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30日、191歳のフォルテピアノ(Johann Georg Grober Insbruck 1820)がついに長い眠りから目覚め初の外出でその音色を披露。心配していた御高齢ピアノの運送も特別に誂えた多種の道具類が巧く役立ちチェンバロ並みの段取りで順調に完了。(ギリギリで車にも積みこめました!) これで日本全国どこへでも出動出来る目処が立ち頼もしい限り。
今日は何人もの奏者による試奏で9月3日の正式デビューコンサート前の最終チェックを実施、幸い運送しても調律はビクとも変化せず(これには正直驚きましたが)強靭なタッチの演奏にも涼しい顔で最後までダイナミックで艶っぽい音色を響かせてくれ、予想以上にタフなコンサート用楽器に仕上がった様で嬉しい限り。待望のお披露目コンサートの前後にもお客様の試奏タイムあり!乞うご期待!
29日、チェンバロ運送で出動、まだ残暑厳しいものの少しづつ秋の気配が濃厚になって来たのでは・・・。先日神戸の古本屋で発掘した大正15年(1926年)発行のピアノ技術書が今から85年前とは思えぬ興味深い記述満載なので少しご紹介。ピアノ以前の鍵盤楽器としてオルガン、クラヴィコルド、ハルプシコルド(当時の名称の方がスペルに忠実だった?)等を紹介するも当時まだ姿や音を知らないはずのクラヴィコードの存在を早くも重要視しているのが面白い。(ドルメッチのクラヴィコード録音の日本発売はだいぶ後の1933年) また「バッハはチェンバロやクラヴィコードでオクターブを一二の同距離半音程に分割して調律するラモの説に依る平均率を1722年初めて実際に採用、これは実に現今のピアノに於いても同様な音律なのであります」(要訳)という解説も興味深い。バッハの平均律クラヴィア曲集の調律法がラモ調律(という12等分平均律)からという説は初めて見たのですがこの頃はそんな説が一般的だったのか? 1709年クリストフォリによってピアノが発明(当時彼のピアノは米独の2台のみ現存との事でローマの楽器はまだ未発見だったのか)、その後バッハが弾いたシルベルマン、モザート(誰?)が賞賛・使用したステイン、ベエトーベエンが使用したブロードウッド、エラードなどピアノ初期の重要なメーカーを簡単ながら的確に紹介。同じ著者が1961年に同じタイトルで出版した技術書(私が昔勉強したのはこの版でした)では上記の解説が大幅に修正されており時代と共に参考にした資料が変わった様子。しかし1961年版にはバッハ平均率採用の直前までの約200年間はミーントーンの時代だったという凄い説が堂々と掲載されているのにはビックリ・・・(1926年版には逆にそんな乱暴な説は書かれていないのですが)。日本でウェルテンペラメント系の調律法が紹介されたのは平島先生の研究までほとんど無かったのか?(この辺りも研究しなくては・・・)
26日、地元での仕事の合間に久々に街を散策。まずはと長年通う蕎麦屋へ飛び込んでドンブリ鉢から溢れんばかりの豪快な蕎麦の懐かしい味を再確認。次は古本屋で大正時代のピアノ技術書、戦前の音楽評論家の重鎮・太田黒氏の音楽史本など貴重な資料を超安価で入手。果ては関西の某音大の80年史を眺めると何故かウチのチェンバロがカラーで掲載されており仰天し思わずこちらも購入・・・(これも300円と超安価でしたが)
今日は長年お付き合いのグループのリハーサルにオルガンを提供。オルガン界の大御所辻工房の最晩年の風琴をお持ちの教会に楽器を搬入すると舞台にはヴァージナルが置いてあり、今日はどなたが調律するのか楽しみにしているとまたしても「私」でした・・・。明日のコンサートの明細はこちら。 乞うご期待!
23日、まもなく初舞台という1820年生まれの6オクターブフォルテピアノ(Johann Georg Grober)、 現在出番前の最終チェック進行中。調整するごとに楽器が長い眠りから徐々に目覚めて来るのが判るだけに作業としてはとても厄介ながら非常に楽しい一時。今日は鍵盤を外して内部の僅かな隙間から響板の裏を覗いて健康診断。(ファイバースコープが欲しい!) 190歳のご老体ながら生気を取り戻したボディからは極上の芳醇な音色を醸し出してくれそうです。今度の公演、重要文化財の洋館での演奏も楽しみながら、オリジナルフォルテピアノをお客様自身が実際に弾ける貴重な機会でもあります。乞うご期待!
東日本大震災復興支援コンサート with 明日館
「フォルテピアノを聴く!見る!触る!」
第3回フォルテピアノコンサート (出演 筒井一貴)
& お客様によるフォルテピアノ試奏
2011年9月 3日(土)16時開演
場所 : 自由学園明日館 講堂
曲目 : シューベルト、フムメル、ヴィタセックなどの予定
使用楽器 : Johann Georg Grober (Insbruck 1820) オリジナルのフォルテピアノ
6オクターブ(FF-f4) 5本ペダル ウィーン式アクション
お客様の試奏タイムは 14時~15時 と 17時~17時半
料金 2500円(当日清算 試奏の方は別途カンパをお願いいたします)
申し込み bergheil69@me.com (筒井)
詳しくは専用HPをご覧ください。
★ 8月30日(火)17~20時半 同じく明日館講堂(銀杏の間)で
オリジナルフォルテピアノの本格デビュー前に試弾会を
予約制で開催します。(要カンパ)
詳しくは umeoka-gakki@nifty.com (梅岡) まで
20日、猛暑もひと休み。これだけ気温が下がればチェンバロもフォルテピアノも調律が随分楽。しかしどうせまた猛暑が戻ってくるのでしょうね。それにしてもここ数日の円高ドル安が凄い!これだけドルが安くなれば何か買えるのでは?とまたぞろ楽器収集好きの虫が騒ぐもMade in USAの楽器にはほとんど食指が動かないのが正直なところ。ユーロがドル程に暴落すれば嬉しいのですがね。今日「MusicMagazine」を購入し先日急逝した中村とうよう氏の最後の連載コラムを読んでみれば、今回の投身自殺がかなり以前から計画的だった事、コレクションの整理だけでなく最後の住居たるマンションさえも劇的な最後に備えて選んだなど遺言らしき文章をナントモあっけらかんと書かれているのには驚きました。心身共にまだ健在なうちに自ら幕を引きたかったのか・・・。40年以上に渡り多大な影響を受けた評論家だけに(民族音楽や大衆芸能の面白さを教えてくれたのは間違いなく彼でしょう)、突然のこの世からの退場は悲しいというよりは言い難い空虚感の方が大きいです。
19日、本邦チェンバロ界の中では、「実はチェンバロを始めたきっかけはレオンハルトでは無くグールドのバッハ作品(特にゴールドベルグ変奏曲)を聴いたため」という方が意外に多いのでは?私自身も子供時代にTV番組で見た彼の奇妙な演奏風景から虜になり、一連のバロック作品のレコード(ギボンズなんて彼の演奏で初めて知ったのですが・・・)や衝撃のゴールドベルグ変奏曲再録音(発売当時神戸では平島先生がこの演奏がヴェルクマイスターⅢの調律を使用のはずと力説されておられたのが懐かしいですが)を経て82年の突然の悲報まで彼は「同時代の貴重なヒーロー」であったのですが、そのグールドと彼がこだわり抜いたピアノとの格闘の歴史にスポットをあてた興味深い本が出版されたので早速入手。果てし無き楽器への執着、愛用器との離別の悲劇、有名な裁判事件の真相、最後に使った日本製ピアノとの出会いなど、今まで断片的にしか伝わっていなかった数々の伝説が詳しく紹介されており楽器技術者としても大興奮の一冊。ところで以前から疑問に思っているのですが・・・。グールド以前に他のピアノ演奏での「ゴールドベルグ変奏曲」が日本で知られていたのでしょうかね?もしかしてランドフスカのチェンバロ演奏のみ? (この曲は日本でも昭和初期にはもうバッハの究極の名曲として神格化されているので驚くのですが)
18日,本来なら今日から都留音楽祭で毎夜皆さんと楽しく酒盛りしているはずだったのですが、今年は中止となってしまい20年振り?に静かなお盆明けとなった次第。新宿で通りがかりにまもなく移転という落語充実のお店を覗くとかねてから捜していたCDを発見。上方落語の中では味のある話芸ながら酒乱の武勇伝の方が有名という古老(もう先代となってしまいましたが)がラジオ収録(それも某国営放送だったとか)の高座に泥酔状態で上がってしまい(酔っぱらった原因も面白い逸話なのですが)最初は何を言っているか判らない程無茶苦茶ながら次第にまともなしゃべりになって行くという伝説の録音(よくそんなもの発売出来たと思いますが・・・、流石にヘベレケだったという冒頭はカットされてましたが)をやっと入手。こんな盤は珍盤大好きコレクターには堪りません。 先日の蓄音器コンサートで掛けたJazzのC・パーカーの盤でも、薬のやり過ぎで御大虚脱状態のまま行った録音が、その虚勢を一切排したシンプルな演奏(ただそれしか吹けなかっただけだったのですが)が名演として後世に語り継がれている・・・などどのジャンルにも「迷録音」の盤は結構ありますね。古楽にはそんな強烈な録音はあまり聞いた事が無いものの(?)、先日特集したドルメッチのクラヴィコードでの平均律初録音のSP盤は堂々とお仲間に入れるのでは・・・。(初めて聴いた皆さんその演奏のトンデモ振りにのけ反っておられましたね)
16日、お江戸の北隣のホールでの合唱公演にオルガンで出動。夜公演ながら搬入が早く昼時は慌ただしいかも?とランチ(朝食?)は赤羽で早朝9時から開店という鰻屋で暑気払いに「モーニング鰻重。」 (ここの鰻重は1000円からと安価) 元々は鰻屋ながら今は朝から呑める居酒屋として超有名なこのお店、鰻重注文しても「飲物は?」と聞かれ「お茶!」と言うと店員に怪訝な顔されました・・・(汗)。朝から満員(すぐ後には行列出来てました)のほろ酔い客に交じって食事と言うのも落ち着かないモンです。
会場にオルガン搬入するとホールから「お上からの厳しい節電指令のため(15%節電の絶対命令とか)空調は弱めでリハは作業灯しか点けません」とのお達しが・・・。温度には敏感なオルガンにはナントモ過酷な条件でピッチを安定させる事が全く困難な中、幸い今日の共演相手が電子楽器だったのでいつもと逆に相手がこちらのピッチに簡単に合わせてくれたのでホッ。(ワンタッチでピッチ調整出来るのがアリガタイ) しかし古楽器には辛い「節電指令」、いつまで続くのでしょうかね・・・。
今年3月11日に起こりました東日本大震災は東北を中心に多くの犠牲者と甚大な被害を生みました。我々チェンバロ業界でも2人の製作家が工房全壊という大きな痛手を被っていた事が後日判明いたしました。(1人は工房・住居全壊、現在建物や地盤等の大規模な修理で活動再開を画策中。もう1人は工房・住居全壊、現地での再開を断念し他県に工房兼住居を移転準備中)そこで被災し製作活動が困難となってしまった仲間を少しでも支援しようと「東日本大震災で被災したチェンバロ製作家を支援する会」(発起人 佐藤俊二・久保田彰・梅岡俊彦)を設立いたしまして、チェンバロ技術者を中心に業界の方に一口5000円からという支援の募金を6月より呼び掛けておりました。(今回の支援は特定の業界の仲間への支援と言う事で広範囲への呼びかけはせずに関係者のみへの支援の呼びかけとさせていただきました) 幸い多くの仲間の賛同を得まして最終的に「117口・585000円」もの募金を集める事が出来まして、早速集まりました募金を被災した製作家お二人にお届けいたしました。(8月11日に募金は締め切りました) 発起人としましては、ご協力頂いたチェンバロ界の方々に深く感謝する次第です。また一日も早くお二人の仲間が工房を再建し再び製作活動が出来る事を切に願っております。
14日、昨日に続きハマの老舗ホールでの合唱団公演に出動。駅から近いものの急な坂の上にあるホールだけに猛暑の中お越しのお客様は皆さん汗だくで入場のはず、今日は満席との事で場内はさぞかし熱気ムンムンで舞台上も温度が相当上がるはず!と読んでチェンバロ・オルガンの調律をするも何故か開場後も温度はそれ程上がらず・・・。外に出て見るとあまりの猛暑にお客様の大半は至近距離ながら歩かずにタクシーでお越しになった様子。舞台から客席を見ても扇子や団扇であおぐ姿があまり見えなかったのもそのせいだったとは・・・。流石満員なので途中で舞台上の温度は予想通りになったものの最初珍しく読みを誤ったのかと舞台裏で冷や汗搔いた次第。
8月13日現地時間15時から行われていたブルージュ古楽コンクールのファイナル、早速結果がHPにアップされました。
1ste prijs / Prijs van de provincie West-Vlaanderen:
Anne Freitag (DE) - traverso
2de prijs: Myriam Rignol (FR) - viola da gamba
3de prijs: Lucile Boulanger (FR) - viola da gamba
Eervolle vermelding: Toru Yamamoto (JP) - cello
Publieksprijs: Myriam Rignol
EUBO-prijs: Anne Freitag
今年のブルージュ古楽コンクール(今回はトラヴェルソ・ヴァイオリン・ガンバ・チェロの4種類の旋律楽器のみ)のセミファイナル(8月11日)の出場者が公式HPにアップされました。 1次突破15人中フランス勢が6人と大健闘。日本人は2人、木下ケイコ(トラヴェルソ) 山本徹(チェロ)両氏がセミファイナル進出。(いつもより日本人が少ないのが寂しいですが) まもなくセミファイナルの結果が出る予定。
ところで来年2012年はチェンバロ部門を開催との事(前回からまだ2年なのに・・・) 審査員には来年も御大レオンハルト氏が参加予定とありますが、もしかして御大の御歳を慮って1年前倒ししたのか?(あながち冗談とは言えない気が・・・)
10日、猛暑の中東京の北隣のホールでのリハにオルガンで出動。途中板橋でふらりと入った蕎麦屋で注文した「大もり」、上手く蕎麦を手繰らないと山がドンドン崩れるピラミッド盛り(多分3人前)にはビックリ。御年配のお客ばかりの落ち着いたお店なのにデカ盛りブームに参入するのは何故?。(これで650円!蕎麦好きには大歓迎なお店なのですが・・・)
楽器搬入後すぐにリハ開始希望との事で現場での調律は無し、事前にスタジオで調律し炎天下車にオルガンを積み込んで運送するも普段の運び方ではとても調律が持たないはず・・・(特に今日はピッチも調律法も指定ありで普段よりシビアな条件でしたし)。それではと車を保冷車に変身すべく秘策を練り何とか冷えたまま楽器をホールに搬入する事に成功。
9日、試行錯誤しながらも調整が進み何とか出陣体制が整ってきた190歳のフォルテピアノ、今日はチラシ用にとスタジオ内の楽器を無理やり片寄せ苦心惨憺しながら楽器の全景を撮影。(音の仕上がり具合と比例して姿に風格が出てきたような気が・・・) ニュースでCD販売大手のWAVE倒産を知るもこのご時世では仕方無しかも・・・。(先日CD屋危なしという話題をしたばかり) WAVEと言えば昔の六本木店のユニークな品揃えを懐かしむ古楽ファンは多いのでは?私も関西から六本木までCD漁りにワザワザ通ったものでした。(今やあの跡地周辺は絶対近付かないエリアとなってしまってますが) ネット購入が嫌いな身としては早急に古楽系CDを漁るお店を新規開拓しなければ!(品揃え充実のお店などまだあるのでしょうか・・・)
8日、長い眠りから覚めいよいよ出番(9月3日明日館でのコンサート)が迫ってきた1820年製6オクターブのフォルテピアノ(Johann Georg Grober)の調整の1日。190年もの様々な遍歴を経て生まれ故郷から遠き極東の地に辿り着いた楽器との対話は、楽しいながらもいつまでも出口が見つからない迷路のよう。初登場のコンサート是非ご期待ください(コンサート前後にお客様の試奏タイム有り)
6日、 昭和初期の我が国での古楽ブームを検証するシリーズ、今日はラジオ放送でのチェンバロブームを紹介。古くはラジオ放送開始(大正14年/1925年)まもなくの昭和2年(1927年)にバルナーという演奏家のCembalo演奏をラジオで放送した模様。ただこれがレコード再生なのか生演奏だったのか、また演奏家の素性などが全く不明。生演奏だとすると相当早い時期に日本にチェンバロが来ていた事になるも他に全く記録が無く時代的にも可能性が低いのでは・・・。レコードとしてもバルナーというチェンバロ奏者は見た事も無いのですが・・・。もしかすると先日紹介した仏蘭西の重鎮Paul Brunoldの事なのかも?(スペルからするとバルナーと読めるかも) 次に昭和7年にオーストリアから来日したチェンバロ入りの「シュナイダートリオ」が大阪公演の前に大阪のラジオ局に出演。このグループはどうも約1カ月半以上は日本に滞在していたようで大阪以外にも公演していたと思われるもまだその足跡は未発見(どなたかご存じでしたらご一報を!) 東京公演位はあったのではと推測しているのですが・・・。昭和12年には神戸在住のスイス人レネ・フランク氏とヴィオラダモーレのエマヌエル・ムーラ氏が大阪公演の前に大阪のラジオ局に出演。そして昭和13年に大阪で活躍中のピアニスト永井静子女史がハープシコードで大阪のラジオ局に出演との記述を最近発見。(どんな楽器を使ったのか?) 昭和16年にエタ・ハーリッヒ= シュナイダーが来日し本格的にチェンバロでの活動を開始するも、チェンバロリサイタルは東京での2回の公演の間に京阪神で3回も公演を開催するなど関西でも大人気だった模様。ラジオ出演もリサイタル直後の東京のラジオ局出演に続き11月に大阪のラジオ局で朝比奈隆(Vn)と共演。(ラジオ出演のためにチェンバロを東京から運んできたのか?) どうも戦前は東京よりも大阪の方でチェンバロが活躍していた様子。
5日、ウチの楽器陣の中では一番古株のチェンバロを久々に調律。空調完備という一軍扱いでは無く倉庫での二軍生活という楽器は夏の湿気を吸い込みピッチが15Hzも上昇、調律が少々手間取るも鳴りっぷりは上々で一安心。訪問先の会場でCD販売のN氏と偶然遭遇。いつもは古楽コンクールや各音楽祭などで頻繁に顔を合わせる筈が今年はどれも中止となり久々のご対面となった次第。もしかするとお会いするのは今年最後かも?と別れのご挨拶は「良いお年を」・・・。地震のお陰で随分寂しい一年となりそう。
最後に東日本大震災復興支援コンサートwith明日館、7月8月に開催しました公演で集まりました募金は合計65719円となりました。今日、自由学園明日館を通じまして義捐金として寄付させていただきました。皆様のご協力に感謝いたします。
4日、池袋明日館でのフォルテピアノによる復興支援コンサート第2回はワルターモデルが登場。小ぶりな会場だけに至近距離で味わうフォルテピアノの音色は迫力満点(特に低音の豪快さは特筆ものでした)。1921年築という重要文化財の建物の贅沢な素材の内装が豊かな音響の源には違いないものの(修復時に大正時代の漆喰壁の技法を忠実に復元したとの事)、聞けばこの部屋だけ90年前の床材で使える部分を丁寧に集めて張り込んだ床だそうで、壁天井床すべてが贅を尽くしただけにそこらのホールでは味わえないようでダイナミックで芳醇な音色を存分に堪能出来た次第。今回も試奏希望者が結構お越し頂いたので復興支援のカンパも予想以上に集まりました。ありがとうございました。このシリーズ第3回は9月3日(土)14時から(夜ではありませんのでお間違いなく!) 1820年製のオリジナルの6オクターブフォルテピアノJohann Georg Grober (Insbruck)が初登場! 190年前のピアノに触れる貴重な機会ですのでお聴き逃しなく!(お弾き逃しなくと言うべきですね)
3日、明日に迫った東日本大震災復興支援のフォルテピアノコンサート(池袋明日館で19時開演)、今回は5オクターブ半のワルターモデルが登場予定。特別企画として、いつもは遠くから見るだけのフォルテピアノを間近で見るだけでなくお客様自身で弾く事が出来る「試奏タイム」を設けておりますので「一度は生のフォルテピアノを弾きたかった!」という方には楽器に触れられる絶好の機会です。試奏タイムはコンサートの前後17時~18時と20時~20時半。(試奏には支援カンパをお願いしております) 1921年建築の洋館(重要文化財)で鳴らすフォルテピアノの音色は現代のピアノと全く違った格別の趣きを味わえるはず・・・。皆様のお越しをお待ちしております。
2日、明日館での蓄音器コンサート無事終了。ランドフスカと同時代に英仏米などで活躍したチェンバロ奏者達の珍しい演奏の聴き比べはその演奏スタイルや使用楽器、録音などの違いがはっきり認識出来て我ながら貴重な体験に。「もしかすると録音史上初のオリジナルチェンバロでの演奏では?」と注目の仏国の大御所ブルノールの演奏盤での「使用楽器はオリジナルかモダンか?」の判断は皆で審議するも残念ながら結論は出ず。(当時は録音によって音色が相当左右されるようです) 本編終了後の「お楽しみタイム」ではエルマン(Vn)やカルーソー、シャリアピンなどのSP盤時代の主役からタンゴやジャズ(相変わらずCパーカーのSavoy盤が人気)など多彩なジャンルをリクエストを交えて演奏、おまけに演奏家当てなどのクイズもあり盛り沢山の楽しい2時間でした。(SP盤に録音しながらまだ存命の日本人歌手は誰?というクイズまで飛び出しましたが誰か判りますか?) 次回(まだ時期未定)の蓄音器コンサートは昭和初期のガンバ演奏の特集を予定中。また明細決まりましたらお知らせいたします。乞うご期待!
なお、このコンサートの収益は東日本大震災の復興支援のために寄付させていただきます。
第2回 ~知られざるチェンバリストたち~ チェンバロ奏者はランドフスカだけじゃない!昭和初期の日本で知られていたチェンバロ奏者たち 2011年8月2日(火) 自由学園明日館 Room1925 19時開始 (18時頃から蓄音器を鳴らしておりますので早めにお越しいただいても結構です) 出演 梅岡 俊彦(音盤解説) 料金: 2000円(当日精算) 蓄音器: 英国EMG社MarkⅨ(1930年) 主催・連絡先 目白古楽ネットワーク 共催: 自由学園明日館 重要文化財 明日館 HP
〒171-0021 東京都豊島区西池袋2-31-3
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