ブリュッセル楽器博物館訪問
この度訪れたブリュッセル中央駅徒歩数分の便利な場所にあるブリュッセル楽器博物館は19世紀に建てられたアールヌーボー様式の建物にあり数千点の古今東西の楽器コレクションを厳選して展示している欧州有数の楽器博物館です。
多数の楽器展示の中、ベルギーは有名なルッカース一族を生み出した国だけにチェンバロのコレクションが実に素晴らしい!
チェンバロコレクションの目玉はやはりハンブルグの名工ハスの作った16f付き大型2段チェンバロ。その作りの緻密さと美しさが評判高い彼の楽器は16fが入り張力にかなり無理が掛かっているのに数百年全く変形していない。見事な設計と製作のお陰でしょうね。先日来日したAシュタイア氏が所有する16fチェンバロ(パリのAサイディ作)はこの楽器のコピーですね。いわきの16fチェンバロは違うモデルですが、
同じくハス作のクラヴィコードも見た目美しく堂々たる楽器であります。
勿論ルッカースの楽器もあります。これはチェンバロとヴァ―ジナルが合体した巨大な親子ヴァ―ジナル。
デラン作の縦型チェンバロもあります。普通サイズのチェンバロを縦にした様な構造だけに背が高過ぎて日本家屋には入らないでしょうね。
珍しいチェンバロもいくつかありこれは復元チェンバロの最初期1891年に作られたプレイエルのチェンバロ。ピアノメーカーが初めてに近い時期に作った楽器にしてはヒストリカルに忠実ですが早くももうペダルがついてますね。
面白かったのがフレミッシュながら16fが付いている楽器。強い張力を支える為響板が段々畑になっている珍しい設計でした。他にも多数のチェンバロ展示されていますが以前は看板楽器だった世界に3台しか残っていないティボーの素晴らしい装飾のチェンバロが展示されてなかった事、またベルギーのチェンバロ製作の重鎮故アイヴァン・アルー氏の工房が博物館内に再現されていたのも簡略化されていた事などがチト残念。
フォルテピアノも中々充実した展示。ウィーンでも英国でも仏蘭西でも無いベルギー製の楽器が珍しい。
フォルテピアノ陣の中でも目玉楽器は現存する中では最もコンディションが素晴らしいと言われるウィーンのシュタインの5オクターブか。
鍵盤楽器以外の古楽器も実に充実したコレクション。これはセルパンを使った装飾シャンデリア?ただ残念なのは以前はあったカフェが廃止されてしまってた事、アールヌーボーの内装を味わいながらゆっくりお茶出来たのに残念。便利な場所にあるチェンバロ・フォルテピアノが充実した楽器博物館なのでまだ未見のかたはブリュッセルに立ち寄った際是非覗いてみてください!
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