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21日、今日も2台の楽器運送で地方徘徊中。移動中見掛た川を泳ぐ?大量の鯉のぼり、もうそんな季節なんですね。
豪雪地帯の山奥にあるベテラン製作家の工房を表敬訪問すると沢山の猫がお出迎え、伺うと7匹もいるのだとか。ここは我国で数少ないクラヴィコード製作をメインとしている工房なので(勿論チェンバロも作られてますが)豊富な経験に裏打ちされた楽器談義がアリガタシ。現在製作中の日本初という珍しいモデルのクラヴィコード完成が楽しみであります。
この工房訪問のもうひとつの楽しみがご近所の山裾にある格式高い秘湯温泉。こちらのお湯は冷泉ながらトロ味あるかなり濃い成分だとか。何故か真空管アンプ含む高級オーディオでアナログレコード試聴出来るのも面白い。
最後に最近修復された仏蘭西の銘器1930年製の90鍵フルコンERARDを見学。以前拝見した際はガラクタ寸前瀕死の状態だったのが見事に蘇った様子。長年学校の片隅で放置されていた銘器も「日本に4台しかない貴重な仏蘭西製最高級ピアノ」として動態保存され地元民に公開されるとの事。
16日、斧振氏弾き振り公演リハ2日目も順調に進行中。伊国人Cem奏者に「初来日?」と尋ねると「10年前1度だけ浜松にチェンバロ弾きに来たわよ」との事。彼女どうも前日伊太利本番直後に飛行機に飛び乗って翌日昼の日本でのリハにギリギリ辿り着くという超ハードな旅だった様子。
今回の公演チェンバロ使用は半分だけとの事で空き時間多し。ランチは郊外の地元民御用達の定食屋で海鮮丼。シンプルながら新鮮なネタばかりの贅沢な盛りでした。歩いていけない場所なのに昼呑みの客多いのが不思議。
食後街中の名所旧跡を散策するも桜は数日前の雨風で殆ど散ってしまっていたのが残念。幸い遅咲きの桜もあり花見気分は堪能。
リハ後はホールお隣の食堂街で夕飯にまたもや海鮮丼。店によってネタの産地が違うのでつい食べ比べしたくなり魚尽くしの食事になるのは仕方無しか・・・。
10日、ブルージュ覇者来日ツァーも今日の広島郊外のホール公演で千秋楽。来日前から稀に見る逸材との噂届いてきたもののいざ生演奏を聴くと想像以上の凄さにぶっ飛んだ次第。完璧な鍵盤コントロール、幅広いレパートリー、豊かな音楽性、楽器や調律への異状な拘りなど若干22歳とは思えないトンデモナイ才能を持つ天才を間近に見る事が出来た忘れがたい2週間でありました。今日も圧巻のバッハとラモーを披露、最後というのでアンコールは3曲も・・・。しかし2週間お付き合いしながら名前覚えられなかったのが残念。
今日の公演リハは殆ど不要と急に言われ空き時間出来たのでノンビリ周辺散策へ。まずは巨石、奇岩が並ぶ庭園で桜花見へ。ここ数日の荒天でかなり花びら散り始め満開過ぎてしまったのが残念。
ホール周辺は西日本有数の酒蔵地帯なので利き酒はグッと我慢しながら古い酒蔵を散策。地元灘五郷と違って古い蔵が沢山残ってるのが羨ましい。ホールの方に伺うと公演で来る出演者で本番前に利き酒に精を出し過ぎて出来上がってしまう猛者もいらっしゃるとか。
5日、ブルージュ覇者ラ日ツァー御江戸ベイサイドの人気ホールへ。ポーランド人奏者今日もノンビリ会場に現れるといきなりプログラムに無いスカルラッティをガンガン弾き出したので仰天(指慣らしか?)、その後本来のバッハプロを暗譜でサラサラ弾いてリハ終了!と余裕の様子(ウチのジャーマン1週間前にチラッと弾いただけで実質今日初めてなのですよ)。ポーランド古楽関係者の方の話では彼は10代の頃から神童で有名だったそうな・・・。道理で若干22歳ながらもうベテラン奏者の風格持っているはずだ。しかしこの奏者陰陽併せ持つ複雑な響きが好みなのでしょうが尖がった調律法でわざとにごった響きが多い曲を選ぶセンスのお陰で本番中舞台裏で調律師ハラハラしっ放しでありました(汗)。
4日、今日はApril4.4なのでピアノ調律の日だとか。そこで現在ツァー同行中のマチェイ君の公演の調律について語ります。来日前彼からバッハプロには5度圏の図面データのみ、フレンチプロはマイナーな古典調律法の名前を挙げてリクエストがありエラク調律法に拘るなあと感心した次第。バッハ向けの調律はかの平均律第1巻の表紙の上端にあるグルグルから解読された「バッハ調律(E.Jobin版)」と判明。最近御相手するトップ奏者は殆ど平均律に近いものの微妙に色彩感が出るまろやかな調律法を選択する中、彼のリクエストは調によって色合いが激しく変化するかなり扱いが難しい物。そしてその調律法を使い敢えて複雑に響く調性の曲を選んでいるのが彼の独自のセンスなのでしょうね。日頃とはかなり異質のバッハの響きとなる事間違いなし! またフレンチプロも最近仏蘭西周辺で流行っている?ミーントーンテイストの調律法でして陰陽のコントラストが明瞭に出るスグレモノでありました。今回マチェイ君の演奏、その独特の響きにも是非ご注目あれ!
3日、ハマ郊外の人気ホールでのブルージュ覇者来日公演3日目は今回たった1回のオールフレンチプログラム。来日前奏者から提案あったプログラムを見てメインのバッハプロもかなり渋い選曲だと感心するもフレンチプロが余りにも本格的なのでこれは余程自信があるのでは?と期待するもいざ生演奏聴くと予想を大幅に超える完成度に度肝を抜かれた次第。また繊細な鳥の羽の楽器をほぼノーミスで弾きこなした圧巻の鍵盤コントロールにも驚愕。若干22歳でこれだけ弾けるとは恐ろしい限り、近年稀に見る逸材の来日ツァー まだ4公演残っているので是非お聴き逃し無く!
2日、同じ会場で同じチェンバロを弾いても弾く奏者によってこれだけ音が違うものかと言う事を体験出来る貴重な機会をご紹介。会場は築地の人気ホール、楽器はウチのジャーマン、そしてブルージュコンクール覇者2人による対決であります(勝手に煽ってますが・・・)。
まず先攻は4月5日現在来日ツァー中の新鋭ポーランド人奏者のバッハプログラムのリサイタル。その2m近い長身から繰り出される剛速球奏法(?)の凄まじさを是非お聴きあれ!ポーランド人ならではのナイーブさも堪能出来るはず。
続いて後攻は7月3日今や仏蘭西を代表する重鎮となりつつある実力派2年振りのチェンバロリサイタル。今回はゴールドベルグ変奏曲を日本で初披露(東京1回きりの演奏との事)。19歳でブルージュ優勝した彼ももう円熟期に入ったと言えるのでは・・・、磨き上げられた究極のバッハの名曲楽しみであります。
2人による同じ条件での演奏対決、是非お聴き逃し無く!
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