日本初のチェンバロラヂオ放送は昭和二年六月
16日、立ち寄り先のご近所で偶然見つけた博物館で戦前のラヂオ放送の資料を拝見していると画期的な情報を発掘し大興奮!今まであちこちのラヂオ放送史の資料に記載されながら詳しい事が不明だった昭和二年六月に放送されたアロイス・バルナ氏によるチェンバロ演奏。その記載が正しければ記録に残る日本初のチェンバロ演奏となるのですが、そんな早くにはまだ日本にはチェンバロは来ていないはずだとか、違う楽器の事を誤ってチェンバロと記載しただけとか(ツィンバロンなどは確かにスペル似てますね)否定的な説も多く真実は闇の中でありました。今回この謎だった演奏の放送時の番組記録の原本を拝見する事が出来、そこには「チェンバロ獨奏」とはっきり記載されているのを確認出来ました。当時楽器解説の書物等ではチェンバロは早くも日本へ紹介済みですので、公式記録に「チェンバロ」と書かれているとなりますとほぼ間違いなくチェンバロのソロの演奏だったと思われます。演奏曲の明細も判明しましてヴェルディやブラームスそして自作曲などバロック作品が皆無というのが興味深いものでした。当時は一九世紀音楽が主流でしたでしょうしちょっとしたオペラブームの最中でもありましたのでこの選曲にはまあ納得であります。この放送は昼の三五分間の番組での放送だったようです。またこのチェンバロ演奏家の素性が今まで全く謎でしたが、今回奏者の住所の記載がありその人物は東京神田のホテル住まいだと判明、一時的に来日していた演奏家という可能性が高いと思われます。多分同時期来日した伊太利か露西亜のオペラ団の団員だったのでは?というのが私の推測なのですがどうでしょうか・・・。まだまだ謎の多い日本での最初と思われるチェンバロ演奏の歴史、今後も新たな事実の解明が進む事楽しみであります。
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