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25日、昨日に続き福島県いわきのホールでチェンバロ2台の調整の1日。開館2年目のこのホール、この秋から毎月開催という意欲的なチェンバロシリーズ(レクチャー&コンサート)がスタート。出演は10月山名敏之、11月辰巳美納子、12月西山まりえ、1月崎川晶子、2月上尾直毅、3月北谷直樹と国内外の実力者が次々に登場の予定。明細が決定次第ホールHPで発表とのこと。遠方の方も「温泉」(ここは例の映画フラガールの舞台)&「海の幸」(小名浜港の新鮮な魚美味し!)&チェンバロという豪華3点セットの旅はいかが?(東京から車でたった2時間強ですよ!)
日本中を寝不足にしているW杯、優勝候補のイタリア、フランスが早々と姿を消してしまう番狂わせ。W杯で思い出すのはちょうど4年前のドイツ大会開催中にイタリアのグループとツァーでしたが、サッカー狂のメンバーは公演後に毎晩TV観戦で大騒ぎ。最後母国が優勝したらメンバーの1人は嬉しさのあまりにこんな彫り物まで・・・。我々は「もし決勝戦負けたらショックのあまり次の日演奏してくれないのでは?」と戦々恐々でした。今は不機嫌な外人には近づくな!かも。
24日、東北ながら東京から車でたった2時間強で着いてしまういわき市(近い!)のホールでチェンバロ2台の調整作業。数ヶ月前ドイツでそのド迫力を存分に堪能した16f付きチェンバロ、ホールご自慢の楽器もその豪快な鳴りっぷりは相変わらず(コンサートの出番が少ないのがナンとも残念なのですが)。チェンバロファンは機会があれば是非その独特の音色を味わって頂きたいものです。(この秋からチェンバロのシリーズ始まるのでお楽しみに!)
今日は泊まりとなり早速夜は地元の食文化研究へ。こちら名産のメヒカリの唐揚げ美味し!いつもなら深夜まで呑み屋で研究を続けるものの今日は深夜(明け方)に目が覚めるかもしれないので(何故?)早々と退散。
23日、イギリスの弦メーカーに注文していたフォルテピアノ用弦がやっと到着。今までドイツのチェンバロ部品販売会社を通して購入していたものの、最近の余りの対応の遅さに今回初めてイギリスのメーカーへダイレクトに注文。しかしメールを送ってもこちらも返事は遅く、やっと荷物が届いてみると弦の数が足りない(怒)。「数が足りないようですが」と連絡すると「郵送費節約のために2個口に分けて送ったんだよ」と聞いてない話を急に言い出すし・・・。これは弦を入れ忘れたんだなと「早く残りを送ってね」と連絡し待つこと一週間。今日やっと残りの弦が到着、調べてみると2個とも同じ日に発送してました。どうやら日本の郵便局で1個が迷子になっていた様子。道理で郵便配達人が渡す際にモゴモゴ釈明のような独り言を言ってました。今回のトラブルの原因は絶対ミスをしても謝らない英国紳士(笑)のせいだと思い込んでいたものの悪いのは日本の方、早速「ゴメンナサイ」とメールを送付。もう日本の組織は昔ほど信頼出来ないのでしょうかね。
21日、梅雨入りするもまとまった雨が続かず本格的な湿気は未だ到来せず?外で湿気を吸い込んだ楽器も落差激しく例年より不安定かも・・・。(皆さん湿度計に目を離さないように!) 今日は久々にウチの古典的オーディオであるラッパ式蓄音機を引っ張り出して整備。今から80年前の原始的なアコースティック再生(電気増幅無し!)の機器ながら最新オーディオを上回るリアルな音色が魅力です!現在この蓄音機での20世紀初頭の古楽器演奏のSPレコードの鑑賞会を企画中、また明細が決まりましたら情報アップいたします。今日はSP盤でランドフスカのモーツァルト「トルコ行進曲(チェンバロ版)」やガンバ、クラヴィコードなどの音源チェック。(すぐに聞き惚れてしまったのですが・・・) 100年前の貴重な古楽器演奏を味わうという至福の体験をご期待ください!
20日、リハーサルで赤羽へ。楽器搬入前に呑み屋激戦区の赤羽駅周辺を散策。朝9時から開店という呑み助には天国のような某有名居酒屋の前を通りがかるといつもの大行列が途切れているのを発見し早速入店。
満員の呑み屋に勇んで入ったものの仕事前に呑む訳にもいかず注文は・・・鰻重(ここは何故か元は鰻と鯉の専門店!)。カウンターで腰をすえて旨そうに呑んでおられるオジサマ達に囲まれながら酒無しで頂く鰻も中々オツなモノ・・・(やっぱり居酒屋で酒無しはツライ!)
今日のリハーサルは珍しく20世紀作品ショスタコビッチでチェンバロを使用。最高音g3まで必要とのことでウチの中で唯一モダンピッチでg3を持つデカイタリアンが登場。それにしても不思議な曲、一体どんなチェンバロを想定していたのか・・・。
11日、初台にワルターモデルのフォルテピアノで出動。今日は丹野めぐみフォルテピアノリサイタル第1夜。共演は三浦英治(バス・バリトン)。WF&CPEの息子バッハ達からモーツァルト・ベートーヴェンまで初期ピアノ作品のフォルテピアノソロと、三浦氏(力強く甘い美声が素晴らしい)とののモーツァルトやシューベルトの歌曲を演奏。コンサート冒頭ではA・V・Parys(1975~)が今年作曲したフォルテピアノのためのソロ曲が登場。丹野さんが作曲家に問い合わせたところ多分今日の演奏が世界初演ではとのこと。この曲は8月のブルージュ古楽コンクールの課題曲。(ナンかやたら弾きにくそうな曲でしたが・・・) コンクールでこの難解な曲を皆さんどんな味付けをするか楽しみ。しかしフォルテピアノコンクールの課題に現代曲が出るとは時代が変わりましたね。
9日、先日まで伊国怪僧一座の公演で変形ミーントーン調律だったポジティフオルガン、今日は平均律での出番なので調律を変更。先日の公演で一座から指定された調律法「1/6SCミーントーン」は11個の5度がヴァロッティ等の1/6PCとあまり違わず(少し広い程度)、1箇所ミーントーン特有のウルフ5度あり、純正5度と純正3度は全く無しという皆さん御馴染みのアロンのミーントーンやヴァロッティなどとは形状がかなり違うものの、転調がかなり可能な上に初期バロック物にも相性が良いスグレモノ。先日の公演でもリュートなどとのアンサンブルでもキレイに合わせてましたね。あの地中海風にも南イタリア民謡風にも聴こえた彼らの妖しい旋律の隠し味だったのでは?
6日、伊国怪僧一座の来日ツァー今日の西宮で千秋楽(今回はたった3公演とは残念・・・) 久々に路上朝焼け鑑賞。湖畔に昇る朝日を眺めながら西へ移動。
今回の鍵盤2段積み、お客様の中には一体型の不思議な楽器に思われた方が多かった様子、(そういう楽器もあるのですが) イヤイヤ、ただポジティフオルガンの上にチェンバロを積んだだけでした。(積むのも調律も実は結構面倒なのですが・・・) 個人的には2台の楽器を自在に操る即興の達人グイド氏の演奏をもっと聴きたかったのですが(今日は少しソロ弾いてましたね)
怪僧一座、今日も自由奔放な演奏で関西のお客を大いに沸かせていた様子(最後手拍子まで出ました) 舞台を取り囲む客席と見るやすべてのお客に向けて満遍なく歌い演奏する一座のサービス精神には脱帽。
今回の舞台で一番受けたのは実は新人パーカッション奏者のアンコールでのヴァイオリンの弾き唄い!太鼓同様妖しい地中海風味の旋律を奏でる激しいヴァイオリン演奏には皆さん驚かれたのでは!その凄まじい音色が実はモダンエレクトリックヴァイオリンのアンプラグド演奏だったのにはビックリ!今回も濃厚な南方伊国音楽を堪能させてくれた怪僧一座、次回の来日はいつ? ところで今回の調律は演奏家の希望で1/6ミーントーンでした。純正は3度も5度も無く(増4度が純正!)結構転調自在ながらミーントーンテイストが出るというスグレモノ。妖しい響きの原動力だったのでは?一度お試しあれ。
4日、今日から2年振りの来日という伊国怪僧一座のツァーがスタート。まずは初日銀座のホールに出動。今回も演奏家からのリクエストでチェンバロとオルガンの2段積み。
今回の編成は主役の怪僧歌手と即興鍵盤奏者の2人の他は擦り系(前回はEガッティ氏など2Vnでした)は不参加、ハジキ系(リュート・テオルボ・ギター)の3人と新人パーカッションの6人編成。この若手パーカッションが今回大活躍!ノリの良いリズムを醸し出してくれる他にアンコールでは意外な演奏でビックリさせてくれました(これは聴いてのお楽しみ!) 相変わらず南イタリア風(地中海的?)なしっとりとした妖しい調べと土着的でリズミックな演奏を絶妙に配列した濃厚な2時間。明日は三鷹で17時開演(まだチケット少しあるとか・・・) 是非お聴き逃しなく。
3日、所用で新宿から八王子を珍しく電車で移動。訪問先で「八王子ラーメン」なんていうご当地フードがあると聞いて偶然見つけたお店を訪問。刻み玉葱を入れた醤油味のスープに細麺というスタイルは中々美味。実は海外から「こんなチェンバロ売りに出てますよ」との一報を頂き早速情報収集するとヨダレを垂らさんばかりの極上の楽器と判明。またもや楽器収集の虫が騒ぎ出すも(何台買えば気が済むのか・・・) 値段が清水の舞台から数回飛び降りても追っつかないほどイイお値段!欲しいけど買えない・・・、買えないけど人に渡したくない・・・。明日からはイヨイヨ2年振りの伊国怪僧一座の来日ツァーがスタート。純正3度も純正5度も無いながらミーントーンのテイストはしっかり残しているというスグレモノの変形ミーントーン調律法を使用しますのでお楽しみに!(こんな特殊なミーントーンでアンサンブルをするのは彼らだけ?)
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