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27日、間も無く担当するミッションで楽しみなのはチェンバロとホールオルガンの共演。過去ポジティフオルガンとの共演は数あれどホールのパイプオルガンとご一緒は記憶無し・・・。両者のピッチが合うのかが一番心配ながらホールからは「ウチのオルガンのピッチは440」との事。温度1℃違えば1Hz近くピッチ変化するオルガンが真冬にピッタリ合う訳無いと思うのですが・・・。そう言えば昔某チャペルでのパイプオルガンのCD録音に参加していた際、真冬ながら暖房無しで録音強行、皆寒さに震えながらナントか収録終え最後にオルガンのピッチを計ってみたらバロックピッチのはずがヴェルサイユピッチになってました・・・。まあ曲がクープランだったのでOKとなりましたが(笑)温度次第でピッチがいくらでも変わるオルガンの怖さを思い知った次第。
26日、師走に開催のリサイタルへ出陣予定の楽器陣のご機嫌伺い。久々のソロリサイタルへ出陣のジャーマンのプログラムは「ゴールドベルク変奏曲」。毎回調律法の選択に悩むこの名曲今回は奏者より「ヨキニハカラエ」との事。過去ヴェルクマイスター(1990年代は多かったですね)、キルンベルガー(米国の名手K・W氏が選んで驚いた)、ケルナー(一時の流行で終わった?)、お馴染みのヴァロッティ、ヤング、そしてナイトハルト、リーマン=バッハ(この2種は最近のCD録音で使用)など様々な調律法を体験しましたがどれも独自の色彩感が滲み出て甲乙付け難し・・・。純正5度を多くして濃淡を明確に出すのも、なだらかな割り振りにして繊細な味付けにするのも特徴を引き立てるのは奏者の弾き方次第でしょうね。意外にも平均律はまだ未体験、いつかは聴いてみたいものですが(誰かやりませんか?) 今度のリサイタルの調律法何を選択するかは当日のお楽しみであります。
24日、最近綿密な調査に基づく素晴らしい伝記が出たばかりの名ピアニスト原智恵子、昨日著者とお会いしてお話伺ったところまだまだ解明出来ない謎が多いとの事。私も謎と思ったのは1958年大阪と1962年東京で彼女が使用したピアノが仏蘭西の銘器プレイエルだったという事。戦前の欧米ピアノ激戦時代ならいざ知らずもうスタインウェイとヤマハが独占しだした時代にわざわざ当時手配が難しかったと思われる仏蘭西のピアノを弾いたのが不思議。どこから持ち出したピアノだったのかも是非知りたいところ(どなたかご存じでしょうか?)もしかすると現代的なピアノでは出ないピアノ黄金期時代の輝かしい音色を求めて敢えて古い仏蘭西製ピアノを選んだのかもとも思うのですが・・・。戦前のピアノ黄金期に競い合っていたトップメーカー11社の音色を聴き比べ出来る珍しいレクチャーが12月に京都で開催予定。ご興味ある方は是非ご参加を!
23日、13歳で渡欧し戦前より欧州で活躍した国際的名ピアニスト原智恵子、最近ではかのショパンコンクールに最初に入賞した日本人としても再注目されている彼女の新たな伝記がこの10月に出版されたと知り近代音楽史マニアの私は早速購入、綿密な調査による充実した内容に感嘆していたのですが今日は不思議な縁あってその著者の方と直接お会いする事に。彼女は神戸生まれながらその詳細が判らなかったのですが実は幼少の頃の家が現在の私の西のスタジオのすぐご近所(多分100m以内か?)と判明し仰天。また一緒にお伺いした方からも某所から発見されたという彼女の未公開秘蔵資料を多数拝見させて頂き大興奮。今後まだ謎多き彼女の生涯の研究調査が進展しこの日本が誇る名ピアニストに再びスポットが当たる事を強く願う次第。
20日、近々約2年振りに出陣予定のフォルテピアノ、半年以上放置していたのでさぞご機嫌斜めだろうと恐る恐るフタを開けるも調律少々乱れていた位でピッチも安定しており鳴りも健在、米国製の堅牢さに改めて感嘆!
都心某所でのオケリハにオルガンで出動。会場に搬入後チェックするとピッチがピタリと合っており調律無しでリハ開始、事前の仕込みが上手くいった様子。ブランクあれど現場の勘は鈍っておらずヤレヤレ。何故かオルガンの上にミラーボールが・・・。
現場近くに地元民御用達の中華があると知り初訪問。名物という炒飯注文するも(客の半分以上頼んでましたね)豪快な量と味付けに仰天。餃子もジャンボ。デカ盛り安価で人気のお店か。
16日、訪問先近くに古楽の聖地有りと思い出し寄り道。浪速の北郊外の空港滑走路のの外れに大昔あったというピアノ製造工場の片隅で昭和16年12月頃日本初のクラヴィコードが製作されたそうな・・・。まだ写真や資料は発掘出来ていないものの製作時その場でクラヴィコード作りを手伝ったという古老技術者に私が直接お話伺った際の映像記録は残す事が出来た次第。設計図どころか資料も真似をする楽器も皆無の中苦労の末2台のクラヴィコードを完成させたとの事、ただし残念ながら楽器は残っていないそう。その時代関西にはチェンバロやヴィオラ・ダモーレなどの古楽器コレクションを所有する演奏家がいたのでそのお宅にピアノ調律で伺って刺激を受けクラヴィコード製作を思い立ったのでは?というのが私の推測なのですが。
10日、季節の変わり目で湿温度の変化激しいのかトラブル発生の報告多数ながらドッグ入り中の米国製2段久々に梱包解いてチェックしてみるも調整は全く変化無くその堅牢な作りに感心。欧州や日本のチェンバロとは想定する環境がかなり違うのでは・・・。
約1年振りに上野の老舗ホールでの公演にジャーマン携え出動。ここはホールとしてはかなり不思議な形状ながら長年に渡る様々な演奏の音が舞台壁天井に染み込んでいるのか艶有る響きが素晴らしい!舞台の高さが変えられるのも高ポイントで今日は弦楽アンサンブルなので舞台は1段下げ。
折角上野に来たのならとご近所稲荷町の海鮮食堂でランチ。店ご自慢の丹後の魚新鮮で実に美味し!食後久々にアメ横に立ち寄るも長期の酒自粛の反動か呑屋はどこも昼間から満席の大賑わい。久々に活気ある上野が見れてホッ。
9日、仏蘭西製スピネットのご機嫌伺い。余り湿気のダメージ無くご機嫌良好でひと安心。何よりも新しい湿温時計ほぼ誤差無い事が判ったのが一番の収穫か。この楽器小型ながらコンサートでも使える音量音色が素晴らしい!
都心移動中新宿の酉の市を覗くも激しい雨の中でも都心での久々の大きな露天市とあってかなりの方がお越しの様子。やはり華やかな縁起熊手の山を眺めるだけで景気が戻ってくるような気が・・・。
コロナも収まりつつあるので祭りに欠かせない各種飲食娯楽系露店も少し出てましたが非情な雨のお陰で人影薄く商売はサッパリのご様子。夜雨が上がれば良いのですが・・・。
まだ満員の食堂に入る勇気無いものの穴場の店なら時間外せば安全か。ご近所の長崎ちゃんぽん皿うどんの隠れ家名店を久々に訪問。名物の細堅と太柔の合盛皿うどん相変わらず絶品!
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