オリジナル楽器シリーズを振り返る
26日、昨日で無事千秋楽を迎えたオリジナル楽器シリーズ。日本に居ながら数百年の年月を経た貴重なオリジナル楽器の演奏が多数聴けるという空前絶後(?)の企画だったと自負しております。そのシリーズを写真で振り返ります。
まず4月はオランダを中心に欧州で活躍するフォルテピアノ奏者の1820年製ウィーン式フォルテピアノ(Johann Georg Gröber (Insbruck 1820))でのソロリサイタル。オリジナルフォルテピアノに精通した奏者の鍵盤コントロールが見事でありました。
6月は多数の18世紀製のフルートの銘器と18世紀後半ドイツの名工Schmahl作のクラヴィコードを1人で演奏し解説するという異色の組み合わせのレクチャーコンサート。日本で数少ないオリジナルクラヴィコードの独特の陰影ある音色が実に魅力的でありました。
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8月は楽器の街浜松にある日本最大の楽器博物館で展示樂器を使ってのデモ演奏と特別楽器試奏会を開催。チェンバロからフォルテピアノまで多数の歴史的鍵盤楽器の音色を一同に聴き比べ(一部は弾き比べ)出来た貴重な機会となりました。
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夜は博物館の看板楽器である18世紀後半北欧の名工作(Pehr Lindholm (Stokholm 1780)のクラヴィコードを使ってのレクチャーコンサート。クラヴィコード文化が最後まで繁栄した北欧の楽器のレベルの高さを感じると共に20世紀の名工による素晴らしい修復振りを存分に味わえたひと時でありました。
10月はつくばにあるこちらの会場で18世紀イタリア製(明細不明)のパイプオルガンでのレクチャーコンサートを開催。17~18世紀のオリジナルのパイプの鮮烈な音色の存在感に圧倒され、電気モーター全盛時代にあえて使った手ふいごの送風によるニュアンスに富んだフレーズに魅了されたひと時。
10月は御馴染みの池袋の洋館に戻り十数年振りに公開の場に姿を現したというチェンバロ界の最高峰Ruckers一族の楽器をラバルマンしたという2段フレンチでのソロリサイタル。環境変化にすぐに反応してしまうその繊細なボディーにも驚くも、今の復元楽器よりも数段反応が早く鮮烈な音色を奏でる豪快な鳴りっぷりに感嘆!
このシリーズ最後は11月の古楽界の重鎮お二人によるフルートとチェンバロのデュオコンサートでありました。もう二度と出来ないような贅沢三昧のシリーズ、お楽しみいただけたでしょうか?来年はまた違ったシリーズを開催しようと現在画策中、また来年もこうご期待!
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