モダンチェンバロvsオリジナルチェンバロ
26日、昨夜の明日館蓄音器コンサート、第4回は「チェンバロ特集其の弐」と言う事で、20世紀初頭の世界的なチェンバロ復興の時代に活躍した演奏家達の貴重な演奏を聴き比べる為7種類のSPレコードを披露。まずは堂々の鳴りっぷりのランドフスカのPleyelモダンチェンバロからスタートするも、やはりチェンバロという知られざる存在を世の中に知らしめるためには強靭な音色と音量が必要と考えた彼女のアイデアのお陰で後世の世界的なチェンバロブームが巻き起こったと言えるだけの説得力を持つ演奏と楽器の音色でした(勿論ヒストリカルチェンバロとは全然違う音なのですが)。ランドフスカ系統の演奏家は皆同様に音量ある楽器を派手に弾きこなすダイナミックな演奏でしたが、片やドルメッチのようにオリジナル楽器を出来るだけ尊重するような姿勢の演奏家も結構いたようで、「もしやオリジナル楽器での録音では?」と期待する録音があるものの、意外にも演奏が荒く楽器の音色もランドフスカに比べるといかにも貧弱・・・、我々が期待するような「現代楽器には無い滋味溢れる音色」とは程遠い演奏にしか聴こえないが残念でした。もしかすると調整が不完全なオリジナルチェンバロを弾いたためなのでは?とか、当時はまだオリジナル楽器の研究が進んでおらずモダンチェンバロのような音色を参考に修復してしまったのでは?とかいくつかの推論が出たのですが今回も結論は出せず・・・。まだまだチェンバロ復興創世記の時代については謎が多く今後の研究を待つばかりです。
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