長湯ルカス音楽祭最終日
23日、長湯ルカス音楽祭も最終日。期間中初めての晴天となり早朝から温泉街の周辺を散策。近くの山に隠れキリシタンの墓石の十字架の一部が残っていると聞き訪問。看板が無ければただの石ころと見間違えてしまいそうな墓石片だが伝わってくる歴史の重みは九州ならではか。
音楽祭最後のコンサートはラムネ温泉館ラムネホール。ここは私が熱狂的ファンという藤森氏の設計によるユニークな温泉施設。焼杉の黒と漆喰の白の強烈なコントラストの壁やグニャグニャ銅板屋根など相変わらず不思議なデザインに感心。
中の温泉もまた一味違う様子。洗面台など無いシンプルな脱衣所、有名な炭酸泉は石鹸シャンプーなど不要との事で洗い場無し、ただ湯船に浸かるだけ!という大胆さ。普通の温泉とはまったく形式が違うものの結構地元の方にも観光客にも人気の様子。
今日は楽器運搬のみとの事で調律師は休業、昼間はたっぷり時間が空いたので少し遠出して阿蘇見学へ。雄大な景色の山道を快適にドライブ。
順調に阿蘇山火口下まで到着、さて火口見学と勇んで向うと火山ガスで危険なため閉鎖中との事でガックリ。そういえば毎日ガス警報情報が出されてましたね。さすが活火山、常時危険と隣り合わせですね。
諦めて引き返す直前に「まもなく警報解除」との放送が。運良く風向きが変わり火口が見えるエリアが立入可能となったので急いで猛煙立ち上る火口を見学。警報が出て無くても強烈なガスの臭いに皆さん閉口気味。それでも勇壮な火口の噴煙が凄い!
「今日はまたガス警報出そうなので急いで見て下さいよ!」とガイドに急かされての見学。実は阿蘇訪問は40年振り。昔はもっと観光客で賑わっていたような気がするのですが・・・。確かもっと火口に近寄れたはず、今はあまり火口には接近出来ないので迫力あるマグマがほとんど見れないなあ。
阿蘇の帰りに長湯温泉近くの古都「竹田」を訪問。街中に残る江戸時代の武家屋敷街などを散策。
街外れの山中に残る隠れキリシタン建立の洞窟礼拝堂。当時の布教活動の壮絶さが伝わります。
今日のコンサートは温泉館にある美術館が会場。会場には地元の方製作のチェンバロが設置されており、本編ではチェンバロの出番が無いので西山さんがコンサート前に少し演奏。今日は私はただの楽器運搬係として参上のため、他人のチェンバロには近づかず。製作家が前日(?)に来られてしっかり調律をされたとの事。
音楽祭最後のコンサートはアントネッロ3人による「笛の楽園」。藤森氏の建築特有の漆喰壁と高い天井のお蔭か素晴らしい音響。至近距離で聴くので上から降り注ぐ楽器の音色も迫力満点。たった40人で味わう何とも贅沢なコンサート。
終演後沢山の楽器を積込みすぐに東京へ向い出発。
« 長湯ルカス音楽祭3日目 | トップページ | 九州から戻りました »
「チェンバロ」カテゴリの記事
- みちのくで温泉海鮮三昧(2024.12.13)
- チェンバロ界のレジェンド登場(2024.12.12)
- 師走恒例ゴールドベルグ変奏曲(2024.12.10)
- ご機嫌伺いしてみると(2024.12.09)
- 無事帰国(2024.12.08)
チェンバロ漫遊記 に藤森照信教授の名前を発見しました。それも熱狂的ファンとか。私も長年歴史建築史研究で著書で私淑させてもらっていましたが、赤瀬川源平さんたちの町並み探検隊から、たんぽぽハウス、ニラハウス、細川陶芸工房、高過庵など実際の建築をされるようになり、実際の建物作品を見たくてうずうずしております。梅岡さんはお仕事とはいえ、ついでにばったり出会えていいですね。もちろんチェンバロの御機嫌を伺いながらですから、ごほうびですね。ベネチアビエンナーレ建築部門お里帰り展を昨年オペラシティで見ました。ハイテクを分からないように必要最小限?に使い、ロウテク、自然のテクスチャーにこだわって、見立ての発想が抜群ですね。
国立県立ものより、私立がふさわしいのでしょうか。遊び心満点で、ユーモア感覚と黒くない風刺がいいです。秋野不矩美術館に行かれましたか?近々お会いするのが楽しみになって来ました。
投稿: 胡桃庵満悦 | 2008年6月25日 (水) 22時41分