ハンブルグ美術工芸博物館
北ドイツの大都市ハンブルグ駅前にあるハンブルグ美術工芸博物館を訪問。ここは美術工芸品に交じってチェンバロやフォルテピアノのコレクションも多数展示しています。訪問時一部改装中で楽器展示が以前と少し変わっておりました。
現在は1階にチェンバロ、2階にフォルテピアノと2ヵ所で展示。工芸家具の展示室にも数台展示されておりました。
ここのチェンバロ陣の中では一番有名なのがハンブルグの製作家クリスチャン・ツェル作の2段チェンバロ。昔から状態の良いオリジナルチェンバロとして有名で沢山録音にも使われておりこの楽器をコピーする現代製作家も多い超銘器。残念ながらフタ閉まっており中は見れなかったですが豪華な外装だけでも見る価値有り。
イタリアンチェンバロも豪華な外装の楽器多く中々の充実振り。ここの楽器コレクションを収集していた主は豪華な外装のチェンバロが好きだったのでは?
所蔵楽器で意外だったのはフランス製では現存最古という1630年作のチェンバロ。後にオルガンを合体した面白い楽器ながら豪華な外装が素晴らしい!
楽器紹介本で表紙を飾ったのがこの作者不明のフレンチ2段。外装やメカニックも標準的な18世紀フランス仕様。
アントワープのAルッカースが1636年に作ったと記されている2段チェンバロ、実は有名なタスカン作の偽作との事。作りは正にタスカンらしい頑丈な作りなのですぐにばれたのでは?と思うも当時の異様なルッカース人気の前では通用したのでしょうね。
18世紀後半の英国式チェンバロは音量音色変化の独特のメカニックが間近で観察出来て面白い。ここのコレクションの楽器でコンサートをした方に伺った話ではこの英国式チェンバロを勧められたとの事で状態良いのでしょうね。
ここの展示は壊れていたオリジナルチェンバロをそのまま並べていたりと中々ユニーク。ただ残念だったのはお目当てのハスかツェルが作った16f付きチェンバロの現存するフタが見当たらなかった事。改装で仕舞われてしまった様子。
フォルテピアノ陣も中々の充実振り。英国式は少ないもののウィーン式は多数所有。
シュタインやワルターなど有名処は無いもののモーツァルト~ベートーヴェン初期に合うモデルとしてコピーされているケーニッケがありました。
フォルテピアノの部屋に何故チェンバロが?と思いきや1785年英国製のフォルテピアノでした。フタが開ていないので中の構造が見れないのが残念。
特等席のガラスケースの中で鎮座するのは1813年ウィーンのベルチェ作の6オクターブのフォルテピアノ。この楽器も最近コピーされているので日本では無名ながら欧州では評価高い楽器か。
ここの楽器は豪華な外装を見てもらう為か大半フタが閉まっており残念。しかし展示場で上映されている紹介ビデオを拝見すると演奏可能な状態の楽器も多い様子。以前は定期的にスタッフによるデモ演奏があり弾けなくても音色は聴けたのですが今は不明。
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