2024年12月 1日 (日)

老舗劇場公演

1_202412020620011日、朝ホテルを出ると大広場で日曜骨董市開催中、パリ市民の骨董好きに呆れながら散策するも今日も冷やかしのみで散財せずに退散。

22_20241202062301今日はエッフェル搭の上半分が雲に掛けくれる珍しい風景。

14_20241202062901パリ滞在中ちょうどフルートの大御所とフランスの俊英チェンバロ奏者の共演があると知り老舗劇場へ。歴史感じる豪華な内装が素晴らしい。空間広いのでチェンバロの音が届くのか心配するも充分客席まで聴こえている様で感心。

9_20241202063801自由席だったので普段は高額チケットの客向けのBOX席を初めて利用し少し貴族気分を味わう事に。天井が低い割には意外にもチェンバロの音充分聴こえてました。終演後サイン会に日本でいつもお相手するCem奏者に顔見せると「お前何故ここにいるんだ?」と大変驚いていた様子。

26_20241202064601その後パリの若手チェンバロ技術者とランチ。私は日本ではお目にかかれない?タルタルステーキでフランス料理を堪能。フランスのチェンバロ最新事情を詳しく伺う事が出来アリガタシ。ここでも業界の世代交代の気配を実感。

52_20241202065001夜はフォルテピアノ奏者のお宅を訪問しレプリカやオリジナルフォルテピアノを試奏、ついでにお願いして調律も。パリのフォルテピアノ最新事情をじっくり拝聴出来こちらもアリガタシ。

42_20241202065901 奏者宅の前にロシア正教の由緒ある教会があると伺い見学。暗闇の中での荘厳な礼拝が素晴らしい。

 

 

 

2024年11月30日 (土)

パリ博物館骨董屋巡り

5_2024120105260130日、パリに到着し朝から楽器博物館へ。移動の地下鉄でチェンバロを使った面白い広告があったのでご紹介。

21_20241201054101パリ楽器博物館はチェンバロやフォルテピアノのコレクションが充実しておりどの楽器も極上の外観なので見応えあり。

196チェンバロは初期イタリアンから19世紀以降の復元楽器まで年代・地域別の並べられており。豪華な装飾の楽器などは全方向から観察出来るのがアリガタイ。

1811フォルテピアノはウィーン式よりもフランス製のエラールなどに重点を置かれたユニークなラインナップ。

十数年振りに訪問すると展示が変わっており見たかった初期フレンチのチェンバロ(ティボー)が無くなっていたりとかなり変更があった様子。

441楽器見学の後はパリの骨董市を冷やかしに訪問。相変わらず広大な面積に余りに沢山の店が並んでおり全部見る事が出来ず途中でギブアップ。しかしあらゆるジャンルの専門店がありマニアには堪らないエリアでした。幸い無駄な散財せずに手ぶらで退散出来てホッ。

371骨董の中に楽器は無いかと見ていると数台古い豪華装飾のピアノ有り。看板代わりに店頭に飾っている様なので演奏出来る可能性は低そうでしたが。

571夜は某個人宅で秘蔵のオリジナルフォルテピアノを特別に触らせて頂く事が出来大収穫。丁寧に修復された楽器で最近CD録音にも使われたそうな。同じく百年前のフランス製ピアノの音色の素晴らしさにも感嘆!

 

パリ楽器博物館訪問

11_20241201063301パリ市内の地下鉄駅前にあるパリ楽器博物館を訪問しましたのでお紹介。モダンな建物の中に様々な楽器が判り易く分類されており一般の方にも親しみ易い博物館。毎日?展示場内で各種楽器の生演奏も有る様です。今日はサントゥールの生演奏有り。

41_20241201064401まずは入口で各種楽器で目立つタイプをまとめて展示。管弦打楽器多数、1台小さな鍵盤楽器もありました。チェンバロ・フォルテピアノ等鍵盤楽器は数十台展示されていましたので印象的な楽器をピックアップしてご紹介。

51_20241201064701 チェンバロではまずはイタリアンチェンバロの紹介で1579年製Baffoのイタリアンが登場。早くから高音部の音域がF3まであるのが興味深い。

24_20241201064901次に1677年製Fabyの豪華装飾のイタリアン。象嵌細工も大理石装飾も本当に綺麗に残っている逸品。

291次はフレミッシュタイプを紹介。17世紀初頭作のルッカース2段。18世紀にラバルマンされたとの事でフレンチ仕様の外装。

421次はフランス様式のチェンバロの紹介。17世紀リヨン製と思われる作者不明の楽器が。自国チェンバロの最初期の重要なポジションの楽器だけに特等席で展示しているのが立派。

681次はアントワープのクーシェ1652年製の楽器。18世紀にフランスでラバルマンされたとの事でこちらもフランス風外装ながらスパイン側の側面はフレミッシュ特有の大理石模様が残っておりました。ここのチェンバロ展示は柵もガラスも無く間近で360度すべての方向からじっくり観察出来るのが素晴らしい。

821 こちらは現代の製作家に良くコピーされえいたグジョン1749年製の楽器。シノワズリの豪華な外装が素晴らしい。

991後は解説なかったものの19世紀末に復元されたエラール製のチェンバロも有りました。他にも現代製作家によるフルコピーのチェンバロが館内での演奏会用に展示されてました。

1071  チェンバロに比べるとフォルテピアノは少なくウィーン式フォルテピアノは僅か。ピアノはフランスの1788年製のタスカンのピアノから始まったと言わんばかりの展示が面白い。

123119世紀に入っても活躍するピアノメーカーはエラールと言いたげな展示。1802年製のエラールのフォルテピアノには早くも第2響板が装着との事。もしかするとウィーンよりも早いのか?1800年前後のフランス製フォルテピアノは余り注文されていなかっただけにこちらの展示で認識を一変しました。

169勿論ショパン時代のプレイエルもありました。ただ19世紀後半以降のピアノは全く置いておらず不思議。他の楽器では20世紀以降の楽器も沢山展示されているのですが。

1931また博物館には弦楽器管楽器の展示が充実しておりだれでも楽しめます。今回は鍵盤楽器だけで時間掛かってしまい他の楽器まで手が回らなかったのですが1日掛ければ相当数の楽器が見れるはず。

 

2024年11月29日 (金)

ベルギー製楽器ばかり

43_2024113007100129日、楽器博物館巡り3か所目は昨日に続き大手ピアノ店が持つピアノ博物館を訪問。ブリュッセル南駅近くという便利な場所にあるお店の2階3階にすべてベルギー製の楽器十数台を展示。ベルギー製楽器と言えば古くはルッカースチェンバロの産地として有名ながら18世紀から20世紀までピアノ生産地としても活躍していたとは失礼ながら知りませんでした。フランス系に近いものの一味違う個性のピアノが面白い。

6_20241130071801チェンバロ技術者としての目玉は何と言ってもオリジナルの2段ルッカース、演奏不能な状態ながら音域拡張されたラバルマン楽器の内部が間近に見れるのはアリガタシ。

2_20241130072201見学の後はご近所の広場で開催の骨董市を冷やかしに。アンティックというよりは不用品中心のガラクタ市でしたが趣味のSP盤を見つけたりと楽しいひと時。

14_20241130072601見学後パリまで移動。早速長らくフランスで活躍する邦人演奏家の方とお会いして最新情報を拝聴。やはりどこも世代交代の波は来ている様子。

16_20241130072901夜はスーパーで夕飯を仕入れ。珍しく?「sushi」があったので恐々試してみるもネタをおこわで固めた様な凄いモノでした。

クリスマーネピアノ博物館ブリュッセル

1_20241130163701ブリュッセル南駅すぐという便利な場所にあるクリスマーネピアノ博物館ブリュッセルを訪問。3階ある店内は1階は高級ピアノショップ(スタインウェイ、ヤマハ、カワイなどと自社製ピアノが展示)、2階と3階が博物館。ここの展示楽器はすべてベルギー製という拘った内容。

4_202411301640011階のショールームには自社製平行絃現代ピアノも主役として展示。現在このピアノの普及に熱心に取り組んでいる様子。このユニークなモデルもいずれ日本にも入ってくるのかも。

 92_2024113016420119~20世紀のピアノ製造は隣国フランス・英国、ドイツそしてオーストリアなどが主役だと思ってましたが実はベルギーもかなり有力なピアノ生産国だったのだとか。それを実証するために作った博物館の様ですね。自国愛溢れる思いが伝わります。

9_20241130164901チェンバロは1台だけですがベルギー・アントワープで繁栄したルッカース一族の楽器を特等席に展示。2段鍵盤の楽器ながら後世ラバルマンされたとの事で原型はとどめていない分改造の様子が間近で見る事が出来ます。

18_20241130165201演奏不能な状態ですが底板を外し床下のガラスの下に埋め込んで内部の構造が見える様にするなど工夫された展示が素晴らしい。

43_20241130071001 展示されているベルギー製ピアノはスクエアから竪型までユニークな形状のモノが多くその独自性を存分にアピールされてます。

75_20241130165501ピアノの目玉楽器は1850年頃作の平行絃グランドピアノ。外観といい構造といいほぼエラールの模倣の様ながら当時業界トップのピアノに近いレベルのピアノをベルギーで作る事が出来たという事に感嘆しました。

78_20241130165801中を覗くと金属支柱や下からのダンパーなど見れば見る程エラールそっくりであります。このピアノは試奏が可能。昨日のロシナンテの本社にある2つの博物館とブリュッセルの博物館計3つを民間企業が運営しているという事には驚きました。その上チェンバロやフォルテピアノなどの古楽器製造にも熱心に取り組み、果ては?平行絃やラウンド鍵盤などのオリジナルモデルの現代ピアノまで開発しているマーネ社の躍進振りに脱帽した次第。やはり社長のマーネ氏の鍵盤楽器への熱い思いの結果なのでしょうね。この3つの博物館も機会あれば是非ご覧あれ。

 

2024年11月27日 (水)

白耳義入り

2_2024112802380127日、暖かかった台湾から15時間のフライトで肌寒い巴里に到着するもすぐにTGVに乗り換え白耳義へ。私が欧州に行きだした頃は巴里ブリュッセル間夜行列車で5時間も掛かってましたが今やTGVで90分で到着とは早くなったもんです。

2_20241128024101ブリュッセルに到着すると中央駅すぐ近くの楽器博物館へ。詳しくは改めてご紹介の予定。様々な楽器が並んでおりひとつづつ丁寧に見ると1日では終わらないので注目楽器をメインにして絞り込んで見学。ただお目当ての初期フレンチの銘器が展示から消えておりガッカリ。アールヌーボー装飾美しいカフェも休業中でした。

8_20241128024301約3時間じっくりと楽器コレクションを堪能した後は駅前のパブでベルギービール片手にひと休み。白と黒のビール共に美味し。

10_20241128024501街はもうXmas気分かなり盛り上がっており様々な電飾が見事。

1_20241128052601夜繁華街の安宿近くのスーパーで夕飯買い出し。ビール売り場を覗くと地ピールの余りの種類の多さに仰天、どれも良さげで全部試したいところ・・・。適当に選んだビールが結構当りで実に美味い!

ブリュッセル楽器博物館訪問

3_20241128025001この度訪れたブリュッセル中央駅徒歩数分の便利な場所にあるブリュッセル楽器博物館は19世紀に建てられたアールヌーボー様式の建物にあり数千点の古今東西の楽器コレクションを厳選して展示している欧州有数の楽器博物館です。

62_20241128030201 多数の楽器展示の中、ベルギーは有名なルッカース一族を生み出した国だけにチェンバロのコレクションが実に素晴らしい!

34_20241128030301チェンバロコレクションの目玉はやはりハンブルグの名工ハスの作った16f付き大型2段チェンバロ。その作りの緻密さと美しさが評判高い彼の楽器は16fが入り張力にかなり無理が掛かっているのに数百年全く変形していない。見事な設計と製作のお陰でしょうね。先日来日したAシュタイア氏が所有する16fチェンバロ(パリのAサイディ作)はこの楽器のコピーですね。いわきの16fチェンバロは違うモデルですが、

10_20241128031001同じくハス作のクラヴィコードも見た目美しく堂々たる楽器であります。

152_20241128031602勿論ルッカースの楽器もあります。これはチェンバロとヴァ―ジナルが合体した巨大な親子ヴァ―ジナル。

54_20241128031801デラン作の縦型チェンバロもあります。普通サイズのチェンバロを縦にした様な構造だけに背が高過ぎて日本家屋には入らないでしょうね。

118珍しいチェンバロもいくつかありこれは復元チェンバロの最初期1891年に作られたプレイエルのチェンバロ。ピアノメーカーが初めてに近い時期に作った楽器にしてはヒストリカルに忠実ですが早くももうペダルがついてますね。

168面白かったのがフレミッシュながら16fが付いている楽器。強い張力を支える為響板が段々畑になっている珍しい設計でした。他にも多数のチェンバロ展示されていますが以前は看板楽器だった世界に3台しか残っていないティボーの素晴らしい装飾のチェンバロが展示されてなかった事、またベルギーのチェンバロ製作の重鎮故アイヴァン・アルー氏の工房が博物館内に再現されていたのも簡略化されていた事などがチト残念。

92フォルテピアノも中々充実した展示。ウィーンでも英国でも仏蘭西でも無いベルギー製の楽器が珍しい。

1351フォルテピアノ陣の中でも目玉楽器は現存する中では最もコンディションが素晴らしいと言われるウィーンのシュタインの5オクターブか。

129_20241128033301鍵盤楽器以外の古楽器も実に充実したコレクション。これはセルパンを使った装飾シャンデリア?ただ残念なのは以前はあったカフェが廃止されてしまってた事、アールヌーボーの内装を味わいながらゆっくりお茶出来たのに残念。便利な場所にあるチェンバロ・フォルテピアノが充実した楽器博物館なのでまだ未見のかたはブリュッセルに立ち寄った際是非覗いてみてください!

 

 

 

2024年11月25日 (月)

16fチェンバロによるゴールドベルグ変奏曲

11_2024112523050125日、みちのくのホールでの御齢91歳になる日本古楽界のレジェンドCem奏者による「ゴールドベルグ変奏曲リサイタル」(12月15日)まで後僅か。モダンチェンバロ全盛期からお弾きになっているので多分日本で一番16fに精通されている巨匠が日本のホール楽器としては唯一という16f付きヒストリカルチェンバロをどう料理されるか実に楽しみであります。「私には16fのイメージが明確にあるのです」とおっしゃっておられるだけにわざわざみちのくまで足を運んでも価値が有る「究極のBach演奏」が聴けるはず・・・。

3_20241125232601この公演、もうひとつの注目は会場ロビーに展示される1970年代からの日本での古楽コンサートの貴重なチラシ陣。私の手元で保管されている国内外の様々な古楽奏者の懐かしいチラシ約1000種類の中から厳選された約百枚を皆様に見て頂く予定。巨匠の演奏と共に日本の古楽の歩みも見て楽しんで頂けるはず。乞うご期待!

2024年11月24日 (日)

チェンバロオルガン2台調律

3_2024112422450124日、「救世主」公演にチェンバロとオルガンで出動。ここの舞台は照明の熱でかなり温度上昇するよとの事で熱さを想定して2台を慎重に調律するも本番では何故か温度が下がり始めヒヤリ。その上冬特有の舞台上で異常乾燥も始まり2台の調律合わせるには中々難易度高い現場となった次第。

2024年11月21日 (木)

欧州で活躍していたチェンバロ

1_2024112119030121日、欧州のコンサートで活躍していた阿蘭陀製2段チェンバロが密かに日本に渡ってきていたと伺い拝見しに長距離ドライブへ。所有者の方に楽器のお話伺ううちに昔の様々な欧州古楽事情を沢山拝聴する事が出来古楽史研究家としても大収穫。帰路最長老のチェンバロ製作家の工房にもお寄りしてここでも日本古楽史の興味深いお話を色々拝聴。

4_20241121191601訪問地が漁港近くなので海沿いの鄙びた大衆食堂で地魚の干物と刺身の定食でランチ。鯵の干物美味かったものの観光地沿線なのでチトお上品な値段だったのが残念。

7_20241121192001周辺温泉激戦区でもあるので食後にひと風呂浴びようと大きな温泉街の裏通りにあるこれまた鄙びた老舗旅館へ。貸切で気分良く湯舟に飛び込むも余りの熱さに我慢出来ずすぐに退散する羽目に。良く見ると外の看板に「あつい温泉」とあり地元民は皆熱湯を承知で来られる様子。

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