2010春 欧州楽器探訪レポート その4 「モダンチェンバロ」
22日、2010春 欧州楽器探訪レポート・その3は 「モダンチェンバロ」。古楽が音楽界で認知された現代では前時代の遺物扱いとなっているモダンチェンバロ。大半の方が「ランドフスカが20世紀初頭にチェンバロ復興のためにピアノメーカーに依頼して作った楽器ながらオリジナル楽器を詳しく研究せず勝手に創作したチェンバロ」と思われているのでは? 古楽復興の息吹はいつ?という問題は実は中々厄介で、1850年代の万国博覧会でもう古楽復興運動は始まったようですし、メンデルスゾーンの「マタイ」復活演奏も古楽復興と言えるかも。
チェンバロ復興運動となると、1890年前後に大きな動きがあった様子。この2枚の写真は最古の近代コピー楽器という1889年パリのLouis Tomasini作のチェンバロ。外装・構造ともに驚くほどヒストリカルに忠実。120年前にもう復元楽器が作られていたとは驚き!
1890年頃にはエラールやプレイエル、ガヴォーなどのフランスのピアノメーカーも次々にヒストリカルモデルを少々アレンジした楽器を次々製作していた様子。最初はまだペダルが無い楽器もあった様子。
これも1889年のプレイエルのチェンバロ。Tomasiniと同じ時代ながらバロック調の豪華な装飾と共に複雑なペダルが装備されてます。
有名なランドフスカモデルのプレイエルは1912年の登場、その数十年前から様々な近代的なチェンバロが作られていた様子。1879年生まれ、1903年チェンバロ奏者としてデビューしたWランドフスカの登場以前に相当活発なチェンバロ復興運動が起こっていたのが判ったのも今回の大きな収穫。
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