今年もありがとうございました
31日大晦日。今年も皆様のお陰で何とか大晦日まで辿り着く事が出来ました。去年から続く未曽有のコロナ禍の中でしたが色々楽しい事興味深い事も多い1年でした。それでは年末恒例今年1年を振り返ってみたいと思います。コロナのお陰で海外演奏家の来日は殆どキャンセルとなりましたが奇跡的に1月に2組の演奏家とご一緒出来ました。まずは仏蘭西の若手実力派Cem奏者初来日のゴールドベルグ変奏曲ツァーにお付き合い。2週間の隔離を経ての来日で噂通りのしなやかで躍動的な演奏を披露。
続いて露西亜出身の鬼才ピアニストによるチェンバロ、フォルテピアノ2台、現代ピアノと計4台を一晩で弾くという凄まじい公演に3台の楽器提供。全くタッチが違う楽器を自在に弾き分ける驚異の鍵盤テクニックに脱帽でありました。
楽器提供のコンサート稼業と共に90年前の英国製大型蓄音器担いでのレクチャーも全国各地で開催。中には300席の人気ホールでの開催も。夢の蓄音器漫談家への転身も着実に前進の1年でありました。
長年面倒見ているみちのくのホール所有の16f付きチェンバロは今年も活躍中。このチェンバロを使っての2枚目のCDの発売記念公演もあり、去年初めて行われたゴールドベルグ変奏曲映像収録に続いて今年2人目の同曲の映像収録もyoutubeで好評公開中。
通常のコンサートはまだまだ開催難しい情勢ながら少しづつホール公演も戻って来てますね。今年後半は座席フルでの昔ながらの活気有る公演も開催される様になり感慨深し。
まだ通常の開催厳しい時期にも若手演奏家の自主公演をお手伝い。8月と9月にお馴染みの池袋の洋館でチェンバロリサイタル 2回開催、イタリアンとフレミッシュの2台の小型1段チェンバロのデュオ公演と5オクターブの超大型1段フレミッシュのデュオ公演というチト珍しいプログラムでありました。
今年は楽器提供の数は少なかったもののフォルテピアノ2種類やチェンバロとポジティフオルガンなど2台提供の公演が多かった。他にもチェンバロとホールパイプオルガンの共演という初体験も。
チェンバロ、フォルテピアノ、クラヴィコードもこの1年多数運搬しましたが想い出深いのは超大型チェンバロの11階階段上げ!本体だけでなく脚もエレベーターに入らず11階階段のダブルヘッダーとなり疲労困憊でありました。
今や楽器技術者と共に二足の草鞋となった日本古楽史研究もコロナ禍のお陰で研究時間が増え多数の新発見を交え収穫多い1年。一番の収穫は日本チェンバロ界の大恩人エタ・ハーリッヒ=シュナイダーの日本初録音(昭和16年)のチェンバロ演奏のレコード入手、現存するレコードが殆ど無いと言われている中縁有ってゲット!
日本古楽史研究のもうひとつの大きな収穫は明治以降最初に日本に持ち込まれたガンバとされていた楽器の素性の解明。当初1929年に日本に持ち込まれたと伝わる楽器が実はその約30年も後だったと判明、まだ最後の検証中ながら近日中にはその研究成果を発表予定。しかし大正もしくは昭和初期にはガンバは日本に持ち込まれていた可能性高し。
個人的にはコロナ禍の中でも旅が多かった1年。全国各地北から南までほぼ網羅か。海外に行けない中でも北の端では隣国露西亜の山を微かながら見る事が出来ました。
旅が多かったのでライフワークの温泉行脚も順調。コロナのお陰でどの温泉も余所者が入り難い雰囲気ばかりだったので必然的に場末の無人温泉ばかりの訪問になるもどこも寂れ具合が情緒深く温泉風情を堪能出来ました。
同じく全国各地の食べ歩きも充実、中でも今年一番の料理はみちのく北の端にある漁港食堂の海鮮漬け丼!余りの美味さにわざわざ数百km遠回りしてまで再訪した程。
以上がこの1年の回想でありました。例年なら来年の注目の公演を予告していたのですがまだ収束の目途立たないコロナのお陰で今回はご紹介出来ず申し訳ない。来年こそ平穏な日常に戻れることを期待するばかりであります。
では良いお年をお迎えください。
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