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29日、若手実力派フォルテピアノ奏者の都心の人気小ホールでのリサイタルにワルターで出動。楽器搬入時大物演歌歌手の機材車がお隣にいるので不思議でしたが明日大ホールで公演があるので仕込みだとか。パイプオルガンを背に演歌を歌うの?と伺えばナントオルガンまで使うそうな・・・。正にボーダーレスの時代ですね。同じ建物内の古楽系御用達サロンでも御仲間のチェンバロ搬入に偶然遭遇。イヤ館内賑やかな1日でありました。
リサイタル前半はフォルテピアノソロ、ドイツ、スペイン、ウィーンと時代と国を自在に飛び回る色彩感溢れる演奏、最後は情感と疾走感が共存する溌剌とした「月光」で〆。後半はフォルテピアノを中央客席に向けて同じく若手のアンサンブルと躍動感溢れるモーツァルトのPf協2曲。次世代を担う若手演奏家の頼もしい演奏に感嘆した次第。
昼はホールご近所(少し遠い)の噂の麺屋を初訪問。温冷2種のダシと日本蕎麦と中華麺が選べるという不思議なメニュー、気分で蕎麦とラーメンで迷いたいという方にはお勧めの店ながら私には無理やり共存しているような気が・・・。今日は冷日本蕎麦山椒入りを注文、やはりちょっと不思議な味でした。
28日、来年2018年9月にポーランドのワルシャワでピリオド楽器によるショパンコンクールが開催される事になりました。有名なショパン国際コンクールと同じ主催者による初めての開催となります。フォルテピアノ界にとって実に画期的なイベントとなるはず。日本でのプレイベントも開催予定とか。ポーランドの公式HPはこちら
26日、御江戸南端のホールでの在欧奏者のフォルテピアノリサイタルに二百歳の老ピアノで出動。今回は会場をウィーンの森に見立てた演出有り、休憩中にはワイン呑み放題(バックステージで用意していたので我々裏方も匂いだけで酔いそうでしたが)とサービス満点。充実した演奏と相まってお客様に大受けでありました。
今回の演奏で感心したのはウィーン式らしい五本ペダルを存分に駆使した多彩な音色変化。特にモデレーターとファゴットペダルの大胆な使い方が刺激的でありました。しかし繊細なぺダリングをするには靴履いていると邪魔!と本番も素足で演奏でビックリ。
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今まで何度かお伺いしているこちらのホール、映画の名跡(松竹発祥の地ですね)で有名なのは知っていましたが実はとんかつ屋大激戦区だとは知りませんでした。近所の超有名店に開店前に行くも早くも30人もの行列が出来ており仰天、仕方無く2番人気の店に並んで入店(こちらもかなりの行列でした)、確かに肉も揚げ方も予想以上にレベル高いとんかつに感嘆。凝った塩で食べさすのも新鮮でありました。
20日、新学期始まった音大でチェンバロ・クラヴィコードの御機嫌伺い。例年この時期は夏休みを挟んで長期間放置されているので楽器の御機嫌悪いようで、今日も夏バテで(?)ピッチが1/4音以上大幅に低下しており元に戻すのに調律何度も繰り返す羽目に(慌ててピッチ上げると断弦する可能性高く慎重に少しづつ上げるのが肝心ですね)。幸い日独白の堅牢さが自慢のメーカーの楽器ばかりで調律以外は全く健康で大助かり。
しかし楽器管理の上で重要なのは部屋の湿温度チェックなのですが値段に関係無く湿温度計の精度がバラバラで実際にどんな環境なのか把握しずらいのが一番の問題ですね。今回も湿度計の誤差が大きく真夏なのに乾燥させ過ぎたのがピッチ大幅低下の原因だった様子。
19日、浪速の駅前一等地にあるビル最上階のサロンホールでの巴里在住のFtとCemの日仏重鎮2人による公演に白フレンチで出動。夜本番で昼にチェンバロ搬入のはずが早朝緊急連絡があり午前中からリハしたいので出来るだけ早く楽器持って来て!との事で慌てて現地入り。予定よりも4時間前倒しでリハ始まるも早々に終了し奏者は「ホテルに帰って休みます」との事。いきなり5時間もの自由時間が転がり込んで来るも周辺は繁華街で本屋レコード店激戦区の誘惑多い危険地帯、気が付けば盛大に散財してました(汗)。会場はまたもや最近リニュアル工事したばかりとの事で残響大幅に増加しており音響もグレードアップ。オマケに照明がLEDになったとの事で照明近い割には温度上がらずこれまたチェンバロにもアリガタシ(ただしEV小さくチェンバロ簡単に入らず苦労しましたが)。
18日、日本一稼働しているホール(年約400公演は凄い!)でのフォルテピアノリサイタルにワルターで出動。こちらもつい先日改修工事を終えリニュアルオープンしたばかり。舞台床の表面を削り直したり客席の椅子を入れ替えたりと色々リフレッシュしたお陰か音響も幾分変わったような気が・・・(個人的には好印象でありました)
また舞台正面には仮設反響板が新たに設置されるもこれがまた置く位置で微妙に音響を変える事が出来る優れ物でビックリ。古楽に最適な音響の贅沢なホールが東京では無く名古屋にあるのが実に羨ましい・・・。マニアックなフォルテピアノリサイタルで動員は苦しいのではと思いきやフタを開けると意外に盛況、皆さんモーツァルトやベートーヴェンを作曲当時の音色で聴きたかった様子。この動員力も羨ましい!
こちらのホール周辺はナゴヤ飯の激戦区、今日もご近所の老舗店でランチに「あんかけスパ」。ホールの方には「また体に悪い物がお好きですね」と笑われるも中毒性がもう全身に染み込んでしまったのかこちらに来ると無性に食べたくなっておりもはや手遅れか・・・(笑)。
15日、楽器の引越で西へ移動するも関西まだ厳しい残暑。久々に西のスタジオに立ち寄り練習用チェンバロの御機嫌をチェックするも8月の調律が殆ど狂わず健在で拍子抜け。まだこの残暑続く限りはチェンバロも夏仕様のままで大丈夫なようですね。冷房の温度設定と除湿器の仕舞頃が難しい・・・。
昨日から2日連続早朝にTV放送された伊国老舗古楽グループの来日公演、早速録画を拝見(私は普段TV見ないので)。中々鮮明な音で収録されており聴き応え充分。あのリニュアルオープンしたばかりの大ホールが結構古楽向けで残響豊かのように(?)録れてましたね。流石某国営放送の技術は凄い!開演前に舞台裏から漏れ聴こえてきたツィンクによる和製ナツメロ大会は流石に流されてませんね。実に面白かったのに残念(笑)。
この6月久々に来日し自国民ならではの極上のMonteverdiの演奏を聴かせてくれた伊太利の老舗人気古楽アンサンブルの東京公演が早くもTVに登場。明日、明後日2日連続で放送されますので是非お見逃しなく(いつものように早朝なのでご注意を!)
12日、昨日まで連投だった5オクターブのフォルテピアノが帰還し今度は間も無く登板予定の別の2台のフォルテピアノの最終調整。午後は奏者による仕上がりチェック有り。珍しく5本ペダルをフルに駆使する多彩な演奏今から楽しみであります(こちらの楽器の演奏はFM収録なのでいずれラジオから聴いて頂ける予定)。Walterモデルを使っての公演(東京・名古屋)はこちら。
11日、赤坂でのモダンオケのHaydn公演千秋楽にフォルテピアノで出動。流石極上の音響を誇る老舗ホールだけにオケのサウンドは迫力満点、フォルテピアノも良く聴こえたのでは?実力派揃いのソリストと共に注目の北欧の合唱団のピュアで実に雄弁な歌声にも感嘆!
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実はこのホール大規模改修工事を終え今月再オープンしたばかり。舞台床や客席シートが新装となったようで以前よりも心成しか音響良くなったかも・・・。お客様にとってはトイレが最大の改善だったのでは。何よりも舞台上の照明の半分が最新のLEDとなり本番でも殆ど温度が上がらなくなった事は古楽器調律師にとっては朗報でありました。
しかし改装の反面ホール周辺の食堂が最近殆ど閉店したようで食に関しては陸の孤島化してしまい落胆。仕方なく普段行かないエリアまで遠征すると路地奥で新鮮で豪華な盛りの海鮮食堂を発見。これで今後はホールに行く楽しみが増えました。
9日、モダンオケのHaydn公演リハ最終日。現代楽器ならではの分厚く迫力満点のオケサウンド、世界から結集した選りすぐりのソリスト、世界的な人気を誇る北欧の実力派合唱団が相まって繰り出すHaydnの世界は古楽器に慣れている耳でも中々刺激的で聴き応え充分。
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明日の本番はこんなオルガンがあるホールでの演奏であります。(久々にオルガンこちらの面を見ましたね) どんなHaydn の世界を見せてくれるか乞うご期待!
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リハ会場周辺は美術館博物館動物園が結集する大観光地でもあるのであちこちで大道芸人が出没しており思わず見とれてしまいますね。今日もアメ横にランチで出撃するも昭和の香り濃厚な古びた洋食屋、開店時間になっても準備中の看板をいつまでも降ろさず「開いてますか?」という客には「時間掛かっても良ければどうぞ」という中々高飛車な対応(どうも出前を優先している様子)、結構待たされて出てきた定食は普通の味ながら量少なく値段が高めで残念なお店でありました。
6日、某モダンオケの練習場でのHaydn公演のリハにフォルテピアノで出動。ここ数か月何故か在京オケで「天地創造」がブームのようでウチのフォルテピアノも2回目の出動。今年はHaydnのメモリアルイヤーでしたっけ?今回の奏者は伊国を基点に欧州で活躍中のW氏。久々にご一緒との事で欧州古楽界最新事情を色々拝聴。
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昼は練習場のご近所「アメ横」の肉屋経営のレストランでランチ。充実した内容の日替わり定食がたった500円(それもフリードリンク付き)という驚きの安さが人気で開店から大繁盛のお店。今日は張り込んで900円の盛り合わせ定食(凄く豪華!)を頼むも周囲の日替わり注文客から「なんて贅沢な注文する客だ」という冷たい視線が・・・(何しろ日替わりの倍近い値段ですし)。
夕方からはこれまた欧州在住の若手演奏家のリハにお付き合い。まもなくのフォルテピアノリサイタル、また実にユニークなプログラムを用意しているようですね。ここでも欧州最新フォルテピアノ事情を拝聴出来アリガタシ。
5日、朝から英国製の大型1段チェンバロを古都のマンション4階にお届け。多少厳しい階段の2段鍵盤上げでも普段は2人でやるのですが今回の楽器は1段ながら非常に重い!それもテール側が2段より重いようで安全の為珍しく3人掛かりで階段上げ。70年代作のチェンバロは何故か重い物が多いですね。当時の名工が作る楽器は頑丈な構造を誇っていたのかも・・・。
昼はお届け先近くの創業80余年という古都らしい超老舗蕎麦屋でランチ。蕎麦の看板を上げながら何故か看板メニューは饂飩ダシに中華麺を入れた「キーシマ」という不思議な物。今日は超甘い揚げ入りのカレー味に挑戦するも「京らしい面白い味どすなあ・・・」というのが感想でありました。
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大型1段チェンバロに続いて超小型1段を運送するも今度は余りの軽さに拍子抜け。その後東へ移動し(途中事故通行止めで50kmも迂回する羽目に)またもやフォルテピアノ2台をお相手に格闘。
2日、私の企画公演の主戦場だった池袋の重要文化財の洋館が約2年半の耐補強工事を終えリニュアルオープン、今日はメデタイ完成記念の式典パーティとの事でご招待頂き出席するも何故か壇上で祝辞をとの事で大勢の来賓の方の1人だろうと呑気に構えているとナント祝辞は2人だけで私は会場使用者代表との事で主賓の区長の後に登壇する羽目になり緊張の極みでありました。
ほぼ90年前のままで抜群の音響を誇っていた会場が総分解の大規模工事で響きが悪くなってしまったのでは?という事が心配で会場到着後すぐに隅々まで変えられた所が無いかチェックしましたが流石重要文化財の工事だけに以前との違いは全く判らず感嘆!工事の方に聞けば床を新調しただけだそうですが(少し残響の癖が変わった様子)二重床になっていたのを竣工当時の一重床に戻したとの事。今日初めて器楽演奏を聴きましたがまだ少し青々しい響きのような気がするも内装材に音が染み込んでくると以前より音響良くなるかもしれませんね。期待出来そうです。
しかし驚いたのは倉庫として使っていた部屋の壁を剥がしてみると奥から90年前のトイレが現れたそうな。数十年振りに姿を現したというトイレは記念に昔の姿のままで保存展示されるとの事。トイレットペーパーの設置場所が背中側なのが変なのですがもしかして大正時代は使い方判らず反対に座っていたのか?
式典を終え今度は本館に会場を移し立食パーティ。私の祝辞の際に、この会場は日本洋楽界の巨匠斉藤秀雄氏と縁が深いのですが詳しい事が判らないので何かご存じの方おられましたら小さな事でも結構ですので教えてくださいと申し上げた所、出席者から多数の証言を頂く事が出来アリガタシ。中にはピアノ界の重鎮園田先生もこちらに関係あるとの証言も飛び出し洋楽史研究家としては実にエキサイティングな1日でありました。
またパーティ参加者の中に音楽関係者も多数おられこの会場の音響が何故素晴らしいかなど音楽談義に花が咲き豪華な料理やお酒も交えて最後まで楽しいひととき(私は残念ながら酒飲めず料理に手を出すヒマも無くひたすら歓談に専念しておりましたが。
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パーティが終わるとすぐに飛び出し600kmを爆走し深夜関西の某楽器工房にお邪魔してチェンバロの引き渡し。移動の途中の人気遊園地で夏の終わりを告げる大花火大会があり高速路上で迫力ある花火を見学。
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