19回目の117
1月17日、あの阪神大震災から早19年。壊滅状態まで痛めつけられた神戸の街も今や見違えるように復活しておりますが、それでも20年近く経ってもまだ傷跡残るところも多数あり今だに震災の復旧は完全には終わっていないと実感しております。地震時に神戸におりました私は自宅の建物は幸い被害が小規模で今もナントか住み続けておりますが、仕事場だった一軒家は完全に倒壊、しかし瓦礫の中からチェンバロ(仏壇フレンチと呼ばれている奴ですね)を掘り起こし救出する事ができました(写真のハシゴを使ってチェンバロを持ちだしたなど今思うとどうやって運べたのか不思議でもありますが)。いつも用心深くチェンバロの前パネルも付けてカバーと布団を掛けていたお陰で破損を最小限に出来たと思います(相当量の瓦礫が楽器に圧し掛かっていたようですし)。結局他のビルに置いていたグランドピアノ2台が全壊のビルと共に潰れてしまった他は様々な幸運がありチェンバロオルガン共に無事でした。震災数ヵ月後に思い切って東京(最初の4年間は多摩でした)に小さなスタジオを設立し、その後東京(今は目白ですね)と神戸の両方を拠点にするようになったのは皆さんご存じの通り。正に私の現在の活動の原点が阪神大震災だったと言う事になります。
しかしその後も日本全国で立て続けに起こる地震や台風等の自然災害、そして3年前の東日本大震災と我々はいつどこで防ぎようもない「自然の脅威」に遭遇するかも判らないという事を存分に思い知らされました。阪神大震災の体験者としては、各人があらゆる事へのリスク管理を想定していかなければ安心して生活していけない時代になったと改めて117の日に思った次第であります。
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