巨匠の原点
15日、チェンバロ製作界の巨匠(というより現代古楽界の大恩人でしょう)の訃報のニュースは世界中を駆け巡ったようですね。
私も彼の楽器に出会った事で有る意味チェンバロの真髄に触れる事が出来たように思います。1950年代初頭からチェンバロ製作を開始し半世紀以上ヒストリカルチェンバロの再評価と普及に貢献した彼の業績は本当に偉大なものでした。
これから彼の偉業の検証が行われていくと思いますが、個人的には彼のチェンバロ製作の原点でもある第1号機(ベルリンの楽器博物館所蔵)がかのBachCembalo(Bach所有と伝えられている16f付き楽器)のコピーだったと言う事がヒストリカルチェンバロ復興の歴史の上で大きな意味を持つと思っております。
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20世紀前半のモダンチェンバロ全盛の時代にヒストリカルな楽器製造に挑戦していった事で名を成した方ですが、そのスタートがモダンチェンバロに一番影響を与えたと思われるBachCembaloのコピーだったと言う事は非常に興味深い話であります。ちょうどこの2月にオリジナルのBachCembaloとSKOWRONECK氏のコピー楽器をベルリンで拝見してきたところでしたので余計に彼の一号機への再検証、再評価を望む次第であります。
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