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28日、スイスを起点に世界で活躍する日本人チェンバロ奏者北谷直樹氏の久々の(そして今年2017年唯一の?)帰国公演が1カ月後の2月28日に名古屋で開催予定。ホール10周年記念公演として急遽決定したのですがやっとチラシも完成したようです(ホールHPをご覧あれ)。全国のNaokiファンの皆さん、あの芳醇で艶っぽい彼のチェンバロ演奏を聴くには名古屋へ行くしかないですぞ!
日時:2017年2月28日(火)18:45開演 @名古屋・宗次ホール
曲目:J.S.バッハ:ヴァイオリンと通奏低音の為のソナタ BWV1023
タルティー二:ソナタ Op.1-10 捨てられたディド / ヴェラツィー二:ソナタ Op.1-7
イザイ:無伴奏ヴァイオリンソナタ 第4番 より / ラザール:バレエ組曲 他
詳細:宗次ホールホームページ
チケット購入:宗次ホールチケットセンター ☎052-265-1718
25日、みちのくのホールに所有チェンバロの御機嫌伺いに出動。日本でも珍しいヒストリカルタイプの16f付きと1段鍵盤の2台のジャーマンタイプのチェンバロを所有するというこのホール、楽器の状態を良好に保つには調整だけでは無く演奏家による弾き込みも必要という事を良く理解して頂いており、今日は東京や地元から演奏家にお越し頂き調律調整と共に弾き込みで楽器の御機嫌伺いの1日。お陰で街のチェンバロ人口が非常に少なく出番も少ないチェンバロ陣も極上のコンディションで維持出来ております。
ホール御近所(?)には海鮮料理の美味いお店が多数あるのも訪問の楽しみ(素晴らしい酒屋も御贔屓ですが)。今日は昔は雲丹の名産地として有名だった漁港近くの海鮮食堂でランチ。多彩なデカネタが豪快に盛られた海鮮丼が安価で素晴らしい!(これで地元産のネタだったら最高なのですが)
24日、独逸製のチェンバロの引越運送の1日ながら受難の連続。まず運び出しのお宅では車の置き場所が見つからず右往左往。重量あるチェンバロを狭く厳しい階段を苦労して降ろし何とか車に積み込み完了。お届け先ではまずエレベーターに乗るか試そうとするも定期点検中で1時間待ってと言われガッカリ。幸い作業の合間に無理言って楽器を乗せてもらい部屋の前まで運ぶも今度は廊下が狭くてどうやっても部屋に入らない・・・。最後は窓柵を外して無理やり部屋に楽器を捻じ込む事に成功しホッ(窓もギリギリで最初入らず冷汗かきましたが)。今まで部屋にチェンバロ入らなかった事が無かったのですが今日は流石に駄目かもと覚悟した程でありました。
移動の途中でご近所にカウンターだけの小さな武蔵野饂飩の評判店があると知り早速訪問。肉とカレーの2種類のつけ汁に色濃く野趣味溢れる固めの極太麺という組み合わせが中々豪華で美味。23区内で本格的な武蔵野饂飩食べれるお店はまだ少ないだけに良い店見つけられてラッキー。
23日、コンサートの打ち合わせで某演奏家のお宅にお伺いするも古音盤マニアの御仲間でもあり仕事のお話し済むと早速蓄音器での鑑賞会に。最近私が見つけた珍盤は1930年頃にヘンデルのコンチェルトグロッソの演奏でオリジナルのチェンバロ(18世紀のブロードウッド社製だとか)を通奏低音で使っていた(かもしれない?)という珍しい物。数曲ある録音でどれがオリジナルチェンバロを使っているかは判らないので耳を澄まして拝聴するもオケ中のチェンバロの音色は殆どかき消され最後の数秒ソロが聴こえる程度。それだけでオリジナルチェンバロかどうかを判定するのが実に難しい・・・。しかしランドフスカがやっと人気になった頃に早くもオリジナルチェンバロを使うオケ演奏があったとは驚きでありました。
22日、久々に東のスタジオに戻り出番控えたチェンバロ・フォルテピアノ3台を一堂に並べて御機嫌伺いの1日。今日は特に某鍵盤奏者をスタジオにお招きして弾き込みと調整・調律の合わせ技で念入りに楽器の御機嫌取りを敢行。
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久々の出番となるWalterモデルのフォルテピアノはオランダの重鎮のリサイタルツァーに提供予定。今回はモーツァルトとベートーヴェン両方のソナタを取り上げる欲張った(?)プログラム、「悲愴」「テンペスト」などの至高の名曲を名手のフォルテピアノ演奏で聴ける絶好の機会であります。兵庫公演はアッと言う間にチケット完売したとの事(名古屋と東京はまだチケット多少あるようです)。ベートーヴェンを彷彿させるような髪振り乱して熱演するフォルテピアノ界の重鎮の演奏是非お聴き逃しなく!
19日、訪問先の御近所にある厄神さんがちょうど大祭の真っ最中なのを思い出し寄り道して久々に参拝(子供時代から正月の風物詩として楽しみだったお祭りでありました)。普通お祭りの参詣道は賑やかに屋台並ぶのですがここは駅から本殿までは屋台は無くただゾロゾロ歩くだけ・・・。まあお賽銭頂くまでは無駄遣いしないでねという仏様の思し辺しなのでしょうね。ご近所のえべっさんよりがっちりしておられるようであります(笑)。
お祭りの楽しみは何と言っても屋台巡り。しかし近年はどのお祭りも店数が随分減ってしまい寂しいですね。テキヤ業界も人材不足なのかも? 最近の屋台の人気店はベビーカステラのようですね。凄い行列のお店多数有り。
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一時は絶滅しかかっていた猿回し最近は結構見かけるようになりましたね。また猿使いの方も結構若い!消えつつあった大道芸が見事に復活した貴重な例なのかも。
1月17日、阪神淡路大震災から22年が経ちました。山と海に挟まれた美しい街を突然襲った未曽有の巨大地震は多くの犠牲者を生みまた街を破壊し尽してしまいました。長年受け継がれてきた歴史や文化は一瞬にして姿を消し、地震に遭遇したすべての方はそこから人生が大きく進路変更してしまったはずです。今や街は生まれ変わり一見震災の傷跡は殆ど癒えた様に見えますがまだまだ街のあちこちにそして体験者の心の奥底には根強くその震災の痕跡が残っております。人間の人智では立ち向かえない大きな自然の力に対しての無力感は22年経った今でもどうしても拭い去る事は出来ません。今日は多くの犠牲者の方のご冥福をお祈りしつつ平穏な日々の継続を切に願う1日であります。
(写真は全壊した初代西のスタジオ、2階建ての日本家屋が完全に倒壊したのですが瓦礫の中からチェンバロを掘り起こし無事救い出す事が出来ました)
16日、昨日雪の中苦労して運んだ2台のゲブンデンクラヴィコード、出番の公演を伺うとBachのゴールドベルグ変奏曲を2台のクラヴィコードデュオで演奏するという実にユニークなプログラム。イタリアでは2台のクラヴィコードが1台に合体したヴィザヴィ(Vis-a-Vis) のような楽器まであるそうでデュオ演奏が実に盛んだとの事、それに刺激を受けて日本でも実現させた公演だとか・・・、チェンバロソロでは聴き馴染んだ名曲がクラヴィコードデュオではどんな演奏になるか本番が楽しみであります(近日中に明細お知らせの予定)
クラヴィコードの次は出番間近のチェンバロの御機嫌伺い。暖冬の正月が過ぎやっと本格的な寒さが到来しいつもの冬の厳しい乾燥がやって来てますね。加湿器フル回転であります。
15日、楽器運送の依頼を受け信州小淵沢にある自然溢れる山中の楽器工房を初訪問。毎度他と一味違うユニークな楽器を作られる方だけに工房訪問を楽しみにしていたのですが期待に違わず興味深い楽器を拝見する事が出来ました。
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拝見した楽器の中で驚いたのはチェンバロやフォルテピアノの原点とも言えるクラヴィシンバルム。実は私も海外の楽器は調整した事もあり多少の経験はあったのですが、この楽器はチェンバロの弾き系とピアノの叩き系の両方のメカニックが共存すると言う実にユニークな構造でありました(ワンタッチで切り替え可能)。まだ未完成で音を聴く事が出来ず残念。
今日は東から西へ600km近く走破するも東京を離れるともう一面雪景色。信州では名物ほうとうを食べ体を暖めるも標高が上がると気温マイナス7℃という厳しい寒さ。幸い小淵沢は酷い雪では無かったものの名古屋市内の高速は雪で全面ストップ、仕方なく関ケ原方面に迂回するも信州より酷い雪で中々前に進まず深夜にやっと楽器届け先に到着。
今日運んだのは同じ製作家の同じモデルというゲブンデンの兄弟クラヴィコード。来月にデュオ演奏のコンサートで使用の予定であります。
13日、都心の移動に珍しくチンチン電車を利用。スピードは全然出ないものの混雑知らずで下町の裏通りをノンビリ走る電車は中々快適であります。おっちゃん世代には70年代初頭に発売された日本の某ロックバンドのジャケットで御馴染なのですが・・・。
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夜はいつも私の企画の重要メンバーでもあり電脳部門をサポートして頂いている某演奏家との新年の企画会議を都心北にある古楽系音楽祭でも有名なターミナル駅前のホール近くの老舗居酒屋で敢行。某下町居酒屋巡り本の冒頭を飾る程の人気店だけあって料理は多彩でどれも超安価で実に美味(特に魚系の料理の味付けは絶品!)。コンサートの前後に立ち寄るには絶好のお店であります。
駅前にはもう1軒おでん立ち飲みで有名なカウンターだけの小さなお店もあり(こちらも美味で実に安い!)呑み助には実にありがたい街であります。ウマい酒肴のお陰で今年の自主企画の素敵なラインナップをまとめる事が出来ました。乞うご期待!
12日、9日、11日の冬の旅公演で使われていたピアノはシューベルトがまだ生きていた1820年製のオリジナル、今のピアノとは全く違うその多彩な音色変化に皆さん驚かれたと思います。その秘密は5本もの足ペダル!右からダンパー、シングルモデレーター、ダブルモデレーター、ファゴット、ウナコルダであります。右端のダンパーペダルに注目あれ!表面の金属が長年踏まれ続けて磨り減ってしまい下地の木が剥き出し!長年弾かれ続けていたピアノだったようですね。
昨日の演奏で特に劇的な音量音色変化をもたらしたのは2種類のモデレーターペダル。弦とハンマー(今のようなフェルトでは無く皮巻きです)の間にフェルトを差し込む仕組みでありました。昨日の演奏では他の演奏家は滅多に使わないダブル(フェルト2枚)を大胆に使ってましたね。消え入りそうに美しいピアニッシモはこのペダル。
最後の辻音楽師で突然聴こえた不思議な音色はファゴットペダルでした。弦の上から薄く軽い素材を軽く押し当てて振動音を発生させる仕組みです。シューベルトのピアノ音楽は当時流行したという多数のペダルによる音色変化があってこそその真価が発揮出来るというものですね。本当のシューベルトの世界の魅力に迫る事が出来た至福のひと時でありました。
11日、都心の人気ホールでの新進コンビによる冬の旅公演に1820年製のオリジナルフォルテピアノで出動。先日の大正時代の洋館での公演は残響は程々ながら艶っぽい音色で微音の魅力を存分に味わえましたが今日は抜群の音響の中で実に濃厚なシューベルトの歌曲の魅力を堪能。特に二百歳のピアノを自在に操り五本のペダルをフルに使って実に多彩な音色を紡ぎ出した奏者の実力に感嘆!(日本で本格的にフォルテピアノを弾いたのはこれが初めてだったそうですが) このコンビのシューベルト歌曲のシリーズ是非継続して頂きたいものです。
今日のホールの近くは高級ホテルはあるも大衆食堂が皆無の砂漠地帯だと思ってましたがご近所で評判の庶民的なとんかつ屋があると知りハマってます。デカ盛りのカツも素晴らしいものの多彩な味付けがどれも美味しそうで毎度注文迷ってしまう程。今日は濃厚なデミ味かつ丼を注文、味も量も値段も大満足であります。
10日、昨日の大正時代の洋館での公演はホール改装工事のための臨時会場でありまして本来のホールは4月に再開との事(小ホールは5月)。首都圏の中でも古楽系公演が一番多い(?)ホールだけに再開後のラインナップが実に楽しみであります。リニュアルオープン記念の公演にはウィーンの古楽オケによるベートーヴェン交響曲全曲(第九では合唱団がオケより前という凄い配置という噂)、その次は久々に来日のイタリアの鍵盤の巨匠率いるグループのモンテヴェルディの大曲公演、年末にはフランスのチェンバロの巨匠Duoなど相変わらず凄い面子を並べておられるご様子(勿論もっとあるはず)。チケットがすぐに完売になるのでも有名なホールだけに古楽ファンはチケット発売の情報是非ご注目あれ。
9日、吉祥寺にある大正時代建築の学校講堂での日独新鋭2人による「冬の旅」公演に1820年製のオリジナルフォルテピアノで出動。漆喰壁に覆われた会場の魅力的な音響に惚れて重いフォルテピアノを5人掛かりで厳しい階段を担ぎ上げ(階段上げは初めてかも・・・、イヤ大変でした)。この会場残響はそれ程長くないものの歌もピアノも艶っぽく膨らむ音質が実に素晴らしく、語り掛けるどころか囁くような歌声や実に繊細なフォルテピアノの音色も会場後ろまで存分に届いてましたね。現代ピアノと余りに違う音色に終演後多くの方が興味津々で舞台を取り囲んでおられました。歴史的建築の音響の素晴らしさを改めて実感したものの、この会場は実はホールの改装時期のピンチヒッターとして期間限定で使用していたとの事で残念ながら今後は使う予定が無いとの事、イヤ実に勿体無い!
7日、西のさるホールでの新春恒例Viva四季公演のリハに白フレンチで出動。毎冬異常乾燥に悩まされる「危ないホール」ながらもしかすると暖冬で湿度高めかも・・・と期待するもやはり20%近い厳しい乾燥でガッカリ。しかしタフな独逸製のチェンバロはアブナイ環境でも調律もピッチも殆ど動かず涼しい顔(普通のチェンバロならこの乾燥でもう調律メロメロでしょう)。冬の現場では実に頼もしい楽器であります。
ホールの周辺は全国に名高いお好み焼の本場ながら実はうどん激戦区でもある事を知り地元で評判という裏通りの隠れ家饂飩屋を初訪問。讃岐風の固い麺が主流の中であえて柔らかな細麺で勝負しているのが素晴らしい。地元名物ぼっかけをたっぷり入れたカレー饂飩中々美味でありました。
2件目はさる個人宅の伊太利製のチェンバロ2台の御機嫌伺いへ。部屋に加湿器3台も常備され昼夜注意深く湿温度管理をされておられるだけに厳しい冬でも調律殆ど変化無く完璧な楽器管理をされており感嘆!最後は500km走破し東のスタジオに久々に帰還。
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