日本古楽界の源流を探る(21)
2日、昭和初期の日本での古楽ブームを検証するシリーズ、今日はレコード音楽雑誌「Disques」昭和10年(1935年)12月号を紹介。この時代広告には蓄音器やレコード売買、クラシック喫茶などの広告の多さに驚嘆。世の中大分キナ臭くなっている割にはまだまだ音楽を楽しめる風潮は衰えていなかった様子。冒頭特集はメンデルスゾーン。そして初来日直前のピアノの新鋭(この時代はもう中堅かも)ケンプのモーツァルトとベートーヴェンの新譜紹介。
この号の話題は何と言ってもヘンデルの生誕250年記念という(バッハと共にヘンデルもそうでした)「救世主(メサイア)全曲」の発売。レコード会社も巻頭広告に大きく掲載しているのでその話題性の高さが伺えます。
紹介記事でも「到頭、待望の「メサイア」全曲が日本プレスされることになつた。このコロンビアのヘンデル「救世主」全曲十八枚は、ヴィクターのバッハ「ロ短調彌撤」全曲十七枚と共に、レコード音楽の二大作として、何時になつたら日本盤で聴けることかと、此の方面に関心を持つ人々には、一つの大きな?であり、待つ事久しいレコードであった~」とその発売への興奮を隠しきれない様子。(9ページの大特集!) しかし解説の中でこの録音にはチェンバロが入っていないとの指摘もしており古楽器的な編成への期待を伺えます。 しかし18枚組のレコードとなると相当高額なはず、一体どの位売れたのでしょうか・・・。(しかし売れる目処が無ければレコード会社も宣伝しないでしょうし)
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