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2010年8月 6日 (金)

パリチェンバロ工房訪問

20_4  6日、パリ到着後はチェンバロ工房2件を続けて訪問。まずはオリヴィエ・ファディーニ氏(ミラノの重鎮エミリア・ファディーニ女史の甥とか)の工房を訪問。チェンバロ製作家ながらフォルテピアノやアンティックピアノの収集・修復にも精力的で、特に今年のショパンイヤーで注目が高まるプレイエルピアノのコレクションが素晴らしい!オリジナルの状態を丹念に研究し慎重に修復された彼のプレイエルは他で聴いた同時代のプレイエルとは全く違った魅力的な音色を持ち、その秘密はハンマーの素材だよとの事。(他にも秘伝が色々ある様子) またマジョルカ島滞在中に愛用していたアップライトの小さなプレイエルの表現力の豊かさにも驚嘆。(ピアノーラというタイプの魅力を彼は熱く語ってくれましたが) 他にもオリジナルのフォルテピアノやチェンバロ(!)もお持ちの様子でナンとも羨ましい! 最近製作中のチェンバロはブラス弦とガット弦をミックスした不思議なチェンバロを拝見(修復したオリジナルのコピーとか) そう言えばミラノのレステッリ氏とは旧知の仲だそうですね。国をまたいでハイレベルの製作を競い合っておられる様子。

次に名工アンソニー・サイディの工房を訪問。中々頑固な方で滅多に面会してくれないと伺っていたものの(私も以前に何度か断られましたが)今回は幸いにも工房訪問の許可が出たので勇んでパリ中心街の下町にある工房へ。しかし面会はたった30分のみ、見れたのは最近レオンハルト氏がパリ公演で使ったジャーマン(ここ10年位多数の演奏家がCD録音で使っている人気楽器ですね)のみ。結局工房の作業場には入れてくれず少々残念。しかし噂のジャーマンの気品溢れる作風と驚くほど遠くに届く芯のある魅力的な音色には驚嘆。トップの演奏家に人気なのも納得でした。(でも彼の楽器は驚くほど高額なのですが) 工房には何故かフォルテピアノやアンティックピアノ、そして骨董品などが溢れており古い物への愛着が相当高いご様子。

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