シューベルト時代のピアノとは
12日、9日、11日の冬の旅公演で使われていたピアノはシューベルトがまだ生きていた1820年製のオリジナル、今のピアノとは全く違うその多彩な音色変化に皆さん驚かれたと思います。その秘密は5本もの足ペダル!右からダンパー、シングルモデレーター、ダブルモデレーター、ファゴット、ウナコルダであります。右端のダンパーペダルに注目あれ!表面の金属が長年踏まれ続けて磨り減ってしまい下地の木が剥き出し!長年弾かれ続けていたピアノだったようですね。
昨日の演奏で特に劇的な音量音色変化をもたらしたのは2種類のモデレーターペダル。弦とハンマー(今のようなフェルトでは無く皮巻きです)の間にフェルトを差し込む仕組みでありました。昨日の演奏では他の演奏家は滅多に使わないダブル(フェルト2枚)を大胆に使ってましたね。消え入りそうに美しいピアニッシモはこのペダル。
最後の辻音楽師で突然聴こえた不思議な音色はファゴットペダルでした。弦の上から薄く軽い素材を軽く押し当てて振動音を発生させる仕組みです。シューベルトのピアノ音楽は当時流行したという多数のペダルによる音色変化があってこそその真価が発揮出来るというものですね。本当のシューベルトの世界の魅力に迫る事が出来た至福のひと時でありました。
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