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2010年10月24日 (日)

日本古楽界の源流を探る(3)

Disque_8今日は「Disque」誌昭和8年6月号を紹介。

Disque_82 まずページをめくると最初の広告がドルメッチのバッハ四十八協會レコードとは驚かされます。先月号での平均律特集を受けてコロンビアレコードが早速大宣伝を開始したのでしょうが、一体この宣伝で日本国内何枚のクラヴィコード演奏のレコードが売れたのでしょうか?(私も簡単に入手出来たところを見ると相当出回ったのかも・・・)

Disque_9この号の目次を見るとやはりバッハ関連が圧倒的に多い。冒頭はベートーヴェンの新しい第五交響曲録音(ワインガルトナー指揮ロンドンフィル)の紹介。(運命の新録音が話題になるとはのどかな時代) 続いてバッハの第二ブランデンブルグ協奏曲の紹介。いきなり「バッハの六個のブランデンブルグ協奏曲が音楽史上に於て有する位置及びそれ等の内容に付いては今更喋々する迄もあるまい」との文には驚嘆(昭和8年ですよ!) 次にバッハの二つの協奏曲の紹介。ピアノ協奏曲(1番Dmoll)は名手エドウィン・フィッシャー演奏。ヴァイオリン協奏曲(2番Edur)はミッシャ・エルマン演奏。バッハ盤紹介の最後は「音楽の捧物」。バッハがポツダムの宮殿でプロシアのフレデリック大王との遭遇した時の数々のエピソードが詳しく語られ、中には「ジルバァマン(Silbermann)の造ったピアノを試演したことなども紹介されておりました。(さすがにまだフォルテピアノという分類は無かった模様)

Disque_10巻末の特集がナント「古楽器に依る古典器楽曲のレコード」。冒頭に古楽の器楽演奏の定義が長々と説明され「古楽器俗曲、略して古曲とは、十六七世紀に於ける器楽の復活時代より始まってパーセル、コレルリ、ラモーを経てヘンデル、バッハに至る器楽を指すのである。時代をヘンデル、バッハに於いて終焉せしめたのは、この二巨匠に於いて音楽が一つのクライマックスに到達したとの見做すが故である」との文章で始まる紹介文には、「ヴァイオールは前期の代表的な楽器ながらこれは素人の楽器である・・・」(その背景と何故素人といったのかなど相当のページを割いて詳しく解説していますが)というガンバの紹介、「ヴァージナル、スピネット等はどちらかと云えば素人向きであり、ハープシコードに至って専門的となり、ピアノフォルテに至って最もヴィルチエオソ的となった。(古典時代にはピアノは未だ完全なる楽器として存在しない)といった鍵盤楽器の紹介(現在で言うフォルテピアノの記述があったのには驚きでした)、他には木管楽器としてレコーダー(こう呼んでいたようです)や金属楽器としてトランペット、ホーン、コルネット(!)と多彩な楽器を紹介。中には「この時代の人々は音色の持つ特異性に対して異常に敏感性を有していたらしく。例えばリュートとヴァイオールとは恋愛音楽用に(凄い!)、ホーンは狩猟用に、トランペットは戦闘用に、レコーダーは超自然的に、コルネットは悲劇用にこれを使用したと記録せられている」との大胆な分析も登場。

Disque_11巻末には「バッハ四十八協會」日本支部設置の案内が。この時期ドルメッチの平均律演奏には相当な関心が集まったようで「この音楽をピアノで研究なさる方は格別として、我々デイスク愛好家の鑑賞の上から申して、元型の真の姿で、然もピアノよりよほど表情豊かなクラヴィコードによる、この四十八を推薦したいと思ふのであります」との今でも過激に思える推薦文が掲載されております。日本でのクラヴィコード第一次ブームは昭和8年と言ってよいのでは?

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