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2014年6月

2014年6月30日 (月)

雨季対策は万全

Photo30日、西のスタジオでチェンバロ3台の調整の1日。この建物は築50年の日本家屋という結構年代物なので通常ならこの時期は室内相当蒸し暑く楽器へのダメージは大きいはず・・・。しかし各所の小さな隙間を埋めたりと色々手を加えたお陰で部屋の機密性も何とかマンション並みにする事に成功、エアコン24時間稼働させると昼夜殆んど温度変わらず(実は連続運転でも機密性高いと電気代も結構安いもんです)。その上除湿器も24時間フル回転にすると(ホースで連続排水にしているので止まらないのがアリガタイ)雨季のこの時期でも室内は理想的な湿度温度を維持出来ているようでどの楽器の御機嫌もすこぶる良好で一安心。環境変化に敏感なチェンバロと言う楽器を日本で維持するには相当の努力が必要と言う事をお忘れなく!

2014年6月29日 (日)

聖地巡礼

129日、久々に讃岐に上陸したならばと早朝から饂飩県聖地巡礼を敢行。まずは市内の人気店に向かうと朝から信心深い巡礼者で大行列。小さな店に大型バスで来る団体信者には仰天しましたか・・・(!) 釜玉中450円、少々強気の値段も味で納得。しかし量多い・・・。

12次は神社の境内で日曜のみ開店というお店(?)へ。神社境内には様々なユニークな石像が並べられており散策するだけで楽しい・・・(少しでも腹を減らさないと次の饂飩が入らないというのでやたら歩き回っただけでしたが)。

18地元の御年配の方が素朴に作ったであろう饂飩ながらイリコ出汁の風味がしっかり出ており予想以上に美味いもんです!一玉150円。梅雨の谷間で夏のような晴天のお陰かこの夏初めて蝉の声も聴けました。

30次は聖地の中でも辿りつき難い難所として有名なお店へ。何しろ饂飩の看板無いどころかお店は古ぼけた農機具屋のまま(見つけるのが大変!)、その上純粋な製麺所なので茹でた麺は出してくれるが丼・箸・醤油は持参しなければいけないという厳しい掟もあり聖地ならではのディープな風情を満喫。

37打ち立ての饂飩ナント70円!(聖地でも最安値か?) 腰の有るしゃきっとした麺が素晴らしい。大将が出て来て話相手してくれるも「どんな醤油使こうてるの?」と自分が打った麺がどんな味で食べられているのか気になる様子。持込みの醤油を少し舐めて「まあまあやな」と言いながらも「有名なモンでも甘さが残るヤツはあかんなあ」とおっしゃってました。

44最後は聖地の中でも有数の山中の秘境のお店へ。先日の信州の秘境蕎麦屋同様ジープで無ければ登れないのでは?という急勾配の山道に一苦労。ロケーションも凄いが店内も凄く床がジャリ石!(出汁をこぼしても良いようにか?) もう野外で食べても一緒と思うのか皆さん景色の良い店外でノンビリ饂飩楽しまれてました。秘境ながら日曜のお陰か聖地巡礼者多く賑やか。

48このお店も打ち立ての麺に拘るのか時たま御客に「もう時間切れになって出せないので良かったら持って帰ってね」と無料で饂飩玉を渡してました。多分我々には持ち帰っても充分美味しい味なのでしょうが・・・。その厳しい姿勢がまた人気を呼ぶのでしょうね。生醤油饂飩210円。半日で4件の聖地巡礼で出費は880円でした。腹をさすりながら海外(?)から無事帰還。











2014年6月28日 (土)

南国から讃岐へ

3028日、南国での秘密任務(本当か?)の合間に土佐の歴史変遷と食文化の研究にいそしむ1日(笑)。コンサートで来る際はホテルと会場の往復のみで終わってしまう事が多くあまり文化的遺産を知らずに帰る事ばかりながら(本当か?)今回は周辺の名所をゆっくり文化的遺産を鑑賞出来た次第。

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74土佐での調査終了後は北上しながら同テーマの研究を引き続き実施。有名な渓谷の橋渡りは遊園地のジェットコースターよりも怖い!四国の山間部の奥深さを垣間見れました・・・。

98夜北上した後に讃岐の首都に到着。太平洋と瀬戸内の食文化の比較研究の後地元名物の麺文化の研究へ。夜営業のみという人気店で名物饂飩を堪能






2014年6月27日 (金)

海外逃亡・・・

227日、前夜みちのくから御江戸に帰還後すぐに西へ向かい早朝神戸到着。昼に梅雨で御機嫌斜めというモダンピアノのお相手をしてから今度は海外へ逃亡(?)。日暮れ時には南国土佐に到着。

8海の幸が豊富な土佐に来たなら!と早速居酒屋へ突撃。鰹!鱧!ウツボ!鯖!天然岩海苔!など南国ならではの美味に加えてフルーティーな地酒に舌鼓を打ち続けて狂喜乱舞・・・。

16最後は呑み助の究極のパラダイスである地元人気の屋台市場に繰り出し南国の海の幸研究の仕上げをして大満足!

2014年6月26日 (木)

16fチェンバロでBach!

126日、早朝御江戸を発ち東北福島の某ホールへ。来月に控えたこのホールご自慢の16f付き巨大チェンバロでのBach作品のCD録音のため演奏家とご一緒に楽器の最終チェックと弾き込みの1日。巨大なボディの割には僅かな環境変化にも敏感に反応してしまうデリケートな体質のようで御機嫌取り中々難しい・・・。しかし16fの迫力ある重低音と8fの豪快な鳴りっぷりはやはり異次元の音色ですね。CD録音是非ご期待あれ!

7ホールのご近所には全国に名声轟く鰻屋があるのですよ。今日も鰻求めてお店に突入!フワトロの焼き加減絶妙の鰻を堪能(お値段かなりお上品でしたが・・・)。




2014年6月25日 (水)

ドッグ入り

725日、ドッグ入り中に2段フレンチを総分解し調整の1日。中を開けて見るもどこも錆無し埃無しで新品同様の綺麗さにビックリ。余程湿度の安定したお部屋に置かれていたのでしょうね。楽器の状態は良いものの鳴りは残念ながら少々冬眠中のご様子、早速各所のツボを刺激して(?)元の豪快な鳴りを復活させるべく治療を実施。長年良い環境に置かれていたお陰か御機嫌が直るのが早い事!しかし今日は外の雷鳴も賑やかでしたね。

2014年6月24日 (火)

18世紀ピアノの王者

114124日、目出度い生誕300年を迎えるCPEバッハ、これは様々な演奏会を企画して祝わなければ・・・と思うもこの息子バッハの時代に合う鍵盤楽器が日本には殆んど無いのですよ。父バッハの演奏で良く提供するMietkeもちょっと違う気がしますし。フォルテピアノとなるとクリストフォリでもシュタインでも時代が違い過ぎ。そこでやはりこれしかない!と注目したのがジルバーマンのピアノでした。ジルバーマンピアノと言えば父バッハとの出会いのエピソードが有名ですね。最初は辛口の評価ながら次には気に入ってもらえたとの話が伝わってますがバッハは最後までピアノを想定した作品は作らなかったというのが定説でした。しかし鍵盤楽器の達人が新発明の画期的な楽器を前にしてインスパイアされなかった訳が無い!、実はピアノに出会った1730年代以降の作品はピアノを意識して書かれたはず!という大胆な持論を携えジルバーマンモデルのピアノで父バッハの作品を演奏しているのが武久源造氏。自らジルバーマンモデルを「魔改造」して(弦やハンマーの皮を何十回と交換しながらチューンナップしているとか)バッハが気に入ったであろうピアノの音色を探索し続けておられる様子。私も彼の「魔改造ジルバーマン(笑)」の表現力には仰天した次第。そのジルバーマンのピアノはゴッドフリードから甥のストラスブールのハインリッヒの時代にも引き継がれ長期間人気のピアノとして製造されていたようですね。私がこの2月に訪問したベルリンの博物館でゴッドフリード・ジルバーマン1745年作のポツダムの楽器の複製とJ・ハインリッヒ・ジルバーマン1776年のオリジナル楽器の2台を拝見してきたばかり。この2台のアクションの図面を比べても基本的な構造は殆んど一緒でしたので、18世紀中盤ジルバーマンタイプの楽器はレギュラーモデルとしてヨーロッパ各地で人気を博しており長期間製造し続けられていたという事になるんでしょうか。

3211またかの有名なシュタインはこのハインリッヒ・ジルバーマンの弟子でした。ウィーンメカの元祖と言われているシュタインも実はある時期まではウィーンメカでは無くジルバーマンメカを採用していたとの説が有力です(現存する初期の作品はウィーンメカでは無いですし)。またこれまた有名なモーツァルト所有のワルターもオリジナルはウィーンメカでは無くジルバーマンメカだった可能性があるとの説が最近出て来ており専門家の間で論戦中であります。2月に訪問したウィーンでお会いした著名な修復家のフーバー氏も「モーツァルトワルターはオリジナルはウィーンメカでは無いと思う」とおっしゃっておりましたのでかなり有力な説として認識されているのでしょう。

ジルバーマンピアノがバッハからモーツァルトの時代までを跨ぐ18世紀を代表するピアノだった!という説はピアノに関わる者にとっては大変興味深い新説であります。そのジルバーマンピアノを自ら聴いて、弾いて、検証出来る貴重な機会が7月6日の池袋の重要文化財でのこのイベント。バッハ、モーツァルトの鍵盤作品はジルバーマンピアノを知らずして語る無かれ!と申し上げたいですね(かなり挑戦的であります)。乞うご期待!





2014年6月23日 (月)

憧れの舞台?

123日、ご近所A区の駅前ホールでのサロンコンサートに白フレンチで参加。こちらは落語に人気の会場なようでクラシック系よりも落語系のチラシの方が多い位、演芸マニアにとっては有る意味「憧れの舞台」でもあり勇んで出動した次第(笑)。Vn・Vc・Cemのトリオ編成ながらいつもはモダン楽器にも引けを取らないウチの爆音フレンチが今日は押され気味・・・、聞けばお相手の楽器共に超銘器でしたね(Vnはかのストラドだったとか)。ここ最近小さなサロンに満員の御客様という公演が続くも梅雨時ながらチェンバロの調律最初から最後まで殆んど崩れない・・・、こりゃ自分の腕が相当上がったのかもと勘違いしそうなものの今年は空梅雨気味で舞台の湿度余り上がらないのが一番の原因でしたね(苦笑)。

2014年6月22日 (日)

陶磁器の本場

Cem_1522日、尾張の陶都にチェンバロお届けで早朝江戸を出発。雨のお陰で行楽客少なめで渋滞も無く高速もスムーズ、予定より少し早めに現地到着したので時間調整のため掛け足で陶磁器の本場を見学。素朴な陶片で飾られた風情ある街並みが素晴らしい。

Cem_24古来から日本有数の陶磁器製造で栄えた街も今や製造よりも観光にシフトしている様子。街中に歴史的な建造物などは結構残っているんですね。チェンバロお届け時には幸い雨も止み助かった!小型楽器ながら階段を3人で慎重に運び入れ無事お届け完了。

Cem_37実はこの街には御贔屓の鰻屋があり久々に訪問。自分の注文の鰻が大将の熟練の技で目の前で捌かれ炭火で丁寧に焼かれるのを見ながら待つというのも今や絶滅寸前の景色でしょうね。食欲をそそる煙に燻されながら待つのが実に楽しいお店であります。

Cem_40捌きたて、焼きたての大振りの鰻のカリッとした味はまた格別!店内狭く実に庶民的なお店ながら相変わらず大繁盛の様子。前回この冬の大雪の日に訪問するも臨時休業でガッカリしただけに(仕入が出来なかったんでしょうね)久々の再訪で素晴らしい鰻をまた味わう事が出来満足。夕方帰京するも雨のためかいつもよりは渋滞少なく予想よりも早くに江戸へ帰還。








2014年6月21日 (土)

異色の共演

121日、つい3週間前に白耳義の老舗古楽オケ公演でお伺いしたばかりの埼玉郊外のホールにポジティフオルガンで出動(今日は中ホールでしたが)。珍しく生楽器の代用として電子Pianoと電子Cem2台と舞台で共演(今回が初体験かも)、梅雨時の厄介な時期に調律イラズとはナントモ羨ましい・・・。しかしBachブラ6番をR社の電子Cemで弾いておられましたがフタ取れないものでしょうかね(奏者全く顔見えず)。

2014年6月20日 (金)

北信濃の蔵の街

1120日、北信濃の「蔵の街」でのチェンバロ公演にジャーマンで出動。いつものように早めに現地入りしゆっくり散策。街のいたるところに古い街並みが残っており風情は満点、古い洋館の役場跡を見学すると古楽系のコンサートに最適な会場を発見(次は是非ここでやりたいもんです)。他にもイベント出来そうな歴史的建築多数あるとの事。

18信州と言えばやはり蕎麦!早速街中の繁盛店を訪問。囲炉裏に岩魚(飾りかも?)といういかにもの風情を演出した古民家蕎麦屋、まあ観光客は大喜びでしょうねえ・・・。蕎麦の味がお上品なお値段に少々釣り合っていないような気がしましたが。

21それではもう1軒と今度は山の中の隠れ蕎麦屋へ。今まで秘境のお店は結構行きましたが(讃岐に多いですね)これ程山奥で道が険しい店は珍しい・・・。急勾配の悪路はジープ専用かと思える程酷くカーナビも通用せず所々にある見難い看板頼りにやっと辿り着くと高台の店内からの景色は素晴らしい。合い盛りの蕎麦を注文すると更科系は素麺かと思える程の白さにビックリ、こちらは値段も安く味も安定しており満足度高し。

26今日の会場はヴィンテージギター専門店に併設の古い蔵を改造したというギター専用のサロンホール。勿論チェンバロにも相性抜群で日頃味わえないような鮮烈な音色を間近で浴びるように聴ける贅沢な空間でした。お店の展示ギターを拝見していると英国チェンバロ界の名工Rubio氏製作のギターを発見。いぶし銀のような魅力ある音色の楽器でしたね。何故往年の名工は他の楽器を作らせても凄い出来の作品を作ってしまうのでしょうかね。不思議であります。










2014年6月19日 (木)

間も無く閉館!洋館で聴くフォルテピアノ

519日、まもなく修復工事のため数年間閉鎖となる池袋の重要文化財の洋館(今回はコンサートで人気の講堂のみ閉鎖)、その豪華な建築と素晴らしい音響(古楽器には最適でした)がしばらく味わえないのはナントモ残念!と言う事で残された僅かな期間に色々なイベントを計画中であります。

29まずは7月6日(日)にフォルテピアノのちょっと風変わりなイベントを開催。我々は18世紀の代表的なピアノと言えばクリストフォリやシュタイン、ワルターなどの名前を思い浮かべますが、イヤイヤ実は18世紀の中で一番長期間人気を得ていたのはジルバーマンである・・・という衝撃の(?)新説を検証する実験的なイベント、楽器の演奏を交えて演奏家と技術者が多方面からの解説をする予定。もちろん御客様も日本でたった1台というジルバーマンモデルのフォルテピアノの試奏もOK。

23特に今回はかのバッハとピアノの関係を重点的に検証の予定。バッハがジルバーマンピアノを初めて弾いた際にはどのような感触を持ったのだろうかという事を再現するため、2人の演奏家にあえてその場でジルバーマンを初体験してもらうという実験もあります。実はこの日本で唯一のジルバーマンピアノ、所有者の武久源造氏が長年に渡り大幅な改造調整をされており、今やバッハが充分満足するだけの表現力を得たのでは・・・と言う程のグレードアップ化が出来た様子。バッハが好んだ(?)ピアノの音色を是非御自分の耳で確かめていただきたいですね。閉鎖まで残り少ない歴史的洋館でフォルテピアノの演奏も是非お聴き逃し無く! 7月にはCPEバッハ企画(こちらにはチェンバロで参加)もあります。乞うご期待。

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2014年6月18日 (水)

梅雨なのに・・・

Photo18日、スタジオにドッグ入りしたチェンバロを含めて出陣間近の3台のチェンバロの御機嫌伺い。梅雨の中休みなのか曇天でも湿度余り上がりませんね(まとまった雨しばらく降ってないですし)。例年通りに除湿器フル回転にしていると密閉度高い部屋だと乾燥気味になるので要注意!(ウチのスタジオ油断していると30%台突入してました) 今年は梅雨ながら湿度計から目を離せないようですぞ・・・。

2014年6月17日 (火)

階段ギリギリで通った!

Ce_m_217日、西の郊外の御宅で2段鍵盤と1段鍵盤のチェンバロ2台を狭い階段5階上げ降ろしとハードな運送の1日。1段の方はナントカ階段回るものの20cmも長い2段はもしかして引っ掛かって回らないかも・・・と心配するもギリギリでセーフ。2段鍵盤でも他のモデルだと上がらなかったでしょうね。部屋に設置してみると今度は弾くスペースもギリギリ・・・。これまたジャストサイズでラッキーでありました。大汗掻いた後は武蔵野饂飩&蕎麦の2種デカ盛りで人気のお店(先週初訪問で気に行ったので再訪)でランチ。蕎麦はスルスル腹に入りますが歯応えある腰強い饂飩は結構満腹になりますね。しかしどちらの麺もレベル高し。

2014年6月16日 (月)

チェンバロ積んで東へ移動

116日、3日連続で古都に出動。今日も空梅雨気味で猛暑の中小型1段チェンバロを西から東へ長距離運送。ちょうど修学旅行シーズンなのか街中で集団行動の学生見かけますね。楽器積込みすぐに東へ移動、今日は珍しく信州経由で御江戸入り。

7楽器は都内郊外のY氏の工房にお届け。相変わらずチェンバロ、クラヴィコード、パイプオルガンなどがずらりと並ぶ工房で色々楽器を拝見。どれも独自のセンスで仕上げられた楽器ばかりで面白い!しかしクラヴィコードの製作台数はY氏が日本でトップなのではないでしょうか・・・。今日は全国的に晴天で梅雨真っ只中ながらかなり乾燥した様子。東京などは湿度30%台突入だったようですよ。こりゃ加湿器の出番だったのかも・・・。相変わらず異常気象ですね。

2014年6月15日 (日)

CPEバッハ特集2日目

115日、西の古都にある演奏家宅サロンでのCPEバッハプロ公演2日目。梅雨の合間の晴れ間で盆地の古都も猛暑ながら昨日無事デビューを果たした新作クラヴィコードと20歳チェンバロ共に今日も御機嫌麗しくひと安心(本日も満席で会場相当暑くなったのですが)。終演後神戸まで戻り西のスタジオ近くの湧き水の名所でポリタンク3つも給水。これでしばらく東で美味しい水を味わえます。

2014年6月14日 (土)

クラヴィコード、チェンバロでCPEバッハ生誕300年を祝う

214日、西の古都の演奏家個人サロンでのCPEバッハ生誕300年記念のVc+鍵盤による公演に調律で出動。この公演白耳義の名工の新作クラヴィコードと独逸製Cem(こちらは20年物)2台の御披露目も兼ねており満員の御客様来場との事で会場の環境変化激しく調律師としては結構ハードな条件。お披露目の目出度い場なので最後まで調律崩れないようにと調律ハンマーと共にエアコンのリモコンスイッチの二刀流でナントカ最後まで調律キープする事が出来た模様でホッ。仕事の合間にご近所におられる古楽器界の大先輩の工房を再訪、今回も昭和初期の古楽器製作秘話を伺う事が出来大興奮。もう70数年前の日本古楽界の貴重な歴史的現場に立ち会っていた方なんて他にはおられないでしょうね・・・。

2014年6月13日 (金)

しばしお別れ!池袋の名建築で聴くフォルテピアノ

11_2私が古楽器の自主企画でメイン会場として使わせていただいていた素晴らしい音響と雰囲気の池袋の重要文化財の洋館が耐震工事のためこの秋から約3年近く閉鎖となります。そこで閉鎖前にもう一度その素晴らしい音響を味わいたいと急遽フォルテピアノのイベントを開催する事にいたしました。まず第1段として日本で1台という貴重なジルバーマンモデルのフォルテピアノを使ってのちょっと変わったイベントを7月6日(日)19時 明日館講堂銀杏の間で開催いたします。かのJSバッハがピアノと言う当時新発明の鍵盤楽器に初めて遭遇した場面を現代に再現してみようと思います。当日二人の鍵盤奏者に初めてジルバーマンピアノに触れて頂き初体験の衝撃と戸惑い(?)を皆さんに語ってもらう予定。勿論御客様にもバッハの気分を味わって頂けるように試奏タイムをご用意しております。

公式HPはこちら

ジルバーマンピアノの解説やその歴史的背景などを順次公開していきますのでお楽しみに。

TV生観戦

Photo13日、昨夜の公演終了後チェンバロ積んで特別寝台車(ただしセルフ(笑))で西へ移動。お陰でW杯開幕戦をTV生観戦出来ました。ブラジルの皆さんの悲鳴から歓喜への変わり具合見物でしたね。もし負けどころか引分けでも暴動起こってたのかも・・・。観戦終え神戸に戻ると久々の好天、この時期なので雨中での楽器の積み降ろし覚悟していただけに助かりました。地元でも1日1麺!と御贔屓の蕎麦屋に寄り道し定番「ヒヤブッソダイ」(正式には冷たいぶっかけ蕎麦大盛ですね)を注文。大振り丼に溢れんばかりの凄い量の蕎麦と具で今日も大満足。

2014年6月12日 (木)

西武線沿線でヴェネツィア特集

712日、西武線O泉学園駅周辺の古楽奏者が寄りあったグループの毎年恒例(3回目ですね)の公演にイタリアンとオルガンの2台で出動。今日はヴェネツィア特集との事でゲストにVnとFgを招いていつもより分厚い編成。歌あり器楽アンサンブルあり(管楽器の持ち替え見物でした)オルガンソロありとベテラン勢がお互いやりたい曲を和気藹々と披露。

6曲を間違えて演奏始めるなんてつい最近どこぞの大御所がやったのと同じハプニングもあるも(今日は2人揃って間違えたそうな)実力派揃いの演奏は聴き応え充分かつ楽しい一時。

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8麺狂い再発後今日も饂飩屋を訪問。東京でも評判の饂飩店が最近ホールのすぐ傍に移転してきたと伺い(以前は少々辺鄙な場所だったので訪問出来ず)昼夜公演の合間に勇んで突撃。種類は讃岐風の他にも武蔵野風もあるようで注文した武蔵野風は麺も汁も中々上品で見た目も味も手が込んであり素晴らしい。


2014年6月11日 (水)

レスキュー隊出動

211日、うっかりチェンバロの中にシャーペン落としちゃいました・・・引っ掛かって鍵盤移動出来ないんです・・・とのSOSを受けてレスキュー隊出動。最初は棒で引っ張り出したらとかとりもちでくっ付けたら(笑)とか申し上げるも奥に転がり込んでおり上手く行かず・・・。それではとレスキュー隊が鍵盤取り出そうとするもそのシャーペンがマズイ所に引っ掛かってしまい(汗)鍵盤ビクとも動かない・・・。もう最後の手段とチェンバロを逆さまにして振ると(!)やっとコロリとシャーペン取り出しに成功。いや今までに無い難作業の救出劇でありました。

3最近麺狂い再発し今日も訪問先近くの評判の麺屋へ。御当地武蔵野特有の腰の有る饂飩とこれまた風味溢れる蕎麦の合盛り、量・質元に素晴らしく「出来る」二刀流のお店でありました。




2014年6月10日 (火)

ピラミッド蕎麦

210日、まずは出番を控えた楽器陣の御機嫌伺いから。調律のたびに折り曲げるので疲労激しいポジティフオルガンの金属パイプのロール部分の溶接のため久々に半田鏝で作業。油断すると一瞬でパイプが解けるので(過去やらかした事あるのですよ)慎重に溶接。刃物扱うよりも難儀かも。

3次は大型イタリアンの調律変更。次回の出番(出演者豪華ですぞ!)は珍しくKirnbergerⅢ調律との指定。20年以上前の古典調律ブーム初期では代表的な調律法として結構使ってましたが最近は滅多に無かったですね。数年前に某有名演奏家のGoldbergリサイタルで使っていたのでオヤっと思った位(中々相性良かったですが)。どんな響きに鳴るか乞うご期待。

4午後はさる御宅で私も所有する製作家H氏の小型チェンバロのプチ修理。楽器を置かれている部屋は私も信頼しているD社の高性能エアコンのお陰で梅雨の真っ只中でも理想的な湿度を維持出来ており楽器の御機嫌も良好でナニヨリ(除湿器無しで結構いけるようですね)。

7外回りの最後に御贔屓の蕎麦屋で「ピラミッド蕎麦」と密かに呼んでいる大もりを注文。これだけの量でたった680円とこのご時世に驚異の値段ながら量と質が拮抗しており最後まで飽きずにペロリと完食。蕎麦好きには有難いお店です。








2014年6月 9日 (月)

自分好みに染める

49日、ツァーも終わりやっとスタジオ仕事モードにスイッチ。現在ドッグ入りのチェンバロ大掛かりに手を入れたお陰で時間を掛けて調整を仕上げ中。他人の作られた楽器を調整する場合、鳴りのベストポイントを見つけるのは中々難しいものの今回試行錯誤を繰り返した末自分好みの音色タッチが出せるポイントをナントカ探し出す事が出来たようでホッ。しかし梅雨入りしてから連日の豪雨続きですね。エアコン除湿器フル回転であります。

2014年6月 8日 (日)

老舗が一番過激?

48日、千秋楽から一夜明けてもまだ余韻醒めやらぬ老舗古楽オケの来日ツァー、今回も実に刺激的なBach演奏でありました。親方は暇さえあれば舞台裏でもSpallaを弾いておりその入れ込みようは相変わらず(すぐにソロ公演ありますね)。チェロとコンバスを排してVioloncello da SpallaとBasse de violonを使う独特の編成は彼が思い描くBach時代の演奏スタイルとして以前より説得力が増してましたのでは。穴無しTpやバロックObの素晴らしい安定感も昔に比べると隔世の感あり。いつも音量バランスで悩むブランデン5番もSpallaやB・Violonを入れてのユニークな配置で問題をクリア(B・Violon立奏でしたね)。チェンバロ技術者としては通奏低音と同じ位置でこの曲を演奏するというのはCemソロがあるので相当ハードルが高いのですがまあウチの楽器でナントカ対応出来てホッ(音量あったお陰か彼らも喜んでくれましたが)。技術者として今回最も厳しかったのは彼らのシビアな調律ピッチのチェック、ツァー最初の乾燥気味の猛暑から後半の梅雨入りの凄い湿気まで毎日舞台の環境激変するも0.5Hzの誤差も見逃さない厳しさには参った!(他の事には鷹揚なのに・・・)。まあ「トラベルソの神様」(?)から毎日「今日のピッチは大丈夫かい?」と言われればあらゆる奥の手を使ってでも頑張らざるを得ないでしょう(笑)。3年前のブランデン全曲公演はTVで放送されましたが今回は残念ながら映像収録は無しとの事(Spallaソロ公演は放送するようですが)。これで彼らのBachの器楽プログラムでの来日は当分無さそうな様子、聴き逃した方は残念でした。

2014年6月 7日 (土)

千秋楽

27日、白耳義老舗古楽オケ、中央線駅前のまだ新しいホールで来日ツァー千秋楽。3年前のオープニング企画として登場するはずが大震災の混乱で中止となってしまし今回が仕切り直しの登場となった次第。小ホールはレクチャーコンサートで何度か体験済みながら(使い易い会場ながら予約が殺到との事)大ホールは今回初訪問、600席ながら残響豊かで響きもナチュラル、実に古楽向けな会場でありました(古楽器は今日が初めてとの事)。アクセスも便利なので今後はドンドン古楽公演開催して欲しいものです。

11オケも連日良い音響の会場ばかりで御機嫌、今日も刺激的なBachを披露(雨のせいか絃が切れるハプニングが続出しましたが)。有る程度御歳の古楽マニアはやはり最初に彼らの演奏で古楽に目覚めた方が多いはず、時代が進めど彼らの演奏が未だに一番フィットしながら現在でも先鋭的だと言う事に感動を覚える方おられるのでは・・・。しかしこの兄弟の舞台での共演が再び日本で見られる事があるのでしょうかね。

2014年6月 6日 (金)

これで見納め?

16日、白耳義の老舗古楽オケの来日ツァーも終盤戦、今日はハマの郊外の駅前ホールへ。五百席の豪華な内装の会場は音響素晴らしく古楽器のサウンド堪能出来たのでは・・・(今回のツァー、会場どこもアタリばかりでしたね)。噂ではこの老舗オケのバロックの器楽プログラムでの来日は当分無さそうとの事。バロックVnを弾くシギス親方、古楽名門一家の兄弟共演、スパラの通奏低音、このオケでのBach演奏・・・などどれも今回のツァーが見納めかも・・・。明日の武蔵小金井駅前の新しいホールでの公演でいよいよ千秋楽。まだ今回のBach管組全曲+ブランデン5番のプログラムお聴きになってい無い方、このオケでのラストチャンスかも?ですぞ。

2014年6月 5日 (木)

梅雨前線と共に東へ

25日、近々CPEバッハプログラムのコンサートが開催予定のさる演奏家の自宅サロンにクラヴィコードとチェンバロの御機嫌伺いで参上。1770年頃のザクセンタイプというクラヴィコードは正にCPEバッハにはドンピシャの楽器ですね。完成から1年、いよいよこの公演でデビューとの事、白耳義の名工の新作の風格ある力強い音色是非お聴き逃し無く!午後は梅雨前線と共に東へ移動。東京もいよいよ梅雨入りですね。凄い豪雨で楽器降ろせず困った・・・。

2014年6月 4日 (水)

西は梅雨入り

2514日、遂に西日本が梅雨入りですね。今日は楽器運送屋の1日。チェンバロ2台の他にティンパニー、コンバスなど日頃扱わない楽器も運送、果ては250年前の貴重なオリジナル楽器まで・・・(扱い気を使います)。昨日は朝神戸を出発し尾張経由で深夜御江戸入り、今朝再び御江戸から西に向かい夕方またもや神戸に戻るというとんぼ返りの2日間。その間に関西は梅雨入りしてしまい雨中の楽器積込みでこれまた一苦労。御江戸も間も無く梅雨入りでしょうかね。皆さん除湿器の準備は出来てますか?

2014年6月 3日 (火)

今日も贅沢な一夜

23日、白耳義老舗古楽オケのツァー、今日は尾張での公演。またもや高速集中工事にぶつかり相当早めに神戸を出発するも迂回路は殆んど渋滞無く(事故数件ありましたが)2時間も早く現地到着。時間調整で仕方無く(笑)久々に御贔屓の鰻屋を訪問。大行列必至のお店なので一番乗りを目指すも僅かな差で6番目(平日なのに・・・)、30分近く店前で香ばしい煙に燻されやっと入店。相変わらず山盛りかつ2段重ねの大振り鰻に大満足。少し値上げしたもののまだまだCP素晴らしいお店であります。

4今日は何故かもう舞台にチェンバロが設置されており(昨日同じ舞台で独逸の古楽オケの公演で使っていたのですよ)搬入作業無しでいきなり調律。しかし舞台も客席も大理石の壁というバブル期に贅を尽くして作られたこのホール、400席と少々広めながら音響素晴らしく日本有数の古楽器向きの会場ですね。メンバーも大喜びのご様子でした。終演後一気に東のスタジオまで帰還。




2014年6月 2日 (月)

四半世紀経て・・・

42日、まだ猛暑続く中、白耳義老舗古楽オケは浪速の看板ホールでの公演。ここは四半世紀前にクイケンアンサンブルの初来日公演をやった思い出の会場、当時古楽界のスーパースター遂に来日!と古楽マニアが皆大興奮していたのは良き思い出ですね。今日は諸事情で(他の外国グループと楽器争奪戦があったのですよ)昨日までのジャーマンでは無く鳥の羽根フレンチで出動。このチェンバロも実はこの老舗古楽オケの20年前の初来日(Haydnでしたね)で使った思い出深い楽器でした。中々コントロールが難しい鳥の羽根の楽器ながらすぐに弾きこなしてしまった若き新鋭奏者バンジャマン君のテクニックにも感嘆。今日も前日と全く広さが違う舞台ながら(昨日のホールより10倍も座席数多いのですが)配置は全く変えずバランスを取ってしまう老舗のタフさにも感心。結成から40年近く経てもまだ刺激的な演奏で業界の第一線を突っ走るこのグループも凄いもんです。

2014年6月 1日 (日)

二百席で味わう贅沢

1_21日、白耳義の老舗古楽オケの来日ツァー、昨日の二千席の大ホールから今日は西の古都郊外にある残響豊かな二百席のホールでの公演。手を伸ばせば届くような至近距離で浴びる鮮烈な古楽器のサウンドは贅沢の極みでした。しかし会場が大幅に変われど全く配置や演奏スタイルを変えようとしないこのオケの徹底した姿勢には感心するやら呆れるやら・・・。どんな条件でも自分達のスタイルは絶対妥協しないという拘りなんでしょうね。6月に入り今日も真夏のような猛暑ながら各地で異常乾燥だった様子(京都は18%と真冬並みに湿度下がったとか)。梅雨間近と思っていると加湿器がいる程の乾燥が突然やって来る事もあり油断大敵ですぞ。終演後明日の公演の下準備のため400kmのロングドライブへ。

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