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26日、次の出陣に向けて2段ジャーマンのご機嫌伺い。先日の仏蘭西の鬼才が弾き込んだ名手の残り香を存分に味わいながら調律。良く引き締まった明瞭な音色が素晴らしい。
次は前の出番から3ヵ月振りの米国製フォルテピアノのご機嫌伺い。公演の調律のまま放置していたもののフタを開けると殆ど変化しておらずすぐに舞台に出せる状態に少々ビックリ。タフな米国製の安定感に感嘆した次第。
楽器運送で都心に出たのでランチは学生街の超人気中華屋へ。大箱ながら開店後すぐに満席になる繁盛店。北の大地で海鮮丼ばかり食べていたのでこういう都会風の濃い味が懐かしい・・・。
スタジオでドッグ入りしてきた独逸製クラヴィコードのご機嫌伺い。豪華な木目装飾と弾き易いタッチの楽器、音量豊かで音もクリアなので調律もやり易い。
25日、前夜北の大地を船で出発し夜明け前にはみちのく北端の漁港町に到着。もっと御江戸に近い港に着く便が多数あるのにわざわざこの船を利用した訳は・・・。
朝6時開店という港近くの漁港市場にある食堂で平目漬丼を食べる為。絶品の料理が有名になり過ぎて今や僻地なのに日によっては開店前から大行列出来る超人気店に。今朝は港に着いた途端駆けつけて開店45分前に店に着くもやっぱり上手がいるもので先客1人有り。平目とえんがわの相盛丼新鮮なネタと卵と独特のタレの相性が抜群でわざわざ遠回りしてでも食べる価値有りの逸品。食後650kmを一気に走破し御江戸に帰還するも関東圏に入った途端余りの猛暑にダウン寸前、また北の大地に戻りたい・・・。今回のみちのく・北の大地旅結局トータルで走行距離4400kmでした。1日平均400km!よくもまあこれだけ走ったもんです。
24日、北の大地の山間部夜から災害級の豪雨となり道路通行止めもあった様子。昨日まで長閑だった川が激流となっておりヒヤリ。
最終日は大都会へ。海鮮食べ飽きたと名物のラーメンに挑戦。有名店に開店間もなしに向かうも数十人の大行列を見て退散。代わりにさるホール近くの裏通りのお店に行くも昼時なのにお客がいない・・・。こりゃ外したかなと覚悟するもラーメンは実に美味い。間も無く御客がドンドン来店しすぐに満席になり実は評判店と判明。やはり北のラーメンレベルは高いなあ。
近々お伺いする予定の新しいホールの楽器搬入経路の下見の後は街を散策。曇天のせいか気温低く実に快適。
近くの別のホールを覗くと大御所のリサイタルのチラシが。みちのくでのバッハ究極の名曲リサイタルの前に各地でも同プログラムを披露される様子。ただ16f付きチェンバロでの演奏はみちのくだけ!
北の大地、街を出るとすぐに豊かな大自然が楽しめるのが素晴らしい。また街に入る直前まで鹿に何度も遭遇。今回栗鼠・狐・鹿は見れたもの念願の(?)熊と出会えなかったのが残念・・・。
23日、みちのくから北の大地への長旅は安価な温泉宿を渡り歩く日々。昔から北の宿は夏でも涼しいのでエアコン無いよと聞いていたが今回かなりの場末の宿でもエアコン完備ばかり(百年経つ廃墟寸前旅館と有名温泉地老舗ホテルは無かったですが)。宿の方に伺うと最近大量に押し寄せている外人客は暑さが苦手なので入れましたとの事。お得意様には逆らえないというところか。猛暑続く北の大地を旅する貧乏人にはアリガタシ。
今日は見残し無い様にと観光地では無い僻地を延々徘徊。夏の北の大地はキャンピングカー、バイク族、チャリンコ族(外人多し)の量の多さに驚くなかり。中には大八車3輪で旅する猛者もいました。
ランチは観光客が来ない漁港田舎町の普通の寿司屋でちらしを注文。魚の味には煩い地元民相手のお店なので地元産の新鮮なネタを安価で提供している様。
僻地の資料館で歴史的な大工道具の充実した展示を拝見。昔から船大工の伝統残る街だとか。
同じく資料館で珍しい国産グランドピアノが展示。象牙鍵盤が使われており有名作曲家の所有品だったとの事で特注品だったのでは。
21日、移動日の今日も北の果てで岬巡り。「つ」の字状に曲がった不思議な半島は自然の宝庫。まずはキタキツネが登場。人懐っこくいつまでも付いてくるのが可愛い。
地元の方に「鹿の飛び出し注意」と散々言われていたが今日その現場に遭遇。私の前の車と衝突した様子。確かに沢山の鹿の集団見掛けたので飛び出しはあるでしょうね。
岬巡りで山中を走行中すぐ近くで残雪を発見。まさか猛暑の中雪見出来るとは・・・。
途中最果ての漁港食堂で鮭三種丼。美味安価で評判のお店なので行列覚悟するも朝はそれ程御客おらずすぐに入店。流石ここまでくる観光客は余り多くないのかな。
ご近所の山奥に3段並びの秘湯露店温泉があると知り訪ねるもキャンプ客大勢いるすぐ脇なので丸見えで入浴断念。エメラルドグリーンの素晴らしい色の温泉なので(かなり熱湯?)再挑戦したいもの。
さる資料館で古楽系コンサートに最適な豊かな残響の空間を発見。今は見学のみながら昔は演奏会も良く行っていたのだとか・・・。ただ入場するには一般人は取り難い特殊な資格が必要だったそうな。
さる浴場に迷い込むと派手なボディペインティングのお兄様達に遭遇しドッキリ。
夜は最果ての温泉旅館に宿泊。昨日の強酸性から一転紅茶色のアルカリ性のモール温泉。鄙びた温泉宿ながらエアコンが付いておりビックリ。最近は夏の猛暑が当たり前になってきた為か。
20日、白耳義から持ち帰った1段チェンバロのご機嫌伺い。来日後数年経つも北の大地の気候が欧州に近いのか本来の豪快な鳴りが維持されており感心。猛暑が殆ど無いエリアなのでエアコン無しながらここまで出来るのが羨ましい・・・。
訪問地の漁港食堂でほっけの開き定食。本当は海鮮丼のつもりがお隣が余りにも美味しそうに食べておられたので釣られて注文。いやホクホクの大振りなほっけが美味い!
観光客で賑わう魚市場も少し見学。北の魚は大物が多く見ていて楽しい。ここの名物自分でネタを選べる「勝手丼」、調子に乗ると結構割高になるシステムなので私は手を出さないのですが凄い人気。
楽器調整後は内陸部へ移動。地元民は湿気が凄く猛暑!とぼやいておられるも本州の本物の極暑を知る身としては爽やかな気候にしか感じられず。湖畔の天然の露天温泉を訪ねるも周辺キャンプ客多く入浴者多過ぎて退散。
夜は周辺強烈な硫黄臭漂う温泉地で宿泊。余りに強い酸性で入浴中に顔を洗うと目が沁みる程。ここしばらく強烈な温泉に入り過ぎて硫黄臭が染み付いてしまい困った・・・。大きな旅館ながら噂通りエアコンが無く扇風機大活躍、意外に安眠出来ます。
19日、北の大地を西から東へ大移動。途中まだ足を踏み入れた事が無い岬を2ヵ所訪れるも濃霧のため景色は全く見えず残念。500kmを一般道のみで爆走するも信号無い道ばかりで高速と殆ど変わらず。しかし北の大地は広過ぎる・・・。
途中フェリーも到着する港町の魚市場で朝飯。御贔屓の食堂今やマスコミで有名になり過ぎて早朝から長蛇の行列で断念、ご近所の評判良い別の食堂は空席ありすぐに入店、安い海鮮丼も豪華なネタで大満足。これからはこちらを御贔屓にしたいものの有名になって行列出来る様な事はご勘弁・・・。
途中の田舎町にレコードの博物館があると知り訪問。10万枚以上のレコード所蔵を誇り蓄音器やアナログオーディオの銘器も並ぶ立派なコレクションに感心。
こちら荒天で気温が下がり夕方には少し肌寒い程に。なにか温かい料理を頂こうと訪問地の老舗人気洋食店でカツスパを注文。名古屋飯で有名なジャンクパスタがこちらでもご当地グルメとなっている様子。鉄板に乗ってくるのでいつまでも熱々が食べれ冷えた体にはアリガタイ。
18日、昨夜から泊まりは北の大地の南の玄関口の港町。駅前の観光客相手の魚市場も大賑わいで朝晩2回も徘徊するもボッタクリのお店ばかり。駅弁の方が満足度高し。
港町の宿の温泉も良かったもののご近所に海の波打ち際の天然温泉があると伺い寄り道。1日数時間干潮時のみ姿を表すという正に秘湯ながら常連の方に占領されており恐れをなして見るだけで退散。
目的地に向けて北上中、途中の山中にマニアにも有名で私も大の御贔屓の鄙びた湯治場温泉宿があるので再訪。相変わらず無人で入浴料を置いて勝手に入浴。独特の濃厚な成分の源泉がドバドバの贅沢な温泉。
昼飯は街道沿いのドライブインで蟹といくらの丼と蟹汁。他所モンには贅沢なネタながら地元の方には普段食なんでしょうね。
一般道300km爆走しても目的地には辿り着けず手前の温泉街で宿泊。地元ニュースでは猛暑と騒ぐも御江戸から来た身には実に爽やかでアリガタイ。
17日、本州北端の街で早朝より駅前魚市場へ。きれいなビルの中にある市場は地元民も観光客も姿無く閑散とした状態。再開発でかえって活気が無くなってしまったのでは・・・。市場内食堂でモーニング海鮮丼を頂くもやはり観光客相手の盛り付けで少々ガッカリ。
北の大地に渡るのにわざわざ本州最北端の港から出るマイナーなフェリーを利用。乗船前にご近所のいたこで有名な霊山を訪問し境内の片隅にある混浴温泉でひと休み。周辺強い硫黄臭漂う荒地の中にポツンとある浴場は窓を開けておかないとガス中毒する程の濃厚な温泉。わざわざ遠回りしても行きたい大好きな秘湯でありました。
ランチは本州最北端の海沿いの小さな食堂で活いか定食。注文するとすぐに近くの生簀まで取りにいった鮮度最高のいか、バラバラにされてもまだ生きており醤油を垂らすと「何すんねん、沁みるやないか!」と脚で頭を撫でておりました。
海峡渡るフェリーはたった90分の旅。不便なアクセスながら夏なので利用客多し。キャンピングカーが一杯!
北の大地に上陸し最南端の歴史有る港町で歴史的洋館見学。築百年以上経つ公会堂の大広間、音響素晴らしく古楽系コンサートに最適なのでは・・・。
16日、昨夜から泊まっていた文化遺産の様な超老舗旅館、夜中寝ていると通気用小窓が風も無いのに何故か急に大きな音を立てて開いたり閉まったりするんですよ。部屋に何かいたのか?今日もジワジワみちのくを徘徊しながら北上中。
昨日は洋館を攻めたので今日は和風建築巡りを。日本海側の海運で栄えた古い港町には豪華建築多し。まずは1895年築の元料亭跡を見学。凝った細工の建具など豪華な内装に感嘆。他にも100年を超える歴史的建築多数現存。
昼は港の魚市場で大好物の烏賊尽くしの定食。どこでも穫れる大衆魚ながらここの烏賊は新鮮なのか甘さ溢れる味が素晴らしい!
食後はまた寄り道しかなり山奥の秘湯温泉へ。常連さんが近くで熊に会ったとか脱衣所に大蛇がいたとかおっしゃる程の秘境ながら源泉がドバドバ湧き出ており湯舟周辺は温泉の堆積物が層になっている程の濃厚な成分の極上の温泉。ご近所にもう1軒畑の中にある不思議温泉を訪問するも場所判らずすごすごと退散。
15日、ホール所有チェンバロのプチご機嫌伺いでみちのく入り。作業終え次の目的地に移動の為ユルユルと北上中。途中の山間部では20℃以下まで気温下がり喜ぶも都市部は晴天でどこも30℃越え。
移動中休憩で大きな街に寄り道。歴史的洋館多い街との事で見学。こちらは1878年築の病院跡。曲線美が素晴らしい!
次は県庁舎&県議会堂跡の洋館へ。こちらはオケリハやコンサートで何度かお伺いした思い出深い建物。その重厚さが見事。
この街は蕎麦屋激戦区でも有名なので今回は老舗を攻める事に。江戸末期創業という地元一番の老舗店で名物の箱蕎麦を注文。何軒かお店掛け持ちしたいので大盛控えるも3人前のデカ盛りが出てきて仰天、幸い喉越し良くスルリと食べられたので2軒目に挑戦。
次は100年前創業という老舗店。以前訪問時は流石歴史有る味と感動したのに今回は切れ味悪い蕎麦に少々ガッカリ・・・。どうしたのか?
今日は無理せず道途中で少し山中に入った寂れた温泉旅館に宿泊。明治元年築という廃墟寸前の歴史的遺産の建物が凄い!マニアには有名な旅館ながら人影が全く無いのでもしや貸切?と心配するも飯場代わりに宿泊する方がおられるとの事でひと安心(1人だと怖い・・・)。
泊まった部屋は明治時代のままで(もしや遊郭跡?)周囲一面文化財の様な装飾に囲まれて寝る羽目に。勿論冷房無し、久々に扇風機の有難みを実感。
11日、先日来日した仏蘭西の人気チェンバロ奏者がウチのスタジオに来た際、ドッグ入り中のイングリッシュ2段チェンバロを大層気に入り「この楽器コンサートでも使わせてくれる?」とまで言われこちらがビックリ。極上のオリジナル楽器を沢山弾いている彼がイングリッシュモデルに注目しているのは実に興味深い・・・。今日は日本で唯一?珍しいイングリッシュ2段を製作中のK氏の工房に立ち寄り実物を拝見しながらしばし英国式について熱く楽器談義。
6日、昨日の北方面放浪から一転今日は中部地方で楽器工房巡りの1日。まずは我国のチェンバロ、クラヴィコード製作家最長老の工房を訪問し仕上げ中のクラヴィコードやフォルテピアノを拝見。もう半世紀以上製作されているという氏の昔話どれも面白過ぎでつい長話に。
ランチはご近所の観光客相手のお店でご当地名物を。暑い中汗搔きながら食べる熱々のほうとう意外に美味し。
2件目は隣町のパイプオルガン界最長老の工房を訪問。御齢80歳を超えながらまだまだ大オルガン相手に元気一杯格闘されているお姿見てひと安心。ここでも昔話に花が咲きつい長居する羽目に。世界中のパイプオルガンのモーターを独占して製造していたメーカーが潰れたと伺い仰天。幸い伊太利のメーカー製が替わりに何とか使えるとの事。
信州から今日も山奥の一般道百数十km爆走し南下。最後は若手チェンバロ製作家の工房を訪問し製作中の楽器を拝見。ここも業界四方山話が次々飛び出し長話。帰宅出来たのは午前様に。
5日、超小型スピネットの運送で200km弱移動。この楽器男性だけでなく女性1人でも簡単に移動出来るのがアリガタイ。
楽器運送後さるホールへ打ち合わせの為また百数十km移動するも時間調整の為ご近所の(ちと遠い?)山奥にある秘湯温泉巡りを敢行。まずは廃墟マニア大喜びの草臥れた旅館へ。硫黄臭漂い白く濁ったお湯に飛び込むも余りの熱さに数十秒でギブアップ。どうも源泉からの湯量が栓が緩んでドバドバ入り過ぎて煮えたぎっていた様子。濃厚なお湯は最高だったので次回は是非適温で入りたいもの。
2件目は川裾にある源泉共同浴場。ここは41℃から46℃まで1℃単位で湯温違う湯舟がずらりと並ぶユニークなシステム。ただ熱いお湯は苦手なので42℃で脱落、それ以上はもう我慢大会なのでは・・・。
3件目は山深くにあり車降りてかなりの距離を歩かないと辿り着けない正に秘境温泉。露天風呂は川のせせらぎを聞きながらノンビリ入れる極上のロケーション。
ここの内風呂には有名な天狗様が鎮座しておりました。温泉を堪能した後山道を100km以上爆走しホール入り。ここで全国駆け巡っておられる名物マネージャーとニアミスしたのでお茶をしながら最新情報交換。500km以上走り回るも湯治旅となり疲れ知らずで帰京、ただ硫黄臭抜けません(笑)。
3日、仏蘭西の実力派鍵盤奏者たった1回のチェンバロリサイタルにジャーマンで出動。ホール入り前に最近稼働し始めたフォルテピアノ練習場で楽器のご機嫌伺い。天井まで5mもある広い空間ながら空調管理万全なお陰で環境変化少なくフォルテピアノもご機嫌上々でひと安心。
築地の人気ホールでのリサイタル、約20年間の間数多くウチのジャーマンをこのバッハの名曲公演に提供してきましたが今日の奏者の演奏で私自身今まで聴いた事が無かった様な独特な音色が次々に飛び出し仰天(4fソロなんて初めてか)。余りに多彩過ぎる音色変化や超絶技巧で自由奔放な鍵盤裁きに腰を抜かした次第。いや空前絶後のゴールドベルグ変奏曲でありました。今や欧州チェンバロ界のトップとして君臨する圧巻の演奏を堪能出来た贅沢な一夜。
2日、来日中の仏蘭西の俊英バンジャマン氏がリハーサルで来訪。今イングリッシュ2段があるよと申し上げると早速興味深そうに試奏、ゴールドベルグ変奏曲を弾き始めるも意外にイングリッシュでも合うもんだと感心(もしかすると本番に使えるかもと思ったのでしょうね)。「素晴らしい楽器だね」と絶賛して頂きアリガタシ!
本番で弾く阿蘭陀製2段ジャーマンは彼はもう十数年前から来日の度に弾いているので自在にコントロール出来るんでしょうね。相変わらず超絶技巧の鍵盤裁きが素晴らしい!明日は密度の濃いゴールドベルグ変奏曲が聴けるはず・・・。
帰り際最近こんな物出したんだよと頂いたCD、ファリャ作曲のペドロ親方の人形芝居とCemコンチェルトをランドフスカモデルのプレイエルで演奏したとの事。欧州では古楽復興の最先端が遂に20世紀前半まで辿り着いているとは羨ましい!モダンチェンバロも正当に再評価されている様子。
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