良さそうなので秘蔵の爆笑ネタを仕込む事に。しかし約百年前のアコースティック蓄音器の音の存在感はいつ聴いても圧巻! 今回の企画は音響素晴らしい会場での演奏なので楽しみであります。
11日、今日は現在家財処分進めている実家について少し語ります。私が生まれた実家は昭和14年に祖父が建築。現在の家の隣に母屋があったものの阪神大震災で被災し惜しくも取り壊して今は庭に。母屋の隣には道の真ん中に生える大きな松があり昔から「一本松」として有名であった。この一本松がかの谷崎潤一郎の小説「細雪」に登場しており我が家らしき家が描写されている。四女妙子の恋人奥畑の家として書かれている文は「~西宮の一本松の傍に家があると云われたのが意外だったので、或る日、あのマンボウを通り抜けて、一本松の所まで行って見たら、成る程ほんたうにお宅があった。前が低い生垣になっている、赤瓦に白壁の文化住宅式の小さな二階家で、ただ「奥畑」とだけ記した表札が上がっていたが、表札の木が新しかったのを見ると極く最近に移って来られたのであらう」とある。谷崎は細雪執筆前から実家の向かいの家に知人が住んでいたので良く通ってきていたらしい。ただウチの実家をそのまま描かずご近所の家の特徴を混ぜた様で低い生垣や赤瓦はご近所の家の様子だったらしいが一本松の傍の白壁の文化住宅式の小さな二階家は正にウチの実家そのままである。決定的なのは谷崎が通っていた当時新築の家はウチだけだったので表札が新しいというのもウチを描いた証拠と言える。
谷崎はさらに「二階の窓がすっかり開け放しであって、白いレースのカーテンの中に明るい電燈が燈っており、蓄音器が鳴ってゐたので、暫く立ち止まって様子を窺ふと、たしかにあのお方ともう一人、ー女の方らしい人の聲がしたけれども、レコードの音に妨げられてはっきりとは聞き取れなかった。(と、さう言ってお春は、さうさう、そのレコードはあれでございます、ほら、あの、ダニエル・ダリュウが「暁に帰る」の中で謡ひました、あの唄でございます、と云ったりした)で、自分がその家を見に行ったのはその時だけである。」と書いている。細雪執筆時一本松傍の二階建ての家の部屋で蓄音器を掛けていたのはどうも私の親父だった様である。10代の学生だった親父はその頃道路に面した二階の角部屋に暮らしており良く蓄音器を掛けていたとの事。多分谷崎は偶然一本松を通り掛かった際の風景を小説に取り入れたのであろう。親父がその頃愛用していた国産卓上蓄音器は現在私が「谷崎が聴いたかもしれない蓄音器」として大切に所有している。数年前に某国営放送の終戦記念日特集ドラマの冒頭でも使われたので多くの方がご覧になっていたかもしれない。ただ谷崎が小説で描写したダニエル・ダリューの歌は当時流行した盤であるが残念ながらウチには無かったのでこの部分も谷崎の創作だった様である。細雪にも登場した我が実家とも間も無くお別れとなるのでその縁を語らせて頂いた次第。
30日、スタジオにロールピアノ研究家来訪。20世紀初頭ピアノ演奏を自宅で楽しむ方法として蓄音器でのレコード再生と共に人気があったのがロールピアノの自動演奏。著名ピアニストの演奏を記録した紙ロールを自動演奏機能付きピアノに装着して名演を家庭で楽しむという大掛かりで高額な装置ながら一時期はまだ貧弱なサウンドでしか鳴らなかった蓄音器よりも人気があったとの事。レコード録音には間に合わなかった19世紀の有名演奏家のピアノ演奏が多数残されているのも魅力だそうな。いつかロールピアノと蓄音器で19世紀の名ピアニストの演奏聴き比べを開催したいと画策中。ただ状態良いロールピアノが日本には殆ど無いのが問題か・・・。
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