日本古楽界の源流を辿る(大正編其の壱)
17日、コンサートが長期休止しているので(いつ再開出来るのだろう?)これ幸いと長年のライフワークたる日本古楽史研究に邁進中。ここしばらくはその成果を少しづつ御開帳の予定。まずは洋楽が我国に本格的に到来し始めた大正十三年大震災から立ち直りつつあった東京銀座で創刊された本邦最初期の音楽月刊誌の中から大正期の興味深い記事をご紹介。創刊号には当時最高のショパン弾きとして(また奇行の多いピアニストとして)有名だったパハマンの特集が。倫敦で生演奏聴いた方からの噂に違わぬ奇行振りのレポート(弾いたばかりの演奏気に入らなくて拍手を遮りもう一度弾き直したら会心の出来だったので今度は拍手を強要したが客は爆笑だったそうな)は最高!
第2号の特集がナント「猫と音楽」!この記事は今掲載しても大受けでしょうね。約百年前大正文化人の感性は今と余り変わらないのでは?大正十三年(1924年)四月号には早くも欧米でワンダランドフスカのレコード(ヘンデル鍛冶屋とモーツァルト土耳古行進曲)が発売になった事がニュースとして登場。記事の中には「この作品を正確に味わふにはハアプシコードに依るより他はない」という表現があり日本人が古楽の存在に触れた最初期の証拠と言えるべき貴重な資料でありました。
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