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2024年12月

2024年12月31日 (火)

今年1年を振り返る

2_2024123106370131日、大晦日。今年1年当Blogお読み 頂きありがとうございました。最後にこの1年を振り返ってみたいと思います。年明け早々北陸で伊太利の弾き振りのVn奏者と欧州で活躍するCem奏者とオケ公演 でご一緒のはずが元旦の大地震で公演中止の危機に。ホールも被害出ており駄目かと諦めるも幸い1公演だけ開催。今年は最初から波乱の幕開けに。

4_20241231064901ブルージュチェンバロコンクールの覇者のポーランド人(名前が覚えられない!)初来日 。新人の地味なチェンバロソロ公演ながら全国7か所もお呼びが掛かったのにはビックリ。私は5公演に参加、ジャーマン、フレンチ、16fチェンバロと楽器が変われど抜群の鍵盤コントロールで見事に弾きこなす剛腕振りに感嘆。ここ最近で一番驚いた逸材。

6_20241231065701GW恒例の有楽町の音楽祭 、以前は古楽系奏者多数来日が楽しみだったもののコロナ禍でしばらく中断。今年やっと古楽系プログラムが復活の兆しでホッ。来年の本格復活を期待します。

91_20241231070001伊太利の大御所鍵盤奏者と欧州で大活躍のVn奏者のデュオが来日 。躍動感溢れる2人の素晴らしい演奏に思わず舌鼓! TV収録あったのでご覧になった方多いのでは。

17_20241231070502ウチのレンタル楽器に新加入が2台。どちらも独逸製でシュタインのフォルテピアノと1段ジャーマンチェンバロ。ウチでは初めて常時練習可能なサービスを開始。この2台は江戸川区のサロンで練習可能です(要予約)。

8_20241231071201仏蘭西の実力派チェンバロ奏者が来日しゴールドベルグ変奏曲 を披露(1回のみと勿体無い公演でしたが)。シャープな鍵盤裁きが見事ながらその独創的な音色変化に仰天、流石オルガンも弾く奏者は発想が違うもんだと感心。

4_20241231071601日本の老舗古楽グループのヘンデルオペラ にチェンバロとオルガンで参加。工夫された演出とそのトンガッた刺激的な演奏を堪能。4時間超える長丁場もアッと言う間でありました。

1_20241231072001独逸の鬼才久々の来日 、チェンバロソロ(自作曲も演奏)とフォルテピアノによるアンサンブルとソロを披露。ご高齢と病み上がりを心配するもバリバリ弾く元気な姿にひと安心。ただ少し好々爺ぽくなったかな。

4_20241231072401続いて阿蘭陀のフォルテピアノの獅子王来日 。こちらもご高齢のはずが豪快なベートーヴェンを聴かせてくれ全く衰え知らず。

571_20241231072601個人的には10年振りに欧州に行き  各地の楽器博物館を巡り(ブリュッセル ベルギー ブリュッセル2 パリ パリ2 ニュルンベルグ ライプチヒ ベルリン ハンブルグ ) 約300台を超える楽器を見、数十台のオリジナル楽器を弾けた事が大収穫。コンサートや技術者から最新の欧州古楽事情を得られた事もアリガタイ。

2_20241231073201旅行中、20世紀前半古楽復興に大きく関わりランドフスカやエタ・ハーリッヒ=シュナイダーが教えたという伯林の音大でコンサートのチェンバロ調律 出来た事は古楽史研究家として大きな喜びでありました。

8_20241231073501今年最後は御齢92歳のレジェンドによる16fチェンバロでのゴールドベルグ変奏曲リサイタル 。モダンチェンバロ時代から活躍された奏者の16fへのアプローチが実に興味深い公演でありました。

まだご紹介しきれなかった公演多数あり残念。今年も充実した1年でありました。来年もよろしくお願いいたします。

 

 

 

2024年12月30日 (月)

年の瀬恒例の・・・

7_2024123014420130日、スタジオで仕事仕舞いをした後は年の瀬恒例のご近所(ちと遠い?)の漁港市場散策へ。御節料理の買出し客と観光客で大混雑。

16_20241230144701正月名物の焼き鯛の売出も今日がピークか。結構良いお値段の大振りな鯛が飛ぶ様に売れてました。

13_20241230145001焼き鯛の老舗人気店も予約受取の客で大混雑。大量の鯛を一気に焼き上げる様子は中々壮観。しかし私は鯛は買わず蛸や穴子や揚げ物で満足。

10_20241230145401買出しの合間に老舗食堂で腹ごしらえ。寒い年の瀬はここのかす汁うどんで暖まるのが一番。地元名物の蛸を肴に熱燗で一杯やり至福のひと時。

2024年12月29日 (日)

鬼が笑う話

15_2024122909100129日、今年も残すところあと僅か。今日は鬼が笑う話を少し、来年来日予定の演奏家を紹介。まずは新年早々から仏蘭西から「チェンバロ王子 」が来日。最近はチェンバロだけでなくフォルテピアノにも進出している彼が(18世紀物だけでなくもうショパンまで演奏しているとの事)その技を日本で初披露 の予定。今回のチェンバロソロはバッハ&スカルラッティ、今回もトンデモナイ超絶技巧の鍵盤裁きを披露してくれるはず。チェンバロソロは兵庫東京、フォルテピアノソロは横浜で開催。

3_20241229092301続いて欧州で大人気の伊太利の実力派が自己のグループ引き連れ来日。バッハのCem協奏曲やブランデン5番などを披露の予定。1月は現在評判の凄腕Cem奏者2連発というのが凄い! 横浜 京都 東京の3公演。

11-640x427_20241229093501春には「フォルテピアノの貴公子」が独逸の人気古楽オケと共に来日しモーツァルトのPf協奏曲をメインとしたプログラムを披露の予定。大阪 東京 東京  三鷹の4公演。

4-640x426_20241229094101続いて仏蘭西のバロックチェロの大御所 が来日。仏蘭西で活躍する日本人奏者がフォルテピアノで共演。ベートーヴェンのチェロソナタをメインとする古楽器での公演は横浜のみとの事。

5月はまた有楽町での熱狂音楽祭開催との事、今年こそ以前の様に古楽系奏者多数出演してほしい物ですが。来年後半も多数来日予定、今年同様ブルージュ古楽コンクール覇者の公演が続く予定(ざっと数えただけで5人以上!) 乞うご期待!

2024年12月28日 (土)

またもやお宝発掘

1_2024122818420128日、ご機嫌伺い終盤の阿蘭陀製フレミッシュと新年出陣第1段の独逸製フレンチの2台の最終チェック。冬眠中だったフレミッシュかなり目覚めてきた様であと一息か。2台並べると御国柄やタイプによる音色タッチの違いが明白。

3_20241228184701ランチはご近所(ちと遠い?)大衆洋食屋へ。チキンカツ・クリームコロッケ・目玉焼きのセットで7ユーロとは驚異の安さか。今だユーロ換算して欧州物価と比べる癖抜けきれず。

4_2024122818500180年近く続いたハマの老舗ピアノ店閉店時残された資料をお分け頂き、その中に日本古楽史における貴重な資料多数含まれていたので喜んでいたら「店の片隅にまだ資料残ってました」と研究仲間より追加資料が到着。早速検分してみるとこれまた日本チェンバロ製作史における重要な証言を発見し大興奮。事によると日本におけるチェンバロ製作の1ページ目が書き換えられるかも・・・。またもやお宝発掘でありました。

2024年12月27日 (金)

モダンチェンバロ研究会

1_2024122719460127日、某所で日本モダンチェンバロ研究会の緊急例会開催。先日の欧州旅行では各地でモダンチェンバロ多数見る事が出来た上にベルリンではプレイエルランドフスカモデルの極上の状態の楽器を弾く事が出来、今日は同行したメンバーでその調査成果を改めて検証。モダンチェンバロ全盛期の音色(革のツメ使用)は今残っている楽器(デルリンツメに交換された)とは全然違うもっと魅力的な音色だった様であります。今回の旅は今だ全容が解明されていないモダンチェンバロの変遷をかなり解明出来収穫多し。収穫で驚いたのはメンバーがベルリンで見つけたという日本チェンバロ界の開祖エタ・ハーリッヒ=シュナイダーの初来日時の様子を描いたという独逸語漫画!

4_20241227200301 スタジオに戻りドッグ入り中の阿蘭陀製2段フレミッシュの最終調整。冬眠長かっただけにすぐには調子戻らず色々手を加えて試行錯誤のご機嫌取りもやっと終盤に。間も無くお披露目出来るはず。乞うご期待!

2024年12月26日 (木)

テープコレクション救出プロジェクト

12_2024122616080126日、先日より救済を試みている3000本のオープンリールテープコレクション、まだ少ししか内容確認していないものの1960年代のFMクラシック番組のエアチェックが主な様子。当時のレコードを掛けた音源は今でも聴けるはずですがライブ録音の音源はもう放送局にも残っていないとの事で正に歴史的遺産では・・・。結構古楽系の演奏多いのも嬉しい限り。噂を聞きつけ?超御宝演奏聴きたいので協力しますよと申し出て頂く方も出てきてアリガタシ。テープコレクション救出プロジェクトかなり大掛かりな活動になりそうであります。

2024年12月25日 (水)

オープンリールテープコレクション調査

2_2024122518240125日、行く末を苦慮している3000本のオープンリールテープの調査の為関東から乗り込んできた研究家の方と共にコレクションがある日本海近くのコレクター宅まで往復300kmを遠征。途中の山越えでは積雪も。

12_20241225182801約60年前のFM放送エアチェックがメインと思われるテープコレクション、実際テープを再生してみるとCDを凌駕する程鮮明な音が入っており仰天。流石アナログの最高峰オープンリールの音質は素晴らしい!偶然選んだテープは先日ご一緒したレジェンドチェンバロ奏者の貴重なスタジオ演奏だったのにもビックリ。

6_20241225183501一体テープにはどんな演奏が入っているんだ!と皆でコレクションの山に飛び付くも余りの数の多さに調査は大難航、本当は凄いお宝演奏の連続で興奮し過ぎで作業が遅々と進まなかっただけですが・・・。

16_20241225184101残念だったのは半世紀以上の経年変化で一部のテープが劣化してしまい再生不可能だった事。しかし昭和30年代に当時相当高額だったはずのオープンリールテープで膨大な数のエアチェック録音を残していたコレクターの情熱の凄さには脱帽でありました。だた相当調査が進まないとこのテープコレクションの本当の価値は判明しないでしょうね。もう放送局にも残っていないという歴史的遺産というべき音源の全容が早く解明される事を祈るのみ。

2024年12月24日 (火)

浪速へ

4_2024122416050124日、浪速に出動中湾岸の万博会場付近を通過。万博ほんまに間に合うのかいな。今から「ゴメンな、やっぱりやめるわ・・・」と言うても皆文句言わんと思うで~。

7_20241224161401ランチは24時間営業で有名な老舗うどん屋を久々に訪問。今日は浪速らしいハリハリ肉うどんと寿司を注文。昔と変わらぬベタな浪速の味ながら値段だけは令和価格、まあ文化遺産と思えば納得ですが。

2024年12月23日 (月)

越冬準備

2_2024122318470123日、久々に長距離移動。いつの間にか雪山があちこちで見れる程季節は進んでいたのかと感心。富士山はまだ綿帽子小さめでしたが。

3_20241223185101しばらく放置していたスタジオで加湿器2台稼働させ越冬準備。チェンバロ点検するも調律以外はご機嫌変わらずひと安心。

2024年12月22日 (日)

仏蘭西から技術者来訪

5_2024122218100122日、仏蘭西巴里で活躍する若手チェンバロ技術者がスタジオ来訪。ドッグ入り中の2段フレミッシュ、フタ開ける前にメーカー名当ててしまったのにはビックリ。若いながらも中々経験豊富な技術者でした。

6_20241222181401ウチのコンサート楽器を次々試奏してくれましたが仏蘭西の調整とはかなり違うのだとか。私が御相手する仏蘭西人奏者との仕事も多いらしく彼らの近況や最近の巴里チェンバロ事情も色々伺えてアリガタシ。

2024年12月21日 (土)

チェンバロ試奏

2_2024122122030121日、ドッグ入り中の阿蘭陀製チェンバロの調整3日目。長年の冬眠状態から何とか演奏可能に蘇生させる事が出来ヤレヤレ。ルッカースモデルというバランス良い設計とトップメーカーならではの精密な作りのお陰か。

5_20241221230001仕上げ作業として鍵盤楽器を鳴らす達人と言うべきベテラン奏者に試奏・弾き込みを依頼。僅かな時間弾いただけで欧州製ならではの明瞭な鳴りが戻ってきたのは流石!夜は先日の欧州視察旅行のお仲間と反省会。あんな無茶なスケジュール組んでよくトラブル無く帰れたもんだと言うのが総括でありました。

2024年12月20日 (金)

阿蘭陀製チェンバロ復活

3_2024122017440120日、ドッグ入り中の阿蘭陀製チェンバロ、やっと大まかな部分の作業が終わり仕上げ調整開始。長年の使用でずれてしまった調整を元に戻す作業を進めていると突然眠っていた楽器が豊かな声量を取り戻し始めたのでビックリ。完成時のベストな調整に戻す事が出来たのでしょうね。欧州でトップメーカーとして君臨していた明瞭かつ豪快な鳴りが復活してきたのでひと安心。

1_20241220175501作業の合間に先日の欧州旅行の支出を清算するも改めてあちらの異常な物価高に驚愕。レストランで食事しようにもまず20€以上は掛かり日本円で換算すると3000円以上にもなる計算に。今日ご近所の御贔屓の洋食屋のランチが換算すると7€弱、向こうではサンドイッチ1個しか買えない値段。30年前の円高の頃を知っているだけにいかに日本が貧乏な国になってしまったのかと溜息であります。

2024年12月19日 (木)

歌を忘れたカナリアは・・・

4_2024121917480119日、今日もドッグ入り中の阿蘭陀製チェンバロが御相手の1日。仏蘭西でコンサート等で大活躍だった楽器も日本に来てからは全く弾かれず冬眠状態が続いたとの事。すっかり「歌を忘れたカナリアは・・・」状態となってしまい蘇生させる為に四苦八苦。余り急激な変化で楽器が拗ねるのも怖いので各部慎重に様子見ながら調整。今日1日格闘し片目がうっすら開き始めたところか?

2024年12月18日 (水)

チェンバロ太った?

2_2024121817300118日、ドッグ入りの阿蘭陀製チェンバロ、立派な専用運送カバー付きながらいざ運ぼうとすると楽器が運動不足で太ったのかカバーが痩せたのかどうしても入らない・・・。最初に几帳面にジャストサイズで作ってしまうとこういう事態になるのですよ。

4_20241218174601早速楽器を総分解して各部点検。日本に来てからの湿気トラブルが多かった様でスタジオで水抜きしている内にドンドンご機嫌直りだしホッ。

2024年12月17日 (火)

阿蘭陀製2段チェンバロドッグ入り

4_2024121716510117日、楽器運送で遠方の温泉街近くの別荘エリアへ。晴天の中大海原を眺めながら延々ドライブは快適ながら渋滞もあり3時間半も掛かりやっと到着。

2_20241217165601ランチは海辺の街道沿いの一膳飯屋で鯖塩焼き定食。お婆ちゃん1人で切り盛りする小さな店ながらすぐに満席の人気店。地魚美味いのは当然ながらお婆ちゃんの焼き加減最高!

5_20241217170201仏蘭西でのコンサートで活躍したという阿蘭陀製2段フレミッシュがドッグ入り。日本に運ばれ湿気ある所で保管されていた為かご機嫌少々斜めのご様子。まずはスタジオで水抜き作業からスタート。

2024年12月16日 (月)

チェンバロ運送検定

5_2024121617190116日、若い衆のチェンバロ運送検定上級編を実施。2段チェンバロを段差有る家から1人で車積込みという難題も見事合格。独自の道具を作っての工夫が素晴らしい。これで免許皆伝であります。

6_20241216172201最近加入の独逸製フォルテピアノのご機嫌伺い。日本の季節変動にもビクともしない堅牢さは流石。楽器も弾き込みで豪快な鳴りに仕上がってきておりひと安心。

7_20241216172401部屋の湿温度管理、こちらは石油ストーブの上にお湯入った鍋という古典技法でありました。実はこれが一番効率良い?

8_20241216172701スタジオに戻り出陣帰りの独逸製2段フレンチのご機嫌伺い。ウチは実績有る独逸製への信頼抜群でこちらも冬の外仕事の後でも全く変化無くご機嫌上々。

9_20241216172901先日より頭悩ましているオープンリールテープ3000本の処遇を相談の為ラジオ番組ディレクターが来訪。テープの内容を見て頂くとこんなお宝良く残ってましたねとその価値を高く評価して頂くも救済の道は中々見出せず・・・。

2024年12月15日 (日)

みちのくでゴールドベルグ変奏曲リサイタル

3_2024121521010115日、みちのくでの92歳のチェンバロ界レジェンドのゴールドベルグ変奏曲リサイタル本番。今回はロビーに持参した1970年代80年代の古楽公演のチラシ約50枚を展示。写真を見て「若い!」「可愛い!」「これは誰?」などと楽しんで頂けたのでは・・・。レジェンドも興味深そうにご覧になっておられました。今回3日間ご一緒させて頂いた中で数々の日本の古楽史にまつわるエピソードを伺う事が出来て古楽史研究家としても収穫多いひと時でありました。

10_20241215211001リサイタル本番は満席の中御歳を全く感じさせない明瞭な演奏で奇を衒わず滋味溢れるBachの世界を描かれておりました。今回16fが付いているチェンバロでの演奏だったので昔弾かれていたという16f付きモダンチェンバロについても色々伺え勉強になった次第。モダンチェンバロの表現力は意外にもヒストリカルをも凌駕する部分もあったようですぞ。

2024年12月14日 (土)

フォルテピアノ2台で出陣

3_2024121500230114日、郊外の新しい駅前ホールでのフォルテピアノの新鋭とヴァイオリンの重鎮の共演公演に2台のフォルテピアノで出陣。乾燥激しい冬ながら最新のLED照明のお陰で舞台温度湿度良好でフォルテピアノのご機嫌良く大助かり。

2_20241215002601ランチでホール前の鄙びた蕎麦屋に行くも雰囲気は昭和、味も昭和、値段だけ令和(高かった!)という意外な組み合わせ。

13_20241215002801公演後若い衆のチェンバロ運送検定を実施。段差ある場所を1人で車に搬入出来たのでもう免許皆伝か?

2024年12月13日 (金)

みちのくで温泉海鮮三昧

1_2024121321550113日、ハードだった欧州旅の疲れを癒す為みちのくで温泉と海鮮を堪能中。今朝は温泉朝風呂の後漁港食堂で烏賊丼。烏賊不漁の為値上げとはビックリ。

15_20241213220101今日もチェンバロ界のレジェンドのリハにお付き合い。合間に別公演で出動予定の独逸製1段ジャーマンとポジティフオルガンのご機嫌伺いも。

16_20241213220301ホールの中を移動中不審な物体がウロウロしているのに遭遇。もうロボットが館内の掃除をする時代なのですね。

18_20241213220601間も無くに迫ったリサイタル のリハーサル、もう半世紀も弾き続けておられる曲なので練習というより16fチェンバロのレジストレーションの確認が主な様子。4列バフ付きとなるとかなり沢山の音色変化を披露さるのでは・・・。チケットもう完売間近残席あと数枚だとか。お聴きになりたい方はお急ぎあれ!

22_20241213221101リサイタル会場では半世紀に渡る日本の古楽公演のチラシを展示の予定。今日レジェンドにお見せするとそれらにまつわる様々な裏話を多数伺えました。リサイタルにお越しの方は早目にお越しになりチラシもゆっくりご覧ください。

2024年12月12日 (木)

チェンバロ界のレジェンド登場

1_2024121219460112日、まずは阿蘭陀製ジャーマン2段のご機嫌伺い。万全の環境管理のお陰で割と繊細なミートケモデルが納品6年でまだ断弦知らずというのは上出来か。

5_20241212200001今日から今月15日開催の御齢92歳間近というレジェンドのみちのくのホールでのゴールドベルグ変奏曲リサイタルのリハ開始。モダンチェンバロ全盛期から演奏されていた方が現代に蘇った16f付きヒストリカルチェンバロで是非バッハの名曲を弾きたいとおっしゃって実現した特別なリサイタル。今日も「素晴らしい楽器ですね」とおっしゃりながら多彩な音色変化を試みておられました。

8_20241212201101実はレジェンドはチェンバロ界の重鎮と共にフォルテピアノ界の開祖というべき方でもあり個人的はご一緒出来ると言う事は日本フォルテピアノ史の最初期のお話を色々伺える貴重な機会。今日もリハの合間に色々お話する中で今まで知られてなかった沢山の秘話が次々出てきて大興奮。しかし半世紀以上前の事を克明に憶えておられるレジェンドの記憶力に感嘆!

10_20241212202101先日までの欧州旅行では魚料理が殆ど食べられなかったので漁港近くの魚屋経営の海鮮割烹でテンコ盛りの刺身定食で憂さ晴らし。料理の値段をユーロに換算すると日本はナント物価安い事かと驚くばかり。

 

2024年12月11日 (水)

3000本のオープンリールテープコレクションどうする?

2_2024121115420111日、Vnとフォルテピアノデュオ公演のリハにお付き合い。今回は5オクターブ半と6オクターブの2台のフォルテピアノを提供予定。

5_20241211160301先日某所で拝見した3000本のオープンリールテープコレクションがその処遇に苦慮しているとの件でコレクターのお仲間と作戦会議。テープリストを見たお仲間が余りの宝物の山に驚愕されてましたね。絶対残すべき歴史的遺産なのですが・・・。まずはリストの確認からと決めたもののどの位の時間と労力掛かるか予想もつかず困った!

6_20241211223301米国製2段チェンバロのご機嫌伺い。何しろ音量豊かで頑丈な事には感嘆するばかり。欧州製の楽器とは全く違う作風なのが面白い。夜は久々の温泉旅館、欧州旅行でずっと狭いシャワーばかりだったので広い湯舟、露天風呂最高!

2024年12月10日 (火)

師走恒例ゴールドベルグ変奏曲

1_2024121021530110日、帰国後初仕事の前に若い衆のチェンバロ運搬実習。私同様2段チェンバロ1人で運べる様に厳しく(笑)指導。免許皆伝の日も近い?

4_20241210215601今日は老舗ホールでの師走恒例ゴールドベルグ変奏曲リサイタルにジャーマンで出動。音響良い会場で奏者はドイツ在住の方だったので欧州で鍛えた(?)耳で聴いても結構な演奏でありました。まあ自分の楽器の音色のまとめ方は間違っていなかったのではとひと安心。しかし時差ボケの身にこの曲はヤバく案の定リハを聴きながら・・・(後は略)。この年末恒例の公演、毎回この曲に合わせて違う調律法を試すのが個人的なお楽しみであります。今回は今年海外演奏家からリクエスト多かったあのグルグルバッハ調律(Eジョバン版)にチャレンジ、中々表情豊かな響きになったのでは? 師走のゴールドベルグ変奏曲はもう1件、大御所が16fチェンバロでこの名曲に臨むという注目のリサイタル、是非お聴き逃し無く!

2024年12月 9日 (月)

ご機嫌伺いしてみると

2_202412091653019日、欧州から戻り早速出陣前の楽器陣のご機嫌伺い。古楽の本場での響きを散々浴びてきた耳で自分の楽器がどう聴こえるか楽しみ(心配?)だったのですが違和感無く聴こえたので少し安心した次第。しかし向こうの評判良い楽器の鳴りっぷりの良さは凄かった! 楽器の性能と共に日本と欧州の湿温度や音響の違いなのでしょうね。

2024年12月 8日 (日)

無事帰国

56518日、欧州楽器研修旅行から無事帰還。今回は欧州滞在10日間で7ヵ所の楽器博物館(残念ながらニュルンベルグは楽器部門臨時閉鎖で殆ど見れず、アントワープは直前に閉鎖中と判り訪問断念)、4ヵ所の民間大規模楽器コレクション、3ヵ所の個人コレクションを回り、コンサートもリハを含め4か所(1ヵ所は私が調律担当)、そして向こうの演奏家・技術者6人と会う・・・という超ハードな日々でありました。お陰で見た楽器は300台以上、弾けた楽器も数十台でした。今回はオリジナルの銘器を多数弾けた事、本場の素晴らしい音響の中で生演奏を聴けた事、欧州の最前線で活躍する方と情報交換出来た事が最大の収穫でありました。

しかし今回欧州の物価の高さには仰天した次第、私が頻繁に渡欧していた20年以上前から比べると3倍に値上げという感触でしたが物価上昇と円安の影響が半々でしょうか。これでは若者が気楽に渡欧も出来ないでしょうね。今回私は移動日無しで連日移動する合間に博物館見学という無茶なスケジュール組んだので何とかなりましたが普通のペースではトンデモナイ費用が必要になってしまうはず。また欧州の交通機関やホテルなどの電脳化が大幅に進行しており鉄道飛行機の切符やホテル予約はほぼスマホに送られてきたQRコードを提示するだけとなっておりこれまた仰天。駅に対面切符売場は無くなっているは、バスも現金で乗れなくなっているは、ホテルは無人チェックインとなっており部屋の鍵もスマホアプリで開ける様になっているはとどれも驚くほどの進化振り。電脳音痴の私は一人では絶対対応旅が出来ない時代となってしまったので今回は電脳の達人とご一緒した次第。お陰でトラブル無く楽しい渡欧旅行でありました。

2024年12月 7日 (土)

あのオルガンが・・・

2_202412080848017日、朝現地のTV見ていると何やらオルガン直ったというニュースが・・・。ノートルダム寺院いよいよ公開再会との事。

3_20241208085001またもや空路移動へ。

2024年12月 6日 (金)

ハンブルグ美術工芸博物館

2_20241207133101北ドイツの大都市ハンブルグ駅前にあるハンブルグ美術工芸博物館を訪問。ここは美術工芸品に交じってチェンバロやフォルテピアノのコレクションも多数展示しています。訪問時一部改装中で楽器展示が以前と少し変わっておりました。

340_20241207133801現在は1階にチェンバロ、2階にフォルテピアノと2ヵ所で展示。工芸家具の展示室にも数台展示されておりました。

319_20241207133301ここのチェンバロ陣の中では一番有名なのがハンブルグの製作家クリスチャン・ツェル作の2段チェンバロ。昔から状態の良いオリジナルチェンバロとして有名で沢山録音にも使われておりこの楽器をコピーする現代製作家も多い超銘器。残念ながらフタ閉まっており中は見れなかったですが豪華な外装だけでも見る価値有り。

181_20241207134001イタリアンチェンバロも豪華な外装の楽器多く中々の充実振り。ここの楽器コレクションを収集していた主は豪華な外装のチェンバロが好きだったのでは?

285所蔵楽器で意外だったのはフランス製では現存最古という1630年作のチェンバロ。後にオルガンを合体した面白い楽器ながら豪華な外装が素晴らしい!

342楽器紹介本で表紙を飾ったのがこの作者不明のフレンチ2段。外装やメカニックも標準的な18世紀フランス仕様。

214アントワープのAルッカースが1636年に作ったと記されている2段チェンバロ、実は有名なタスカン作の偽作との事。作りは正にタスカンらしい頑丈な作りなのですぐにばれたのでは?と思うも当時の異様なルッカース人気の前では通用したのでしょうね。

22618世紀後半の英国式チェンバロは音量音色変化の独特のメカニックが間近で観察出来て面白い。ここのコレクションの楽器でコンサートをした方に伺った話ではこの英国式チェンバロを勧められたとの事で状態良いのでしょうね。

302ここの展示は壊れていたオリジナルチェンバロをそのまま並べていたりと中々ユニーク。ただ残念だったのはお目当てのハスかツェルが作った16f付きチェンバロの現存するフタが見当たらなかった事。改装で仕舞われてしまった様子。

5_20241207135401フォルテピアノ陣も中々の充実振り。英国式は少ないもののウィーン式は多数所有。

58_20241207140001シュタインやワルターなど有名処は無いもののモーツァルト~ベートーヴェン初期に合うモデルとしてコピーされているケーニッケがありました。

39_20241207140301フォルテピアノの部屋に何故チェンバロが?と思いきや1785年英国製のフォルテピアノでした。フタが開ていないので中の構造が見れないのが残念。

108特等席のガラスケースの中で鎮座するのは1813年ウィーンのベルチェ作の6オクターブのフォルテピアノ。この楽器も最近コピーされているので日本では無名ながら欧州では評価高い楽器か。

189ここの楽器は豪華な外装を見てもらう為か大半フタが閉まっており残念。しかし展示場で上映されている紹介ビデオを拝見すると演奏可能な状態の楽器も多い様子。以前は定期的にスタッフによるデモ演奏があり弾けなくても音色は聴けたのですが今は不明。

 

 

ドイツ北上中

1_202412070037016日、ベルリンの次はドイツを北上しハンブルグへ。中央駅の駅前のハンブルグ美術工芸博物館には沢山のチェンバロ・フォルテピアノが展示中。

340_20241207003901この博物館現在一部改装中との事でニュルンベルグみたいに楽器部門閉鎖中では?と心配するも楽器はほぼ以前同様の数を展示中でひと安心。

319ここのコレクションの最大の目玉は地元ハンブルグのチェンバロ製作家Cツェルの2段オリジナル。素晴らしい音色と豪華な外装を併せ持つジャーマンらしい銘器ながら以前は展示されておらず私も悔しい思いした経験有り。今回はフタを閉めたままながらその雄姿を拝む事が出来周少し満足。でも中も見たかった!

342ここのチェンバロコレクションは個人コレクターの物だった楽器が殆どながらその方が派手な楽器がお好きだった様で他の博物館よりもギラギラ感多めの楽器が多い?

210これは18世紀中盤のフランスの名工タスカン作の2段フレンチながらルッカース作と偽装している面白い楽器。作風は全くルッカースでは無くタスカンらしい頑丈な作りなのですが・・・。

4_20241207004601フォルテピアノ陣は他の博物館よりも少し地味なラインナップか。それでも数は多し。

153_20241207004701今日も朝から博物館に入り時間掛けて楽器見学するもランチは館内の洒落た地元料理のお店へ。ここは外よりも北ドイツらしい料理が安価で食べれる穴場のお店。

156_20241207004801豆や茸を中心とした地元料理をバイキングで沢山盛り付けビールで流し込みながら頂くランチは大満足。博物館見学後この旅一番心配だった飛行機移動へ。もし欠航となれば深夜に夜行列車と長距離バスを乗り継いでの綱渡りしか無かったのですが無事次の街に到着。

2024年12月 5日 (木)

ベルリン楽器博物館

2_20241206162001 ベルリンフィルの本拠地隣にあるベルリン楽器博物館を訪問。ここは世界有数の所蔵楽器陣を誇りチェンバロ。クラヴィコード、フォルテピアノのコレクションの充実振りが素晴らしい博物館です。また多くの楽器を演奏可能な状態に修復し維持しており許可が出れば試奏もさせてもらえます。

42_20241206163401まずは鍵盤装飾美しいHassのクラヴィコードがお出迎え。今回各博物館見て回るもHassの楽器の作りの美しさと緻密さには圧倒されっぱなしでありました。

56_20241206163501次にGジルバーマンの2段チェンバロへ。これは演奏可能で試奏もさせてもらいましたが明瞭で少し甘めの音色が素晴らしい。

46_20241206163701次はハンブルクのフライシャーの1段鍵盤チェンバロを拝見。これも演奏可能。本来8+8+4fの楽器だったのを現在は8f1本外しているとの事。今後元に戻すか8f1本のままで行くか慎重に検討しているところだそうな。

84次は18世紀フレンチのステランへ。こちらも演奏可能。全盛期のフレンチタイプの魅力を存分に教えてくれる銘器。

105この博物館はオリジナル楽器だけでなく現代の製作家による忠実な復元楽器も展示中。約90年前からレコード録音に使われていた1618年製ルッカース1段などは装飾も含めて忠実な再現を試みておりました。オリジナルは昔は演奏可能だった様ですが今は演奏不可か?しかしここのルッカースコレクションは素晴らしい!

161_20241206164801次はユニークなデランの縦型チェンバロ。これも演奏可能。奏者の目の前で楽器が鳴るので煩い位。かなりの高さになるので日本の住宅には全く不向きか。

184Oesterleinという18世紀末ドイツの製作家の2段チェンバロ。これも演奏可能。現代の復元楽器に引けを取らない明瞭でシャープな音色には驚くばかり。オリジナルは枯れた音色だけでは無いと言う事が良く判る一例。

199ハインリッヒ・ジルバーマン1776年作のフォルテピアノ。このモデルの復元楽器の悩みの種のボディの反りが同じ様に起こっているのが興味深い。やはりこの設計の弱点だったのかも。

213ドレスデンのHorn1793年作のクラヴィコード。こちらも演奏可能。クリアで甘い音色が素晴らしい。

256ウィーン式フォルテピアノ陣のコーナーではシュタイン1775年やワルター1810年などの銘器が揃っておりましたが演奏可能かは不明。パリのタスカンのフォルテピアノも演奏不能ながら展示。

34019世紀前半のフォルテピアノ陣もブロードマン、ブロードウッド、グラーフなどが展示。

556ここの博物館で一番評価したいのは19世紀末からの古楽復興の立役者たるモダンチェンバロの充実したコレクション。殆ど忘れられている先駆者達の苦労の変遷が良く判る貴重な展示であります。

389まず貴重なのは1889年パリ万博に出品された復元楽器第1号の2段フレンチモデル。トマシーニという修復家の作で135年前に早くも完全なるヒストリカル仕様を製作しているのには驚きます。

378 同じくパリ万博に出品されたと思われるフランスのピアノメーカープレイエル社の豪華な外装の2段チェンバロ。こちらは16fは無いものの早くもペダルが装着されてます。

369こちらはプレイエル社1927年製のランドフスカモデルのコンサート楽器。16fも装着されペダルも多数有り。しかしその音色は驚くばかりに甘く魅力的。同行のチェンバリスト達はこれなら是非コンサートで弾いてみたいと騒いでおられました。ただオリジナル通りの革のツメのタッチはかなり重めか。この楽器は演奏可能で存分に試奏させてもらいました。

443ここのチェンバロクレクションで一番有名なのがこのバッハ所有だったと伝わる2段鍵盤。現在は弦も外され演奏不能ながら約百年前には演奏出来た様で私はこの楽器の入ったあアンサンブル演奏のレコード持ってます。20世紀に16fが流行った源流がこの楽器と言えるのでは。

457バッハチェンバロの隣にはその影響を受けた20世紀の楽器が展示されてます。オリジナルの状態を復元した楽器や名工Skowroneckの最初期のフルコピーの楽器など有り。

492またモダンチェンバロ全盛期の様々なタイプもコレクションしているのが素晴らしい。チェンバロの歴史を学ぶには最適な博物館であります。

 

 

ベルリンでオリジナルチェンバロを弾く

 4155日、欧州楽器博物館巡りも終盤戦、今日はベルリン楽器博物館を訪問。膨大な楽器の所蔵量を誇るだけあって鍵盤楽器の写真撮るだけで2時間弱も掛かってしまい大騒動。チェンバロは現代製作家がコピーする歴史的銘器が揃っておりいつまでも見惚れてしまう程。

340フォルテピアノもシュタイン、ワルター、グラーフと銘器揃い。

556そしてここの大きな特徴はモダンチェンバロを含む19世紀末から20世紀に掛けての復元チェンバロのコレクションの充実振り。古楽復興の生き証人の様な楽器がずらりと並ぶ姿は壮観であります。

587今日は特別許可を頂きジルバーマン、フライシャー、ステラン、デラン、ランドフスカモデルプレイエルなどのオリジナル銘器を遠慮無く弾かせて頂きアリガタシ。今日試奏出来るとの噂を聞きつけわざわざ日本からこっそり駆け付けた演奏家もいらした程。

2_20241206080201ランチはベルリン風海鮮丼。中々本格的なネタの上に安価なので寿司店大繁盛の様子。

19_20241206080301午後はオリジナルフォルテピアノを含む素晴らしい個人コレクションを拝見。オリジナル楽器入手のエピソードなど羨ましいお話を多数拝聴。

2_20241206122901 夜はランドフスカが初代チェンバロ教師、エタ・ハーリッヒ=シュナイダーも教えていたというチェンバロ史でも由緒ある音大でのコンサートで急遽チェンバロ調律を担当する事に。古楽史における重要な場所でチェンバロ調律出来た事は一生忘れない良き思い出に。

 

2024年12月 4日 (水)

ライプチヒ大学楽器博物館

21_20241205131101ライプチヒの駅近くにあるライプチヒ大学楽器博物館を訪問。ここは入場料無料でした。

421_20241205131301ここは鍵盤楽器のコレクションが充実していますね。まずは装飾が美しいイタリアンチェンバロなどを展示。

1011イタリアの鍵盤楽器の中でも一番有名なのが世界で3台しか現存していないクリストフォリフォルテピアノ。ここの楽器は1726年製で豪華なアウターケースが特徴です。同じ装飾のイタリアンチェンバロも隣に並んでますがこちらは8+4+2fというユニークな仕様。

721他にもクリストフォリの別のイタリアンなど合計6台もの楽器が展示。こうやって多数の楽器を続けて見てみると彼のその驚くべき先進性と大胆な設計、精密な作りに感嘆するしかないですね。

921オーケストラの中での指揮者弾き振り用の大型スピネットなどは今でも需要があるモデルでは。昔ドイツの現代の製作家がコピーしていましたが2段チェンバロよりも長いサイズで驚きました。

15712段鍵盤ペダル付きという3台が合体した大型クラヴィコード。日本でも復元された楽器2台拝見しましたが実にユニークな構造であります。

1941オリジナル楽器の展示だけでなく復元楽器も所有しておりクリストフォリピアノや2段チェンバロも演奏会で使用している様子。状態の良いオリジナルチェンバロもあったのでこれも使っているのかも。

1491自由に弾いても良いとして展示されていたクラヴィコードがドイツのアマー社製ながら1948年製なので歴史的楽器として扱っても良いのではとは思いましたがただの中古楽器の扱いなのでしょうね。

258-1_20241205133301フォルテピアノのコレクションもかずは少ないものの少数精鋭の布陣。

2761シュタインのフォルテピアノが2台並んでおりその隣には娘ナネッテの楽器も展示。ただフタが閉められていたのが残念でしたが。

267119世紀後半のピアノは地元メーカーのブリュートナーが3台も展示。

2901モダンチェンバロも歴史的楽器として展示。これはミュンヘンのマンドラーシュラム1941年の楽器ながらペダル付きの大型楽器。ほぼ同じ時代のこのメーカーの2段チェンバロが昭和16年エタ・ハーリッヒ=シュナイダー来日時に日本に持ち込んでおり日本で一番最初に活躍したチェンバロメーカーでもありました。

3121ここの博物館は歴史的楽器の展示だけでなく20世紀の古楽復興の歴史も丁寧に紹介しているのが素晴らしい。

バッハの街ライプチヒへ

1-14日、独逸2つ目の街ライプチヒへ。まずは楽器博物館訪問。

1941ここは鍵盤楽器の展示が充実しており見逃せない博物館。バロック時代のオリジナルの他に20世紀前半や現代の復元楽器も展示されておりバランスの良いコレクションか。

316-1何と言ってもここの目玉楽器はイタリアの楽器製作家クリストフォリ作のフォルテピアノ、そしてチェンバロやスピネット、クラヴィコードか。彼の楽器が一堂に集まっておりその先進性と精密な作りをじっくり堪能出来ます。

258-1次に注目はウィーンの有力ピアノ製作家シュタインファミリーの楽器か。

2011鍵盤楽器の他にもオリジナルのアルペジョーネも注目か。今回の渡欧で早くも2台のオリジナルアルペジョーネを拝見出来ました。

141_20241205055901博物館見学を終えライプチヒの街を散策。まずは聖ニコライ教会へ。バッハ由来の教会ながら私には18年前BCJの公演で調律を担当した思い出深い場所でもありました。あの時は演奏中に電源落ちてオルガンが急に鳴らなくなるハプニングありましたが・・・。

361バッハの本拠地聖トーマス教会に行くとちょうどオルガンギャラリーで合唱団の練習があり生の歌声でその素晴らしい音響を味わう事が出来ラッキーでした。

391街はどこもクリスマスで賑わっており沢山の屋台を冷やかしながら地元料理やホットワインに舌鼓。

 

2024年12月 3日 (火)

ニュルンベルグ ゲルマン国立博物館

1_20241204052101  ニュルンベルグにあるゲルマン国立博物館は膨大な美術品を展示する巨大施設ながら楽器コレクションも充実しており欧州屈指の楽器博物館とも言えます。

4_20241204135601本来はこの様にずらりと並んだ数十台のオリジナルチェンバロ・フォルテピアノを見学するはずでしたが今回は運悪く楽器部門が臨時閉鎖となっており見る事が出来ず。

15_20241204135901しかし絵画部門に1台だけ17世紀製の作者不明の豪華な外装のイタリアンが展示されており辛うじてオリジナルチェンバロに出会えた次第。この博物館のチェンバロコレクションはノイペルト社所有だった物が多いとの事。多くの現代製作家がコピーする銘器が多数ありチェンバロ関係者は絶対訪れるべき博物館だと思います。

大トラブル!

1_202412040521013日、楽器博物館巡りは仏蘭西から独逸に移動しまずはニュルンベルグへ。総合博物館の中に素晴らしい楽器コレクションがあるので勇んで訪問するも・・・。

5_20241204052301ナント楽器部門が臨時閉鎖となっており仰天。折角仏蘭西から飛行機飛ばして駆け付けたのにガッカリであります。

14_20241204141001 仕方無く違う展示会場を見学していると17世紀オリジナルイタリアンチェンバロが1台だけ絵画コーナーに展示されており少しは溜飲が下がる思いに。

21_20241204052802博物館見学は早目に切り上げ街のクリスマス市を散策。沢山の屋台が様々な物を出しており壮観。

37_20241204053501皆さん名物のソーセージ料理に大行列なので私もと挑戦。こちらパンに挟む物が肉魚野菜と多彩で選ぶだけで立ち往生。

8_20241204054101街中の大教会を覗くと丁度オルガン演奏会を開催中。バロック時代のオルガンとは別に29世紀に作られたオルガンでの演奏。やはり残響長いヨーロッパの会堂でのオルガン演奏のやり方は日本とは全く違うテクニックなのでしょうね。

5_20241204054501街中で重いアップライトピアノを自ら持ち込んで大道芸で演奏するピアニストに感嘆!

53_20241204061101最後に街にある交通博物館を見学。バイエルンのルートヴィヒ2世専用客車が展示されておりその豪華さに驚嘆。

 

2024年12月 2日 (月)

パリ バルロン工房

501パリ郊外にあるフランスピアノ専門修復工房PianosBalleronを訪問、当初工房を訪ねるつもりが最近ショールーム出来たのでそちらを見てくださいとの事。駅近くのビルの一角にある目立つ看板が無いお店でした。

47_20241203022601中に入ると極上のアンティックフランスピアノを中心に10台もの楽器が並ぶ贅沢な空間であります。

51_20241203144801まず目につくのは19世紀中盤の大型エラール。第2響板が装着されており当時ウィーン製のピアノだけでなくフランスでもこの音をまろやかにするシステムが普及していた様子。19世紀前半はサロンでの演奏が主流で聴衆はピアノを取り囲んで聴くのでこのシステムが必要だったのだろうとの事。

131_20241203145101ショパン時代のエラール。フランスピアノらしい艶有る音色が素晴らしい。

17119世紀後半の大型プレイエル。迫力ある音量とクリアな音色を併せ持つコンサートモデル。

211_2024120314550120世紀初頭の素晴らしい装飾の小型エラール。コレクションは19世紀前半から20世紀前半までの約百年程に製造されたフランスピアノが中心だとか。

261フランスピアノに交じってドイツ・ブリュートナーやアメリカのボールドウィンなど他国の銘器もありお国柄の違いを弾き比べる事も出来ました。

481_20241203145701工房の社長であるSylvie Fouanonさんはフランスの歴史的ピアノを出来るだけ当時の個性を鉾しながら現代のコンサートでも使える様に徹底的に修復して皆様に提供したいとおっしゃってましたが、確かに年月経つと劣化しやすいピン板はほぼ交換してあり響板もかなり手が入っておりどのピアノも実に健全な状態だったのが印象的でありました。フランスピアノの真髄を知る最適な場所と言えるのでは。

仏蘭西ピアノとクープラン

47_202412030226012日、パリ郊外にある仏蘭西ピアノ専門修復工房訪問。最近ショールームが出来たとの事でそちらに伺うと19世紀から20世紀初頭までの極上のコンディションの仏蘭西ピアノがずらりと勢揃いしており感嘆!中には独逸と米国のピアノも。出来るだけオリジナルの個性は残したままコンサート等にも使える状態にしたいとの事でその労力たるやかなりのモノのはず。自国の伝統文化を継承しようと頑張る素晴らしいピアノ工房でありました。

14_20241203023201パリ中心部に戻りオルガン巡り。まずはクープラン一族がオルガニストを務めたという教会へ。教会内にクープラン一族の解説が少ないのが意外。ここはまた20世紀初頭初めてオリジナルチェンバロでの演奏をレコードに吹き込んだP・ブルノールもオルガニストでした。

32_20241203023401次に昨日チェンバロ演奏でお会いした仏蘭西の俊英がオルガニストを務める近くの協会へ。こちらはフランスの現代メーカーのオルガンながら歴史有る教会の建物に上手くフィットした設計に感心。

47_20241203023501オルガン巡りの教会のご近所には火事被害にあって修復中のノートルダム寺院があり間も無く公開再会だとか。正面から見ると確かに修理はほぼ終えている様ですが・・・。

38_20241203023601裏に回ると工事はまだまだ数年は掛かりそうな様子。サクラダファミリアの様に修復工事も見世物にするのかも。

481仏蘭西の旅を終え今度は独逸へ。飛行機が遅れ深夜ホテルに着くもスマホアプリで無人チェックインするハイテクホテル。お陰で入力ミスすると永遠に入る事が出来ず立ち往生、最後遠方?のクレームセンターに連絡してやっとチェックイン。部屋に入るのに鍵もカードも無くすべてスマホで操作というのは初体験ながらメカ音痴の高齢者には辛いシステムでした。

2024年12月 1日 (日)

老舗劇場公演

1_202412020620011日、朝ホテルを出ると大広場で日曜骨董市開催中、パリ市民の骨董好きに呆れながら散策するも今日も冷やかしのみで散財せずに退散。

22_20241202062301今日はエッフェル搭の上半分が雲に掛けくれる珍しい風景。

14_20241202062901パリ滞在中ちょうどフルートの大御所とフランスの俊英チェンバロ奏者の共演があると知り老舗劇場へ。歴史感じる豪華な内装が素晴らしい。空間広いのでチェンバロの音が届くのか心配するも充分客席まで聴こえている様で感心。

9_20241202063801自由席だったので普段は高額チケットの客向けのBOX席を初めて利用し少し貴族気分を味わう事に。天井が低い割には意外にもチェンバロの音充分聴こえてました。終演後サイン会に日本でいつもお相手するCem奏者に顔見せると「お前何故ここにいるんだ?」と大変驚いていた様子。

26_20241202064601その後パリの若手チェンバロ技術者とランチ。私は日本ではお目にかかれない?タルタルステーキでフランス料理を堪能。フランスのチェンバロ最新事情を詳しく伺う事が出来アリガタシ。ここでも業界の世代交代の気配を実感。

52_20241202065001夜はフォルテピアノ奏者のお宅を訪問しレプリカやオリジナルフォルテピアノを試奏、ついでにお願いして調律も。パリのフォルテピアノ最新事情をじっくり拝聴出来こちらもアリガタシ。

42_20241202065901 奏者宅の前にロシア正教の由緒ある教会があると伺い見学。暗闇の中での荘厳な礼拝が素晴らしい。

 

 

 

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