鬼の思い出し笑い
31日大晦日。今年も多くの皆様のお陰で素晴らしい1年となりました。
本当にありがとうございました。
年末恒例、今年1年参加させて頂いたステージを振り返る「鬼の思い出し笑い」をお届けします。思い付くまま書いていますのでこぼれたステージも多々あると思いますがご容赦を。
それでは2018年の出会いの数々をどうぞ!
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今年はまず在欧の若手フォルテピアノ奏者 のリサイタルからスタート。第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクール受けますと言うので「それなら出陣祝いに1発やっか?」と開催した公演、まさか彼がコンクールで大活躍するとは!
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2月はBachとBruggeの名門コンクールの覇者でもあるイタリアの若き俊英チェンバロ奏者のリサイタル。ますます冴える切れ味鋭い演奏に感嘆。若手ながらBaselで教鞭を取る事になったというのもその将来が期待されている証拠か。
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続いて欧米で大活躍、レオンハルトの次世代のトップに君臨するチェンバロ界の大御所の3年振りの来日公演。同じチェンバロでの若手とベテランの音色の違いを連続して聴き比べ出来て実に楽し!何故こんなに音が違うものなのか・・・?
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3月には秋にワルシャワで初めて開催の第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクールの日本でのプレイベント。ショパン時代のプレイエル、エラール、そして現代のスタインウェイが舞台に並びその音色の聴き比べ(そして希望者による弾き比べも)あり。予想以上にフォルテピアノによるショパン演奏への関心高かった!
続いて今やフォルテピアノ界のトップとして大活躍の実力派が2年振り(前回はチェンバロでしたが)に来日しお得意のモーツァルトを披露。東京公演はTVでも放送されたのでご覧になった方も多かったのでは。しなやかな音楽性と卓越した鍵盤コントロールが実に素晴らしい!
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4月には欧州で大評判というスペインの古楽Vn奏者が自己のグループ引き連れ来日(グループとしては初来日とか)難曲ビーバーの口ザリオソナタを調弦違う4丁のVnを駆使して実に艶やかに演奏。こちらもTVで放送されたのでご覧になれたはず。
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続いてフランスからチェロの巨匠が来日。世界で1台しかないというコンサートで演奏可能なオリジナルのアルペジョーネを使ってのシューベルト(オリジナルフォルテピアノと共演)が凄かった!その予想を遥かに超える豊かな表現力と音量には驚愕。シューベルトの名曲はやはりこの楽器で演奏しなくてはと改めて納得した次第。
4月最後はまだ来日無かった最後の大物チェンバロ奏者が遂に登場しその貫禄の演奏を遂に日本で披露。完璧な鍵盤捌きに圧倒されると共に楽器製作の巨匠を兄に持つだけあって驚くほど綿密な楽器調整の技にも感嘆。初日は兄の楽器2台を使っての愛弟子とのデュオも演奏。
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5月この時期恒例の有楽町熱狂音楽祭にはフランスのチェンバロの巨匠が登場(半年振りの来日でしたが) 相変わらずスケジュール厳しい中30分もアンコール弾き倒す暴れ振り。この暴れん坊将軍来年秋にも来日予定ながらルセやランド―とバッティングの模様、浪速では2日連続というニアミス状態。チェンバロファンにとっては嬉しくも困った秋になりそう。
続いて今欧州で人気上昇中という活きの良い若手リコーダー奏者が初来日。激しいアクションで自在に沢山の笛を吹き分ける演奏が圧巻。伴奏Cem奏者巧いなあと感心するも実はかの難関Bachコンクールの覇者でした。
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8月には池袋の洋館で日本古楽史研究のイベント開催。今回は蓄音器を使っての歴史的音源と映像を駆使して日本のチェンバロの歴史を紹介。今から80年前に早くも日本でチェンバロブームがあり「バロン大倉」「紀州の音楽の殿様」という2人のキーパーソンがいたというお話など披露。
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9月古楽界の巨匠日本で久々のモーツァルトリサイタル。約30年前この方のお陰でフォルテピアノの本当の魅力に開眼したという私にとっては大恩人。まだまだ衰えない恐ろしい程の鬼才振りを間近で拝見出来て至福のひと時でありました。
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続いて日本古楽界の巨匠2人のデュオリサイタル。オリジナルフルートの真髄を知り尽くす達人と鳥の羽チェンバロから見事な音色を醸し出す達人の絶妙の競演が圧巻。しかし後数時間遅ければ台風直撃だったのにはヒヤリ・・・。来年12月にも再びデュオリサイタルを計画中、次回はフレンチ特集の予定、乞うご期待!
10月御江戸に続き関西でも日本古楽史研究のイベント開催。日本のチェンバロの歴史は関西から始まった!という驚きの歴史を蓄音器での歴史的音源と映像で紹介。まだまだ謎多い日本のチェンバロの歴史ですが今年も画期的な新事実をいくつか発掘する事が出来ました。来年も研究発表イベント開催の予定です。
続いて今欧米で最も売れているドイツの古楽オケの2年振りの来日公演。歌、オーボエ、ヴァイオリンの3人の強力なソリスト揃え鉄壁のアンサンブルが見事。確かにバロックからクラシカルまで幅広く信頼されている人気振りが納得でありました。
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さらにスイスから若手古楽グループが来日。実力派揃いながら初来日というコルネット奏者の圧巻の演奏には仰天。コントロール難しい楽器のはずがこれほど軽々と完璧に演奏するとは正に衝撃でありました。次世代の古楽界を背負う逸材に間違い無しであります。
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11月、中世からルネサンス、バロックまで幅広いレパートリーで今欧州で大評判というドイツの古楽グループ 初来日。アグレッシブなショーム演奏でグループを牽引するリーダーの元で躍動感溢れるアンサンブルが見事。パーカッションのコミカルかつグルーブ感タップリの演奏も見物でありました。
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続いて紹介したばかりのドイツの古楽グループと同じく大人気の合唱団との合同でのモンティヴェルディ公演。ホールの空間を自在に駆使し舞台だけで無く天井からも歌や演奏が降り注ぐという演出が素晴らしい(お陰でポジティフオルガンを上の階まで持ち上げるのにひと苦労でしたが)。浪速でたった1回だけの贅沢なステージでありました。
11月、今欧米で話題沸騰の驚異のカウンターテナーが伊国水都古楽オケを引き連れ遂に初来日。早くも熱狂的なファンのお陰で「フラ様祭り」状態となったツァーはどこも大興奮のステージでありました。御江戸公演は驚きのハプニングもあり伝説のステージとして長く語り継がれるはず。
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12月、ワルシャワで9月に行われた第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクールで見事第2位に入賞した若手実力派の凱旋公演を急遽開催。そのコンクールでの活躍振りはTVでご覧になった方多いのでは(1月5日また再放送あり) 世界でも認められた絶妙なフォルテピアノ演奏実に見事でありました。来年4月に再び洋館でのショパンリサイタル を開催予定、乞うご期待!
12月には若き実力派として大活躍のフランスの鍵盤奏者が日本で初リサイタル。若干19歳でBruggeコンクールで優勝した雄姿を生で見ていただけにその芳醇で成熟したBach演奏は期待通り。こちらもTVで放送予定なので是非ご覧ください。
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以上、駆け足で2018年の想い出深いステージをご紹介しました。
それでは良いお年をお迎えください。
なお喪中((1月19日父が亡くなりました)の為今回新年の年賀状をお出ししておりません。ご容赦ください。
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