ついにベールを脱いだ!ド迫力の16fチェンバロ
10日、早朝ふいご屋氏の車に同乗していわきへ。(助手席でのドライブは何年振り?) 今日は13日本番のいわきアリオスホールの新しいチェンバロお披露目コンサートのリハーサル。朝からまだ湯気が立っている(?)生まれたてのチェンバロを丁寧に調整・調律。続けてホール所有のもう1台の1段チェンバロとポジティフオルガンもご機嫌伺い。(何と贅沢なホールだろう) ホールに珍しいチェンバロ・オルガンが入ったとの事で朝から地元ピアノ調律師の方々が見学で来訪。こちらも同業者の方を前にして緊張しながら調整&楽器説明。
記念すべきお披露目コンサートには西山まりえさんが登場。公演の前2日間で3校の地元小学校でのポジティフオルガンの出前コンサートもあるとの事。子供達が初めて見るパイプオルガンにどんな反応を見せてくれるか楽しみ。私も「謎のオルガンおじさん」(笑)として児童の前で少しお話をする事になりこれまた楽しみ。(明日はふいご屋氏がピンチヒッターですが)
13日のチェンバロお披露目コンサート、チラシを作る前に先行予約のみでチケット完売という超人気だったそう。(凄い!) 今回主役のチェンバロは日本のホール所有楽器としては初めてのヒストリカルタイプで16f付の大型ジャーマンモデル。(製作家はドイツ・ハンブルグのMatthias Kramer) バッハの活躍していた時代に作られたモデルとの事。そこで今回のお披露目コンサートは当然バッハ・プログラム、そして注目はやはりプログラム後半の「ゴールドベルグ変奏曲」。初めて聴くヒストリカル16f付きのド迫力の「ゴールドベルグ」に奏者も私も大興奮!今までに聴いた事がないダイナミックなバッハの世界が突然出現しもうビックリ仰天でした! 皆さんに是非聴いていただきたかったのにチケット完売とは本当に残念! 次のいわきアリオスでのチェンバロコンサートを是非お聴き逃しなく!(どうも4月にある様子ですよ)
この注目のチェンバロ(after Christian Zell 1728)についての製作家Kramer氏のコメントを少しご紹介。
「このモデルの楽器のオリジナルは現存していませんが、蓋だけ(大きさや角度などから16fの楽器の蓋であると判明しています。)ハンブルグの博物館に現存しています。この楽器に関しては1754年に発行された新聞の掲示板広告(楽器の売買)が残っており,それにはFleischer氏制作の楽器と書かれていますが、Fleischer氏はその30年前の1722年にはすでに亡くなっており、彼の未亡人がその後楽器製作者のZell氏と再婚し、彼の工房を引き継いだ記録もある事から、この楽器も実際のところはZell氏制作のものではないかと言われています。
バッハと16fの関係も、彼の死後ケーテンでの楽器庫リストに、16fの楽器が1台あった
と記載されています。 それとバッハ,バッハの息子たちが頻繁に出入りしコンサートなどを行なったライプチッヒのZimmermann Cafeの楽器リストにももう一台16フィートの楽器があった記録が残っています。ですから、当然バッハ自身も16fの楽器でオーケストラとの協奏曲や通奏低音などに演奏していたと、想像されます」
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