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30日、先日調整したばかりの都内某所に長年秘蔵されていた1843年ウィーン製のフォルテピアノ、今日は170歳を超えるこの歴史的楽器の現状と真価を確かめる為演奏家をお連れして様々な曲の試し弾きを敢行。長年殆ど弾かれておらず冬眠状態だったもののフォルテピアノに精通した奏者が弾き込むうちに少しづつ目覚めてきたようでナニヨリ。
意外に保存状態良いボディからは強靭でクリアな音が出て来るようになりすぐにでもコンサートに使えそうですね(コンチェルトでも大丈夫な程の音量あり!)。また珍しく紛失せず付いている第二響板がいかに音色に重要な役割を果たしているかが判るのも素晴らしい(これ無くしてはウィーンの甘い音色は出ないのでは思える程!) いずれ皆さんにもこの貴重なオリジナルフォルテピアノを聴いて頂ける機会を作れるように現在オーナーにお願いしておりますのでいずれその素晴らしい音色をどこかで体験して頂けるはず・・・。乞うご期待!
26日、ベートーヴェンVnソナタの録音セッション最終日。今日も非常にスムーズに録音は進行し夕方には収録完了。終了後重厚なベートーヴェンの世界から解放された喜びの余り御二人が即興を奏で始められたのですが実に香り高きウィーンらしい音色を出されていたのには感嘆!(フォルテピアノもまるで別物のように音色激変しビックリでありました) 達人の神業を間近に垣間見れた至福の3日間でありました。CDの完成楽しみであります(ちょっと変わった組み合わせのCDになるとか) しかし猛暑と湿気でフォルテピアノの調律に悪戦苦闘の日々でしたね。最終日は演奏中にフォルテピアノの周辺から2度も異音が発生し収録がストップ。調べても原因判らずまるで怪奇現状?
25日、ベートーヴェンVnソナタの録音2日目。猛暑の中で冷房止めてのセッションとなると温度変化に敏感なフォルテピアノの為徹底的な温度対策を敢行。温度上昇の一番の原因である舞台照明はやめて本当は暗闇の中で蝋燭の明かりだけで行きたい処ながら(雰囲気出るでしょうね)LEDなどという野暮な灯りで譜面を照らしてナントか最後まで温度を維持してセッション終了。しかしベテラン勢御二人の演奏実に快調で連日まだ明るい内に帰れるとはビックリでありました。
ホール周辺実は饂飩蕎麦激戦区だと判り今日も帰路に御近所の評判店を訪問。今日は人里離れた畑の真ん中にポツリとある隠れ家風蕎麦屋へ。産地の違う個性的な蕎麦2種をこれまた全く味の違う2種の汁で味わえるという凝った組み合わせを注文。中々拘り有る蕎麦を出すお店ながら余りの立地の不便さにお客の入りを心配してしまいますね(昨日も今日も貸し切りでありました)
24日、埼玉の某ホール(都心に近い為録音に人気ですね)でのVn+Fpの録音セッションにワルターのフォルテピアノで出動。ホール周辺まだ蝉の大合唱が賑やかながら幸い録音には支障出ずヤレヤレであります(蝉の声が入ってしまい録り直しとなった失敗例多数あるようですね)。業界重鎮の御二人の演奏は最初から完成度高く貫禄充分ながらさらに上質な音楽を目指そうという貪欲な姿勢に感服した次第。
演奏ミスが殆ど無いベテラン勢同士だけにいつもより早くセッション終了。実はホール周辺は武蔵野うどん激戦区でもあるので帰宅前に早速地元で評判という隠れ家うどん店へ出撃。不揃いながらモチモチとして歯応え心地よい麺と濃厚ながら後味爽やかな汁の組み合わせが中々美味(そして安価)。
22日、今日予定されていたフォルテピアノを含むリハ、台風来襲の影響でキャンセルでありました。もしかすると午後には台風北に走り抜けて天気回復するかも・・・と期待していたのですがナントも鈍足の台風でしたね。急に予定が空いたので車のオイル交換に向かうといつもは結構待たされるのに今日は待ち時間無し!後はスタジオに戻って事務仕事でもとのんびりしていると携帯が瀕死状態なのを偶然発見。慌てて携帯屋に飛び込んで新規購入しトラブルは危うく回避。携帯屋いつもならこれまた凄い順番待ちなのに今日は台風のお陰で殆ど人が来ておらずすぐに手続き出来たのは実にラッキー。台風のお陰で色々助かった1日。
14日。西のスタジオでチェンバロ陣のご機嫌伺いの1日。エアコン除湿器24時間稼働しているお陰でスタジオ内は温度湿度共にほぼ一定を保っており(勿論昼夜で多少変化しているのですが)どの楽器もベストコンディションを維持しており猛暑続きの今年も無事越夏出来そうであります。厳しい夏も暦では後半月程、楽器管理引き続き御用心あれ!
久々に地元に腰を据えていると止まらないのが食い倒れ生活・・・。今日はスタジオのご近所の御贔屓和食店でちょっと豪華なランチ(といってもその質から言うと随分お得な値段なのですが)。お客様はお盆の寄り合いの方ばかりで昼からお酒も入っておられる様子ながらこちらは仕事の合間なのでグッと我慢(本当はお酒に合う料理ばかりなのですが・・・)
13日、西での数か所のチェンバロ運搬に出動するもお盆休み&週末との事でもう高速だけでなく一般道も大渋滞。久々に地元で昔覚えた抜け道裏道を駆使してのハードな移動の1日。
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久々に地元をあちこち走り回ったので気になる饂飩屋をはしご。まずは週末休みならぬ週末のみ営業(週休5日!)という手強い街外れの隠れ家店を初訪問。時間を掛けて丁寧に作る店主拘りの饂飩は麺、出汁、ネタ、薬味どれも絶品(その上安価!)。また御贔屓のお店発見でありました。
移動中に今度は浪速最古という超老舗饂飩店(1864年創業とか)を訪問。こちらは有名店だけに大行列ながらまあ饂飩だけに回転良くすぐに着席。名物の細麺あんかけ風うどんを頂くも時代掛かった地味な具も出汁との相性良く中々美味。老舗の底力を感じた次第。
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8月10日に行われたブルージュでのフォルテピアノコンクールファイナルの結果です。
川口成彦氏トップ(1位無しの2位)獲得おめでとうございます!
- shared second prize: Naruhiko Kawaguchi - JP & Viacheslav Shelepov - RU
- third prize: Martin Nöbauer - AT
- honorable mention: Carlos Goicoechea - ES
The Outhere award went to Naruhiko Kawaguchi.
Viacheslav Shelepov won the prize of the audience.
8日、先日の浜松樂器博物館でのオリジナル楽器イベントでは博物館所蔵の多くの鍵盤楽器に触れる事が出来ましたが、一番感銘を受けた事は1788年製のオリジナルクラヴィコード(P.Lindholm)の表現力の豊かさと楽器のコンディションの良さでありました。20世紀後半に英国の名工により大規模な修復をされたとの事ながら見事な出来栄えであったようですね。歴史的遺産が現代においてもその真価を発揮している稀有の成功例でしょうか。その素晴らしい音色を堪能出来た貴重な機会でありました(音色を聴きたい方はCDで是非ご鑑賞あれ)。
次に開催するオリジナル楽器のコンサートは、10月16日(日)14時からつくば・バッハの森での18世紀イタリアンパイプオルガンのレクチャーコンサート。日本では数少ない(ここだけ?)18世紀様式のイタリア・トスカナ地方で作られた6ストップのパイプオルガンの鮮烈で芳醇な音色を聴いて頂きます。今回は特に出来るだけ18世紀の音色に近づくため電気モーターでは無く手ふいご使用での演奏を予定しております(人力でのパイプオルガン稼働のコンサートも滅多に聴けない貴重な機会であります)。まもなく明細発表予定。乞うご期待!
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そして次にはオリジナルチェンバロの東京・池袋の重要文化財の洋館での2公演(10月27日(木)チェンバロリサイタル、11月25日(金)Ft&CemDuo)を開催。チェンバロ工房の最高峰Ruckersファミリーの作と言われる秘蔵の2段チェンバロが久々に舞台に登場の予定(もうこれで最後の可能性大であります)。オリジナルフルートとオリジナルチェンバロの銘器の演奏を東京で間近に体験出来る貴重な機会、是非お聞き逃し無く!
7日、激戦展開中のBruggeでのフォルテピアノコンクールの第1次予選の結果が届きました。今回はシュタインとワルターの2モデルが使われているとの事。
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セミファイナル(8月8日開催)に進出したのは11人、日本人は川口成彦氏が唯一第1次予選突破でありました。
Lauriane Follonier - CH
Carlos Goicoechea - ES
Shin Hwang - US
Naruhiko Kawaguchi - JP
Natalia Lentas - PL
Martin Nöbauer - AT
Ekaterina Polyakova - RU
Cassandre Ramos Gonalons - FR
Viacheslav Shelepov - RU
Daniel Walden - US
Sanae Zanane - MA
6日、浜松樂器博物館でオリジナル楽器三昧の1日。まずは18世紀北欧の大型クラヴィコードをメインに17世紀イタリアンチェンバロも参加しての一般向けのレクチャーを開催。夏休み週末とあって子供連れや家族揃っての参加多数、この博物館の人気振りに感心。
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次は鍵盤楽器の展示スペースで多数の楽器を演奏と解説付きで紹介。連続して音色を聴く事で各楽器の特徴が鮮明に浮かび上がり収穫多し。閉館後は日本クラヴィア協会の主導で展示楽器を参加者でじっくり検分。皆さんにはオリジナル楽器の魅力を存分に知っていただけた様子。最後にはクラヴィコードリサイタル。実に健全な状態を保つオリジナルクラヴィコードと抜群の鍵盤コントロールで楽器から魅惑の音色を引き出す演奏家のコンビネーションも素晴らしくオリジナル楽器の真の魅力を堪能した次第。
3日、まもなく開催の浜松楽器博物館でオリジナル楽器のイベントの準備も大詰めであります。先日打ち合わせで博物館にお伺いした際演奏させて頂く鍵盤楽器の下見をさせて頂いたのですが、Jacob Kirkman(London 1750)の2段鍵盤チェンバロ、上下の鍵盤の色が違うのが不思議だったのですが伺うと20世紀初頭の古楽器復興の立役者アーノルド・ドルメッチ(私はランドフスカと同等、もしくはそれ以上に重要な役割を果たした最重要人物だと思うのですが)による修復をなされた楽器だとか(鍵盤部に大きくremakeしたと自分の名前を書いちゃってますね)。ドルメッチによって大幅改造されたものを近年また元の状態に出来るだけ戻したそうです。20世紀古楽復興運動に大変興味ある身としてはドルメッチが一体どんな改造をしたのかに非常に気になるところ。もしかすると18世紀のオリジナル楽器という価値よりも20世紀の古楽事情の貴重な生き証人というべき方で重要な楽器なのかもしれないですね。
使用楽器: カークマン2段 (1750 London) FF – f3 (61key) 8+8+4f Buff
キーン・スピネット (18c初頭 London) GG/HH – d3(53key)
クリストフォリ (18c初頭の楽器の復元 日本)GG – c3 (54key)
15時 テーマ「フォルテピアノ ウィーンとロンドン」
使用楽器: ワルター (1808~10 Wien) FF – f4 (73key)
16時 テーマ「スクエアピアノとパリ」
使用楽器 : ラウド・スクエアピアノ (1805? London) FF – c4 (68key)
クラヴィア協会会員特別見学会 (参加費無料)
17時から約1時間弱 展示の鍵盤楽器を見学
日本クラヴィア協会会員のために特別に開催の展示楽器の見学会です。
日頃じっくり見れない楽器を専門家の演奏と解説付きで見学して頂きます。
(交代で試奏体験も実施の予定)
オリジナル楽器の音色を体験出来る貴重な機会です。
博物館入口に17時に集合 事前予約が必要 申し込みは梅岡まで
イベント 4
クラヴィコード スペシャルミュージアムサロン (有料)
オリジナルクラヴィコード(Pehr Lindholm (Stokholm 1780)を使ってのレクチャーコンサート
演奏とお話し 宮本とも子 お話 高橋靖志
18時 開場 18時半 開演 終演予定 19時45分
詳しくは http://www.gakkihaku.jp/ のイベント欄をご覧ください。
お問合せ、お申込みは 梅岡 umeoka-gakki@nifty.com まで
最後に登場楽器の写真をどうぞ
初期イタリアンチェンバロ(Francesco Marchioni 1646 Firenze)は昼のレクチャーに登場の予定。17世紀のチェンバロの音色が日本で聴けるのは本当に貴重であります。
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こちらは英国の名工カークマン作の2段チェンバロ。20世紀初頭に古楽復興の始祖たるアーノルド・ドルメッチが修復したという楽器でもあります(鍵盤の色が違うのは多分修復の際の仕業でしょう)。現在はオリジナル仕様に沿ったメカニックになっているとか。
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こちらはモーツァルトからベートーヴェン時代のウィーンの代表的なピアノ工房ワルターのフォルテピアノ (1808~10 Wien) FF – f4 (73key)。もう6オクターブに音域が広がった工房の後期の作品であります。
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こちらもウィーンを代表するメーカーであるグラーフのフォルテピアノ(1819~20? Wien) CC – g4 (80key)(ただし伝グラーフとの事)。鍵盤の豪華な仕上げ具合は見物であります。
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最後にこの日の主役であるクラヴィコード(Pehr Lindholm (Stokholm 1780)。豪快な鳴りっぷりと反応良いタッチが見事な楽器です。20世紀における修復の素晴らしさを垣間見れる貴重な歴史的証言者でもあります。
乞うご期待!
1日、某音大より某楽器博物館へチェンバロ運送の1日。今回はフルサイズのモダンチェンバロの下に脚鍵盤(弦付き)という3mを超える巨大なタイプ。現代ピアノ並み(?)の重量もさることながらサイズが予想以上に大きく当初EVや車に簡単に入らず四苦八苦・・・。最後無理やり捻じ込みナントか全て積む事が出来ホッ(昨日の最軽量のチビチェンバロとはナント違う事か!) しかし先日のみちのくでの手鍵盤だけの16f付きチェンバロの迫力にも参りましたがさらに手足3段鍵盤の16f付きはさぞかしド迫力なのでしょうね。是非一度コンサートで聴いてみたいものです。超重量級チェンバロの積み込みは男性6人掛かりで大騒動だったのですがお届け先ではか弱き女性3人のお手伝いで簡単に済んでしまいビックリ・・・。流石楽器博物館の方は女性でも楽器の扱いに精通されておられますね。
作業後には街の名物餃子の人気店で味見分。円形の見事な並びは食欲そそるものの焼き具合は少々甘く好みでは無かったですね。お値段も少々お上品で(たかが餃子なのに・・・)満足度はイマイチでありました(宇都宮の方が好みかも)
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