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29日、この日曜に迫った蓄音器コンサートの為膨大な資料を改めて整理していると色々新発見多いですね。ベルリンの博物館で拝見していた派手なチェンバロ(1889年プレイエル社製)、外装はオリジナル風ながらペダルも生えており中は少々モダンっぽく不思議な作風だなあと首を捻っておりましたが、これこそが現代メーカーがチェンバロ復興を声高らかに宣言した記念すべき楽器だったのですね。同時期にフランスで作られた3台の復元チェンバロが今はすべてベルリンにあるというのも凄い話であります。
28日、まもなく開催の蓄音器コンサートで掛ける音源を選ぶためレコードコレクションを引っ繰り返しているとまたまた興味深いネタを発掘。1930年代人気を誇った仏蘭西の古楽グループのレコードの中にメンバーのチェンバロソロ演奏が入っているのですが、そのレコードラベルの片隅に「1901年グループのリーダーが発見した古楽器使用」との記述を発見(今まで見逃しておりました)。果たしてどんな音色のオリジナルチェンバロなのかはコンサートでの初披露をお楽しみに!
27日、二十世紀におけるチェンバロ復興の歴史を貴重なオリジナル音源で検証するというレクチャーイベント(7月2日(日)代々木で開催)、開催が迫って参りました。この日は1930年製の英国製大型蓄音器(電気を使わないラッパ式の再生音の生々しさ是非ご体験あれ!)でチェンバロの歴史的な録音の数々を多数披露の予定。19世紀に一度忘れ去られてしまったチェンバロが何故20世紀に復活し再び人気を得るようになったかの謎を面白可笑しく(?)読み解いて行きたいと思っております。
しかしヨーロッパで起こりつつあった古楽復興運動の情報が極東の日本に届くのには実はそれ程時間差が無かったという事には驚かれるのでは・・・。日本で最初にチェンバロのレコードが発売されたのはナント昭和3年!、かのランドフスカの衝撃的なチェンバロ演奏が届いた後には日本でもちょっとした古楽ブームが起こったようであります。
そしてランドフスカの人気が高まりチェンバロという楽器が注目される中でその源流でもあるオリジナル楽器に対する関心も高まっていたという事も驚きであります。早くもルッカース(1618年製)のチェンバロやモーツァルト時代のフォルテピアノでの演奏のレコードが昭和初期の日本で発売されていたようです。
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そして今回の一番注目は、かのバッハが所有していたと伝わる「BachCembalo」の演奏が録音されたレコードでしょうか。今や弦も外され全く音が出ない状態なのですが数十年前には演奏可能だったようですね。実は昭和16年に早くもこのバッハ所縁の楽器の写真がさる演奏家の東京や関西でのリサイタルのプログラムに掲載されていた・・・というエピソードなどもお話する予定。昨日少しご紹介した新発見の日本人最初期のチェンバロ弾きのお話なども披露します。乞うご期待!
26日、近年ライフワークとして取り組んでいる日本古楽史研究、最近の研究で日本で初めてのチェンバロ奏者(写真の方ですね)をほぼ特定出来たのは大収穫なのですが(7月24日大阪の歴史的建築でのイベントで詳しい事は発表するのですがもう満席との事)、どうやら同時期に他にもチェンバロを弾いた日本人演奏家がいた?という資料を偶然発掘する事が出来大興奮。最初独逸から断片的な情報が届いた時点では信じられなかったのですが昨日入手した伝記を読んで昭和13年さる日本人演奏家が独逸の地方都市のホールでチェンバロコンサートをした可能性が高いと判明。このホットなニュースは7月2日のこちらのイベントで発表する予定(ネタ満載のイベントなのでどこまで詳しくお話出来るか心配ですが・・・)。乞うご期待!
25日、御近所のお馴染みの重要文化財の洋館、耐震工事で長期間休館中でしたがそろそろ工事終了との事で寄り道して進行状況を拝見。もう覆いは殆ど外されて真新しく蘇った雄姿を見せており工事も終盤の様子。この秋建物復活すれば早速こちらでのコンサートも再開する予定、新しくなりどんな響きになったのか楽しみであります。
夜は日頃ウチの活動をお手伝いしてくれる若いスタッフ陣を引き連れ慰労会。中々舌が肥えている若い衆を満足させる為居酒屋激戦区十条に繰り出し昭和の香り濃厚な老舗店へ。まずは店の名物鯖の燻製(美味!)でスタート。手の込んだ突き出しにも感嘆。
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次はミズノコブ(東北の珍味?)のお新香(初物でした)と泥鰌のから揚げ(どちらも非常に気に入りました!)。酒飲みの好みを知り尽くした見事な味付けに脱帽。
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こちらのお店、メニューに「それは何?」という不思議な品多数あり油断ならず・・・。これも初物の玉子の唐揚げ・・・。今までありそうで無かったメニューながら酒のアテには結構イケました。
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21日、開幕から随分経ってやっと天正遣欧少年使節展を地元で拝観。開幕記念イベント(伊太利から古楽アンサンブルが来日)にチェンバロを提供したのですが(私は参加出来ず影武者氏が担当)やっとその展覧会を拝見出来ました。数は少ないものの展示されていた伊太利初期バロック時代の工芸品の素晴らしさを堪能。
久々に地元の繁華街で昼食。街のメイン商店街にある人気中華店のランチメニュー質量値段共に大満足ながら東京と違い行列も出来ずすぐに座れるのが神戸のアリガタイ所。昔ながらの神戸らしい上品な味(関東では薄味過ぎると言われるかもしれませんが)が素晴らしい!最近外来種のような「なんちゃって神戸中華」の店が大繁殖してしまい真っ当な店が減少しているだけに地元民にとって貴重なお店。
噂には聞いていたのですが私の名前(実は大変珍しい名前です)が紀州名産の梅のキャラクターになっており、大々的に宣伝されているとの事。今日初めてバスの外装広告となっているのを見てビックリ仰天。
17日、今日は西のスタジオにドッグ入り中の国産小型2段チェンバロの御機嫌伺いから。数十年置かれていたお部屋の環境が相当良かったお陰か余り弾かれていなかった割には錆無し埃無しで新品のような初々しさに感心。
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昼から浪速に向かいまずはミナミの盛り場外れにある実に庶民的な(汚い?)有名食堂で名物エスニック風カレーでランチ。御近所の全国に名立たる「オダサク所縁のカレー」とは少しキャラが違うものの驚くほど安価で中々美味でありました。
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今日は先日浪速で開催した日本古楽史イベントでの喋りが縁でお声を掛けて頂きFMラジオに出演(録音でしたが)。ランドフスカやエタ・ハーリッヒ=シュナイダーなどの古楽創世記の立役者の名演を始め様々なチェンバロ演奏を聴きながらタップリ御喋り。最後好きな曲掛けて良いと言われ戦前関西コミックグループの希少盤を選択するも放送禁止用語入っているのを忘れており収録ストップ・・・。結局曲差し替えとなり放送出来ず残念。
14日、伊太利の俊英のオールイタリアンプログラムのリサイタルが調布の有名古寺本堂で開催。今や世界中から引っ張りだこという俊英の研ぎ澄まされた鍵盤捌きとラテン系ならではの躍動感溢れる演奏実に圧巻でありました。パレストリーナからフレスコバルディそしてDスカルラッティまで(マックという作曲家の作品は初体験でした)という伊太利音楽数百年を辿るプログラム実に面白い!2週連続だった伊太利人による「百のパルティータ」も先攻の重鎮と甲乙付け難い熱演。最後に演奏した最近亡くなったホイナッカ(訃報知らなかったです)に捧げる16世紀の曲も実に味わい深いものがありました。
こちらの古寺は周辺蕎麦屋だらけという蕎麦好きには危険なエリア、早速隙を見て豪快な盛りで有名な人気店に突入し野外の席で蕎麦を堪能。
9日、連日伊太利人とご一緒していた為か今日は触れるチェンバロがイタリアンモデルばかり・・・。まずは昨日までコンサートに出動していた大型イタリアンをスタジオに引き取り羽休め。次に御江戸東端の荒川右岸の鍵盤楽器工房で最近修復したばかりという小型イタリアンを拝見。30年以上弾かれていたベテラン楽器ながら製作家自身による大規模オーバーホールのお陰で新品並みの初々しさに戻っており感嘆!最後は私が製作に関わった大型イタリアンをさる個人宅にお届け。狭い防音室のグランドピアノの隙間に無理矢理(?)チェンバロを押し込む事が出来ホッ。
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連日の銀座通い今日は同じ銀座ながら江東区の下町で大繁盛の庶民的商店街砂町銀座に繰り出しB級グルメ界では有名な大衆食堂にてこちらの看板メニューのレバー丼でランチ。ここのもう一つの名物かき氷もそろそろ出番の時期ですね。
8日、銀座の有名ホールでの伊国老舗古楽グループの来日ツァー千秋楽にイタリアンチェンバロで出動。テオルボ2台とチェンバロの「弾き系」3人とSopの歌姫2人というシンプルな編成ながら実に濃厚で明快な伊太利音楽を披露。チェンバロが入るのは久々というこのホールも約300席という空間は残響豊かでかつクリアに音が飛んで来るので古楽向きですね(2階前席が特等席かも)
今回の彼らの演奏で驚いたのは純正3度も5度も無い「マイルドなミーントーン」での響きでありました。17世紀のテイストは充分残しながらフレット楽器との相性も抜群でかつ暖かくまろやかなハーモニーを併せ持つ響きは画期的!しかし日本人がやると「判ってない」と言われそうながら本場伊太利人がやると先進的だと受け入れてくれそうで羨ましい限り。
7日、来日中の伊国老舗古楽オケの明日の最終公演のリハに大型イタリアンチェンバロで出動。銀座のど真ん中にある大手楽器メーカーのホール、古楽公演には縁が無いようですが実は小振りで残響豊かな正に古楽向きの空間であります。今回も歌とテオルボとチェンバロでの濃厚なイタリアの音楽を至近距離で存分に堪能して頂けるはず・・・(チケットまだ僅かに残っているようです)。
明日の公演で嬉しいのは優れた鍵盤奏者でもあるマエストロがやっとチェンバロ演奏を披露してくれる事。かの名曲「百のパルティータ」を伊太利人の演奏で聴くのは本当に久々かも・・・。モンテヴェルディだけでなく鍵盤の達人のフレスコバルディも是非お聴き逃しなく!リハ終了後にマエストロは次の公演の準備をさせてと居残りでスカルラッティの曲を密かに練習されてましたがこれがまた実に素晴らしく調律師の役得でこっそり独占して聞き惚れておりました。いつかまたマエストロのチェンバロリサイタルも聴きたいものです。
5日、伊太利老舗古楽グループのモンテヴェルディ・ベスプロ公演2日目(悲しいかなこれで千秋楽)は御江戸郊外の人気ホールで開催。大改修終えたばかりという舞台は以前より残響豊かになったようで古楽演奏にはアリガタシ。また照明も一部LEDとなり舞台上の温度湿度の変化も劇的に改善されこれまた調律師にとってはアリガタシ!
ベスプロを日本で伊太利の古楽グループが演奏するのはもしかして初めてか?自国の作品の演奏だけに今まで聴いた事が無い濃密なモンテヴェルディでありました。今日の演奏は某国営放送が収録しており9月にはBSで放送予定だとか。生で見れなかった方は是非お見逃しなく!彼らの公演は小編成でのプログラムがもう1日ありますのでこちらも是非お聴き逃しなく!(今度はマエストロのチェンバロソロもあります)
3日、伊国老舗古楽オケ久々の来日ツァーがハマの老舗ホールで開幕。無闇にトンがる事無く肉感的で芳醇な演奏は流石!オラが國の作品はこうやって演奏すべしと言いたげな説得力溢れるモンテヴェルディの演奏でありました。通常とは一味違うマイルドなミーントーン調律もその艶やかな演奏の一因だったのでは・・・。
1954年開館という日本最古の公営音楽専門ホールも来年改修工事の為長期休館になるのだとか。まだ戦後の混乱期だったはずの63年前に作られた歴史的な建物だけに今だに謎の多いとの事。目立つ場所にありながら入るドアが無い「開かずの間」なんて言う不思議な部屋もあるそうですね。しかし改修工事のお陰で折角のホールご自慢の音響が変化しない事を祈るばかりであります。
2日、本当に久々の来日(十数年振り?)となった伊国人気古楽グループが都内の練習場に元気に登場。まずはツァー前半のベスプロ公演のリハにオルガンで参加。指揮者の回りを歌手が取り囲みその後ろにオルガンを中心とした器楽隊が並ぶという独特の配置は歌手陣が強者揃いだけにホールでどんな響きに聴こえるか実に楽しみであります。
リハ後は急いで川向うの下町人気ホールに駆け込みHaydn公演本番初日のフォルテピアノ調律。モダンオケを短期間に見事自分色に染め上げた指揮者の力量に感嘆!本番でフォルテピアノの調律が少々不安定なのが不思議だったのですが今日は6月に入ったというのに御江戸の最低湿度がたった21%だったとの事。まもなく梅雨近しというのに異常乾燥になるとは困ったものです。
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