オリジナルのモダンチェンバロ?
26日、私が近年日本古楽史の研究と共に熱心に取り組んでいるのがモダンチェンバロの研究。今やヒストリカルチェンバロに駆逐されてしまった感があるモダンチェンバロも20世紀前半には古楽復興の立役者として一世を風靡したものでありました。何故半世紀も隆盛を誇り何故短期間に姿を消してしまったのか?この謎を解くには全盛期の音色を保っている状態の良いモダンチェンバロをじっくり検証するしかないと思い探し始めるも実は現存するのは中途半端に改造されてしまった魅力無い楽器ばかりと判り愕然・・・。オリジナルの状態を保ったモダンチェンバロがどこかに無いかと探し回った結果某音大の片隅に秘蔵されている事が判明し今日はモダンチェンバロ奏者と一緒に貴重な現存楽器の拝観へ。
オリジナルのモダンチェンバロ実はツメが革製だったのが維持調整が難しいとある時期からヒストリカルと同じデルリンに交換されてしまい全盛期のままの状態の楽器はほぼ駆逐されていたのですが今日は貴重な革のツメの音色をじっくり体験。シャープながら薄っぺらいデルリンの音色に比べて革は重厚かつ張りがあり暖かみのある音色で実に魅力的、20世紀前半この楽器の為に作曲された曲を弾くとこの音色でないと描けない美しさが存分に感じられモダンチェンバロならではの表現力を改めて実感出来た次第。ただ残念だったのはこの楽器に16fレジスターが無かった事。今度は是非16f付きのフル装備の革のツメのモダンチェンバロを発掘してみたいものであります(情報求む!)
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