鳥の羽のチェンバロ
25日、東のスタジオに戻り間も無く出陣のチェンバロ2台の御機嫌伺い。1台は久々に登板の鳥の羽フレンチ、長く冬眠していたので鳴りを心配するも最後の登板での達人が紡ぎ出した豪快な鳴りが凍結保存されておりひと安心。チェンバロの鳴りっぷりは長時間弾いたかという事よりも誰が弾いたかという事の方に左右されるのでは?というのが私の持論。しかし最近は鳥の羽のツメのチェンバロが滅多にコンサートに登場してこないのはいかにも残念(そう言う私も多数チェンバロ持ちながら鳥の羽は1台のみですが)。「良い鳥の羽が入手し難い」「環境変化に弱くすぐにヴォイシングが変わってしまう」「ツメの削り方が難しい」「反応が敏捷過ぎてコントロールが難しい」などの理由で鳥の羽を敬遠する演奏家や製作家が多いようですが、慣れてしまえば魅力ある肉感的な音色と吸い付くように反応の良いタッチの素晴らしさはデルリンとは別次元!今主流の合成樹脂「デルリン」ではバロック時代のチェンバロ本来の音色の再現は完全には難しく、入手や手入れが簡単だという理由で流行ってしまったある意味「代用品」であるという事を知って欲しいのですが・・・。勿論デルリンのお陰で環境変化厳しい中でも安定したチェンバロ演奏が出来るので現代古楽界での貢献度は大きいとは思いますが歴史的な復元楽器を目指すチェンバロには是非鳥の羽を使ってもらいたいところであります。
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