明日はオリジナルピアノが登場!
30日、昨日のレクチャーコンサート(多数の御来場に感謝!)での4台もの鍵盤楽器の運送調律+お話で少々へばり気味ながら朝から明日のフォルテピアノリサイタルで登場する190歳のオリジナルピアノの御機嫌伺い。冬場の厳しい環境の中では老ピアノの御機嫌取りが中々難しく明日もいくつかの特効薬の試験をするつもり・・・(舞台で何があっても驚かないでくださいね)。乞うご期待!
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30日、昨日のレクチャーコンサート(多数の御来場に感謝!)での4台もの鍵盤楽器の運送調律+お話で少々へばり気味ながら朝から明日のフォルテピアノリサイタルで登場する190歳のオリジナルピアノの御機嫌伺い。冬場の厳しい環境の中では老ピアノの御機嫌取りが中々難しく明日もいくつかの特効薬の試験をするつもり・・・(舞台で何があっても驚かないでくださいね)。乞うご期待!
29日、「ピアノ歴史探訪」のレクチャーコンサートにチェンバロ、フォルテピアノ、クラヴィコード+会場の現代ピアノで出動。ゲストのダルシマを交え5台の楽器がズラリと舞台に並ぶ姿は正に圧巻!初めて参上の小金井駅前の新しいホール、中々使い易そうな会場でした(駅前だけあって周辺の店は多彩で便利ですし)。全く違うタッチの鍵盤楽器4台を見事に弾き分けた演奏家に拍手!(どれだけ難易度の高い演奏だったかは御想像ください)。個人的には珍しいダルシマーの演奏を間近で聴けた上にピアノとの意外な関係性を伺えた事が収穫でした(ダルシマは実はピアノの御先祖様では?という説あるとの事)。
28日、明日開催のレクチャーコンサート(11月29日19時15分開演 JR武蔵小金井駅前 小金井市民交流センター小ホール)。使用楽器と曲目を少し御紹介。
使用楽器
★クラヴィコード Bob van Brandt(アントワープ)作Johann .H. Silbermann ca.1775 FF〜f''' ブントフライ
★チェンバロ Ryo Yoshida(フランス) 1992年作 18世紀フレンチモデル 鳥の羽根使用
★フォルテピアノ Paul McNulty(チェコ) 2002年作 ワルターモデル(5オクターブ半に音域拡張) ウィーン式
★モダンピアノ (ホール所有) 以上 4台を平井千絵さん演奏
★ダルシマー 青木陽子さん演奏
演奏曲目
G.F.ヘンデル/「調子の良い鍛冶屋」変奏曲 (チェンバロ)
J.S.バッハ/平均律クラヴィーア曲集第1巻より第1番 ハ長調 (クラヴィコード)
W.A.モーツァルト/6歳~7歳の時の作品 K.1a~5 (クラヴィコード)
モーツァルト/ピアノ・ソナタ ハ長調 K.545 (フォルテピアノ)
ドーリア調による「グリーン・スリーヴス」変奏曲 (ダルシマー)
ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調 op.27-2
≪月光≫より第1楽章 (フォルテピアノ&ピアノ)
ドビュッシー/「月の光」~ ベルガマスク組曲より (ピアノ)
5台の楽器が舞台に並ぶのはさぞかし壮観だろうと思っております(運送調律大変なのですが・・・) これだけの楽器の聴き比べ(終演後は弾き比べも出来る?)は滅多にないのではと自負しております。今からでも聴きに行きたいと言う方は直接会場にお越しください。お待ちしております。
コンサートの明細はこちらをご覧ください。
27日、朝から先日まで米国の達人とお付き合いしていたフォルテピアノの残り香チェック。音色はすっかり達人色(亜米利加風味?)、実は連日の余りに激しい打弦でツァー中にハンマー折られるのでは・・・と心配するも鋭くも無駄な力は全く入っていない完璧な(!)タッチのお陰で思いの外ダメージは無かった様子。明後日のレクチャーコンサートでもこのワルターが登場予定ですので是非お聴きください!
昼からはハマの大ホールでのFtの貴公子の公演にチェンバロで出動(ポーランドのオケが共演)。大ホールで中編成の室内オケという比較的音量ある演奏ながら、Cem奏者から「チェンバロの音が大きすぎる」と言われ仕方無くフタを閉める事に(先日まで仏国の暴れん坊氏に充分弾きこまれていたお陰か?)。大ホールでも朗々と鳴る貴公子のFt演奏は流石の貫禄、しかしチラシ写真にあった派手な創作バロック風味の衣装は残念ながら登場せず・・・。
26日、恒例の達人の残り香鑑賞の日、先日までの仏国「暴れん坊」Cem奏者のツァーで使用のジャーマンをチェック。今回は余り触られていなかったような気がしていたものの敵も然るもの、良く見れば大量のジャックに張り物されているわ、ツメ結構削られているわ、こちらの目を盗んで結構イジッていた様子(隠し味のショートオクターブというのもありましたし)。噂に聞けば私が担当しなかった某ホールでも大暴れしたとの事・・・(汗)。相変わらず「アブナイ」演奏家でした。
午後はまもなく開催の「ピアノ歴史探訪」公演(11月29日19時15分開演 小金井駅前のホール)で登場するクラヴィコードの御機嫌伺い。ベルギーのBob van Brandt作のジルバーマンモデルのブントフライの5オクターブクラヴィコード、日本では馴染みの無いメーカーですが中々鳴りの良い面白い楽器です 。乞うご期待!
今回の公演、他にも豪華な装飾で鳥の羽根のツメ使用のフランスのRyo Yoshida作のフレンチも登場。デルリンのツメでは絶対に出ない天然素材(フランスの田舎で放し飼いで育てたガチョウの羽根)による力強い音色を是非お聴きください!
11月は大活躍だったワルターモデルのフォルテピアノも登場予定。クラヴィコード・チェンバロ・フォルテピアノそして現代ピアノが舞台に勢揃いして「聴き比べ」「弾き比べ」が出来るという画期的なレクチャーコンサート、是非お聴き逃しなく!公演の明細はこちらをご覧ください。
25日、愛知で米英コンビによるベートーヴェンVcソナタツァー千秋楽。今回は米国のフォルテピアノの達人の凄さに圧倒されっ放し・・・、切れ味鋭いタッチと楽器を限界まで鳴らす(限界を超える?)ダイナミックさにまず驚嘆、骨太ながら自由奔放さとユーモアを併せ持つ音楽性にも脱帽、いやはやこれ程凄い鍵盤奏者とは知りませんでした・・・。何度か生演奏を聴いてはいたのですが自分の楽器でお相手してその凄さが改めて判った次第。最後に楽器も調律も満足していると褒めて頂いて光栄だったのですが、お世辞半分としても彼の中での世界中で提供されるフォルテピアノへの不満(?)も垣間見れて興味深かったですね。来年はN響と黒いピアノで共演するとか。今度は是非フォルテピアノのソロで御一緒したいものです。終演後連休の大渋滞(ナント50km!)にハマりながら深夜帰京。
24日、東京に続き愛知での米英コンビの公演にワルターで出動。今日は親子向けとの事で一回だけの特別プログラム、超有名曲「エリーゼのために」が飛び出したり(フォルテピアノでこの曲を聴いたのは初めてかも・・・、音域足りないのですね)、子供達との愉快な質疑応答があったり(二人共お茶目!)、何よりも即興の達人レヴィン氏がその場でお客様よりリクエストをもらい(今回はスプリングソナタでした)弾いた即興演奏が圧巻でした。明日がいよいよ二人の最終公演、東京や関西から駆け付けても絶対損の無い凄い演奏が繰り広げられるはず・・・、是非お聴き逃しなく!
終演後近くの陶磁器の街の老舗鰻屋を訪問。客の目の前で鰻を裂いて炭火で焼くという昔ながらのスタイルは今や絶滅寸前?煙にむせびながら焼き上がりを待つ至福の時間を経て鰻丼が登場。
上丼のドドンと一匹半分の豪快な盛りに大興奮。バリっと炭火で焼いた鰻は噛み応えも味も最高!またしても愛知の鰻文化のレベルの高さを思い知った次第。
23日、雨の中銀座のホールでのベートーヴェン公演にワルターで出動。もう冬の乾燥が始まっており雨でも舞台はカラカラの状態、リハの間は強力加湿器を登場させ乾燥トラブルから楽器を保護(気休め程度なのですが・・・)。初めてお相手するFp奏者のあまりに強靭なタッチが予想外だった為今日は早朝から会場に楽器を入れさせてもらい念入りに調整。日本のFp奏者は皆さん楽器に合った適度なタッチで演奏されるものの今回の奏者は楽器が壊れんばかりのタッチでも平気でダイナミックな音を追及されている様子。モーツァルトやベートーヴェンだってピアノを壊したのが武勇伝として伝わっている位なので彼の演奏もある意味正統なのかもしれませんが・・・。今日は本番最後まで舞台からの緊急呼び出しは無く平穏に終了。先日の事があるので実は演奏中舞台裏で調律ハンマー握りしめて(?)待機していたのですが何も無くホッ!
22日、久々にスタジオに戻るも賑やかな1日。まずは御近所で保管中の2段チェンバロを引き取るもスタジオにスペースが無く困った・・・。午前中は初台での「モーツァルトのクラヴィアのある部屋」シリーズが好評の小倉さんが来年の公演で使用予定の6オクターブのフォルテピアノを試奏のため来訪。2月にもベートーヴェンのVcソナタでも同じピアノで御一緒する予定、二百歳近い老ピアノからどんな魅力を引き出してくれるのか楽しみ!
午後は昨夜斬新なベートーヴェンの音楽を聴かせてくれたコンビが第二夜の公演のリハのためスタジオ来訪。ガット弦の銘器ストラディはモダン仕様ながらまろやかで澄みきった音色が素晴らしく、フォルテピアノとの相性も抜群な様子。明日の銀座、その後の愛知公演乞うご期待!
21日、米英コンビによるベートーヴェンVcソナタ公演と仏の暴れん坊氏によるゴールドベルグ変奏曲公演が銀座の御近所同士のホールで同時開催。私も影武者二人を用意し自らも分身の術で両公演を担当。チェンバロ公演、ツァーでもう楽器各部をいじり倒している反対氏、まだまだ理想を求めてナイフを振り回し(汗)最後まで「切った張った」を繰り返していた様子。その決して妥協しない精神は流石トップ奏者と感心した次第(また元の調整に戻すのが大変なのですが・・・) 冬場舞台の乾燥で毎度悩まされる今回のホール、スタッフから「最近加湿が出来るようになりました」と伺いお願いすると予想以上の湿度が上昇し慌てる一幕も(調律が・・・)。この時期舞台で良い条件をキープするのは至難の業か。
もう一方のフォルテピアノ公演は初日ながら昨日の念入りのリハのお陰で今日は二人の簡単な合わせのみで本番に突入。ガット弦の銘器ストラディとフォルテピアノという現代楽器に比べると地味目な組み合わせながら火を拭くようなパワフルなベートーヴェンが飛び出し2時間圧倒されっ放し・・・今回事前練習でもフォルテピアノ奏者の強靭なタッチに驚いたものの、本番では熱演のためか(?)フォルテピアノの限界を超えるダイナミックなタッチで何音か調律が大きく狂ってしまい慌てる一幕も(本番演奏の曲間で二回も調律手直しのため舞台に飛び出す羽目に・・・)。しかし今まで聞いた事が無いような異次元のベートーヴェンのVcソナタには皆さん驚かれたのでは?まもなく2人で録音するとの事で近いうちにCDで再び聴けるようです。
19日、連日大賑わいのスタジオに午前中から亜米利加の大物が登場。実はいつかは自分の楽器でお手合わせを願っていた憧れの演奏家でしたので、ついに御一緒出来るという事で朝から興奮しっ放し・・・。今まで何度か生演奏を聴いていましたが至近距離で聴く彼のフォルテピアノ演奏の余りの超人的な鍵盤テクニックとダイナミックなベートーヴェンの音楽に完全にノックアウト!いやはや噂以上の凄さですぞ!まもなく開催の米英の俊英が激突するベートーヴェンプログラム、東京公演はあっという間に完売、愛知公演のみ残席あるとの事。そんな凄い演奏なら是非聴きたい!と言う方は愛知まで出動しても決して損は無いはず!
午後は東京郊外にある独自路線で人気のホールにチェンバロで出動。こちら仏蘭西の大物(!)反対氏のゴールドベルグ変奏曲ツァー2日目。連日のリハ・本番で楽器に馴染んできたのか今日は初日とはまた違う「トンがった」演奏を披露。ウチのジャーマンも改造魔の彼に各所を触られたお陰で(汗)もう自分の楽器とは思えないような遠鳴りするクリアな音色に大変身・・・(どこをどう触ったかは怖くて聞けないのですよ)。彼の要望で5オクターブの楽器では珍しくショートオクターブにしているのですが普段は無い「DD」の音を使っているのが判ったでしょうかね?(彼の隠し技なのかも) 切れ味鋭い名人芸のゴールドベルグ変奏曲、東京は21日の公演を残すのみ。是非お聴き逃しなく!
18日、東京の西でのVn+Pfのモーツァルト公演(フォルテピアノとモダンピアノ2台使用)にワルターで出動。久々に御一緒する業界最長老(まもなく八十歳になられるとか)のK林先生、ウチのワルターは初めてながらあっという間にコントロールされてしまわれ、またフォルテピアノからモダンピアノへの移行も驚くほどスムーズで(普通はかなり危険なのですが)、その神技のような鍵盤コントロールに改めて舌を巻いた次第。演奏の合間に日本のチェンバロやフォルテピアノの創世記の貴重なお話を伺う事が出来こちらも大感激。日本最初にフォルテピアノを入手されたのは私の存じ上げぬ方だったとの事、約30年前の事ながら資料は何も残っていないだけに生き証人たる先生のお話は貴重でした。
17日、反対氏の「ゴールドベルグ変奏曲ツァー」は西の人気ホールからスタート。譜面灯や椅子高さ調整台(どうやら自作らしくて見物です)などコダワリのグッズを持ち込んで自己流の演奏スタイルを確保するのは相変わらず。今回は長旅の疲れも見せず御機嫌良く演奏も絶好調。初日から楽器への改造の要望も全く無く、もう「Cem界の暴れん坊」の名前は返上かも・・・と思っていると時差ボケが取れてくるとおもむろにカバンからナイフを取り出し勝手に楽器をいじり始めた・・・。最近の彼のヴォイシングは余り極端な事はしないので(というか最初から彼好みに変えているので)まあ安心して見ている事が出来るのですが、昔はツメ、ダンパー、ジャック(!)まで遠慮無く削ってしまったので本当に怖かった!(汗)。冒頭いきなり予定にない曲を弾き始めたり相変わらずピエール流のステージながらその練り上げられた演奏には圧倒されっ放し。
16日、明日からツァーが始まる反対氏無事巴里から来日し早速初日会場でリハーサル(空港からホールに直行する程気合入ってますね)。難曲「ゴールドベルグ変奏曲」ツァーだけに毎度ながらコダワリの多い(笑)彼が弾き易いタッチへの調整で半日はお付き合いするものと覚悟を決めて迎えるも「この調整で良いよ」と殆んど注文無くホッとするも正直拍子抜け・・・。(彼も年相応に丸くなってきたのか、こちらの調整が上手くハマったのか判らないのですが) ツァー前半はチケット完売ながら東京公演まだチケット少しあるとの事。名手のゴールドベルグ変奏曲、是非お聴き逃しなく!
反対氏のリハを見届けて浪速での「バッハでダンス」公演二日目に出動。初日は斬新な演出に戸惑いもあったのか少々大人しかったお客も今日は最初から曲ごとに熱く反応し大興奮の様子。ナニワのオシャレなBoys&Girlsがチェンバロ演奏に歓声を上げる姿は中々シュールでしたね(素晴らしいダンスのお陰でもありますが)。
15日、午前中地元でモダンピアノ2台の御機嫌伺い。途中で先日オープンしたばかりの地元出身の世界的作家の美術館の前を通過・・・。結構面白いとの噂を聞いているので近々是非訪問してみるつもり。この方の生まれ故郷の美術館も面白いのですが。
午後は浪速のど真ん中での公演に出動。近くに良心的な価格の老舗鰻屋があると知り勇んで訪問。しかし鰻好き受難のこの御時世に安くて満足出来るお店はまずありえないと改めて悟った次第・・・。鰻不漁で高騰の中多分頑張っておられるお店なのでしょうが鰻の小ささに正直ガッカリ。
夜はBachでダンスというユニークな企画の浪速公演初日。ダンスのリハもありチェンバロの調律は本番3時間前のみ、舞台はナント30%を切る厳しい乾燥、演出で激しく変化する照明・・・と何重もの悪条件の中でのお仕事ながらウチの独逸製フレンチは涼しい顔。こういう時は一番頼りになる堅牢なチェンバロでした。
今日の公演はダンス好き向けの公演との事で古楽系では絶対お目にかかれないオシャレな若人が多数来場。その方達は最初正統なピアノとチェンバロによるバッハ演奏(平均律1巻の曲がメイン)に最初戸惑うも、頭や片手で逆立ちクルクルダンスの凄い技の連続に途中から拍手喝采で大盛り上がり。この公演は世界中で人気で各地巡回しているそうな・・・。
14日、浪速の名建築でのバッハでブレイクダンスという不思議な組合せの公演のリハーサル。会場は大正時代の贅を尽くした建物だけに豪華な内装はどこも見応えあり。昨日見せていただいた独逸製のピアノ、多分開館以来使用されていたと思われるだけにさぞかし著名な演奏家に弾かれたはずももう判らないのですよと伺いまたぞろ日本洋楽史研究家の血が騒ぐ羽目に・・・(調べれば驚くような大物が弾いているはず)
今日は公演メンバー勢揃いでリハーサルと映像収録。チェンバロの仕事をしていてブレイクダンスとお仕事するとは思ってもみなかったもののその凄い技には圧倒されっ放し・・・(頭や片手でグルグルダンス生で見るとやはり凄かった!)。今回はフィンランド出身で伯林在住の女性チェンバロ奏者と御一緒、「自宅ではどんな楽器をお持ちですか?」と伺うと伊国製A・D氏の楽器とか・・・。先日のベルギーの教授もお持ちだったこのメーカー(まだ日本には入っていないはず)、欧州では広範囲で人気な様子。奏者は「日本製のチェンバロ見てみたい」と言っておられましたが今回は伯林から来た方に独逸製を提供しちゃいました・・・。
13日、連日の深夜ドライブで早朝西のスタジオに到着。今日は浪速のシンボルたる名建築での公演にチェンバロで出動。まだ本公演前の仕込み日と言う事で楽器搬入のみでお役御免となりノンビリ歴史ある会場を見学。リニュアルで蘇った素晴らしい内装を拝見していると約百年前の開館当時から使用されている珍しい独逸製のグランドピアノが楽器庫で保管されているとスタッフに伺い特別に拝観。風格ある重厚な音色はまだまだ健在ながら中々出番が無いのが残念との事(ちょっと調律大変そうですが・・・)。
午後は個人宅でチェンバロの御機嫌伺い。英国の名工のフランコフレミッシュモデル、慎重な管理の賜物なのか来日2年経つもまだヨーロッパらしい音色が濃厚に残っているのが素晴らしい!
11日、最近冬眠状態だというチェンバロを某所で拝見。部屋の環境が良好だったようでダメージ少なくすぐに目覚めてくれそうな状態なのでホッ。
昨日に続き仏国で活躍中のOb奏者率いるグループのナニワ(といっても郊外でしたが)の教会での公演にフレンチで出動。久々の雨の中の楽器搬入、晴れ男(リーダーも晴れ女だったとか)をも負かす強力な雨男がいた様子。昨日の音響素晴らしいホールでも中々の鳴りっぷりだったマイチェンバロ(製作家と似てお喋りな音色だったと言われましたが)、今日は石の床、ドーム型の天井とヨーロッパにいるような建物だったせいか凄い湿気の中でも気品溢れる音色に大変身・・・(本来の居場所に戻ったと感じたのかも)
最近コンサートで良く使われる教会ながら、実は今回のリーダーが飛び込みで見つけた会場だったとか。満員のお客様でも残響はあまり変わらないというのが素晴らしい!
10日、愛知でダブルヘッダー、まずは早朝「日本で一番贅沢な個人ホール」にチェンバロ搬入(こちらは私の到着まで影武者氏が身代わり)。次に名だたる自動車門前町の豪華なホールにフォルテピアノ担いで参上。こちらは伊達男ツァー4日目、会場は千席の大型ホールながら最後列までフォルテピアノの音がクリアに届く素晴らしい音響。しかし搬入直後から舞台上が凄い乾燥でビックリ。すぐに空調の湿度を上げてもらうようにお願いするも「パイプオルガンのために舞台の空調は固定です」との事で処置出来ず・・・。何とかしなければと慌てて大型加湿器を舞台に用意してもらいピンポイント加湿すると幸い効果ありフォルテピアノはトラブル無く最後まで完投出来ました・・・(ホッ)
昼本番終了後急いで夜本番の第二会場に移動するも途中道を間違え大慌て(カーナビに無い新しい高速出来ており道判らず)。相当遠回りするもギリギリ前半最後の頃会場に飛び込み休憩調律を担当。こちらは今日は乾燥するだろうと最初から舞台を加湿をするも上手く調整が出来ず舞台が湿気過ぎになったり乾燥したりと不安定だった様子。イヤハヤこの時期は湿度調整が難しい・・・。
9日、今日も朝から西のスタジオで出動間近のチェンバロ陣の御機嫌伺いと温湿度管理のチェック。まだ稼働間もないスタジオながらこの時期少し加湿すれば湿度安定する事が判り一安心。午後から兵庫の人気ホールでの伊達男公演にフォルテピアノで出動。こちらのホール、主催の古楽公演は連日完売との事で羨ましい限り。今回のツァーで御一緒の矢野さんも来年3月のここでのフォルテピアノリサイタルがもう完売間近と伺いビックリ(まだ4か月前なのに・・・)。来週はここで仏国のCem界の暴れん坊将軍のゴールドベルグ変奏曲公演、さてこちらはどんなハプニングあるのやら・・・。
6日、久々のダブルヘッダーまずは明日からのツァー直前の舞台リハのため御近所のホールにフォルテピアノで出動。念入りに仕込みを済ませた後今日は影武者を用意して私は次の現場へ。
昼からは初台でのベテラン勢トリオの公演に参加。奏者の楽器を御自宅から運搬するも激しい雨の中積込みの間だけ雨がやむというまたもや晴れ男の面目躍如で無事会場にチェンバロ搬入。長年日本の古楽界の最前線で活躍されている3人が組んだグループ、その演奏は品格溢れる成熟した音楽ながら初めての曲にも積極的に挑戦するという気合の入ったステージに圧倒されました(舞台の豪華さもさる事ながら客席の濃さも中々壮観でしたね!)。いつもは暑いの寒いのと厄介なこの会場の空調を切って本番に臨めたので調律師としては大助かり・・・(滅多に無いでしょうね)。
1日、まもなく始まるコンサートツァーのフォルテピアノ奏者が来日し早速リハーサル開始。あちらのお話を伺うともうスイスは雪降りましたとの事でビックリ(暖かな日本とは大違い・・・)。目白駅周辺を通りがかりに老舗古本屋(昭和二十三年から営業だったとか)がまもなく閉店との張り紙を見つけ慌てて入店。全商品半額との事で目ぼしい本は抜き取られた跡ながら「楽壇の先駆者は語る」という内容の戦前の我国洋楽の重鎮達の証言集をゲット。耕作、太田黒、近衛などお馴染みの顔ぶれの興味深い話が並ぶ中、紀州十六代「音楽の殿様」の名前が出てこないのは謎であります。日本初の音楽ホールにコンサート用パイプオルガンを自宅に設置し、チェンバロをヨーロッパからいち早く運ばせ日本各地でコンサートを開催し、世界的な演奏家達と多彩な親交を持ったという正に国際的な音楽人だった殿様ながら,我国楽壇の表舞台から殆んど無視されているのがナントモ不思議・・・。殿様らしい豪快な行動(そして散財)が業界から妬まれたのでは?というのが私の推測なのですが(派手に著名演奏家と交友している筈が他の関係者の文献から絶対殿様の名前が出てこないのですよ)。
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