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2020年5月31日 (日)

日本古楽史の源流を辿る(昭和初期編其の九)

Disque13-374x56031日、昭和初期の日本古楽史まだまだ続きます。昭和一桁の時代早くも欧米で録音されたクラヴサンや古楽器のレコードが日本の音楽愛好家にも注目され戦前我国でも一種の古楽ブームが起こっていたようです。音楽雑誌は競うように古楽特集を組みドルメッチやランドフスカは当時全盛だったカザルスやコルトーと同等の大スターでもありました。今日はその熱い古楽ブームが続く中掲載された記事をご紹介。昭和8年11月7日巴里のサル・ギャヴォでランドフスカのゴールドベルグ変奏曲初演リサイタルのレポートが巴里在住の評論家から投稿されてます。当時バッハの幻の名曲の初演とあって話題にはなったはずですがホールにはいつもの香水付けて着飾ったスノブな連中は少なく金の無さそうな若い学生や外国人が主であった、その中には日本人が自分も含めて3人もいたとの事(他の2人が誰か知りたい!)。そしてその演奏はまるで仙女が妖しい音を指先からこぼれ落とすような魔術的な演奏であったと言い観客皆恍惚とした雰囲気であったようです。アンコールはクウプランを3曲、最後は観客から声が掛かった「戀の鶯」で〆たそうです。いやこんな歴史的な現場に立ち会う事が出来たとは実に羨ましい限り!そして日本でもそのランドフスカのこの名曲の盤が発売されたばかりとあって雑誌の曲紹介がナント楽譜付き!極東の果ての島国でもこのバッハの名曲が初めて聴けるという事がいかに大きな話題だったかという事が判ります。

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