音楽の殿様とチェンバロ
8日、最近一部の音楽マニアの間で「音楽の殿様」と呼ばれている御三家紀州の殿様の話題で盛り上がっているようですね。御膝元紀州の図書館で殿様のコレクションの展示が始まったばかり。我国の洋楽事始めの時代に収集したという桁外れの音楽コレクションを拝見出来る絶好の機会であります。また世界的な著名演奏家との驚きの親交の逸話も是非伝記で読んで頂くとさらにこの殿様の驚愕の生涯を知る事が出来るはず(伝記よりも自身の随想録の方が凄いのですが)。しかし実はこの殿様が日本で最初に海外からチェンバロを持ち込んだという事は全く知られていないですね。昭和6年にオーストリアのグループをチェンバロと共に日本に呼んだそうでその時の調律師の証言が残っております。まだ日本ではランドフスカのレコードがやっと知られてきた位の時代にいきなり本物のチェンバロを欧州から日本に運ばせたとは恐れ入った次第。もうひとつこの紀州の殿様の家系には江戸時代から膨大な古楽器コレクションが受け継がれていたという事も伝わっております。約200年前に膨大な楽器を収集し、また絶滅した古楽器の復元をも試みた実に趣味人な殿様がいたというのも驚きでありますが、大正時代にこの殿様が日本初のパイプオルガンを備えたコンサートホールを建てたというのもご先祖様の音楽好きな血筋があったからこそなのでしょうね。日本古楽史の重要なキーパーソンであるこの殿様にもっと注目が集まって欲しいものであります。
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