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2024年11月

2024年11月30日 (土)

パリ楽器博物館訪問

11_20241201063301パリ市内の地下鉄駅前にあるパリ楽器博物館を訪問しましたのでお紹介。モダンな建物の中に様々な楽器が判り易く分類されており一般の方にも親しみ易い博物館。毎日?展示場内で各種楽器の生演奏も有る様です。今日はサントゥールの生演奏有り。

41_20241201064401まずは入口で各種楽器で目立つタイプをまとめて展示。管弦打楽器多数、1台小さな鍵盤楽器もありました。チェンバロ・フォルテピアノ等鍵盤楽器は数十台展示されていましたので印象的な楽器をピックアップしてご紹介。

51_20241201064701 チェンバロではまずはイタリアンチェンバロの紹介で1579年製Baffoのイタリアンが登場。早くから高音部の音域がF3まであるのが興味深い。

24_20241201064901次に1677年製Fabyの豪華装飾のイタリアン。象嵌細工も大理石装飾も本当に綺麗に残っている逸品。

291次はフレミッシュタイプを紹介。17世紀初頭作のルッカース2段。18世紀にラバルマンされたとの事でフレンチ仕様の外装。

421次はフランス様式のチェンバロの紹介。17世紀リヨン製と思われる作者不明の楽器が。自国チェンバロの最初期の重要なポジションの楽器だけに特等席で展示しているのが立派。

681次はアントワープのクーシェ1652年製の楽器。18世紀にフランスでラバルマンされたとの事でこちらもフランス風外装ながらスパイン側の側面はフレミッシュ特有の大理石模様が残っておりました。ここのチェンバロ展示は柵もガラスも無く間近で360度すべての方向からじっくり観察出来るのが素晴らしい。

821 こちらは現代の製作家に良くコピーされえいたグジョン1749年製の楽器。シノワズリの豪華な外装が素晴らしい。

991後は解説なかったものの19世紀末に復元されたエラール製のチェンバロも有りました。他にも現代製作家によるフルコピーのチェンバロが館内での演奏会用に展示されてました。

1071  チェンバロに比べるとフォルテピアノは少なくウィーン式フォルテピアノは僅か。ピアノはフランスの1788年製のタスカンのピアノから始まったと言わんばかりの展示が面白い。

123119世紀に入っても活躍するピアノメーカーはエラールと言いたげな展示。1802年製のエラールのフォルテピアノには早くも第2響板が装着との事。もしかするとウィーンよりも早いのか?1800年前後のフランス製フォルテピアノは余り注文されていなかっただけにこちらの展示で認識を一変しました。

169勿論ショパン時代のプレイエルもありました。ただ19世紀後半以降のピアノは全く置いておらず不思議。他の楽器では20世紀以降の楽器も沢山展示されているのですが。

1931また博物館には弦楽器管楽器の展示が充実しておりだれでも楽しめます。今回は鍵盤楽器だけで時間掛かってしまい他の楽器まで手が回らなかったのですが1日掛ければ相当数の楽器が見れるはず。

 

パリ博物館骨董屋巡り

5_2024120105260130日、パリに到着し朝から楽器博物館へ。移動の地下鉄でチェンバロを使った面白い広告があったのでご紹介。

21_20241201054101パリ楽器博物館はチェンバロやフォルテピアノのコレクションが充実しておりどの楽器も極上の外観なので見応えあり。

196チェンバロは初期イタリアンから19世紀以降の復元楽器まで年代・地域別の並べられており。豪華な装飾の楽器などは全方向から観察出来るのがアリガタイ。

1811フォルテピアノはウィーン式よりもフランス製のエラールなどに重点を置かれたユニークなラインナップ。

十数年振りに訪問すると展示が変わっており見たかった初期フレンチのチェンバロ(ティボー)が無くなっていたりとかなり変更があった様子。

441楽器見学の後はパリの骨董市を冷やかしに訪問。相変わらず広大な面積に余りに沢山の店が並んでおり全部見る事が出来ず途中でギブアップ。しかしあらゆるジャンルの専門店がありマニアには堪らないエリアでした。幸い無駄な散財せずに手ぶらで退散出来てホッ。

371骨董の中に楽器は無いかと見ていると数台古い豪華装飾のピアノ有り。看板代わりに店頭に飾っている様なので演奏出来る可能性は低そうでしたが。

571夜は某個人宅で秘蔵のオリジナルフォルテピアノを特別に触らせて頂く事が出来大収穫。丁寧に修復された楽器で最近CD録音にも使われたそうな。同じく百年前のフランス製ピアノの音色の素晴らしさにも感嘆!

 

2024年11月29日 (金)

クリスマーネピアノ博物館ブリュッセル

1_20241130163701ブリュッセル南駅すぐという便利な場所にあるクリスマーネピアノ博物館ブリュッセルを訪問。3階ある店内は1階は高級ピアノショップ(スタインウェイ、ヤマハ、カワイなどと自社製ピアノが展示)、2階と3階が博物館。ここの展示楽器はすべてベルギー製という拘った内容。

4_202411301640011階のショールームには自社製平行絃現代ピアノも主役として展示。現在このピアノの普及に熱心に取り組んでいる様子。このユニークなモデルもいずれ日本にも入ってくるのかも。

 92_2024113016420119~20世紀のピアノ製造は隣国フランス・英国、ドイツそしてオーストリアなどが主役だと思ってましたが実はベルギーもかなり有力なピアノ生産国だったのだとか。それを実証するために作った博物館の様ですね。自国愛溢れる思いが伝わります。

9_20241130164901チェンバロは1台だけですがベルギー・アントワープで繁栄したルッカース一族の楽器を特等席に展示。2段鍵盤の楽器ながら後世ラバルマンされたとの事で原型はとどめていない分改造の様子が間近で見る事が出来ます。

18_20241130165201演奏不能な状態ですが底板を外し床下のガラスの下に埋め込んで内部の構造が見える様にするなど工夫された展示が素晴らしい。

43_20241130071001 展示されているベルギー製ピアノはスクエアから竪型までユニークな形状のモノが多くその独自性を存分にアピールされてます。

75_20241130165501ピアノの目玉楽器は1850年頃作の平行絃グランドピアノ。外観といい構造といいほぼエラールの模倣の様ながら当時業界トップのピアノに近いレベルのピアノをベルギーで作る事が出来たという事に感嘆しました。

78_20241130165801中を覗くと金属支柱や下からのダンパーなど見れば見る程エラールそっくりであります。このピアノは試奏が可能。昨日のロシナンテの本社にある2つの博物館とブリュッセルの博物館計3つを民間企業が運営しているという事には驚きました。その上チェンバロやフォルテピアノなどの古楽器製造にも熱心に取り組み、果ては?平行絃やラウンド鍵盤などのオリジナルモデルの現代ピアノまで開発しているマーネ社の躍進振りに脱帽した次第。やはり社長のマーネ氏の鍵盤楽器への熱い思いの結果なのでしょうね。この3つの博物館も機会あれば是非ご覧あれ。

 

ベルギー製楽器ばかり

43_2024113007100129日、楽器博物館巡り3か所目は昨日に続き大手ピアノ店が持つピアノ博物館を訪問。ブリュッセル南駅近くという便利な場所にあるお店の2階3階にすべてベルギー製の楽器十数台を展示。ベルギー製楽器と言えば古くはルッカースチェンバロの産地として有名ながら18世紀から20世紀までピアノ生産地としても活躍していたとは失礼ながら知りませんでした。フランス系に近いものの一味違う個性のピアノが面白い。

6_20241130071801チェンバロ技術者としての目玉は何と言ってもオリジナルの2段ルッカース、演奏不能な状態ながら音域拡張されたラバルマン楽器の内部が間近に見れるのはアリガタシ。

2_20241130072201見学の後はご近所の広場で開催の骨董市を冷やかしに。アンティックというよりは不用品中心のガラクタ市でしたが趣味のSP盤を見つけたりと楽しいひと時。

14_20241130072601見学後パリまで移動。早速長らくフランスで活躍する邦人演奏家の方とお会いして最新情報を拝聴。やはりどこも世代交代の波は来ている様子。

16_20241130072901夜はスーパーで夕飯を仕入れ。珍しく?「sushi」があったので恐々試してみるもネタをおこわで固めた様な凄いモノでした。

2024年11月28日 (木)

ベルギー クリスマーネピアノ博物館ロイセレデ訪問

2_20241129071701ベルギーのブルージュとゲントの間の郊外のロイセレデという小さな村にあるピアノ博物館を訪問。チェンバロやフォルテピアノメーカーとして有名なクリスマーネは実はヨーロッパ内でも有数の現代ピアノ販売店だとの事。

3_20241129072501博物館は2ヵ所に分かれておりまずは本社ビルの中にある展示を拝見。3階建ての広大なビルの中には百台を超える歴史的楽器と現代ピアノが整然と展示されています。

95_20241129142201早速歴史的ピアノのコーナーを見学すると自社製のコピーフォルテピアノ(シュタイン、ワルター等)が何台もあり弾き比べ出来ます。オリジナルフォルテピアノも多数所蔵されておりシュタイン系から始まるウイーン式とブロードウッドなどのイングリッシュ式がバランス良く展示。

61_20241129142401中でもウィーンを代表する銘器グラーフが時代が違う3台同時に弾けるのが素晴らしい。別の場所に最初期1810年代のグラーフもあり計4台のオリジナルグラーフを所蔵。

118_2024112914320119世紀中盤のピアノもウィーン系、フランス系、ドイツ系と広範囲のタイプを網羅する素晴らしいコレクションを多数展示。ショパン時代のプレイエルの復元楽器まで作られていたのには驚きましたが。

98また展示場には素晴らしい音響のコンサートスペースも併設されておりすべてのピアノをすぐに舞台に設置し演奏が聴けるシステムが素晴らしい!

124展示場の隣にある製造・修復工場も拝見するも大メーカーの工場かと見間違える程の広大な広さにビックリ。またフォルテピアノやチェンバロだけでなくオリジナルの現代ピアノも製造されておられました。

101_20241129144001修復部門を拝見するとランドフスカモデルのプレイエルチェンバロやフリッツのオリジナルなどが修復中。どんな時代の楽器も丁寧に修復する姿勢には感嘆。

1_20241129144201次に少し離れた古い屋敷を改造した博物館も見学。こちらには珍品と言われる様なユニークなオリジナルピアノが多数展示されておりました。

167それでも歴史的価値が高いピアノも多数あり本社ビル共々見逃せないコレクション。チェンバロはこちらに多数所蔵されておりオリジナルチェンバロからモダンチェンバロ、そしてエレクトリックチェンバロなど珍しい物まで展示されてます。

156状態良いオリジナルチェンバロが演奏可能な状態で保管され弾かせてもらえるのは実にアリガタイ。

133こちらもコンサートスペースが併設されていました。歴史的遺産を大切に管理しながら次の世代に受け渡そうという強い姿勢には感心した次第。

92_20241129145301しかし驚いたのは歴史的楽器の製造修復・現代ピアノの販売と共にオリジナル設計の現代ピアノの製造まで手掛けておられた事。バレンボイムが弾いた事で有名になった平行絃フルコンピアノ、聴いてみるとその音の分離の良さが際立つ事が判り魅力を再確認。それも実はもう相当数作られているそうでその意欲的な姿勢には改めて脱帽でした。

121_20241129145601もう1台ラウンドした鍵盤の現代ピアノも製造されてましたね。どれだけ苦労して開発されたか少しは判るだけにその余裕ある運営姿勢に驚愕するしかないと実感。

ブリュッセルからは少し離れた場所にある博物館ですが歴史的ピアノと現代ピアノを同時に演奏し楽しむ事が出来る貴重な場所でありました。

懐かしのブルージュへ

30_2024112906590128日、一時期は3年に一度開催のチェンバロコンクール観戦の為頻繁に通ったベルギー・ブルージュの街を久々に訪問。古楽関係者はこの姿見ると実に懐かしいのでは・・・。相変わらず観光客多し。

32_20241129070101以前はコンクールの予選と結果発表があった旧市庁舎は現在お洒落な商業施設となっているもののコンクールがあった部屋はほぼ昔のまま。ここで数多くの若手古楽奏者の演奏に触れ沢山の競い合うドラマを目撃したものでした。

25_20241129070701続いて鐘楼横の展示会場を覗くとこちらも昔のまま。コンクールの合間にここで毎回百台近いチェンバロフォルテピアノに触る事が出来実に勉強になりました。鐘楼前には昔同様に庶民的なフリッツやソーセージの店が出てたので思わず立ち食い。

46_20241129070501旧市庁舎前のマルクト広場はXmas一の市が立っており思わずビール片手に立ち食いでランチ。

2_20241129071701
午後はブルージュ近くにある大手ピアノショップが持つ新旧チェンバロフォルテピアノの楽器クレクションを見学。貴重なオリジナル楽器を多数含むトンデモ無い規模の楽器陣の展示と広大な古楽器製造修理工房に仰天した次第。詳しくは改めてご紹介の予定。

95歴史的な楽器をただ展示するだけでは無くコンサートが出来る音響素晴らしいスペースも併設し殆どの楽器がすぐに演奏可能な状態で維持されているのが素晴らしい!

54_20241129073401夜はベルギーのチェンバロ技術者とお会いして地元料理とビールを味わいながら様々な情報交換。しばらく欧州に行っていなかったので最新情報実にアリガタシ。

2024年11月27日 (水)

ブリュッセル楽器博物館訪問

3_20241128025001この度訪れたブリュッセル中央駅徒歩数分の便利な場所にあるブリュッセル楽器博物館は19世紀に建てられたアールヌーボー様式の建物にあり数千点の古今東西の楽器コレクションを厳選して展示している欧州有数の楽器博物館です。

62_20241128030201 多数の楽器展示の中、ベルギーは有名なルッカース一族を生み出した国だけにチェンバロのコレクションが実に素晴らしい!

34_20241128030301チェンバロコレクションの目玉はやはりハンブルグの名工ハスの作った16f付き大型2段チェンバロ。その作りの緻密さと美しさが評判高い彼の楽器は16fが入り張力にかなり無理が掛かっているのに数百年全く変形していない。見事な設計と製作のお陰でしょうね。先日来日したAシュタイア氏が所有する16fチェンバロ(パリのAサイディ作)はこの楽器のコピーですね。いわきの16fチェンバロは違うモデルですが、

10_20241128031001同じくハス作のクラヴィコードも見た目美しく堂々たる楽器であります。

152_20241128031602勿論ルッカースの楽器もあります。これはチェンバロとヴァ―ジナルが合体した巨大な親子ヴァ―ジナル。

54_20241128031801デラン作の縦型チェンバロもあります。普通サイズのチェンバロを縦にした様な構造だけに背が高過ぎて日本家屋には入らないでしょうね。

118珍しいチェンバロもいくつかありこれは復元チェンバロの最初期1891年に作られたプレイエルのチェンバロ。ピアノメーカーが初めてに近い時期に作った楽器にしてはヒストリカルに忠実ですが早くももうペダルがついてますね。

168面白かったのがフレミッシュながら16fが付いている楽器。強い張力を支える為響板が段々畑になっている珍しい設計でした。他にも多数のチェンバロ展示されていますが以前は看板楽器だった世界に3台しか残っていないティボーの素晴らしい装飾のチェンバロが展示されてなかった事、またベルギーのチェンバロ製作の重鎮故アイヴァン・アルー氏の工房が博物館内に再現されていたのも簡略化されていた事などがチト残念。

92フォルテピアノも中々充実した展示。ウィーンでも英国でも仏蘭西でも無いベルギー製の楽器が珍しい。

1351フォルテピアノ陣の中でも目玉楽器は現存する中では最もコンディションが素晴らしいと言われるウィーンのシュタインの5オクターブか。

129_20241128033301鍵盤楽器以外の古楽器も実に充実したコレクション。これはセルパンを使った装飾シャンデリア?ただ残念なのは以前はあったカフェが廃止されてしまってた事、アールヌーボーの内装を味わいながらゆっくりお茶出来たのに残念。便利な場所にあるチェンバロ・フォルテピアノが充実した楽器博物館なのでまだ未見のかたはブリュッセルに立ち寄った際是非覗いてみてください!

 

 

 

白耳義入り

2_2024112802380127日、暖かかった台湾から15時間のフライトで肌寒い巴里に到着するもすぐにTGVに乗り換え白耳義へ。私が欧州に行きだした頃は巴里ブリュッセル間夜行列車で5時間も掛かってましたが今やTGVで90分で到着とは早くなったもんです。

2_20241128024101ブリュッセルに到着すると中央駅すぐ近くの楽器博物館へ。詳しくは改めてご紹介の予定。様々な楽器が並んでおりひとつづつ丁寧に見ると1日では終わらないので注目楽器をメインにして絞り込んで見学。ただお目当ての初期フレンチの銘器が展示から消えておりガッカリ。アールヌーボー装飾美しいカフェも休業中でした。

8_20241128024301約3時間じっくりと楽器コレクションを堪能した後は駅前のパブでベルギービール片手にひと休み。白と黒のビール共に美味し。

10_20241128024501街はもうXmas気分かなり盛り上がっており様々な電飾が見事。

1_20241128052601夜繁華街の安宿近くのスーパーで夕飯買い出し。ビール売り場を覗くと地ピールの余りの種類の多さに仰天、どれも良さげで全部試したいところ・・・。適当に選んだビールが結構当りで実に美味い!

2024年11月26日 (火)

海外へ

1_2024112622160126日、今日から技術研修の為海外へ。空港に向かう電車で旧知のVn奏者と遭遇、伺うと台湾での古楽公演に向かうとの事。偶然私も乗継で立ち寄る予定だったのでビックリ。流石に飛行機は違いましたが・・・。

4_20241126222001台湾に着いて乗継待ちが6時間もあるので(確信犯?)空港近くの夜屋台市場を散策。アメ横をもっと濃厚にした方な雰囲気が素晴らしい!

8_20241126222301屋台沢山あるもののどこもメニューの漢字が全く理解出来ず散々迷うも勘で入った店2軒が大当たり!

14_20241126222501一軒目は豚角煮飯と牛内蔵スープの屋台店。もっと野暮ったい味を想像するも意外にも上品な味付けに感嘆!(写真撮る事忘れて箸を付けてしまい不完全な姿で申し訳無い)

15_202411262228012軒目は台湾風牡蠣オムレツの元祖店へ。薄くモチフワに焼かれ歯応えが絶品。これも癖のない味付けでした。

17_20241126223101夜市の沢山のお店で繁盛店はやはり一部のみ。今日の2軒はどちらも満席の繁盛振り。何故かここの食堂は酒を飲みながら食べる人は皆無(飲み物売ってない?)。こんな美味い料理は一杯やりながら食べたいものなのですが・・・。

 

2024年11月25日 (月)

16fチェンバロによるゴールドベルグ変奏曲

11_2024112523050125日、みちのくのホールでの御齢91歳になる日本古楽界のレジェンドCem奏者による「ゴールドベルグ変奏曲リサイタル」(12月15日)まで後僅か。モダンチェンバロ全盛期からお弾きになっているので多分日本で一番16fに精通されている巨匠が日本のホール楽器としては唯一という16f付きヒストリカルチェンバロをどう料理されるか実に楽しみであります。「私には16fのイメージが明確にあるのです」とおっしゃっておられるだけにわざわざみちのくまで足を運んでも価値が有る「究極のBach演奏」が聴けるはず・・・。

3_20241125232601この公演、もうひとつの注目は会場ロビーに展示される1970年代からの日本での古楽コンサートの貴重なチラシ陣。私の手元で保管されている国内外の様々な古楽奏者の懐かしいチラシ約1000種類の中から厳選された約百枚を皆様に見て頂く予定。巨匠の演奏と共に日本の古楽の歩みも見て楽しんで頂けるはず。乞うご期待!

2024年11月24日 (日)

チェンバロオルガン2台調律

3_2024112422450124日、「救世主」公演にチェンバロとオルガンで出動。ここの舞台は照明の熱でかなり温度上昇するよとの事で熱さを想定して2台を慎重に調律するも本番では何故か温度が下がり始めヒヤリ。その上冬特有の舞台上で異常乾燥も始まり2台の調律合わせるには中々難易度高い現場となった次第。

2024年11月23日 (土)

ダブルヘッダー

1_2024112322410123日、久々にダブルヘッダー。まずは大学内での合唱公演にオルガンで出動。指定ピッチがいつもより低く調律安定するか心配するも会場の暖房効きが悪く自然とオルガンのピッチ下がり気味で大助かり。

4_20241123224701終演後急いで次の公演会場へ。こちらは先乗りの若い衆が舞台照明の熱で調律メロメロなチェンバロ相手に格闘中。オルガンはどんな環境でも調律狂わない「賢いオルガン」でありました。

2024年11月22日 (金)

ペダル付き楽器

3_2024112219080122日、演奏家宅の国産オルガンのご機嫌伺いに若い衆引き連れ出動。かなり御歳の楽器ながら毎日弾き込んでおられるので以前よりも鳴りが向上しておりひと安心。充分な時間も頂きチェンバロと構造が全く違うオルガン調律に戸惑う若い衆の実地研修も出来てアリガタシ。

5_20241122191601作業の合間にお持ちの二十世紀タイプヒストリカルチェンバロの見学も。初めて見るので若い衆もかなり興奮気味、良い機会だと古今東西のチェンバロ史を講義する羽目に・・・。今日は二台共ペダル付き楽器でありました。

7_20241122192001スタジオに戻りペダル無しの白耳義製オルガンの出陣前の最終チェック。コンサート用オルガンの調律のし易さを改めて実感。

2024年11月21日 (木)

欧州で活躍していたチェンバロ

1_2024112119030121日、欧州のコンサートで活躍していた阿蘭陀製2段チェンバロが密かに日本に渡ってきていたと伺い拝見しに長距離ドライブへ。所有者の方に楽器のお話伺ううちに昔の様々な欧州古楽事情を沢山拝聴する事が出来古楽史研究家としても大収穫。帰路最長老のチェンバロ製作家の工房にもお寄りしてここでも日本古楽史の興味深いお話を色々拝聴。

4_20241121191601訪問地が漁港近くなので海沿いの鄙びた大衆食堂で地魚の干物と刺身の定食でランチ。鯵の干物美味かったものの観光地沿線なのでチトお上品な値段だったのが残念。

7_20241121192001周辺温泉激戦区でもあるので食後にひと風呂浴びようと大きな温泉街の裏通りにあるこれまた鄙びた老舗旅館へ。貸切で気分良く湯舟に飛び込むも余りの熱さに我慢出来ずすぐに退散する羽目に。良く見ると外の看板に「あつい温泉」とあり地元民は皆熱湯を承知で来られる様子。

2024年11月20日 (水)

我が街が誇る大衆中華店

1_2024112020100120日、我が街が誇る超B級大衆中華店を久々に訪問。街外れに看板無くとても飲食店には見えない外観で中もカウンター7席だけという余所者は怖くて絶対入れない不思議なお店。料理は美味しく値段は昭和のままでデカ盛り、その上超狭い厨房で1人ですべてをこなす大将の神業的な姿がまたご馳走であります。ただ潔癖症の方には刺激が強過ぎるかも・・・。今日も昼時外したのに常連で満席という繁盛振り、大将かなりお歳ながら末永く続いて欲しいお店であります。

2024年11月19日 (火)

調律アプリ

Photo_2024111916570119日、出陣前の2段チェンバロのご機嫌伺い。前回の調律から季節跨ぎしているはずがピッチも調律も殆ど変化無くひと安心。以前より簡単な調律の際はスマホチューナーで済ます事多かったものの最近スマホを買換えるとずっと使っていたCleatuneのアプリが新しいandroidスマホでは使えなくなっておりショック。コンサート本番で使える程の精度は無いものの古典調律も多数入っており普段使いには便利だった上、欧州の演奏家がここにしか入っていない仏蘭西系の古典調律を指定してくる場合が最近多く重宝していたのですが・・・。それではと代わりのチューナーアプリ探すもiPhone系は沢山あるもののandroid系は古楽器で使えるモノ殆ど無くガッカリ。チューナーアプリの為だけでiPhone派に転向するのも悔しいなあ。

2024年11月18日 (月)

冬本番?

9_2024111821130118日、関西から御江戸へ移動するも東西の温度差にビックリ。途中富士山周辺の冷え具合はもう冬本番か。

2024年11月17日 (日)

マラソン

3_2024111718520117日、スタジオ周辺2万人参加のマラソン大会で道路封鎖と知り珍しく電車移動。さて駅に着いてスタジオに向かおうとするも国道がランナーに占領されておりいつまでも横断出来ず困った・・・(ランナー途切れるまで数時間横断禁止だった?)結局1kmも大回りして陸橋見つけやっと横断。

5_20241117190301この季節例年なら冬の寒さ到来で乾燥始まり加湿器の出番のはずが今だ暖かく湿度下がらないまま。今年はスタジオの除湿器から加湿器への移行時期に迷うところ。

2024年11月16日 (土)

冠雪

1_2024111616550116日、移動中展示会で見掛た特殊な車、これなら楽器沢山積めるはずながら乗り心地は悪そう?

3_20241116165701富士山うっすらと冠雪が。間も無く冬本番のはずがまだ気温下がらず乾燥始まらず・・・。これも異常気象なんでしょうね。

2024年11月15日 (金)

宝の山

6_2024111516410115日、先日店仕舞いのピアノ店で発掘したオープンリール陣、中身をチェックすると音楽系では聴くべき音源皆無だったものの落語の音源に昭和の名人によるCD化されていない秘蔵録音が多数有りマニアとしては宝の山でありました。皆衰え見える晩年では無く全盛期の得意ネタばかり、半世紀以上前の古い録音ながらオープンリールテープなので高音質で聴けたのがアリガタイ。

2024年11月14日 (木)

フォルテピアノの音色

3_2024111418290114日、独逸と阿蘭陀のフォルテピアノ界の重鎮2人の来日公演を無事?終えてやっとひと息。しかし今回ベテラン両者の見事な楽器コントロールに改めて感嘆した次第。完全に脱力しながら鋭い指のバネだけで弾く奏法のお陰で音量小さいと思われていたフォルテピアノがこれだけ鳴るのかと皆さんも驚かれたのでは・・・。しかし彼らが思い通りに弾く為に要求するメカニックの精度は半端無く高く楽器のご機嫌取りには四苦八苦でありました。一番驚いたのは彼らが弾くとすぐに他の奏者が弾く時と全く違う独自の鳴り方になると言う事、楽器を自分の色に染め上げる力が凄いのでしょうね。

2024年11月13日 (水)

獅子王リサイタル千秋楽

3_2024111320020113日、阿蘭陀の獅子王フォルテピアノリサイタル千秋楽は上野の老舗ホールへ。平日昼公演なのに満席近い入り、古楽系のお客様は夜より昼の方が動きやすいのかも。獅子王のオールベートーヴェンプログラム、演奏のダイナミックさ、楽器の鳴らし方、超絶技巧の鍵盤さばき、どれもフォルテピアノ界のトップと称されるに相応しい圧巻でありました。ウチの楽器がここまで鳴るかと私自身も仰天した次第。ウチのワルター、次は来年4月に独逸の人気古楽オケと来日するフォルテピアノ界の貴公子のピアノ協奏曲公演に登板の予定。乞うご期待!

2024年11月12日 (火)

宙を舞うフォルテピアノ

1_2024111219250112日、モーツァルトオペラに出動していた独逸製フォルテピアノが練習スタジオに帰還。今回もクレーン吊り上げ作業となるも慣れてくると宙を舞うフォルテピアノを見るのが中々楽しいひと時。フタを開けてみると長距離運送の後なのに調律殆ど狂っておらず独逸製の堅牢さに改めて感心。

2_20241112193301楽器返却後今日もスタジオご近所の隠れ家海鮮食堂でランチ。日替わりの種類多く毎回迷うものの今日は生さば唐揚定食を注文。判り難い場所ながら美味い魚を出すと評判なのか大繁盛の様子。夜は楽器ならぬ我が身のメンテナンスの為主治医の鍼灸師の元へ。

2024年11月11日 (月)

獅子王登場

4_2024111122230111日、阿蘭陀のフォルテピアノ獅子王都心の人気ホールに登場。リハでウチのワルター弾き始めた途端いきなり楽器の鳴りを全開モードにしてしまい仰天。本番でも相当ダイナミックに弾く割には調律も狂わずメカニックも変化せずその完全に脱力した完璧なフォルテピアノタッチには脱帽でありました。流石「king of fortepiano」と呼ばれるだけある迫力満点の演奏。明後日の来日最後のリサイタル も是非お聴き逃し無く!

2024年11月10日 (日)

フォルテピアノ入りオペラ本番

2_2024111022100110日、みちのくでのフォルテピアノ入りモーツァルトオペラ本番。今回は仏蘭西の劇場作のセットを持ち込んだそうな。指揮は初登場の伊太利の新鋭、中々シャープな棒でありました。終演後は蕎麦や温泉の誘惑に負けず急いで帰京。

2024年11月 9日 (土)

蕎麦と温泉とモーツァルト

2_202411091808019日、オペラで訪問中の街は美味しい蕎麦屋と渋い温泉が沢山あるので仕事にも力入ります(笑)。今朝は朝風呂入りに山裾の温泉街へ。小さな共同浴場が何軒も朝6時からやっておりタオルぶら下げてはしご。

7_20241109181401小さな湯舟ながら源泉掛け流しのお湯がドバドバ。硫黄の香り心地良いものの酸性強いお湯なのか髭剃り跡がピリピリする程。2軒ほぼ貸切で朝から温泉三昧。

11_20241109181801街に戻りフォルテピアノの調律準備をしてから今日も蕎麦屋探索へ。ホールご近所の評判店に開店に合わせて入店すると地元民が次々来店の繁盛店。名物肉そばを注文するも腹一杯食べようと大盛(2人前)を注文すると巨大な丼に4人前の量が出てきて卒倒寸前。こちらは普通盛が他の2倍あるのですね。もう味どころでは無くナントか完食。蕎麦の本場恐るべし。

13_20241109182701モーツァルトオペラの方は今日でリハ無事終了明日いよいよ本番。海外との提携公演なので現代風の演出も実に精練されており見応え充分。音量心配されたフォルテピアノも大ホールPA無しで充分聴こえるとの事で生音勝負であります。

2024年11月 8日 (金)

フォルテピアノ入りオペラ

1_202411082129018日、みちのくでのモーツァルトオペラの舞台リハにフォルテピアノで出動。直前までオケパートをモダンピアノでガンガン弾いた後すぐにフォルテピアノを弾くとはオペラ付き鍵盤奏者も中々大変なご様子。

2_20241108214201蕎麦激戦区での空き時間は気になるお店巡り。まずは街外れの小さなお店は開店前から地元民が並ぶ隠れた人気店。店主御江戸の老舗名店で修行された方だとか。端正な2色蕎麦美味し。

3_20241108214601昼の2軒目は駅前の繁盛店。評判の店ながら蕎麦の質が他とはチト違う様な・・・。太麺なので満腹にはなりますが。

6_20241108215301夜は地元名物の芋煮を食べようと郷土料理のお店へ。単品では無く饂飩に入った物を注文すると「本来の味では無いですよ」と言われ苦笑。相当拘りをお持ちなのですね(それなら何故メニューに載せる?)

2024年11月 7日 (木)

みちのくへ

2_202411071931017日、オペラ公演にフォルテピアノ提供の為みちのくへ。北国は遠くの山には雪が見え気温も御江戸より10℃以上低い?何故か虹に何度も遭遇。

7_20241107193601途中少し寄り道して山奥の鄙びた湯治場温泉でひと休み。こちらぬる湯で有名だそうで夏ならプール気分ながらこの時期一旦入るとそのぬるさが心地良いものの出るのにかなり勇気要る程。雪深い地域なので来週から冬季休業だそうでギリギリ間に合った!

9_20241107194501古びた温泉宿には百年近く前の電話も残ってました。

15_20241107194901公演会場の街は蕎麦激戦区。これは蕎麦三昧の日々送れるぞと勇んで現地入り。搬入前の時間調整で早速老舗店2軒を攻略。まずは名物箱そばを注文。少し上品な味ながら大盛の蕎麦を堪能。

16_202411071953012軒目は流石にせいろは飽きたので珍しく温かい山菜蕎麦を注文。以前大繁盛だった店が何故か閑散としており不思議。評判落ちたのか

18_20241107195701舞台の仕込みの合間を縫ってフォルテピアノを舞台に設置。

2024年11月 6日 (水)

今だ乾燥せず

Photo_202411061707016日、出陣前のフォルテピアノのご機嫌伺い。例年ならこの時期現場は乾燥激しくなるはずがまだ湿度高いまま。仕方無く除湿器フル回転で真冬並みの湿度にしてから最終調整。いつまでも冬が来ない異常気象にも困ったもの・・・。

 

2024年11月 5日 (火)

フォルテピアノ吊り降し

2_202411051921015日、荒川右岸のチェンバロ工房でフォルテピアノ積込。今回も電動クレーンで2階より吊り下げて搬出。当初よりもハイテク化が進み間も無く1人でも2階吊り降しが出来るのでは・・・?

2024年11月 4日 (月)

お抱え楽師再び

2_202411041706014日、先日古ピアノを演奏してくれたお抱え楽師が再び到来。「今度はチェンバロを演奏いたしましょう。Bachばかりでは飽きるのでラテン物でも如何でしょうか?」と仕事の最中隣室で奏楽奉仕。中々トンガッたラテン音楽を堪能。

2024年11月 3日 (日)

ブランデン全曲公演

1_202411031822013日、老舗ホールでのこの時期恒例のブランデン全曲公演にジャーマンで出動。バッハの名曲ながら全曲公演は滅多に無いお陰か今回も大盛況の様子。毎年同じ曲を演奏するので毎回志向を変えており今回は1番→6番(初稿)→4番(チェンバロ協奏曲6番)→3番→2番(室内協奏曲)→5番(初稿)とかなり聴き慣れないバージョンに。5番1楽章の有名なカデンツァ初稿はかなり短いのにはビックリ。

2024年11月 2日 (土)

強烈な名手の残り香

2_202411021640012日、2段ジャーマンの出陣前のご機嫌伺い。先日の独逸の鬼才リサイタル以来なので名手の残り香を味わいながら調律するも鬼才の音色が強烈に染み込んでおり鳴りがまるで別の楽器の様・・・。たった1日半しか弾いていない上それ程激しい曲も無かったのにここまで激変するとはと改めて達人の楽器コントロールの凄さに驚愕した次第。

2024年11月 1日 (金)

鬼才の次は阿蘭陀の獅子王

2_202411012033011日、独逸の鬼才とのツァー私の担当分は終了、次は阿蘭陀の獅子王の来日ツァーの御江戸2公演に出陣予定。鬼才に提供の二百歳の老ピアノは繊細で扱い厄介な上に奏者の要求する精密なタッチに応えるのに四苦八苦するも、獅子王には堅牢な現代の復元楽器を提供なので少しは重圧少なし・・・。しかし彼の豪快なタッチに応えるのもかなり苦労するかも・・・。念入りにご機嫌伺い。

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