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26日、今日からみちのくのホールでチェンバロの御機嫌伺い。前夜遅くホール近くの老舗温泉旅館に入り深夜早朝温泉三昧、朝元気にホールに向かおうとすると貴重品を入れた部屋の金庫が何故か壊れて開かず・・・。財布と共に免許証も入れていたので車に乗れず困っていると旅館の女将が「お詫びにタクシー券出します」。思い掛けず温泉宿からタクシーに乗ってホール入りと大名出勤となった次第。夕方「金庫開きました」と聞き財布受け取りに行くと「鍵はどうやっても開かなかったので背面バーナーで焼き切って穴開けました」とかなり大事になっていた様子。ホールでは2台の所有チェンバロを総分解して徹底チェック。保管する楽器庫が徹底的なコンピューター管理のお陰で梅雨時ながら御機嫌上々でひと安心。
二晩目もホール御近所の別の老舗温泉旅館へ。財布も戻ったのでお祝いにと近くの地元民に超人気の海鮮割烹で刺身定食。こちらの刺身は魚屋経営のお店だけあって盛りが凄過ぎる・・・。みちのくの温泉と海の幸を堪能の1日。
25日、今日は様々な鍵盤楽器がお相手の1日。まずは日本オルガン界の重鎮作の小型パイプオルガンからスタート。歴史的な構造に忠実な作りは中々堅牢で三十数年前のオルガン製作への情熱が伝わってくる魅力的な楽器であります。
次は100年前米国で作られたピアノがお相手。長い年月経ても明瞭で力強い音色は今だ健在、欧米のピアノ製作黄金期たるこの時代のレベルの高さを改めて実感。
次は米国製のフォルテピアノと日本製のクラヴィコードがお相手。どちらも個性強い楽器ながらそれぞれのお国柄がはっきり出ており興味深し・・・。
今日は移動の途中に北関東の湖畔にある古都に立ち寄りランチ。こちらの街には19世紀(明治初頭)開業という超老舗食堂がまだ何件も残っているとの事。それではと老舗店をはしご。
1軒目は1869年開業という天婦羅屋で天丼を注文。ゴマ油で揚げた色濃い天婦羅中々美味な上魚のアラと豆腐がタップリ入ったお汁も素晴らしい。正に伝統の味に舌鼓。
続いて1873年創業という蕎麦屋でもりを注文。こちらも超老舗ながら庶民的な雰囲気が色濃く残る店内が素晴らしい。夜はみちのくの温泉宿に宿泊。
24日、都心の某大学で学生向けに蓄音器漫談を一席お願い!(実は2コマでしたが)とのリクエストに応え1930年製の大型ラッパ蓄音器担いで参上。蓄音器など全く知らない今時の若人数百人にオーディオの歴史と蓄音器の魅力を丁寧に解説するももはやLPどころかCDも知らない(?)という子が殆どだと判り唖然・・・。カセットを知っているのもたった数人でしたし・・・。アナログオーディオの時代は遥か彼方になりにけり・・・と実感した次第。
移動中に「誘惑の街」神保町を通ったので馴染みの音楽書専門古書店に寄り道するも店に入るなり大将から「戦前の音楽雑誌入ったよ!珍しい分取り置きしておいたけど買う?」と言われビックリ。見れば大正13年刊の貴重な月刊誌の創刊号、喜んで購入。他にも同じ神保町の古レコード屋で85年前の希少盤も発掘。いつもは無駄な散財ばかりの誘惑の巣窟の街ながら今日は収穫多くアリガタシ。
22日、記録的な雨続きのお陰でチェンバロトラブル発生!とのSOS連絡続く中今日も個人宅の楽器の御機嫌伺いへ。除湿器フル回転でも湿気凄い為かと心配するも実は湿度計の誤差が一番の問題で楽器自身は簡単な処置で御機嫌治りホッ。高額な湿度計でもかなり精度が怪しいのでご用心あれ!スタジオに戻り出陣間近のジャーマンの御機嫌伺い。ウチのスタジオは除湿を徹底しているので梅雨時でも乾燥気味で楽器の御機嫌も上々(逆に乾き過ぎでピッチが少し下がっており調律し直す羽目に)。
移動中に近くを通ったのでと大正から昭和初期に掛けて活躍した音楽評論家太田黒元雄の旧邸(現在は公園内に資料室として無料で開放)を見学。所縁の多数の資料の他来日時プロコフィエフも弾いたという100年前のスタインウェイの豪華なピアノや愛用の蓄音器など展示されており中々見応え有り。しかし広大な庭園と豪華な洋館などを見ると太田黒氏は相当な資産家だったようですね。
21日、間も無く開催のフォルテピアノと古典クラリネットの公演のリハに200歳の老ピアノを提供。今年1月に来日のオリジナル管楽器アンサンブルの公演でも大活躍だった珍しいバセットクラリネットが今回も登場ながらそのユニークな先端部分の向きが1月とは反対向きなのにはビックリ(この方が演奏し易い為だとか)。是非その面白い形状本番でご確認あれ!と言いたい所ながらチケット完売との事で残念。完売と言えば同じ200歳の老ピアノが登場予定のベルリンのフォルテピアノを含むオリジナル楽器のトリオの唯一の来日公演もチケット発売開始後早々に完売との事(今から宣伝しようと思っていたのですが・・・)ピリオド楽器ショパンコンクールが話題になったお陰かフォルテピアノの公演にお越しになるお客様が増えているようでナニヨリ。ウチの主催では12月26日池袋の洋館で開催予定の川口成彦フォルテピアノリサイタル(こちらも200歳の老ピアノが登場)もまだ正式な宣伝しない内にもうチケット半分も出てしまってますね。近々正式に明細発表の予定ですのでご予約はお早目に。連日凄い湿気の日々が続く中チェンバロの弦切れました!とのSOSが多数有り、今日も堅牢さを誇るT社スピネットの断弦修理で緊急出動。御江戸は冷夏と言いながら湿気は例年以上かも・・・。
19日、古楽ファン注目のTV番組が続々放映の予定!まずは今週末(21日夜)地上波にフォルテピアノ界の獅子王のモーツァルトPf協(モダンピアノでの演奏)が登場。大ホールでモダンオケ相手に爆音モダンピアノで暴れてきた翌日に涼しい顔で絶妙なタッチでフォルテピアノを弾いた二刀流の巧者振りには脱帽でありました。絶賛だったモダンPfでのベートーヴェン皇帝是非ご覧あれ!
その後も衛星TVでは古楽の演奏の放送が目白押し!私が関わった公演は伊国老舗古楽オケのヴェスプロ公演(2日連続放送)、仏蘭西のチェンバロの重鎮デュオ公演、仏蘭西の巨匠によるオリジナルアルペジョーネ公演(オリジナルフォルテピアノも登場)、仏蘭西チェンバロ界の新鋭の初来日公演(10月に再び来日の予定)、欧州で話題の実力派Vn奏者公演など見逃せない番組続きますので是非ご覧あれ!
17日、西のスタジオで欧米で活躍中の実力派チェンバロ奏者の久々の帰国リサイタルのリハーサル。偶然ながら仏蘭西の大御所チェンバロ奏者 (実は彼女の師匠でもあるとの事)と同じ会場同じチェンバロでの競演となるそうな。チェンバロマニアは是非両公演の聴き比べをすべし!夜は古典調律の日本での元祖たる平島達司先生の元で調律を担当していたというベテラン調律師と久々にお会いして日本古典調律史の聞き取り調査を敢行。日本の古典調律の歴史は関西から始まったという数々のエピソードを拝聴。実は私も周辺にいたのですが中心人物の証言は実に興味深し!
13日、北関東のパイプオルガンで有名な人気ホールへ。今日は楽器の仕事でも無くコンサート聴きにでも無く注目するアート作家の久々の大規模作品展の鑑賞の為気合入れて開催初日朝から会場入り(客として正面入口からホールに入るのは久々も・・・)。
600点以上展示という作品群が実に圧巻。勢いで作家トークショーに開演1時間前から並び「生Otake」も初鑑賞。年代近い作家の昔話どれも興味深いながら巨匠手塚との遭遇秘話には爆笑でありました。
折角関東有数の漁港の近くに来たならばと港の海鮮食堂で恒例の海産物流通調査を敢行。ホールにお越しのお客様にもお勧めしたいところながら車が無いとついでに寄るのは難しいのが残念。
11日、西のスタジオすぐ傍のビーチもいよいよ明日海開きだそうで海の家も準備万端(しかし今日は少し肌寒い雨!)。海水浴や日光浴には余り興味無いものの今年こそは仕事帰りにビーチサイドで一杯やりたいもの・・・。
交換したばかりの新しい除湿器の除湿能力が判らずスタジオの湿温度管理に四苦八苦。連日エアコンと除湿器の微調整を繰り返し今日やっと理想的なバランスを把握出来ホッ。実は西のスタジオは密閉度低い日本家屋ながら梅雨時無人でも長期間乾燥気味を維持出来るのですよ・・・。
地元和歌山で盛り上がる「紀州の音楽の殿様」研究、今日はその御仲間から入手困難な最新の研究資料を拝見させて頂きアリガタシ。先日日本人で初めて欧米で活躍した伝説の歌手「三浦環」の伝記を読んでいるとこの紀州の殿様の事が大きく取り上げられ驚いた次第。実は日本で最初にチェンバロのコンサートが開催出来たのはこの殿様のお陰なのですよ!日本古楽史の中でももっと評価されても良い大恩人なのですが・・・。
10日、久々に浪速へ。洋楽史研究の先輩とご一緒しランチは老舗百貨店の大食堂へ。90年前に出来た浪速名物の駅ドームの豪華な装飾とシャンデリアを移築したという内装が素晴らしい!音響雰囲気最高なコンサート会場になりそうな空間なのですがね。
午後は某大学での蓄音器コンサートを拝聴。大学に寄贈されたSPレコードコレクションの中から厳選された25枚の盤を3台の蓄音器で聴き比べという意欲的な企画。最初期の録音はエジソンの蝋管蓄音器で、古いアコースティック録音盤は1920年代のラッパ式蓄音器で、電気録音盤は英国製の大型蓄音器の銘器でと歴史的考証に拘った蓄音器でのレコード演奏はそれぞれの蓄音器の魅力が鮮明に伝わり聴き応え充分。会場の大学ホールも半世紀前に名建築家設計の建物との事で音響素晴らしく歴史的録音の滋味溢れるサウンドを存分に堪能。
5日、2月に開催した「蓄音器と歴史的音源で検証するショパンの実像 」企画を見て頂いた某大学の方から近々同様のレクチャーを授業でお願いしたいと御座敷が掛かり今日は蓄音器漫談(?)の相方と選曲等で打ち合わせ。ところが最近欧州へピアノ視察旅行に行って来たという相方から、まだあるところに行けば歴史的銘器のピアノがゴロゴロしていた、約百年前ピアノ黄金期時代の銘器の復元楽器の製造が始まっている、蚤の市で200年前の銘器を見つけたなど興味深い話多数拝聴し打ち合わせ中々進まず・・・。
3日昨夜遅くに信州湖畔の温泉宿到着。宿の温泉夜朝2回も楽しむもまだ物足りず早朝地元民御用達の鄙びた共同温泉へ。入口が迷路で実に判り難い隠れ家温泉は無色無臭ながらとろみある熱めの湯が心地良し!温泉三昧楽しんだ後さらに西へ移動。
御江戸から400km運んできたチェンバロを美濃国の個人宅にお届け。今日も楽器運び入れ時は雨降らずまたもや晴れ男の実力発揮。
訪問先は川魚料理の本場なので当然鰻屋も激戦区。帰り際に地元民に人気という街外れのお店訪問するも開店と共に満員という繁盛振り。炭でバリバリに焼いた香ばしい鰻がド~ンと丸ごと乗った鰻丼は絶品。鰻高騰で美味くても高い!と言ってしまう店ばかりの中久々に「これは安過ぎる!」と思える鰻に出会え至福のひと時。
再び東へ400km爆走し帰京。最後にオランダ製の2段ジャーマンを拝見。
2日、都心の老舗劇場でのフォルテピアノ入りオペラ公演千秋楽。伊国老舗歌劇場でロッシーニ(本場の伝統の凄さ実感)、日本古楽器オケでモーツァルト(切れ味鋭い演奏は古楽器ならではか)、日本の歌劇団でドニゼッティ(我国のオペラ界の成熟振りを堪能)とこの2週間でオペラ3団体9公演という賑わい振り! その中で2団体がフォルテピアノ使用というのが時代を感じさせる動きであります。
今回の劇場実は日本洋楽史の原点鹿鳴館があった場所のすぐ隣でありました。鹿鳴館跡の記念碑が現地にあると知り探し回ってやっと発見。明治を代表する建物と思ってましたが昭和15年まで残っていたんですね。オペラ終了後楽器を積み替え西へ移動。今夜は途中の信州湖畔の温泉宿に宿泊。
1日、今日は雨降る中チェンバロ運送屋の1日。まずは小型スピネットを個人宅にお届けするも車どころか台車も使えぬ路地奥の為かなりの距離を手運びになるも雨上がりで全く濡れず。次は個人宅で1段チェンバロ厳しい2階階段降ろしながらドアの前まで車が付けられ雨も殆どやみ結局濡れずに済みホッ。また晴れ男の威力発揮でありました。
移動中に神田の古本屋街を通ったので老舗蕎麦屋で胡麻せいろでランチ。いつも大行列の超人気店ながら開店時に飛び込むとそれ程混んではおらずノンビリ老舗ならではの端正な味の美味い蕎麦を堪能。
夜は訪問先ご近所の地元民に人気の老舗大衆食堂で珍しい「鯨生姜焼き定食」。今や鯨料理がメニューにあるお店は殆ど無いのでは・・・?調理が巧いのか鯨独特の臭みが全く無い旨さでありました。
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