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30日、地元の素敵な私設美術館でのアンサンブル公演に奏者のチェンバロ携え出動。大理石の床などチェンバロ向けの音響で以前より人気高かった会場ながら実に約10年振りの参上か。今回初めてお相手した仏国製のチェンバロ、もう日本に来て相当年月経つものの今だにフランスの香り漂う音色を維持しているのに感心。こちらの美術館には戦前からピアノ教師としても活躍されていた画家の資料が多数保管されており拝見していると仰天する写真を発見。神戸を代表する老舗ホテルには仏蘭西Erardのフルコンがあったとの話が伝わっていたのですが写真が残っておらず幻のピアノとなっていたのですが今日こちらから確かにErardのピアノがあったと判る証拠写真が多数出てきて大興奮でありました。
28日、先日の第1回に続き歴史的洋館でのチェンバロレクチャー第2回目がまもなく8月3日に開催。2回連続でBachがテーマながら前回のインベンションから今度はフランス組曲を取り上げて舞曲について詳しく解説する予定。チェンバロに最適な音響の空間での日本古楽界の重鎮による本格的なレクチャー(ご本人が強く願って実現した企画でありますが)、まだ余り語られてこなかったチェンバロ演奏の真髄に接する事が出来る絶好の機会でもあります。まだ少し席に余裕ありますので是非ご参加ください。
26日、先日の80年前に浪速で開催された日本で最初のチェンバロコンサート再現企画、色々な裏話もありました。まずどんなチェンバロを使ったかを調べていると独逸のメーカーから1936年9月にドイツから神戸に向けて我社のこのような製番とモデルのチェンバロを送ったという記録が残っているとの連絡がありビックリ(多分このチェンバロが海外から日本に納品された最初の楽器でしょう)。このチェンバロは今知られているモダンタイプとは少し違う特殊なモデルでそのタイプは現在日本に無いと判り当日の調達を断念。また共演者がヴィオラダモーレを演奏との事で当初楽器調達を心配するも神戸に楽器があり奏者もいるとの事で安心していると当日出てきた楽器が18世紀半ばウイーン製のオリジナルだと判りまたもやビックリ。そんな貴重な楽器が関西にあるとは知りませんでした。そしてコンサートには全国から多数のお客様がお越しになったのですが、昭和12年の公演の出演者であった加藤貞(MSop)のお嬢様がお越しになっていたと伺いこれまた仰天(ナント95歳でまたご健在だとか)。いや仕掛け人の私も驚きの連続の企画でありました。
25日、昨夜の日本で最初のチェンバロコンサート再現企画、80年前と同じ演奏プログラムをお話や貴重な映像も交えて紹介する事が出来ました。何よりも昭和12年の公演と同じ建物で開催出来た事は本当に画期的だったのでは。昭和8年建築のビルが戦災、震災をも乗り越え今だに浪速の代表的な名建築として君臨しているのが素晴らしい!昨日は開演前にビル完成の昭和8年当時の貴重なフィルムを特別に上映、まだ殆ど高層ビルが無く御堂筋が未完成の古き浪速の街並みをビル屋上から360度眺める映像には仰天。
80年前演奏があったホールは残念ながら50年前に大幅に改装されてしまい以前の贅沢な内装はもう見れなかったのですが、僅かに残る写真から当時の豪華さが垣間見れました。写真の舞台上部の謎の文様は星座を模したデザインだとか。戦前のホールとしては実にハイカラな内装だったようですね。昨日司会担当だった関西古楽界の重鎮N氏は若い頃この舞台で演奏した事があるそうな(これにもビックリでしたが)。舞台は豪華だったけど裏は狭かったとの事。しかし戦前戦後の浪速の人気ホールだったもののどんな演奏家が出演していたのか殆ど判らないというのが実に残念。日本初のチェンバロコンサートは幸い当時のプログラムが現存しておりその明細が判明しており助かった次第。今後の研究の成果に期待しております。
幾度もの大改装で戦前戦後浪速で人気を誇った豪華なホールの形跡は殆ど無くなっているもののビルの各所に昭和初期のモダンなデザインの形跡が・・・。日本有数の企業本社ながら今だに80数年経つ歴史的建築を大切に使い続ける浪速商人の心意気を垣間見る事が出来た次第。
24日、浪速の昭和8年建築という歴史的ビルでの公演に仏壇フレンチで出動。公演前にまずは同じ建物内の浪速を代表する老舗レストランの一室で御前演奏ありそちらにチェンバロを提供(正にターフェルムジーク!)。
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御前演奏の合間に私もこのレストランでランチを頂く事に。こちらはカレーが有名ながらギリシャ料理のムーサカも名物。肉と野菜を独特の味付けで煮込んだ料理は中々美味。8階から眺める御堂筋の景色も実に絶景、昭和初期は庶民憧れのハイカラなレストランだったのでしょうね。
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今日は日本で最初のチェンバロコンサートの再現公演。80年前昭和12年7月24日の正に今日このビルにあった豪華なホールで行われたチェンバロとヴィオラダモーレと歌のコンサートを再現!残念ながらその会場はもう改装で無くなっているのですがビル自体は現存しており各所に昭和初期の面影が残っているのが素晴らしい!
80年前の演奏はチェンバロ(日本初のチェンバロか?)とヴィオラダモーレと歌の共演。今日はその再現プログラムを演奏するも今でも珍しいヴィオラダモーレが18世紀のオリジナル楽器との事で仰天。関西はこんな凄い楽器が突然出て来るのが恐ろしい・・・。日本のチェンバロとヴィオラダモーレの歴史を語る上で重要な公演の再現との事でチケット争奪戦となり企画者としては嬉しい限り。
23日、名古屋にある日本で一番忙しいホール(年間約400公演!)でのNY在住チェンバロ奏者のチェンバロリサイタルにウチの箱入り娘の仏壇フレンチで出動。搬入EVが無いホールなので毎回人用にチェンバロ無理やり捻じ込むものの今回の楽器は巨大でEVに入らずいつもは階段上げながら誰もが考え付かなかった超裏技を発見し簡単に(?)搬入に成功。欧米の最前線で活躍するだけあり難易度高い鳥の羽のタッチを見事にコントロールした奏者の鍵盤テクニックに感嘆。
リハの隙間にご近所の老舗店でランチ。あんかけスパという名古屋飯の代表メニュー、ホールスタッフから呆れられるB級グルメながら中毒症あるのか名古屋に来ると食べたくなる飯ですね。
21日、西のスタジオで久々の出番となるウチで一番タフ(?)なチェンバロの御機嫌伺い。もう1年以上空調無しの部屋に放置ながら全く問題無く快調でひと安心。もう30年近くもトラブル無く鳴ってくれているのはある意味驚異かも・・・。
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スタジオお隣の古寺も今日はお大師さんの縁日で露店も出て中々の賑わい。昨日の浪速の西端の夏祭りに比べると実にお淑やかな規模ではありますが・・・。しかし昨日の大賑わいの夏祭り、ご近所のオケ関係者も殆どご存じ無かったとの事でビックリでありました。
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今日は地元の有名ホールでの合唱団主催のHaydn公演本番。こちらのホール実は古楽の老舗オケLa Petite Bande約25年前の初来日の記念すべき初日公演を行った場所でもありました(私も初々しくチェンバロで参加しておりましたが)。その時もHaydnでしたね。演奏素晴らしかったのに記録的な不入りで大騒動でありました(実は私のギャラ踏み倒されたまま・・・)。イヤ思い出深いホールであります。
20日、浪速でのHaydn公演リハにチェンバロで出動。3日間もリハ会場に楽器放置するもここはヨーロッパか?というような素晴らしい環境のお陰で(湿度43%!)御機嫌は上々、調律師にとっては非常にアリガタイ現場でありました。
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会場近くは庶民的な食堂が多く楽しみなエリア。今日も地元で人気の大衆食堂を初訪問。おかずテンコ盛りの看板定食の豪華さにまずビックリ。和洋中なんでもござれのメニューの多彩さにも感心。大衆食堂ながら女性の割合が多いのも地元民の人気の証拠か。
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食堂への途中にテキヤの方々が大結集しているので不思議でしたがご近所の神社の夏祭りでしたね。広い道路の両側にずらりと露店が並ぶ様は中々壮観(まもなく通行止めになる様子)。浪速の西端にこんな賑やかな祭りがあるとは・・・。
17日、間も無く開催の日本で最初のチェンバロコンサートを再現するイベント、予想以上のチケット応募があり嬉しい悲鳴であります(多数の方が抽選漏れしたようで申し訳ありません)。80年目の記念すべき日に当時と同じ会場で(!)開催出来る事は大きな喜びであります(戦災や震災を乗り越え昭和初期の歴史的建物が奇跡的に現存するのが浪速らしいのですが)。早くも80年前に独逸から日本に渡ってきたチェンバロのお話なども当日詳しくご紹介する予定。乞うご期待!
13日、ご近所の重要文化財の洋館でのレクチャーに鳥の羽フレンチ携え出動。以前よく使っていた講堂の大規模改修工事もいよいよ終盤(数年掛かった大工事でしたね)。特別にまだ作業続く内部を拝見させて頂くも流石重文建築だけあって以前と寸部違わぬ見事な修復。あの素晴らしい音響も健在のようで嬉しい限り。8月から貸出再開との事。
12日、サーファーで賑わう猛暑の湘南へ向かい個人宅のスピネットのご機嫌伺い。海辺の湿気の影響を心配するも最新の高性能エアコンと除湿器の併せ技で楽器に快適な環境を作る事に成功しひと安心。部屋の環境を診断するには正確な湿温度計が必須ですね。今日もエアコンを冷房にするか除湿にするかの判定に役に立ちました。
11日、久々のご近所の重要文化財の歴史的洋館でのレクチャー企画、まもなく(7月13日)開催であります。今回は日本チェンバロ界の重鎮による演奏を交えた解説でバッハの2声のインヴェンションを題材に取り上げます。チェンバロは東京での登場は久々となる鳥の羽フレンチを使用予定。チェンバロ表現の神髄に触れる絶好の機会であります。
10日、この春にリニュアルオープンした浪速の老舗楽器博物館を再開後初訪問。相当展示が縮小されるのではと危惧するも主要楽器はほぼ以前のままでひと安心。それに展示室の音響と環境は以前より大幅に改善されたのはナニヨリ。ただ大量の貴重な文献資料が他の部署に移動してしまったのは残念(日本有数のコレクションでしたので)
9日、全国の一部の通に評判という凄いスーパーがあると知り日本海側丹後まで車で往復300kmのお買い物。1円でも安く済ます為ほぼ一般道を走るも途中色々な興味深い物に出会い楽しいドライブ。まずは山奥で100年以上前の路面電車を拝見(他にも多数のSLがあるらしい)。
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現地に到着しまずは腹ごしらえと名勝天橋立近くの駅前老舗大衆食堂(旅籠も兼業とか)で刺身定食。有名店との事で開店前から大行列、地元産の新鮮な魚を御江戸では考えられぬ安価で提供するだけに人気に納得。
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追加で頼んだ岩牡蠣も大振りで実にミルキー、流石日本海の海の幸だと大満足(店の名物メニューらしく皆さん頼まれてましたね)。
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食後は腹ごなしにご近所の江戸時代の贅を尽くした商家を見学。栄華を誇った豪商自慢の屋敷から庭園隅々まで意匠を凝らした内装に驚嘆。
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特に感嘆したのが驚くほど豪華な仏壇でありました。まるで東洋バロック芸術の粋を集めたような出来栄え。いや江戸時代の芸術の凄さを改めて実感。
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次は日本で2番目に古い(120年前建築とか)天主堂を拝見。こちらも豪華な内装ながら畳敷の礼拝席が時代を感じます。
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そして苦労して(?)辿り着いた目的のスーパーがこちら。中はそれ程広くない店舗ながら置いている品々がどれも店が拘りのチョイスをした各地の銘品良品ばかり(逆に大手メーカーの製品の少なさに唖然・・・)。片田舎(失礼!)の普通の街道沿いのお店でこんな過激な品揃えで果たして成り立つのかを心配してしまいますが、もし近所にあれば毎日通う事間違い無し、イヤ凄いスーパーがあるものです。
色々買い込んだのですがその中で面白かったのがこちら。熟成時にクラシック音楽を聴かせて作ったという黒糖焼酎。音響熟成というフレーズ気に入って購入するも実にまろやかで呑み易い味でした(呑み過ぎが怖いですが)
7日、七夕。浪速の中心街ど真ん中の人気ホールでの明日のリサイタルのリハに鳥の羽フレンチで出動。久々にお伺いするこちらのホール、300席の半円形で2階席も至近距離の形状は実にチェンバロ向きながら古楽系の公演少ないのが残念・・・。
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今回の奏者は地元出身で現在NYとパリで活躍する実力派。コントロール難しい鳥の羽のタッチも実に達者(良く弾かれているとの事)、最近もオリジナルチェンバロ(デュモンやルッカースタスカン、グールマン)を使った公演に出演した所だとか。独特の魅力的な楽器の鳴らし方をされる注目の若手奏者ですね。今日はリハの他に写真撮影も。
ホールは浪速最大の歓楽街の目の前、夜は目ん玉飛び出る程高額の飲食店ばかりながら昼は庶民的価格の食堂も少しは営業している様子との事で評判のステーキ屋を見つけ野口英世1枚のランチステーキ。大振りの肉も流石ながら玉子キムチ食べ放題というのが浪速らしい大盤振る舞いでありました。
3日、まだ僅かしか日本に輸入されていない伊国メーカーのフレンチ2段の引越を担当。以前お届けの際には苦労したもののギリギリ部屋に入ったはずが今日は何故か色々やっても出せず大慌て。結局窓から無理やり出すという荒業で無事任務完了。
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今回のチェンバロには海外製のチャック式完全梱包のカバーが付いていたのですが楽器を包むのに難易度高過ぎで使用を断念。小さく折り畳む事も出来ず結局荒川右岸のCem工房にお譲りする事になるも工房の楽器はサイズが合わず(数センチ長かった!)残念。このカバーのサイズに合わせてチェンバロを作れば良いのでは?と進言するも親方笑っておられました・・・。
工房にお伺いしたついでにまたもや日本古楽史の調査のため親方ご夫妻の色々な回顧話を拝聴。昨日のイベントの際に沢山伺った興味深いエピソードをまた違う角度から解説頂き有り難し。
2日、20世紀チェンバロ復興の歴史を蓄音器で掛ける歴史的演奏と映像で読み解くというイベントにいつもの調律師としてでは無く弁士として出演。今回は珍しくチェンバロ関係者ばかりという事で(中には大阪からわざわざお越しになった方も)張り切って今まで誰も語らなかった「復元チェンバロ事始め」「モダンメーカー聴き比べ」「昭和初期の日本のチェンバロブームの検証」「20世紀前半のオリジナル楽器の活躍」など大ネタをズラリと並べるも余りにも範囲を広げ過ぎた為すべてを満足に語り切る事が出来ずちょっと残念(本当は2回分のネタでしたね)。しかし日頃の古楽史研究の成果を披露する事が出来た上に20世紀の貴重な文化遺産でもある蓄音器サウンドの魅力を皆さんにお伝えする事が出来嬉しい限り。
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