昭和16年日本でのクラヴィコード
14日、先日の昭和初期の我国の洋琴技術史の調査の中で発掘した興味深い資料をご紹介。昭和28年に東京で国産ピアノが50台以上も出品された大々的なピアノ展示会が開催されたとの事。戦災の痛手から復興したばかりのピアノ製造業界の意気込みが存分に伝わる展示会だったようで、国産ピアノ以外にもスタインウエーのスクエアピアノ(個人所有)やグランドピアノ(宮内庁出品)、米国製の自動オルガンやチェレスタなど多彩な楽器が展示された様子。中でも出品リストにクラヴイアコード(個人所有)があったのには驚きました。しかもその所有者(さる作曲家でした)は昭和16年11月のラヂオ放送でどうやらブロックフルートと一緒にクラヴィコードの演奏で出演していたようです。今まで本物のクラヴィコードの演奏をラヂオで放送したのか少々疑問だったのですがこれでほぼ戦前にもう日本人がクラヴィコードを演奏していた事は間違いないでしょう。昭和16年に独逸からチェンバロとクラヴィコードを携え来日したシュナイダー女史もこの年の10月に新潟でクラヴィコードリサイタルをしておりますので昭和16年は日本のクラヴィコード史にとっては画期的な年だったのですね。しかしこの日本人所有のクラヴィコードはいつ輸入されたのか、いったいどんな楽器だったかは今のところ全く不明、今後の調査をご期待ください。
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