デュルケンのフォルテピアノ
11日、先日元所有者のMビルソン氏と劇的な再会を果たした我がフォルテピアノ。89年の来日公演(共演はビルスマ氏)の際に米国から運ばれ現在は私の元でコンサート楽器として活躍中ですが、そのモデルの明細が実は良く判らない・・・。この楽器ワシントンのスミソニアン博物館にあるオリジナルピアノのコピー(80年代まではAシュタイン作の楽器と思われていたのが調査で贋作と判明、現在はデュルケン作として表記)、先日のビルソン氏レクチャーの際に提供された資料(筒井はる香さん解説)では 「デュルケン(1761-1835) はフランドル地方出身の製作家。アムステルダムで父からチェンバロ製作を学んだ後、1783年頃にパリへ転居した。この時名前をJohann Lodewijk Dulckenからフランス語名Louis Dulckenに改名した」との事。しかし別の資料では「アムステルダム生まれ、1781年にミュンヘンに移り住み工房を開設」とある。先日直接マエストロに伺うと「この楽器はミュンヘンのルイ・デュルケン作」と断言されてました。(今後はマエストロに従ってこの表記にする予定) 実はオリジナルの製造年もスミソニアンでは1788年 Jean-Louis Dulcken作(Munich)と表記、しかし他の資料では1794年や1795年などマチマチの様子。現在少しづつ調査中です。 そう言えばこのThomas&Barbara WOLFというアメリカの製作家夫婦によって作られた楽器は製造年も不明でして、先日マエストロに伺っても「80年頃だったっけ?忘れたよ」と言われてオシマイ・・・。彼が所有していた頃にモーツァルトPfソナタ全集の録音で使用したとかでもしかするとそのCDに楽器の明細が掲載されているかも。どなたかナクソスのCD全集御存じでしょうか?
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ソナタ全集第二巻には、以下の表記がありました。
Thomas & Barbara Wolf, Washington 1979 after Louis Dulcken, Munich, 1790
投稿: maruta | 2010年10月12日 (火) 10時37分
ビルソンさんのCD持ってます。
解説書によると、CD6枚のうち3、4枚目がその楽器で録音されているそうです。
「Thomas & Barbara Wolf, Washington,1979 (after Lois Dulcken Munich, after 1790)」
となっています。
投稿: 河野美砂子 | 2010年10月13日 (水) 14時02分
ときどき客席からお姿拝見している者です。
ビルソン氏の、Hungarotonでの全集ですよね?手許の全集ボックスでは「Thomas & Barbara Wolf, Washington, 1979 (after Louis Dulcken Munich, after 1790) CD 3, 4」と記載があります。
CDで聴く音は、タッチによるのでしょうか、ずっしり重めの音で、ベズイデンホウト氏のコンサートで使われたのと同じ楽器とは気づきませんでした。
投稿: 落花あめ | 2010年10月20日 (水) 22時42分