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27日、以前より準備していました5オクターブフォルテピアノのモダンピッチ対応の件、何とか目処も立ち出陣OKであります。最初からモダンピッチで作られた独逸製近代構造ではなくオリジナル志向の作風だっただけに果たして半音近くピッチが上がるか心配するも、亜米利加製のマッチョなボディは驚くほど堅牢でした。今後モダンピッチでの出陣多くなるのでは・・・。まずはモーツァルトのオペラでデビューの予定。
スタジオ作業の後北関東まで車を飛ばし某大手楽器店で国内外のピアノ多数拝見。現在の国内外の有名メーカーのピアノも良いのですが(その高額さにも驚きますが・・・)小さなメーカーの職人手作りのピアノの丁寧な作りと味わい深い音色タッチに痺れた次第。また20世紀初頭の欧米のトップメーカーの威信を賭けた銘器達の素晴らしさにも感嘆。
お店の片隅にひっそりとあった独逸製の小型チェンバロ、モデルは少々年代が経っているものの堅牢でコンパクトな作りは個人の練習用に重宝しそうな楽器でした・・・。使いようによっては結構掘出物では?
26日、3台の鍵盤楽器相手に3種類のピッチと調律で格闘の1日。最近ミーントーン続きのポジティフオルガン、前回の出番と半音ピッチが違うもののチェンバロのような断弦の心配が無いのでヤレヤレ・・・。しかし今日初めて冷房の中での調律でした。東京はここ数日湿気上がってきましたが大阪は今日の最低湿度が26%と未だに乾燥していたようです。相変わらず湿度計と睨めっこの日々ですぞ。
ここ最近食いしん坊のお仲間と盛りあがっているのが本場讃岐の饂飩。これは近々御一緒に現地に乗り込んで饂飩の聖地巡礼でも・・・と画策中であります。日帰りで讃岐ならではのトンデモナイお店ばかり7~8軒は回りたいところ、果たして何軒制覇出来るか楽しみであります(どなたかご一緒しますか?)。
22日、ウチの貸出人気No.1の独逸製白フレンチの兄弟楽器の御機嫌伺いに参上。同じ製作家の同じモデルでも年月を経ると個々のキャラクターの違いがはっきり出るものですね。今日の楽器は個人宅で大切に管理されているだけにまろやかな音色に仕上がっており好印象、それに比べてウチの楽器は毎度悪条件での出番ばかりでマッチョなキャラに仕上がってしまっているのかも・・・(頼り甲斐のある楽器なのですが) 同じモデルの楽器を見比べてみると真面目な作風の独逸人製作家でも1台づつ細かい作りは違うものなのですね。
昼は本邦古楽界の生き証人というべき重鎮の方と業界四方山話を伺いながら蕎麦屋で会食。お店名物の饂飩よりも太い蕎麦を刺身醤油で頂くスタイルは人気のようで珍しく行列待ち。今日伺った古楽界創世記の頃のお話は興味深いものばかり。中でも1960年代にもうフォルテピアノ(18世紀のオリジナルスクエアピアノだったそうですが)でのコンサートをされていたと伺い大興奮(多分これが本邦初のフォルテピアノコンサートでは?)。チェンバロ導入史の新事実が伺えたのも大収穫(今まで知られていなかった楽器なようですね) 当事者のお話を直接伺えたのは本当にラッキーでした。
19日、前夜公演後東京を発ち早朝西のスタジオ到着。先日の巨大ワニ魚捕獲騒動で注目を集めたスタジオ前の池は予想通り早朝から見物客多数、まだ2m級の超大物がいるとの噂もあり我こそが怪魚を釣り上げんと釣竿で捕獲を狙う若者もおり(確か釣り禁止でっせ)大賑わい。
付近はこんな看板まで・・・。確かに騒ぎの主役は名前の通りワニのような鋭い歯を持つので2mもの大物に噛み付かれたら大惨事でしょう。
モーツァルトPf協ツァーも今日の播州の老舗ホールで千秋楽。パイプオルガン向けの残響豊かで今回一番大きな会場(800席)でのフォルテピアノによるPfコンチェルトもバランス良好、しかし久々の雨振りで湿度が上昇し楽器の御機嫌が少し変わったのには慌てましたが幸い本番には影響無しでした。しかし地方都市の郊外にあるホールながら渋い古楽器公演でもお客様多数来場、このツァー一番の熱狂的な反応で盛りあがりました。そう言えばこのホール、数年前に阿蘭陀伊の秀英チェンバロ奏者デルフト氏の公演があったようですね。初来日の大物チェンバロ奏者の日本での演奏はこのホールだけだったとか。
18日、モーツァルトPf協ツァー東京2日目。4月下旬からの激しい乾燥が終わり今週は1年で一番安定した気候の中でのツァーとなり調律師としては大助かり。何しろフォルテピアノは連日車中泊など悪条件ばかりなのに本番でも調律もピッチも殆んど変化せずすこぶるお利口さん・・・(またこのオケ舞台でピアノに合わせて調弦してくれないのですよ)。先週までの異常乾燥で楽器が壊れそうだった事を思うと正に天国と地獄。またどの会場もフォルテピアノとの相性良く難易度の高い古楽器オケとのピアノ協奏曲(楽器間の音量バランス取れない事が多いのです)も安心して聴いていられるのでホッ。しかし髪振り乱して熱演するロナルド氏、風貌は正にベートーヴェンですね。その揺らぎ無い圧倒的な鍵盤テクニック(絶対音を潰さない絶妙なタッチは必見!)と豊かな音楽性には脱帽であります。このツァーも19日の姫路公演でいよいよ最後、西の方は是非お聴き逃しなく!
16日、モーツァルトPf協ツァー2日目は名古屋都心の老舗ホールへ。全面石壁に覆われた贅沢な内装は残響豊かで正に古楽器向け、流石バブル時代の産物は今では絶対真似が出来ない豪華さでした・・・。同じ位素晴らしい音響のホールがご近所にも沢山あり有る意味名古屋はコンサートホール激戦区ですね(東京にひとつ位回してもらいたい位)。私はこの2カ月で3カ所もフォルテピアノで参上する予定。
音響良い会場となるとフォルテピアノのコンチェルトは意外にも楽器間の音量バランスを取るのが難しい・・・、毎回フォルテピアノのベストポジションを捜すのに一苦労、今日は相当奥の位置がベストと判りバランスは良好。やはり石の響きは極上ですね。
15日、モーツァルトPf協ツァー初日は古都の人気ホールから。今日は古都の名物「葵祭」なので街はどこも観光客で大賑わい、車は交通規制で大渋滞、オマケに高速は集中工事で夜通行止と楽器運送屋にとっては苦難の1日(オケメンバーはお祭りを堪能していたようですが・・・)。昨日より少し猛暑が安らいだのがせめての救いか・・・。
今日初めて御対面のケルンの古楽オケ、実は英蘭仏独米日の代表的なオケのメンバーが参加の多国籍軍の様相でした(道理で見た事がある面子が結構いましたね)。今回主役の阿蘭陀のFp奏者、堂々の横綱相撲の演奏で抜群な鍵盤コントロールでのダイナミックなモーツァルトのPf協奏曲を披露。流石欧州で大人気のフォルテピアノ奏者だけありましたね。演奏は「モーツァルトの再来」というキャッチフレーズがお似合いの方なのですが風貌はモジャモジャヘアーのためかベートーヴェンの再来という感じですね。
14日、先日ニュースになった西のスタジオ前の池での北米産「ワニ魚」捕獲騒動、今回は1.2mもの大型魚の大捕物でしたが実はまだ2m級(!)の超大物が生存しているとの噂があるとか・・・。今日も某新聞で大きな記事が掲載されたのでしばらくは幻の肉食魚を見ようと人が殺到するでしょうね。ちなみにウチのスタジオ2階からは池が一望出来るのでいつかは悠々と泳ぐ2mものワニ魚の雄姿が見れるのでは・・・と期待しております。
明日からいよいよスタートする独逸オケ+阿蘭陀人Fp奏者のモーツァルトプログラムの来日ツァー、今日は最初の公演会場のピアノ庫をお借りしてフォルテピアノのリハーサル。古都のホールに元気に登場のロナルド氏、約10年振りとなるウチのワルターを御機嫌で弾いてくれました。フォルテピアノによるPfコンチェルトがどんなサウンドで聴こえるか楽しみであります。ところで明日の京都は葵祭でした。車動かないかも・・・。
12日、まもなく開催のチェンバロリサイタルの楽器調整で奏者のお宅訪問。今回のリサイタルではツメに鳥の羽根を使った18世紀フレンチモデルの艶のある音色を残響豊かな空間で存分に堪能していただけるはず・・・。実力派の奏者がどのように料理するか楽しみであります。乞うご期待! そう言えば昨日ちょうど2年前の震災被害から復活したばかりのホールにお伺いしたばかり、このフレンチも18年前神戸の震災の際全壊した工房の瓦礫の中から掘り起こして救出した「奇跡のチェンバロ」でもありましたね(近くで観察して頂ければ瓦礫に埋もれた痕跡結構残ってます)。
10日、早朝より西のスタジオで楽器の入替え作業。ここ数日スタジオ前の池で北米産の珍種の大型魚(通称「ワニ魚」という怖いヤツらしいのですが)が捕獲されたとのニュースが大きく報道されていたのでマスコミや釣り人が押し寄せているのではと期待するも静かなモノでした。池にはまだもう1匹いるそうなので是非泳ぐ姿見てみたいものです・・・(水族館でも主役を張れる程の稀少種だとか)
今日は大阪船場の明治時代の洋館でのイベントに調律イラズの賢い(?)チェンバロで出動。楽器を設置すると終演まで面倒不要との事で空き時間はご近所の適塾や図書館など浪速の歴史的建築巡りの1日。船場は東京と違って戦災や震災を免れた建物が結構残っており見応えあります。
7日、代々木の階上のホールでの公演に鍵盤楽器3台で出動。この2週間舞台は乾燥しっ放しで湿度が30%を超えたのは昨日の関西での公演のみ(甲府で9%という日もありましたね)、今日も気象庁の発表によると東京の最低湿度は17%と厳しい乾燥の1日、年季の入ったイタリアン2台もあまりの乾燥続きでそろそろ限界近い様子でいつ断弦するかヒヤヒヤするも今日の昼夜2公演は幸いトラブルも無く無事お勤めを果たす事が出来ホッ。日仏混成グループによる公演もフル編成は今日で最後、某国営放送が映像収録しておりましたので鍵盤楽器3台による迫力のアンサンブルをTVでじっくり拝見出来るようです(6月13日朝にハイビジョンで放送予定) 乞うご期待!ホールのHPにもこの公演のレポートが掲載されてます。
6日、連休最終日は和歌山でのSopリサイタルにイタリアンチェンバロで出動。途中のSAで巣から顔を出す燕の雛鳥を発見。燕の巣なんで久々に見ました。折角紀州に来たならと楽器搬入の前に地元図書館を訪問。紀州藩は実は日本古楽界と関連深く、江戸時代末期の殿様が多分日本初の古楽器コレクター(もちろん江戸時代なので邦楽器なのですが)で今日でいうコンサートホールまで作ってしまったというナントモ凄い人物(地元でも少し研究されているようで収穫ありましたが)、御維新後の殿様も日本初の西洋式コンサートホールと資料館を建て昭和の殿様はHパーセルの貴重な資料を含む一大楽譜文献コレクションを日本に持ち帰り、コンサート用パイプオルガンを初めて日本に輸入し戦前にチェンバロも海外から日本まで持ち込んだという古楽界の大恩人であります。今回の調査では大きな発見は無かったものの未入手の稀少書籍の実物を拝見出来たりと収穫ありました。
今日はソプラノの伴奏にコルネット、テオルボ、ギターなど17世紀の楽器が盛り沢山の公演。チェンバロと共に調律いらず(?)のオルガンも登場しておりました。会場は古い公共ホールでクラシック公演も少ない様子、「チェンバロは滅多に来ないんでしょうね」と伺うと「ウチのホールはチェンバロ持っているんですよ」と聞きビックリ。拝見すると倉庫の一番奥で深い眠りについており、もう何年もフタは開けていない様子。勿論ペダル付きの立派な(?)チェンバロでした。
5日、有楽町の音楽祭も今日で千秋楽。今回ご一緒のベルギーのグループ(実はほとんど仏蘭西人ですが)、時間にルーズな事古楽界No.2と噂されているだけに(No.1は勿論バルセロナの某グループとの事)今回も時間になっても姿表さない事が多く裏方は毎回ヒヤヒヤし通し・・・(以前は親方寝坊で危うく本番遅刻という騒ぎがあったそうな)。今日は朝一番の公演だけに果たして遅刻せずに会場入りしてくれるか心配していると全員定刻に登場しこちらがビックリ(笑)。親方も「どうだい、パーフェクトだろ!」と胸張ってました・・・。時間を守るだけで褒められるグループというのも珍しいのでは・・・(汗)。今回は歌が抜けて器楽プログラムに変更となったものの実力派揃いのアンサンブルを存分に堪能出来たのでは?昼にはチェンバロの出番も終わりスタジオでの別のリハに白フレンチを投入(1/6PCからミーントーンに変更!)、その後連休ラッシュの中西へ移動、名古屋までは渋滞無く意外にスムーズながら京都で大渋滞に捕まり夜遅くに西のスタジオに到着。ヤレヤレ。
4日、音楽祭2日目はメイン会場お隣の老舗ホール(築56年目だとか)での朝の公演にチェンバロで参加。昔はデパートの上に有るホールとして知られてましたが今は大型家電店のビルとして有名ですね(奏者の1人はBicCameraのホールなら出演者に割引あるの?と聞いてましたが・・・) 一般の方には知られていない古楽グループの公演ながら千人ものお客様が押し寄せるとは流石この音楽祭の動員力は凄いもんです。今日も親方のVgをメインに迫力ある演奏を披露。終演後はすぐに次の公演のリハがあるとの事で慌ただしくチェンバロを梱包し大量の電化製品の隙間を縫って外へ搬出。明日もこのグループの出番は朝一番の公演ながらチケット完売との事。
3日、有楽町の音楽祭今日から本格的にスタート。歌手が来日出来なくなったとの事で急遽プログラムを大幅に変更となったベルギーのグループ、さぞ慌てているかと思いきや普段と変わらずマイペース・・・(こんなトラブルは頻繁に起こっているので慣れっこなのかも)。短時間のリハのみで臨んだ最初の公演、親方のガンバ大活躍で濃厚なフレンチバロックの演奏を堂々と披露、流石!の一言でした。どうやら映像収録してましたのでいつかTVで見れるようですね。このグループ、同じプログラムの明日朝の老舗ホールでの公演はまだチケットがあるみたいです。もうひとつのCemソロ公演はモダンCemでの演奏だった様子(こちらは別の方が担当) 会場は相変わらず酷い乾燥で強力加湿器を作動させてもやっと30%という厳しい環境、果たして最終日まで無事完走出来るのか?しかし会場で色々な方とお逢いしますね。これも大音楽祭の醍醐味でしょうか。
2日、有楽町での黄金週間恒例の音楽祭いよいよ明日開幕。今日はどの会場でもリハ尽しの1日。多数の外人演奏家が会場周辺に溢れておりました。今年は仏蘭西西班牙近代がテーマながら数少ないバロックプログラムにチェンバロで出動。何度かお相手しているベルギーのグループのオールフレンチの3公演に参加の予定。
早朝から楽器を搬入するもお互い限られた時間しか与えて頂いてないピアノと調律時間の争奪戦の様相・・・。幸いお相手が親切な調律師の方だったので充分な時間を譲って頂きホッ。何しろ舞台上はこの時期特有の異常乾燥で湿度計も早々と測定不能・・・(多分15%位か?) これではメロメロに調律狂うかと覚悟するもタフさを誇るウチの白フレンチ、異常乾燥の中でもピッチも下がらず涼しい顔でした(持ち主も不思議なのですが)。
何度もご一緒しているこのグループ、リーダーのフィリップを始めVnのソフィ、Ftのマルク、Cemのフランソワとお馴染みの実力派メンバー、どうやらマルクは新婚さんとか(お相手は今回参加の中国人Ft、彼女なぜか日本語ペラペラなのですが)。 ところが来日直後からトラブル発生、歌手が来日出来なくなったとかでプログラム一部変更になるようです。どうやらボスのVg演奏をメインとした曲が多くなる様子。Vgファン器楽ファンには嬉しい変更かも・・・。乞うご期待!(3公演のうち2公演は完売とか、4日朝の公演のみチケットあるようです)
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