10日、今日は横浜若葉台のホールで村原先生プロデュースの「楽器の饗宴で綴るピアノへの道」というレクチャーコンサートにフォルテピアノで出動。鍵盤楽器9台(クラヴィコード2台、チェンバロ2台、ラウテンクラヴィーア、親子ヴァージナル、フォルテピアノ、そしてホールの現代ピアノ)を4人による演奏と村原先生の解説で聴き比べという贅沢な企画。朝は沢山の楽器が一斉に搬入との事で舞台裏は大混雑。
公演は昼本番との事で9台の楽器の調律の時間配分は大丈夫?とまず「今日は私の他に調律師はだれが来られますか」とお尋ねすると「皆さん演奏家がご自分で調律なさいます」との事。(現代ピアノは調律師が楽器庫で調律されてましたが) 「舞台での調律の順番は?」と伺えば「特に決めてませんので皆さんご自由にどうぞ、リハは無しですし」との事。(ドヒャ~!) 2台のクラヴィコードを持ち込みの佐伯さんは早々に楽屋に楽器を持ち込み調律される作戦に。チェンバロやラウテンクラヴィア、親子ヴァージナルなど計5台を持ち込まれた大御所山田先生はこれまた我々の世界の大御所野村先生と分担されて調律との事。
大御所2人が調律されるとなれば若輩者の私などの調律は当然後回しに・・・。冬場の楽器には厳しい時期なのでどの楽器も調律が不安定気味、そろそろ開場時間間近ながら先生達の調律がエンドレスの様相になりそう・・・、仕方無く勇気を出して「先生、フォルテピアノの調律にスイマセンが少しだけお時間頂けますか?」と申し上げフォルテピアノを何とか10分(!)で調律。またフォルテピアノ演奏の英国在住の竹ノ内氏(彼の演奏素晴らしかった!)から「初めて弾くフォルテピアノなので少しでも触らせて」との要望で調律の合間に実際練習出来たのは何と開演10分前と休憩時間の少しのみ。(もちろんお客様の面前でした) 私の本番調律も休憩時のたった10分のみ。舞台上で2台同時調律も発生するも私のフォルテピアノは他の楽器と同時は不可能、音が小さな楽器なら「私が我慢しますから同時にどうぞ」と言えるのですが逆は出来ないなあ・・・。いやはや皆さん揃って厳しいっス。
今回私はフォルテピアノの調律のみながら、こんなに多くの鍵盤楽器の中では繊細なクラヴィコードはほとんど聴こえないのでは?という事でいつものチェンバロ用の秘密兵器を今日はクラヴィコード仕様で提供、結局前半は調律師というよりは音響屋さんでした。秘密兵器は中々効果があったようでお客様にも繊細なクラヴィコードの音色が充分届いていた様子。
16世紀から20世紀までの曲を9台の楽器で聴き比べという今までに無い企画との事で3時間という長丁場ながら満員のお客様の熱心な事!終演後の楽器見学コーナーでもほとんどの方が近くで楽器を見ようと舞台に殺到でこれまた大混雑。(どの楽器も人気でした) 私はラウテンクラヴィアなど色々な興味深い楽器を見せていただけた上に、山田先生、野村先生という大御所の方と舞台裏で様々なお話をさせていただけたのが大収穫! 皆様ご苦労様でした。このような貴重な機会を与えていただき感謝!
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