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2020年6月 1日 (月)

日本古楽史の源流を辿る(昭和初期編其の十)

Disques-2-640x5611日、昭和初期の日本古楽史の話まだ続きます。私の見るところドルメッチのクラヴィコードによる平均律全曲録音のプロジェクトが始まり(結局老齢の為中断するのですが)ランドフスカの究極の名曲ゴールドベルグ変奏曲が発売された昭和8~9年が日本に置ける第1次古楽ブームのピークだったようです。当時バッハを中心としたバロック作品が欧米の一流の演奏家によって多数録音されるのですが、「誰それがあのバッハの名曲を録音した」という記事が雑誌上でも溢れておりました。人気絶大なランドフスカは雑誌の表紙を頻繁に飾りバロック時代の演奏風景の名画が端々に掲載され古楽器の解説も読者の人気であった・・・と今では信じられない位のブームだったようですね。中には古楽に肩入れする余り「このバッハの合奏の録音は名演ながら本来あるべきチェンバロが入っていないのがケシカラン」という論調の評論が続発するのが可笑しい・・・(まだこの時代ピアノが殆ど)。そしてそんな熱い古楽ブームの中さるレコード会社の一面広告がバッハ「四十八」というだけのシンプルさ。当時の読者はこれだけであの平均律クラヴィーア曲集のセット盤販売の広告であると判ったのでしょうね。凄い時代!

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