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2011年3月13日 (日)

神戸の人間として思う事

13日、まだまだ全体の被害状況が判らない状態ながら今回の地震は昭和以降最大規模の災害であることは間違いないでしょう。私が体験した阪神淡路大震災(被災地の真ん中にいたのですが)はまだ徒歩で移動出来る大阪の街が今の東京のように比較的被害が少なかったので、多くの被災者が安全な場所への避難も可能でしたし救援活動もすぐに始まりました。(それでも状況の悪化を懸念して一旦は遠方まで自力脱出しましたが) また援助物資が届くようになってからはライフラインが寸断されていた自宅で(電気は一週間で回復したもののガスは数ヶ月ストップ)直後から何とか生活をする事が出来ました。被害の地域が今回より極端に狭く安全な地域への避難や移住もそれほど困難では無く、多くの人は早くから被災地で居住しながら時間を掛ければ職場への通勤も可能という状態でした。それでも復旧に相当の労力と時間が掛かり多くの被災者の方が長期間忍耐と苦労の日々を過ごした事を忘れる事が出来ません。私は楽器倉庫は全壊ながら自宅も残り楽器も無事でしたので(瓦礫の中からチェンバロを救出した話は有名かもしれません)すぐに仕事に復帰する事が出来本当に幸運でした。今回の災害は被害のエリアが余りにも広範囲で16年前の震災とは比べ物にならない程の規模になることは確実でしょう。阪神淡路大震災の際の何倍もの困難さと時間を伴う復旧活動になると思います。まずは我々が今後何が出来るかを冷静に考え被災者の皆様への援助等を行っていかなければと思います。(音楽の力でどのような援助が出来るかを考える事も重要でしょうか)

日本の音楽界へも相当な影響を与えることになると思います。まず公演中止が多発(私もすでに2公演中止となりました)、それも最初の現実的な理由での中止から次第に震災への配慮として全国での通常公演の中止へ移行し、鎮魂や慰霊、被災地支援、義捐金募集のような震災関連の公演でないと開催しにくくなる雰囲気になるのではと思いますが阪神淡路大震災の時は私は被災者だったので当時の東京の状況は全く知らないのですがどうだったのでしょうか?ただ前回の際は遠方の関西の話でしたが、今回は東京のすぐ周辺を含めた地域での大災害ですのでもう傍観出来る雰囲気では無いと思いますが・・・。古楽の音楽が今後震災救援・復興という大きな動きの中でどのようにリンクして行くべきかが我々の今後の大きな課題になるかと思います。被災地の音楽関係者の方が活動を制限されることは当然として、全国の音楽関係者がすべて何らかの大きな影響を受けることは間違いでしょうし、それが過去に例の無い程の長期に渡る可能性が高いことを覚悟しなければいけないと思います。

阪神淡路大震災の被災者の1人としては(私は幸い被害は少なかった方でしたが)今回の震災の規模の巨大さとあまりの被害の甚大さに驚き、その後の復興の困難さを存分に感じています。私の経験が少しでも今回の震災援助や復興のお役に立てればと思っております。

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