2020年を振り返る
31日大晦日。2020年は突然のコロナ禍来襲で皆さんも苦難の1年だったと思います。春から自粛要請でコンサート全滅となり夏に少しづつ再開の声を聞き始めるも秋からまたもやコロナ感染拡大となり先が見えないまま年末を迎えてしまったようです。その混乱と苦難の1年を個人的に関わった公演やイベントで振り返ってみたいと思います。
2月に古楽とモダン二刀流の指揮者として活躍中の仏蘭西人指揮者がモダンオケを振った公演にチェンバロで参加。ラモーも躍動感溢れ素晴らしかったものの仏蘭西近代(ルベル・ラベル)のダイナミックさが圧巻!
2月、みちのくのお馴染みのホール、御自慢の16f付き大型チェンバロやポジティフオルガンに加えてクラヴィコードも備品に登場、大御所チェンバロ奏者がお披露目演奏。
2月伊太利からVnの名手率いる古楽オケ来日、私は京都での初日公演ご一緒するも結局彼らはその1公演のみで後はすべてキャンセルとなり無念の帰国。しかし初日公演の際はまさかすぐにそんなに深刻な事態になるとは夢にも思わず・・・。
2月末から3月には公演中止が多発する中歌劇場でのフォルテピアノ入りモーツァルトオペラは無観客で開催決行。これがコロナ騒動前最後の本番でありました。
3月には仏蘭西人Vn奏者率いる古楽アンサンブルの来日ツァーが中止。初来日時に披露し話題となった衝撃の「ヴィヴァ四季」再び聴けると楽しみにしていたのですが残念!
3月バーゼル在住の活きの良い日韓若手奏者の2度目の来日ツァー も中止。再びリコーダー2本吹き見てみたかった・・・。
4月露西亜の鬼才鍵盤奏者が1夜に4台の楽器(チェンバロ、フォルテピアノ2台、モダンピアノ)を弾き分けるという驚愕のプログラムのツァー(東京・水戸)も中止。ただ来年1月には同内容で東京 のみ開催の予定。
5月ザルツブルグから貴重な遺品を運んで開催予定だったモーツァルト展も中止。毎回国宝級の楽器とフォルテピアノで共演出来る事が楽しみだったのですが。
6月、2015年ブルージュコンクールの覇者として大活躍の仏蘭西人新鋭チェンバロ奏者の初来日ツァーも中止。ただ2021年1月に来日ツァー(東京・名古屋・兵庫)開催予定。ゴールドベルグ変奏曲での日本デビューリサイタル乞うご期待!
6月には演奏家と共同でコロナ騒動の中公演再開を目指して新企画をスタート。お馴染み池袋の歴史的洋館を会場に万全のコロナ対策を施し6公演開催。まずはリコーダーとチェンバロのデュオから企画スタート。
次はバロックVnのデュオ。ベテラン奏者でもここ数か月演奏機会無く久々の舞台だったとの事。
7月に入り久々の舞台仕事はナント講師として参加のレクチャー。チェンバロ・フォルテピアノ2台、モダンピアノと計4台もの楽器を並べて映像と生演奏を交えての贅沢な企画でした。
7月再び自主企画に戻り若手実力派のフォルテピアノ奏者は昼夜2公演。いつも即完売の人気奏者の公演もコロナ感染再流行の時期と重なり予約しながら来場控える方続出。この時期の公演開催の難しさを味わった次第。
7月公演中止が続く中みちのくで映像配信用に演奏収録。16f付き大型チェンバロ初めてのお出掛けでもありました。16fの迫力あるゴールドベルグ変奏曲全曲がこちらで公開中。
7月新企画次は弦楽四重奏の公演。コロナ対応の公演運営は慣れてきたもののお客様にとっての状況は徐々に悪化の様相。
7月新企画の最後は17世紀仏蘭西タイプという個性的なチェンバロでのソロリサイタル。ここでこのシリーズは一旦中断、やはり感染拡大で簡単には公演が開催し難い状況に。
8月舞台仕事途絶える合間に解説の出番は続き今度は洋館でのレクチャー。コロナで引き籠りの間日本古楽史の研究は画期的に進み重大な新発見多数有り、その成果を披露。
9月、仏蘭西チェンバロ界の大御所久々のソロリサイタルツァーも中止。2021年3月に東京大阪 でリサイタル開催の予定。乞うご期待!
9月、初来日のスイスの古楽オケの「ロ短調ミサ」での来日ツァーも中止。どんなBach演奏を聴かせてくれるか楽しみだったのですが・・・。
9月、スイスの実力派チェンバロ奏者が貴重なルッカースオリジナル2段モデル(異調鍵盤)を携え来日の全国ツァーも中止。世界に数台しかない貴重なチェンバロを拝見出来るはずが残念。
10月、独逸のイケメン(?)古楽グループの初来日ツァーも中止。若手ながら実力派揃いと噂の演奏を期待していたのですが・・・。
10月、古楽界の至宝シギス親方率いる古楽グループ久々の来日公演も一旦2021年1月に延期になるも結局来日中止。あの独自の配置でのユニークなマタイ聴けなかったのは実に残念、再来日はあるのだろうか・・・。
11月、伊太利の鍵盤の大御所と欧州で大活躍の日本人Vn奏者の来日ツァーも中止。
11月、某音大で蓄音器レクチャーを開催。ショパンの伝統引き継ぐ直系の弟子の歴史的音源を紹介するという渋い企画ながら満杯の盛況振り。
11月、コロナで公演中止が続く中逆に浪速郊外の新しいホールでフォルテピアノの連続シリーズがスタート。その初回にワルターモデルで参加、これまた解説もお手伝い。
11月、お馴染みの洋館でも蓄音器レクチャー開催、今回は仏蘭西ピアノの特集、エラール、プレイエルなどを弾いた歴史的名手の貴重な音源を蓄音器で紹介。この蓄音器による歴史的演奏の紹介は古楽器による演奏同様かなり説得力ある手法として確立出来たのでは・・・。
12月、器楽演奏の公演は秋頃から再開していたもののやっと歌手メインの公演が復活、それでも歌手と客席の間隔を充分取るなどまだ試行錯誤の様子。
12月、今度は小編成ながら合唱+オケでの公演にオルガンで参加。300人は並ぶ大舞台に間隔開けた30人の合唱団というコロナ専用の配置。
12月、続いて大合唱団+フルオケでのバッハ公演にオルガンで参加。アクリルパネルで合唱を仕切るなどコロナ用新グッズが色々登場、それでもフル編成で演奏出来た事が大きな収穫か。
12月、1年のトリを飾るはずだった古楽界の重鎮デュオ公演 は残念ながら急激な感染拡大を受けて急遽中止。コロナ騒動で終始した2020年は最後まで収束の目途が見えず年を越してもまだまだ厳しい状況が続く可能性高いと思われます。新年こそはより良い状況になりますように心より願って1年を終わりたいと思います。来年も引き続きお付き合いよろしくお願いいたします。
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