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2011年10月 3日 (月)

蓄音器コンサートの録音

23日、先日開催の明日館蓄音器コンサート、マルチ鍵盤奏者の筒井一貴氏が録音してCDにして頂きました。洋館の豊かな音響と巨大ホーンの威力が合わさってそんじょそこらのSP復刻録音に負けない(個人的には勝った!と思いましたが・・・) 仕上がりとなりました。このCDお聴きになりたい方は梅岡までご連絡を。

明日館蓄音器コンサート第3回 CD曲目

   「ヴィオラダガンバ特集」    

2011年9月27日 池袋明日館Room1925 (録音 筒井一貴)

1) 2台のヴィオールのファンタジー (Richard Derning)  Arnord Dolmetsch一家 (Vg)

    * まずは古楽復興のご開祖ドルメッチ(1858-1940)が登場。今の古楽ファンが聞くとその牧歌的な演奏に衝撃を受けるのでは?

2) 6台のヴィオールのチェストのための幻想曲 (Weelkes)  Arnord Dolmetsch一家 (Vg)

 * ドルメッチは約100年前に殆んどの古楽器を復興させたのですが中でもガンバは重要視していた様子。長女は英国ガンバ協会の重鎮。

3) 田園の歓喜 (Monteclair)  巴里古典樂器研究會 カザドシュ一家 (Vg)

 * 1901年サン=サーンスの支援によるアンリ・カザドシュ(1879-1947)によって設立された各種ヴィオールとクラヴサンなどによる兄弟古楽器アンサンブル。有名なピアニストのロベールは親戚。

4) 組曲 (Henry Purcell)  Flora Stad 亜米利加古代楽器演奏協会 (Vg)

 * アメリカでの古楽器復興の中心的な役割を果たしたアンサンブル。

5) ヴィオラダガンバとチェムバロの為のソナタ第2番 アレグロ (F.Haendel )

R.Hindemith (Vg) A.Ehlers (Cem)

 *ルドルフヒンデミット(1900-1974)は高名な作曲家パウルの兄。作曲家・指揮者でチェロ奏者。日本では昭和8年にこのガンバ演奏の盤が発売。

6) ヴィオラダガンバとチェンバロの為のソナタ (F.Haendel) P.Grummer (Vg) A.Linde (Cem)

 * グリュンマー(1879-1965)はドイツのチェリスト。1926年ケルン音楽院にガンバクラスを開設し指導。ヴェンツィンガーの師匠。

7) ヴィオラダガンバとチェンバロの為のソナタ第2番 (J.S.Bach) A.Wenzinger (Vg) F.Neumeyer (Cem)

 * アウグスト・ヴェンツィンガー(1905-1996)はチェロ奏者としてスタートし1933年バーゼルスコラカントルムを設立しガンバを指導。ガンバ教則本の著者。サヴァルなど数多くの奏者を指導。

8) ヴィオラダガンバとチェンバロの為のソナタ第2番 (J.S.Bach)  A.Tusa (Vg) I.Nef (Cem) 

* 戦後にバッハのガンバソナタ全曲録音を発表(初?)

9) 2つのメヌエット (K.Stamitz) E.Selin (Viola d’amore) W.Drawenski (Cem)

 * ガンバ特集のおまけとして、実は昭和初期にはガンバより人気があったヴィオラ・ダモーレの演奏を1曲。いつかはダモーレ特集をやる予定。

ここからはお楽しみタイム

10) 練習曲「黒鍵」(F.Chopin)  L.Godowsky (Pf)

11) 練習曲「蝶々」(F.Chopin)  L.Godowsky (Pf)

 * レオポルド・ゴドウスキー(1870-1938)はポーランドのピアニスト。20世紀初頭には「ピアニストの中のピアニスト」と呼ばれる程の人気だった。大正11年には来日し各地で演奏。

12) プレリュード ロ短調 (F.Chopin)  Vladimir de Pachmann (Pf)

13) マズルカト長調 (F.Chopin)  Vladimir de Pachmann (Pf)

 * ヴラディミール・ド・パハマン(1848-1933)はウクライナ生まれのピアニスト。当時は最高のショパン弾きとして人気を博した。演奏中に呟く奇癖でも有名(一部の録音で呟いてます)

14) ミスブラウン (Robin.Whiting&Raingner)日本盤  テディウイルソン(Pf)

 * アメリカのジャズボーカルの最高峰ビリーホリディー(1915-1959)がベニー・グッドマンなどを含むテディウイルソン楽団を率いて歌った名盤(1935年録音)。日本では何故かTウイルソンの名義で発売。

15)  Miss Brown to you   米盤 T.Wilson (Pf) Billie Holiday (Vo) 他 

* こちらは上記と同じ録音の米盤。ウイルソンとホリディが連名で表記。日米の録音の違いを是非お確かめあれ。(日本盤結構健闘しております)

16)  Ol' man river (from Showboat)  Bix Beiderbecke (Tp) & his Gang

 * ビックス・ベイダーベック(1903-1931)は1920年代サッチモと並ぶ人気を誇りながら早世したジャズトランペット奏者。この盤の鮮烈なトランペットの音色は蓄音器の時代の音は思えない程。ジャズファン・オーディオファンは是非御一聴あれ。

17) やしの木陰 (I.Albenitz)  Marcelle Meyer (Pf)

 * トリを飾るのはマイフェヴァリットピアニストと長年惚れ込んでおりますマルセル・メイエール(1897-1958)。20世紀前半に活躍した作曲家達「フランス6人組」の専属ピアニストとして高名ながらバロック作品も多数録音(どれも名演!)

以上のようなラインナップをCDに収めております。

「聴きたい!」と言う方は梅岡までご一報ください。

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次回の明日館 蓄音器コンサートは10月25日(火)19時から明日館で開催です。

「チェンバロ特集 其の弐」 

~チェンバロ復興はこんな音色から~

ドルメッチ・ランドフスカから始まるチェンバロ復興の一役を担った各チェンバロメーカーの音色を聴き比べ  (Pleyel Steingraeber Maendler Schram など)

お馴染みの本編終了後のお楽しみタイムも各ジャンル交えて演奏予定。

ご来場お待ちしております。

 明日館 蓄音器コンサート 公式HPはこちら

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