パリ楽器博物館訪問
パリ市内の地下鉄駅前にあるパリ楽器博物館を訪問しましたのでお紹介。モダンな建物の中に様々な楽器が判り易く分類されており一般の方にも親しみ易い博物館。毎日?展示場内で各種楽器の生演奏も有る様です。今日はサントゥールの生演奏有り。
まずは入口で各種楽器で目立つタイプをまとめて展示。管弦打楽器多数、1台小さな鍵盤楽器もありました。チェンバロ・フォルテピアノ等鍵盤楽器は数十台展示されていましたので印象的な楽器をピックアップしてご紹介。
チェンバロではまずはイタリアンチェンバロの紹介で1579年製Baffoのイタリアンが登場。早くから高音部の音域がF3まであるのが興味深い。
次に1677年製Fabyの豪華装飾のイタリアン。象嵌細工も大理石装飾も本当に綺麗に残っている逸品。
次はフレミッシュタイプを紹介。17世紀初頭作のルッカース2段。18世紀にラバルマンされたとの事でフレンチ仕様の外装。
次はフランス様式のチェンバロの紹介。17世紀リヨン製と思われる作者不明の楽器が。自国チェンバロの最初期の重要なポジションの楽器だけに特等席で展示しているのが立派。
次はアントワープのクーシェ1652年製の楽器。18世紀にフランスでラバルマンされたとの事でこちらもフランス風外装ながらスパイン側の側面はフレミッシュ特有の大理石模様が残っておりました。ここのチェンバロ展示は柵もガラスも無く間近で360度すべての方向からじっくり観察出来るのが素晴らしい。
こちらは現代の製作家に良くコピーされえいたグジョン1749年製の楽器。シノワズリの豪華な外装が素晴らしい。
後は解説なかったものの19世紀末に復元されたエラール製のチェンバロも有りました。他にも現代製作家によるフルコピーのチェンバロが館内での演奏会用に展示されてました。
チェンバロに比べるとフォルテピアノは少なくウィーン式フォルテピアノは僅か。ピアノはフランスの1788年製のタスカンのピアノから始まったと言わんばかりの展示が面白い。
19世紀に入っても活躍するピアノメーカーはエラールと言いたげな展示。1802年製のエラールのフォルテピアノには早くも第2響板が装着との事。もしかするとウィーンよりも早いのか?1800年前後のフランス製フォルテピアノは余り注文されていなかっただけにこちらの展示で認識を一変しました。
勿論ショパン時代のプレイエルもありました。ただ19世紀後半以降のピアノは全く置いておらず不思議。他の楽器では20世紀以降の楽器も沢山展示されているのですが。
また博物館には弦楽器管楽器の展示が充実しておりだれでも楽しめます。今回は鍵盤楽器だけで時間掛かってしまい他の楽器まで手が回らなかったのですが1日掛ければ相当数の楽器が見れるはず。
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