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30日、台風一過でひと安心も車も吹き飛ばされそうな強風収まらず移動に苦心。ここ最近ベートーヴェン公演で大活躍だった二百歳の老ピアノ次の出番に備えて御機嫌を伺うもここ最近の連戦で調子は上々、殆ど触る所無く簡単な調律手直しで準備万端。今度の出番は11月16日のシューベルト企画、1月6日のショパン企画、どちらもお馴染みの池袋の重要文化財の洋館で開催予定。乞うご期待!
夕方強風がやっと収まった頃3台の楽器陣を運送。雨も嫌ですが強風も運送の大敵であります。最後は通り道にある昭和の漫画王赤塚画伯御贔屓だったという洋食屋で夕飯。今や絶滅寸前という昭和の香り高き路地裏の下町食堂の定食はCPもカロリーも高く満腹でありました。
24日、伊豆半島先端の古い港町でのVn&Cemデュオ公演にジャーマンで出動。先日の台風直撃の影響が心配で夜明け前には御江戸を出発するも案の定小田原辺りで通行止有り。しかし幸い大幅な迂回はせずに順調に伊豆に辿り着いてしまい時間を持て余す羽目に・・・。
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そこでまずは腹ごしらえと海岸沿いで早朝から開店の大衆食堂で干物(やはり本場の物は絶品!)と刺身の定食を注文。店の方に伺うと台風の日は高台に避難していたとの事。やっぱり海沿いは怖いのよとおっしゃってました。
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伊豆は温泉の名所、折角近くに来たならと大海原を眼下に見ながら入れる噂の露天風呂(つい最近まで混浴だったとか)を初訪問するも残念ながら臨時休業。上から風呂を覗くと屋根も無い露天風呂が3つあるだけでこんな丸見えの所で良く入れるなと思っていると台風で風呂の建物すべて流されてしまった様子。本当はこんな姿だったようです(こちらにも写真あり)
温泉に入り損ねたので今度は山奥に入り温泉街の食堂で名物山葵丼を注文。自分で山葵を擦ってホカホカの御飯に乗せるというシステムながらその山葵がトンでも無く辛いのには仰天。激辛カレーを凌ぐ強烈な刺激で水を飲んでも火に油状態でますます口中が痺れるのには参った・・・。本当はこの後もう1件温泉にチャレンジするつもりが山葵のお陰で体が火照ってきてしまい温泉を断念する羽目に。いや伊豆の山葵恐るべし。
伊豆食べ歩きの最後はホールご近所の海鮮食堂で地魚丼。本当は同じご近所に御贔屓の鰻屋があったのですが余りの人気の為か1人では予約NGの上に予約無しでは入店難しいかもと言われ訪問を断念。まあ地魚も流石漁港町なので新鮮で美味かったので満足でしたが。
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急に出来た空き時間を有効に使い(計画的?)御機嫌でホール入り。今日はホールの客席に金屏風をズラリと並べての中々豪華な演出の舞台。もうベテランと言うべき実力派2人による濃厚なBachプログラムは聴き応え充分。しかし余りの熱演の為かVn奏者が終演と共に倒れ込んでしまい騒動に。結局救急車で搬送となりましたがちと心配であります(宮さま大丈夫?)。
23日、昨日からの大荒れの天候で心配するも夜中に台風が通過しヤレヤレ。雨上がりの中朝からリハ2件(計5台も出動)の仕込み開始。まずは在独演奏家のチェンバロとフォルテピアノ2台での帰国リサイタルのリハにお付き合い。リハの合間にドイツ最新古楽事情を伺う事が出来アリガタシ。
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次は日欧混成グループのツァーのリハにイタリアンチェンバロ2台とポジティフオルガンを提供。今回は英、伊、西と各国の音楽をテーマにした多彩なプログラムを組んだという3公演、お馴染みの初台公演(2回公演ながら早々と完売したとか)では驚くような演出があるとの事。今日初めてそのネタを聞き私も仰天した次第。どんな仕掛けかは当日お楽しみに!
21日、出陣間近の楽器陣(独製イタリアン×2、独製フレンチ、蘭製ジャーマン、日製フレミッシュ、米製フォルテピアノ、白耳義製オルガン)が東のスタジオに大結集。ここ最近の気温低下の上に長雨の湿気で楽器陣のコンディションが不安定な様子なので全部の楽器を順番に引っ張り出し御機嫌伺いに精を出す1日。
ウチのチェンバロ陣の中で最長老という1958年製のチビイタリアン(ヒストリカルタイプのレンタル楽器としては世界で一番古いのでは?)、次回の出番の為ピッチ変更するも鍵盤を横にスライドさせる為に一番端の鍵盤を根こそぎ取り外すという実に面倒なシステムながら当初は鍵盤移動出来なかったので無理やり鍵盤をちょん切りました(笑)。なので最高音はCis3!ウチで一番チビながら一番音量あるタフなイタリアンチェンバロであります(同じ製作家の250cmという超大型イタリアンよりも音量あるのが不思議ですが)。 2台イタリアン+オルガンという贅沢な編成の公演はこちら 。
17日、密かに海外へ脱出、某所にあるフォルテピアノコレクションを訪問。19世紀ウィーン製の素晴らしいピアノ陣を拝見し今日は特別にお願いしてその中数台を調律させて頂く事に。オリジナル楽器特有の繊細で癖の有るピン味を体験出来る貴重な機会でありました。
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またウィーン式以外では、来年9月にワルシャワで開催の第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクールでも公式楽器として使われるというショパン時代のプレイエルも触らせて頂く事が出来アリガタシ。
14日、みちのくの老舗音楽ホールでの白耳義老舗古楽グループのBach公演にジャーマンで出動。前日夜本番の後深夜北に向かい早朝現地入り。疲労困憊の中ホールご近所に温泉があると知りリフレッシュの為朝風呂へ。評判の共同浴場(200円!)に入ると湯船の前に衣装棚があるだけで洗い場も蛇口も無いというシンプルさにまず仰天。その上湯の余りの熱さに数分でギブアップ、張り紙には最近は観光客の為に湯温度少し下げてます(それでも43℃とか)との案内あるので昔はトンでもなく熱かったのでしょうね。釜茹地獄状態ながらそれでも心地良い温泉でした。お陰でこちらは訪問したいホール上位にいきなりランクアップであります。
私は20年振りの訪問というこちらのホール(どんな演奏家と来たのかが覚えていないのですが)広大な空間にパイプオルガンがあり九谷焼のタイルを張り詰めたという贅沢な内装は残響豊かで抜群の音響(今日のメンバーも褒めてましたね)。これだけの財産あるならもっと古楽公演やってもらいたいですね。
ホールの方から「ウチにもチェンバロあるのですが」と伺い拝見するとペダル付きのモダンチェンバロ。バンジャマン君に話すと「またプーランクやファリャの作品が人気になればモダンチェンバロも使われるかもね」との事。いつか再評価される日が来るのでしょうかね?
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ホール隣には昭和の巨匠作曲家の記念館があり見学すると愛用という蓄音器や銘器ハモンドオルガンが展示されており興味深々。この巨匠、我が故郷の名曲「六甲おろし」を作曲されているのですが他にもライバル球団の曲多数作られているそうで中々心境は複雑であります。古楽のレジェント・シギス親方によるBachの演奏みちのくでも大受け、終演後慌ただしく帰京するも事故渋滞で50kmも迂回、最後御江戸のモーツァルト公演出動のフォルテピアノを引き取り今日の任務完了。
13日、先日銀座での欧州豪華メンバーによるベートーヴェン「大公Trio」公演に出陣したばかりの二百歳の老ピアノ、今度は日本のトップ奏者によるベートーヴェンのVcソナタ公演に出陣予定。こちらも是非お聴き逃し無く!
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銀座ではワルターコピーを使ってのモーツァルトデュオ公演2日目。相変わらず両者とも圧巻の演奏、特にフォルテピアノの抜群の鍵盤コントロールには脱帽であります。今回の2人練習熱心な余り開場時間まで調律させてくれないので連日お客様の前での公開実演状態(汗)。今日は楽章間に奏者自ら突然譜面台を外し中をゴソゴソ触り出したのでトラブル発生かと蒼ざめるも演奏中に譜面のクリップが中に落ちただけとの事でホッ。
銀座は誘惑の街でもあります。リハの合間にホールご近所の蓄音器屋を冷やかすも気が付けば高額な大人の玩具(?)を買い込んでおりました。今日の収穫はMy蓄音器に相性良い鉄針(高い!)と、サボテン針削り器でありました(マニアにしか判らないグッズですが)。
12日、今日も銀座でダブルヘッダー(勿論影武者の応援あり)。白耳義老舗古楽グループの東京公演2日目は平日昼本番(最近は夜よりも人気あるとか)。古楽界のレジェンドたるシギス親方のBachの演奏が今だに日本で聴けるとは実にアリガタイ事であります。次の公演は明後日14日福島公演、私もジャーマン携え参上の予定。
今回チェンバロコンチェルトで大好評の若き天才バンジャマン君、近々初のソロ来日公演あるかもと舞台でポートレイトを撮影。次世代のチェンバロ界のリーダーと目されている実力派のソロ演奏を遂に日本で聴けるかも・・・。乞うご期待!
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夜はモダンの大物ながら古楽器との二刀流でも活躍中のVnとPf2人によるモーツァルトプロ3日連続公演初日。昨日の二百歳のオリジナルピアノを見事にコントロールした鍵盤奏者、今日もワルターコピーを繊細かつ豪快に鳴らしてくれ大喝采。Vnも実にエッジの効いたダイナミックな演奏が大受けでありました。、昼の古楽界の大御所の角が取れた滋味溢れる演奏との余りの違いに目が眩みそう・・・。
11日、銀座のお隣同士の人気ホールでの公演ダブルヘッダーの1日。まずはベートーヴェンのトリオ公演には二百歳の老ピアノを提供。モダン楽器のトップ奏者ながら古楽器もいける二刀流の達人三人はダイナミックかつ繊細で実に表情豊かな演奏を披露。特にウチの老ピアノを今まで聴いた事が無い程豪快に鳴らした鍵盤奏者の力量には脱帽でありました。明日から3日連続で今度はVnとフォルテピアノ(ワルターコピー)のデュオでのモーツァルト公演、初日はまだ僅かに残席あるとの事、是非お越しください。
続いては白耳義の老舗古楽グループの東京公演初日にジャーマンチェンバロで出動。シギス親方舞台に来るなり「このホール昔来た事なかったっけ?」とおっしゃるも私を含めて誰も覚えておらず・・・(誰かご存じですか?) こちらのホール、12月には仏蘭西の重鎮2人によるチェンバロデュオ公演もあります(今日のチェンバロも登場の予定)
2つのホールを慌ただしく行き来しているとチェンバロ技術者業界の重鎮2人が何故かホールにお越しになっているのに遭遇しビックリ。特に最近拠点を遠方に移したとして話題の重鎮のお姿は本当に久々に拝見しましたね。お元気そうでナニヨリ。
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2つのホールとも御江戸魚河岸のご近所との事で久々に場内の食堂街を散策し今日は庶民的な洋食屋でミンチカツ定食のランチ。安価ながら美味で凄い量には大満足。最後先日の火事騒動の現場を通るも瓦礫撤去中でした。場外市場の表看板のエリアだけにまた新たなビルが建ち昔の面影は消滅してしまうのでしょうね。
7日、私の自主企画の主戦場と言える池袋の重要文化財の洋館、メイン会場であった講堂が2年半に渡る大規模補修工事による休館を経てこの秋にやっと復活。その講堂での久々の自主企画は11月16日フォルテピアノによるシューベルトプログラム 。シューベルト時代のオリジナルのフォルテピアノ(1820年製)が登場予定。
6日、千葉でチェンバロ2台の運送の前に御江戸東端、川向うにある音楽サロン2軒を続けて訪問。最初は先日某街紹介人気TV番組に登場したというチェンバロ、クラヴィコード工房へ。相変わらず天井高く音響素晴らしいサロンに様々な鍵盤楽器6台がズラリと並ぶ様は実に壮観。楽器技術者としては理想的なサロンであります。
次は実は同じ川向うのご近所にあると最近知ったばかりのピアノサロンを初訪問。50席という小ぢんまりした空間ながら程良い残響もあり身近で生の演奏を堪能出来る素晴らしいサロンでありました。
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このサロンの目玉は1917年製(ちょうど百歳!)の独逸のピアノメーカーの最高峰ベヒシュタイン社製のグランドピアノ。小振りなボディから迫力ある低音と艶の有る中高音が紡ぎ出される素晴らしいピアノでした。独逸製ヴィンテージピアノが常備されているとは実に羨ましい!
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こちらのサロン実はメッキ工場の一部を苦労して改装し出来上がったのだとか。今日はちょうど工場が完全廃業したばかりとの事で設備解体作業の真っ最中でありました。しかし廃業で工場の相当広い空間が空いてしまうもまだ次の利用法が全く決まってないとの事、実に勿体無い。何か再利用出来ないでしょうかね?
サロンご近所に地元民に大人気という正統派讃岐饂飩屋があると伺い勇んで入店。駅から相当離れた住宅地の路地奥にヒッソリ佇むお店は辿り着くまで相当大変、車の駐車場が周辺に殆ど無いのも外回り族にはかなりハードル高いお店でありました。昼過ぎに大行列が無いのはありがたかったですが・・・。
肝心の饂飩のレベルの高さには正直感嘆でありました。饂飩の他に付き出しや御飯物も充実。しかしエラク料理出て来るまで時間掛かるなと思いきや、作り置きをせずに常時打ち立ての麺を提供。そして何よりも驚いたのは調理場横で途切れる事無く饂飩を足で踏んで捏ねていた事ですね。こりゃ美味いはずだ。御江戸東端川向うのエリア中々面白いですぞ。
5日、ワルシャワで開催のショパンコンクールが初めてピリオド楽器でのコンクールを来年9月ワルシャワにて開催というニュースは大きな話題となっております(詳しくはこちらをご覧ください)。第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクールではパリ時代のショパンが愛用した当時のプレイエルやエラールなどの仏蘭西製ピアノやブロードウッドの英国製などが用意されるとの事ですが、ウィーン式のフォルテピアノでも演奏OKとの事であります。ショパンはパリに行く前ポーランドやウィーンではウィーン式フォルテピアノを弾いていたとの事ですので相性は良い筈ながら今まで殆どショパンプログラムのコンサートではウィーン式フォルテピアノは登場して来なかったですね。
そこでピリオド楽器ショパンコンクールの前哨戦としてオリジナルのウィーン式フォルテピアノによるショパンプログラムのコンサートを1月6日(土)池袋で開催いたします。音響素晴らしい1921年建築の重要文化財の洋館の一室で演奏予定。限定40席です。1820年製ウィーン式フォルテピアノからどんな色彩のショパン演奏が聴こえてくるか乞うご期待!
4日、先日収録されたウチの二百歳の老ピアノ(Johann Georg Gröber (Insbruck 1820))での演奏がラヂオで放送が決定。期待の若手フォルテピアノ奏者がオリジナル楽器を見事に弾き熟した溌剌とした演奏を是非お聴きください。10月8日(日)20時20分~55分放送予定。詳しくはこちらをご覧ください。しかし今は皆さんFM放送はどうやって録音しているのでしょうかね?
3日、夜明け前から御江戸へ向かうも東名高速集中工事との事で日頃通らない中央道に迂回、昔は頻繁に使ってましたが曲がりが多く路面も悪いので走り難いのにはビックリ。信州は稲刈り真っ最中でもう肌寒い程。東のスタジオに戻り早速10月出陣の楽器の御機嫌伺い。今月はウチの楽器は8台も登板予定で準備が大変。
まずはまもなく始まるベルギーの老舗古楽グループの来日公演にはジャーマンチェンバロを提供予定。今回も次世代の古楽界の中心となりそうな仏蘭西クラヴサン界の逸材バンジャマン氏のチェンバロが注目であります(BachのCem協奏曲が登場予定)
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引き続き露西亜ピアノ界の異才が銀座の人気ホールに4日連続で登場のベートーヴェンプロやモーツァルトプロも大注目。2台のフォルテピアノ(ワルターコピーと1820年オリジナル)をどう料理してくれるのか楽しみであります。
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