伯林維納楽器行脚
7日、今回の伯林・維納楽器探訪の旅、収穫としては伯林ではかの16f付きの「BachCembalo」を詳しく見れた事、っその復元楽器2台をじっくりと弾けた事でしょうか。今世紀前半までは演奏出来たと伺っているこの楽器、歴史的価値は非常に高いだけにどうして修復しないのかが謎であります。
今や弦を外されレストプランクもオリジナルでは無い状態、ボディにも割れや修復跡が多数あるのでもう弦を張る程の堅牢さが無いのかもしれませんが・・・。16f付きの復元楽器は大変興味深いのですが私もいわきのホール楽器で苦労しているのと同様16fを交えた多重構造楽器のタッチの調整の難しさが感じられる弾き心地でありました(正直弾き難い・・・)。今回この楽器の研究資料を入手出来たのでいずれ詳しい報告が出来るかと思います。
維納ではナント言ってもこの楽器に仰天。1696年NHというイニシャルのみ判明のオーストリア1段チェンバロ、最初は8+8fのノーマルなチェンバロとして製作されるも1726年(?)にフォルテピアノとチェンバロの2列に改造されたとの事。チェンバロとフォルテピアノの合体楽器としては有名なボローニャのFerriniが1746年作なのでこちらの方が相当早い時期の製作と言う事になりますね。
この楽器。現在は演奏不能な状態ながら復元楽器が横に並んでおりました。ピアノが付け加えられる前の製作当初の姿で作られているのでピアノ部分の音が聴けないのが残念。クリストフォリ風の円筒状のハンマーでは無く後のウィーン式初期ピアノのような木に皮巻きの小さなハンマーで叩いていた様子。近いうちに是非レポートを発表する予定。乞うご期待。
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