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30日、珍しい初期フォルテピアノ(と呼ぶのが妥当かとおもうのですが・・・要はウィーン式以前のクリストフォリ式メカのピアノの事ですね)を某所で拝見。シンプルな構造のようでなかなか微妙な調整を要求するアクションで奏でる音色は想像以上に表現力を持つものだと感心。少し調律させて頂くもピン板貫通しているチューニングピンの回し具合はクセ強く調律安定させるには結構難易度高そう、是非舞台で一度お相手してみたいものです。
最近出版されたという仏蘭西のCem奏者S・Sempe氏の話題のエッセイ集をお贈りいただいたので(感謝!です)早速拝読開始。CD5枚(!)まで付いた豪華本は読み応え・見応え・そして聴き応え充分、チェンバロ関係者だけでなく古楽全般の方に楽しめる本なようですね。
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何よりも楽しいのがふんだんに使われている貴重な写真達。美しいチェンバロから新旧の幅広い世代の演奏家達の珍しい写真までこれまた盛り沢山。かの業界重鎮の爺様の両手Vなんて写真にはビックリ仰天でしたし・・・。
29日、チェンバロドッグ入りのため神戸の山岳地帯(ただ道が細く険しい坂ばかりのところなのですが)に出動。道を間違え急坂の途中でバックするもタイヤ空転するばかりで車立ち往生。色々画策するも全く動かずコリャ遭難するかと覚悟するも最後救助の車に引っ張ってもらい何とか危機脱出。イヤ神戸の山裾の急坂甘く見てました・・・。苦労して(?)チェンバロをスタジオに運び入れ京都へ移動。
今日のお相手2台目は冬になり御機嫌斜めという楽器の調整。冬場のトラブルなら乾燥のせいかと事前に予想するもどうやら湿度よりも激しい温度変化が原因だった様子。しかしこのチェンバロ、響板の装飾画の動物が癒し系で可愛い・・・(鼠?)。昆虫や鳥は良く見るのですが動物は珍しいかも。再び東へ移動し深夜帰京。
28日、前日に続いて西のスタジオで最後の出番から季節をまたいだチェンバロ陣の御機嫌伺い。いくら最新のエアコンをフル稼働しても東のスタジオ程湿度が固定出来ないので季節により楽器のコンディションが多少変化するのが当座の悩み。数ヶ月仕舞い込んでもピッチ調律共に変化無しというのが理想なのですが・・・。
大型タンクの加湿器を使っても1~2日で水補給が必要なので無人スタジオではすぐにストップしてしまう・・・。何とか長期間加湿出来る方法が無いのかと考案したのがバケツにタオルを垂らした「省エネ式自動加湿装置」(そんな大した名前で呼ぶ程でも無いのですが・・・) 果たして効果はいかに?
2台のチェンバロの御機嫌伺い終了後は神戸の中華街の大の御贔屓レコード店を訪問。店主ご高齢のためか突然の閉店との噂を聞き付け慌てて駆け付けると店内全品半額セールでいつもは暇なお店も大繁盛。今日の買物はSPやCDなどドンと大人買い、30年近く多彩なジャンルのレコード漁りで楽しませて頂いたお店もこれで最後かと思うと感慨深し。またしても古き良き神戸の風物詩がひとつ消えてしまい真に残念。
25日、Vlダモーレとフォルテピアノとの珍しい共演は今日が本番。舞台は相変わらずの乾燥の中、モダンPfとフォルテピアノのピッチは完全に合わせてね!という演奏家からのプレッシャーを感じつつ大幅ピッチ上げのフォルテピアノを朝から時間を掛けて調律。実際の本番では2台を連続で演奏する上に舞台上での調弦は無し・・・、いや緊張しました。しかし多少の悪条件でもタフな亜米利加製はモダンピッチ対応可能と判り今後の活躍が楽しみであります(もう数件モダンピッチの公演予定してますし)。しかし今回430Hzの楽器を442Hzまで上げたのですが、モダンPfの調律師の方から「かのカラヤンは447Hzを要望したので上げたら頑丈なフルコンでも少し変形してきましたよ」と伺い仰天。鉄骨入っていても曲がるんですね・・・。ただの木の箱だとどれだけ負担が掛かっているか考えるだけでも恐ろしい。 今朝風の便りでまたもや業界人の訃報を伺いビックリ。しかし正式発表あるまでは情報アップ出来ないのですが・・・。
22日、伊豆南端の街でのFtとCemのBachプログラムの公演にジャーマンで出動。またもや前日よりの雪予報を心配し深夜に東京を出発。御殿場は雪景色ながら走行は支障無し、意外に簡単に箱根超え出来たので仕方無く(?)沼津漁港で朝飯食べて時間調整。早朝から営業の食堂で地元産鯵丼を注文、ちょっと観光客相手のお店ながら新鮮な鯵美味し。伊豆半島も天城峠周辺は雪景色でちょっとドッキリするも幸い快調に峠を走破。
何度もお伺いしている今日のホール、ご近所に大の御贔屓の鰻屋があり今回もその店訪問を演奏家共々最大の楽しみにしていたのですがナント休業日と重なってしまいガッカリ。我々の落胆振りを見兼ねたホールの方に連れて行ってもらった地元民ご推薦の寿司屋で地魚盛り合わせを頂き大満足。食いしん坊の調律師も演奏家も美味いものに出会うと本当に御機嫌良いもんです(本番の演奏も絶好調でしたし)。
今日は大ホールの舞台上に客席を作り演奏家はいつもと逆の方向に向いて金屏風の前で演奏するというユニークなセッティング。演奏家の後ろにしっかりした反響板が無いので音響心配するも何故か通常よりも音色はクリアで音量も充分、極上の響きとなり我ながら仰天した次第。
21日、出陣前後の楽器陣を一堂に集めての御機嫌伺いでスタジオは満杯状態。先日湿度10%近い極限状態から生還した白フレンチ、数日でやっと水分補給が出来たようで御機嫌直りホッ。ジャーマンも同じく厳しい環境の会場に明日出陣するので今はウィーンフィルも真っ青という極端なハイピッチ(舞台で乾燥するとアッと言う間に数Hz下がりますしね)。ルイ・デュルケンのフォルテピアノはヴィオラダモーレとの共演を控えてモダンピッチでスタンバイOK(ここしばらくはピッチ固定の予定)。楽器溢れるスタジオにタイミング良く演奏家が来訪、独蘭米墺各国の楽器を弾き比べて頂きその個性の違いを存分に体感して頂けた様子。
19日、神奈川某ホールで恒例の「ハレルヤ!」公演に白フレンチで出動(この公演毎回チェンバロが下手端というユニークな配置なのですが)。前日からの雪予報を心配し前夜楽器積込みを我慢し夜明け前に東京を出発するも雪どころか快晴で拍子抜け・・・。しかし会場の湿度はこの冬一番の低い数字を叩き出しており調律師としては朝から戦々恐々(終日湿度計測定不能でした、多分10%近かった?)。ある程度予想してウチで一番タフな独逸製を持ちこんだので調律はナントか最後まで持ったものの本番中に演奏家から「タッチが少しづつ重くなっているんですが」と言われドッキリ。あまりの乾燥にどうやら楽器がねじれてきていた様子(タフなはずのこの楽器でも初体験!)、幸い公演は最後までトラブル無く無事終了しホッ、並みの楽器ならどんなトラブルが起こっていたのかと思うと恐ろしい・・・。
18日、3月1日開催の「異彩を放つ人形劇俳優たいらじょうと古楽アンサンブルによる異色のコラボレーション」という王女メディア公演の打ち合わせで上野に出動。まだ主役の人形とはご対面していないのですが少し内容を伺うだけで想像以上のユニークな公演になる模様。私もリハ本番合計4台もの鍵盤楽器を提供し(本番は2台!)参加の予定。しかしあの小ホールにオケピットを作るとは楽しみであります。久々の上野なので賑わうガード下でランチ。安価で有名な鰻屋に入るもやはりお値段相応の質と量でガッカリ。この周辺にはCP満足度高いお店幾らでもありましたね・・・。
その後池袋で所要をすませ口直しに駅デパ屋上にある隠れた讃岐饂飩の名店を久々に訪問。相変わらず野外かつ高層ビル群を眺めながらのシコシコ本格饂飩美味し。足元を駆けまわりおこぼれ狙う小鳥達(雀だけでは無いぞ)の姿も味覚の内かも。
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デパ屋上で食事中から自宅周辺でヘリが旋回しているなあと思っているとナント自宅辺りからの黒煙が見える!慌てて帰ってみると周辺道路は沢山の消防車とパトカーで占領されており仰天(自宅前まで消防車来てました)。火元は二筋違いのご近所の家(?)だったそうでしたが被害大きく無ければ良いのですが・・・・。乾燥続く冬の火事は怖いですぞ。
1月17日、あの阪神大震災から早19年。壊滅状態まで痛めつけられた神戸の街も今や見違えるように復活しておりますが、それでも20年近く経ってもまだ傷跡残るところも多数あり今だに震災の復旧は完全には終わっていないと実感しております。地震時に神戸におりました私は自宅の建物は幸い被害が小規模で今もナントか住み続けておりますが、仕事場だった一軒家は完全に倒壊、しかし瓦礫の中からチェンバロ(仏壇フレンチと呼ばれている奴ですね)を掘り起こし救出する事ができました(写真のハシゴを使ってチェンバロを持ちだしたなど今思うとどうやって運べたのか不思議でもありますが)。いつも用心深くチェンバロの前パネルも付けてカバーと布団を掛けていたお陰で破損を最小限に出来たと思います(相当量の瓦礫が楽器に圧し掛かっていたようですし)。結局他のビルに置いていたグランドピアノ2台が全壊のビルと共に潰れてしまった他は様々な幸運がありチェンバロオルガン共に無事でした。震災数ヵ月後に思い切って東京(最初の4年間は多摩でした)に小さなスタジオを設立し、その後東京(今は目白ですね)と神戸の両方を拠点にするようになったのは皆さんご存じの通り。正に私の現在の活動の原点が阪神大震災だったと言う事になります。
しかしその後も日本全国で立て続けに起こる地震や台風等の自然災害、そして3年前の東日本大震災と我々はいつどこで防ぎようもない「自然の脅威」に遭遇するかも判らないという事を存分に思い知らされました。阪神大震災の体験者としては、各人があらゆる事へのリスク管理を想定していかなければ安心して生活していけない時代になったと改めて117の日に思った次第であります。
14日、今日は「巴里左岸の洋琴工房」ならぬ「荒川右岸の古洋琴工房」に製作途中の楽器拝見で訪問。御江戸の川向うも意外に(失礼!)洒落た風景のエリアがあるもんですね。江戸時代は水路での物流で栄えたそうですし今も桜の時期は花見の穴場とか。
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今回は小型のクラヴィコードを製作中との事でほぼ完成した鍵盤部を拝見。相変わらず驚くほど緻密に仕上げられた木工仕事には感嘆!見学後はいつものように業界の生き証人だるベテラン親方と熱い(!)楽器談義を少々。
12日、朝から信州の厳しい寒さに震えあがるも地元の方は平気なようですね。しかし零下7℃というのは初体験かも・・・、(前日に楽器搬入しておいて助かりました)。車のヒーターが全然効かず窓も凍ったままというのにはビックリでした。
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今日の会場は「鈴虫保護条例」なんていう粋な法令が出来たと話題の村のホール。蕎麦の名所でもあるので昼食に早速昨日とは別の蕎麦屋に出撃するもこれまた冬は休業との事でカラ振り、仕方無く地元の方に伺うと昨日の山麓のお店が村一番人気だとの事で二日連続で訪問。流石評判店だけに不便な場所ながら大賑わいの様子。
舞台はいつものように冬場特有の凄い乾燥、加湿器も無く空調での加湿も出来ないとの事でバケツにお湯を張っての即席加湿器(?)と久々の出番となった霧吹きで急場しのぎ。調律が余り狂わなかったので効果はあったのでしょうね。
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11日、翌日の信州での昼公演を控え最初は当日朝移動のつもりが「信州積雪中!」との知らせで急遽演奏家と一緒に前日現地入りする事に。まあ珍しく急がない250kmの旅なのでノンビリ行きましょうと朝からアチコチ寄り道の信州旅に。幸い雪は残っているものの運転に支障出る程では無く快適なドライブ。まずは諏訪湖近くで手長川海老など珍しいネタ入りの名物「味噌天丼」で昼食。
食事後は諏訪だけでなく今や世界に名高い(?)「Fujimori建築」を見学。雪景色を背景に空中に浮かぶ茶室はいつも以上にその異彩の存在感がアップし素晴らしい!是非一度は空中から外界を眺めてみたいものです。
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次は記念すべき「Fujimori建築Opus.1」たる資料館を再訪。こちらも冬ならではの雪に浮かぶ独特の風貌をじっくり味わえたのは大収穫。拘りの素材を使った建築だけに年月経てその質感の変化を見るのが毎度の訪問の楽しみでもあります。
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公演予定の村(!)は蕎麦が美味いとの事で楽器を搬入後早速地元の蕎麦屋を訪問。最初目指していたお店に念の為「今日は何時まで営業ですか?」と電話で伺うと「3月までは休業してます」との返事にビックリ(営業時間では無く営業期間が問題だったとは・・・、しかし雪の季節は御客が来ないのか?)。訪問時間が悪かったのかホール近くで何軒かフラレタ末にやっと入店出来た人里離れた山麓にあるお店で中々素晴らしい蕎麦に出会えてホッ。座敷で炬燵にあたりながら野沢菜をかじりつつホッコリとしながら信州の味覚を堪能。
6日、今日から世間は平常運転?朝から新学期迎える学校の楽器2台の御機嫌伺い。冬休みで冷え切った部屋での調律作業で心配するも強力暖房のお陰で1時間程で平常温度に戻り助かりました。今日お相手の独逸製クラヴィコード、実は調べてみると関西古楽史の生き証人たる楽器と判明し(40年近く前に日本に来たそうです)驚いた次第。調査が進むうちに関西の古楽器の歴史は関東に負けない位進んでいたのでは・・・と思えてしまうのですが。今後の検証に期待しております。しかしこの年季の入ったクラヴィコード、年月経てどまだまだ現役で活躍しているのが素晴らしい!(流石N社の楽器は堅牢さは天下一品ですね) 午後は今年初めて東へ移動するも高速どこも渋滞無くスムーズ。夜はヨーロッパで活躍する鍵盤奏者の方と久々にお会いし情報交換。レアなお話有り難し。
4日、今年初出動は播州の名城城下町の駅前ホール。帰省Uターンラッシュを恐れて早めに向かうも朝は渋滞無く早めに現地到着。ホール近くに全国に名高い蕎麦店があるとの事で時間調整のため(?)早速向かうもこのお店、ナント駅のプラットホームにあるのでわざわざ入場券を買っての訪問に。
こちらは普通の駅の立食蕎麦のようで中華そば風の黄色い麺を和風ダシで食べるのがユニーク。その不思議な風味は癖になりそうで人気に納得。しかし播州一の駅前の様変わりには仰天。名城の平成の大修理が終わる2年後には新しいビルが立ち並ぶ真新しい街に大変身しているとの事、城下町の古い風情が無くなるのは少々残念かも。
今日はRecorderコンクールの伴奏にウチの秘密兵器のチェンバロを提供。コンクールなので舞台でのリハは無くぶっつけ本番、それも2組が使用との事でタイトなスケジュールで楽屋と舞台を慌ただしく移動する羽目に。2組のピッチも違う上に温度変化も激しく通常のチェンバロではギブアップの所が今日の楽器はヘビーな条件でも涼しい顔・・・、いや助かりました。終了後案の定大渋滞に巻き込まれいつもの倍の時間掛けて帰還。
3日、まだ正月気分濃厚なKobeの街で買出しの1日。我々が工具買うならココ!と定番だったTハンズ、年々品揃えが縮小気味で欲しい工具が見つからず寂しい限り(今やご近所の普通のホームセンターの方が揃っているかも・・・)。正月恒例の霊地巡礼、今日はKobe一番人気の神社を訪問(Tハンズの隣でしたね)。ここは神聖というよりも俗っぽさ全開の皆に愛されるお祭り会場といったところかも?(屋台も多彩でしたし)。
Kobe住民でありがたい事は安くてハイレベルな中華が食べれる事、今日も街中の人気店でランチ。流石時間外しても流行ってますね(行列出来る程ではなくすぐに座れるのが関東とは違うところですが)。さあこれでお正月も終わりですね!明日から平常運転であります。
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