戦時下に響いたチェンバロの音色
3日、日本チェンバロ界の開祖たるエタ・ハーリッヒ=シュナイダー女史の戦時中の日本での演奏活動を含む貴重な資料本がドイツから到着。来日まもなくの昭和十六年六月の東京での初のクラブサン獨奏會を手始めに七月の京阪神三カ所でのクラブサン獨奏會、再び東京でのクラブサン獨奏會と精力的に演奏会に出演した後、十月に新潟でピアノ・オルガン・クラヴィコードそれぞれの演奏会を開催(この時が日本初のクラヴィコードリサイタルか?)、そして翌昭和十七年一月には仙台の宮城女学校での演奏会にVn・Vc・Ftを交えてチェンバロとピアノで出演、この時はバッハの曲の他に尾高尚忠「Kleine suite fur cembalo」と坂本良隆「Sonatine
fur cembalo」という日本人作曲のチェンバロ作品が演奏されたとの事。これが実は最も早い邦人チェンバロ作品なのかも・・・。女史の来日一年も経たないうちに日本の作曲家達と熱心な交流があった証拠では?(今後の研究課題ですね) また三月には静岡と沼津でのコンサートにもチェンバロで出演との事。実はナチスに追われて半亡命のような形での来日ながら戦時中でもナチス独逸音楽使節と云う事で東京だけでなく各地でチェンバロを携え演奏活動を行っていたという事には驚いた次第。
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